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死ねばいいのに の商品レビュー

3.8

215件のお客様レビュー

  1. 5つ

    47

  2. 4つ

    86

  3. 3つ

    50

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

    1

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2024/10/10

最初のうちは、何を読んでるのだろう?と、頭の中で纏まらなかったが、知らぬ間にどんどん読み進めていた。引き込まれる何かがある。読み終わると何か茫然とした。

Posted byブクログ

2024/07/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

死んだ女の、上司隣人彼氏母親警察… 「アサミの事を教えて」と尋ねてきた男に語られる話 死人に口無しという言葉のリアリティをひしひしと感じ、恐ろしくなった。 面白いのが、読んでいて犯人は誰なんだ?と推理するような気持ちにあまりならないところ。 京極夏彦ワールドに引き込まれるというか、場面を追って、言葉を咀嚼して行くうちにどんどん物語が進んでいく。 この感覚が好きなのだと、思いだした。 この世の分かりきったことなどないと意識しながら生きていこうと思う。 ケンヤが俺はバカだからなどと何回も口にする度に、何を口に出しても自分を否定されない免罪符を得ているのではないかと考えてしまった私は、もう既に作中の皆と似たような頭をしているのなもしれない。 そして、辻村深月の解説もとても良かった。 「大人に軽くいう事を禁じられた「死ねば良いのに」は、本来軽くしか言ってはいけない言葉」 という一節がとても心の残った。 まぁ、軽くとも言ってはいけないのだろうが。

Posted byブクログ

2024/05/14

読み始めは、ケンヤの話し方にムカついて、この本苦手だなぁーと思ったが、貸してくれた人の面目が立たないだろうから、無理して読み進めた。 だけど、1人目2人目と読んでるうちに、ケンヤからの問いかけでズルズルと仮面が剥がれ、押し問答の末に本性が現れていくことに、どんどん引き込まれていっ...

読み始めは、ケンヤの話し方にムカついて、この本苦手だなぁーと思ったが、貸してくれた人の面目が立たないだろうから、無理して読み進めた。 だけど、1人目2人目と読んでるうちに、ケンヤからの問いかけでズルズルと仮面が剥がれ、押し問答の末に本性が現れていくことに、どんどん引き込まれていった。巧みな文章。 自分の感情さえよく分からないのに、他人のことなんて理解できないよなぁ…。 因みに50歳間近なわたしは、不幸でもないけど、もういつ死んでもいいやと思っている。

Posted byブクログ

2024/04/06

京極夏彦の話題作、「死ねばいいのに」。タイトルが衝撃的だけれど、主人公?のケンヤの素朴な問いかによって登場人物たちが問い詰められていくのと合わせて、読者もえぐられていく、そんな作品。ヤクザ、陰湿的な嫌がらせをする女性、うだつの上がらない男性社員から警察、弁護士まで人間誰しも弱みが...

京極夏彦の話題作、「死ねばいいのに」。タイトルが衝撃的だけれど、主人公?のケンヤの素朴な問いかによって登場人物たちが問い詰められていくのと合わせて、読者もえぐられていく、そんな作品。ヤクザ、陰湿的な嫌がらせをする女性、うだつの上がらない男性社員から警察、弁護士まで人間誰しも弱みがあり、素朴な問いかけに反論することができない。それを超えていたのが、、、。 ライトな小説ながら読ませる力は強力でさすが京極夏彦という感じ。

