死ねばいいのに の商品レビュー
京極作品初挑戦!ミステリー好きなら京極を避けては通れぬと知りながらも、百鬼夜行シリーズに手を出すのはハマったら抜け出せないような躊躇もあり、素敵なタイトルにも引き込まれて本作品を手に取った。 アサミに関係する人物の、独白が大きなウェイトを占めているし畳み掛けるように心情を吐露し...
京極作品初挑戦!ミステリー好きなら京極を避けては通れぬと知りながらも、百鬼夜行シリーズに手を出すのはハマったら抜け出せないような躊躇もあり、素敵なタイトルにも引き込まれて本作品を手に取った。 アサミに関係する人物の、独白が大きなウェイトを占めているし畳み掛けるように心情を吐露していてエグさがあるけど、共感できるところも沢山あっちゃう。そう、あることによって読者として小説の外側から俯瞰してるにも関わらず、当事者として糾弾されるハメになる。 人間極論自分が一番可愛い。確かに十代の頃死ねばいいのにって言葉の重みに反して軽ーく発してたことを思い出した。これって冗談だからこそで、本気で目の前で言われたらやっぱり取り乱すだろうし全力で否定するんだろうな。
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ネチネチとした主人公との会話で相手方はどんどん本性を現してしまう。自分の恥部がさらけ出されるようで、嫌な気分にはなるが引き込まれて読み進んでしまう。最後のオチはもちろん明かせないけれど、意外というより「ああやっぱりなぁ」という感じ。
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「不幸とは何だろう」 人によって物差しが違うもの もちろん幸せもである。 「もう死にたい」そう思ったことは何度かある。 特に小中学校時代だ。でも、生きてる。 てことは意外と、小さな幸せとか見つけてうまくやっていたのではないだろうか。 今もそうだ。家計は火の車だし、仕事は忙しいし、でもやっぱり遊びたい。昨年作ってしまった借金で苦しい思いもある。 でも、「死にたい。不幸だ」とまでは思っていない。「自分がかわいそうだ」とも思っていない。友達と遊ぶのや、彼氏と会ったり、家族と過ごしたり、お金は使わない「小さな幸せ」で生きている。 不幸の背比べでは何も生まれない。
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殺人事件で亡くなった女について 関係者に尋ね回る、謎の若い男。 六人の口から明かされる彼女の人間模様とは。。 タイトルからももちろんのこと、 文章も物語も一貫して不気味で、かなりの衝撃でした。 辛い過去や人間関係について回想を交えながら 少しずつ事件の真相に近づいていく全六...
殺人事件で亡くなった女について 関係者に尋ね回る、謎の若い男。 六人の口から明かされる彼女の人間模様とは。。 タイトルからももちろんのこと、 文章も物語も一貫して不気味で、かなりの衝撃でした。 辛い過去や人間関係について回想を交えながら 少しずつ事件の真相に近づいていく全六篇。 態度の悪い男の軽口から出る"よく解ンねーこと"は 絶妙に納得のいかない爽快感があってかなり引き込まれました。 ー死ねばいいのに。 この言葉を胸の裡に唱えた時、 本作の"作品"としての意味を持ち合わせながら、 きっと誰かに呪われている。
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始めは「読みにくい」「ケンヤ意味不明」と思ってたが読めば読むほど、ケンヤの魅力にはまっていった。 結局お前が殺したんかーい!ってなったけど、どーもケンヤを責めれない。
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死んだ女のことを教えてくれと尋ねる態度の悪い男。 尋ねられる者たちと同じように、なんだこの男!と思いながらもぐんぐん読んでた。 ただ、読んでいる最中はそんな面白いと思わなかったかな。自分のことばかりダラダラと語る登場人物たちに辟易して…。 そして辻村深月さんの解説を読んで、あぁ...
死んだ女のことを教えてくれと尋ねる態度の悪い男。 尋ねられる者たちと同じように、なんだこの男!と思いながらもぐんぐん読んでた。 ただ、読んでいる最中はそんな面白いと思わなかったかな。自分のことばかりダラダラと語る登場人物たちに辟易して…。 そして辻村深月さんの解説を読んで、あぁ、そうか、これは面白いのかも、もう一回読んでみようか?という気になったので、次は違う視点で読みたいと思う。
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態度が悪く頭も悪そうな口調と雰囲気で、相手を完全論破するお話。正直そこまで論破出来てないけど。 「1人目」から「6人目」までの6分構成になっており、最後の「6人目」で、今までのお話を回収するのは読んでいて気持ちが良いものがある。特に「4人目」のお母さんのお話が好き。 イメージ...
態度が悪く頭も悪そうな口調と雰囲気で、相手を完全論破するお話。正直そこまで論破出来てないけど。 「1人目」から「6人目」までの6分構成になっており、最後の「6人目」で、今までのお話を回収するのは読んでいて気持ちが良いものがある。特に「4人目」のお母さんのお話が好き。 イメージとしては2010年前半辺りの厨二病に受けそう。 態度が悪いながら核心を付くスタイルに憧れる人達におすすめ。
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ものすごくいろいろな解釈ができる本だったように思う。そしてそれこそがこの本が訴えるところなのかとも思った。真実はつくられてしまうもの。せっかく感じたり見えたり聞いたりできているものを、人はすぐ都合のいいほうへ、責任が他へいくほうへ運んでいってしまう。やがてそれが悪循環となり、また...
ものすごくいろいろな解釈ができる本だったように思う。そしてそれこそがこの本が訴えるところなのかとも思った。真実はつくられてしまうもの。せっかく感じたり見えたり聞いたりできているものを、人はすぐ都合のいいほうへ、責任が他へいくほうへ運んでいってしまう。やがてそれが悪循環となり、また取り繕い、不幸は人のせい、社会のせいにしてしまう。ああ、耳が痛い。殺されたアサミはちがった。そこをすべて理解できたケンヤもまたちがった。このふたりのように生きられたらどんなにいいかと思うとともに、どんなに悲しいかとも思う。人生は悲劇だ。だから悲劇を悔やみ恨むのではなく、喜劇に変える術を身につけるのだ!(たぶんこの本でこんな感想書いてるひといないと思うが、感想は自由だ!)とにかく、ときどき気分が悪くなりそうになりながらも、ものすごく考えさせられる小説であった。すごい。
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強烈なタイトルから、発売当時から気にはなってたけどなかなか勇気が出ず…やっと読みました。年代の差か地域差か、「死ね」という言葉が人の口から出るとギョッとする。だから辻村さんの解説にもギョッとしました。…ってこれは本の感想じゃないです。本は構成が練られていて面白かった。でもついつい口撃されてる方の気持ちになってしまうのでちょっと憂鬱になってしまった。京極さんは「オジいサン」とこれだけしか読んでないけど、人の心理の書き方がおもしろいな〜。
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一人目、二人目と亜佐美に関係ある人に会っていく度に、人は一面だけじゃないということを強く感じる。見えてる部分だけでその人が形成されているわけではない。 何故かパソコンを見てる健也、もしかして頼まれて殺してあげたんじゃないか?とゾクッとする瞬間があった。でも思いもしない理由だったので迷宮に放り込まれたみたいな気分。 亜佐美の世間話や愚痴を聞いていた健也も亜佐美のことがよく分かっていない。誰に聞いても、亜佐美のことはよく分からないままだ。 自分の基準でなく人の評価でしか自分の価値を感じられないのは淋しい。 人を見下して生きるのは自分のためにもならない。 関係者達とは真逆で、亜佐美は何事も人のせいにしてこなかったし不幸でもなかった。 都合のいい解釈はしたくないけれども。
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