Posted byブクログ

2024/01/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『死ねばいいのに』 舞台を見に行くため、その前に再読。 この本がミステリだと紹介されるのがずっと不思議なんだけど、この本を「犯人は誰だ?」と考えながら読む人はいないんじゃないかな。 「死んだアサミがどんな人だったのか教えてくれ」と聞くところから始まるのに、いつの間にかアサミではなく聞かれた人物自身の醜い部分が引きずり出されていく。この会話の流れは巧みだなあ。気づいたら誰もアサミの話をしていない。 「醜いのは分かってるけど辛くて苦しくて逃げられなくてどうしようもないんだどうしろっていうんだ」と訴える彼らは、「死ねばいいのに」と言われたところで死にはしない。 しかし誰よりも不幸だったのに「ヘンテコな人生だけど幸せだ。このままずっと幸せでいたいんだけど、どうしたらいいだろう」と言ったアサミは、「そんなに幸せなら、幸せでいるうちに死ねばいいのに」と言われて呆気なく死んでしまう。 『魍魎の匣』の雨宮を思い出す。 どんな環境に身を置こうとも、それを最終的に受け入れて自分を幸福な状態に持ち上げる、狂おしいまでに現実肯定の出来る人…。 雨宮は、作中で彼岸に行ってしまった(人を辞めてしまった)男として描かれているが、アサミを殺す際のケンヤは「自分が手を掛けてるのが人間じゃなくて、何かもっと凄えものみたいな気がして来て」と怯えている。 また、アサミを模したであろう1ページ目の写真には「菩薩」と文字が入れられている。アサミが京極夏彦的に"ヒトでなし"判定なのは間違いないと思う。 やはり京極夏彦オタクとしては、"ヒトでなし"概念が大好きだし、生き残ってうだうだ苦しみ続ける人間達と悟ってさっさと死んでしまったアサミとの対比を魅せる構成の美しさに感嘆する。 死んだアサミがヒトでなしとして書かれているからこそ、「死ねばいいのに」と言われても死のうとしない奴らの、浅い欲望とか、狡さとか、都合の良さとか、そういう部分が人間らしくて、人間はそれで良い、良くないかもしれないけどそれで当たり前で、それが人間だ、というのが読者への赦しでもある。 もちろん、この本の見どころは他人の吐き出す苦しみを切り捨てていくケンヤの言葉だろうと思う。 醜くて生き汚い登場人物達はみんなどこかが私と似ていて、ケンヤに説教されるたびに心が痛み、反省する。 でも、最終的に生きているのは「何も望まなかったアサミ」ではなく「醜い欲望ばかりの人々」なのだ。 人間、自分勝手な欲望ばっかり抱えてて「足るを知る」なんてなかなか出来るもんじゃないけど、本気で「足るを知る」ができると「完全な現実肯定」ができてアサミになり、それはもはや菩薩になるということなのだろう。 それは美しいことかもしれないが、もうヒトではない。 でも幸せになれるなら菩薩になりたい気もしてしまうな…。

Posted byブクログ

2024/01/21

舞台化するというので観劇前に履修。 これをどうやって舞台にするのか、愉しみで仕方無い。 タイトルのニュアンス最高でした。 何はともあれ、ワタライケンヤが好き過ぎる。ふふ。

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2023/10/21

不審死を遂げたアサミについて、話を聞いてまわる青年ケンヤ。ただアサミのことを聞きたいだけのに、誰もが自分の話しかしない。 ケンヤと彼らの会話が続くだけなのに、読む手が止まりませんでした。好みは分かれる作品かも(私はOK)。

Posted byブクログ

2023/09/27

タイトルに釣られて買いました。 物語の構成がすごく面白いと感じました。読んでいく中で、この本のタイトルの意味が変化していくところが良かったです。この物語はしっかりと伏線が回収されるし、登場人物の内面も明らかに書かれているので、後味はすっきりしていました。よかったです。

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2023/09/11

来年の舞台化に向けて、予習のために読みました。 「京極さんのお話読むの久しぶり〜。ゆっくり読むぞー」と思いつつ、気づいたら読み終わってました。。。 読めば読むほど、つかみどころのない。 むしろ、つかみたくない気になる。 会話してるのに、会話しているのを読んでいるだけなのに、どん...

来年の舞台化に向けて、予習のために読みました。 「京極さんのお話読むの久しぶり〜。ゆっくり読むぞー」と思いつつ、気づいたら読み終わってました。。。 読めば読むほど、つかみどころのない。 むしろ、つかみたくない気になる。 会話してるのに、会話しているのを読んでいるだけなのに、どんどん感情が迷子になりそうなお話。 わかったつもりでわかってない。 知ってるつもりで何も知らない。 ちょっとなんていうか、複雑な気持ちにされる読後感な一冊です。。。

Posted byブクログ

2023/09/09

個人的・夏のホラー強化月間…のつもりで読んだんだけど、これもまた違ってました。作者に対する思い込み。これを読もうと思ったのは、ダヴィンチ・プラチナ本だったっけ?氏の著作なら何でも、というファンではないから、何かきっかけがあったけど忘れた。さておき、ノンシリーズの本作、自分の読んだ...

個人的・夏のホラー強化月間…のつもりで読んだんだけど、これもまた違ってました。作者に対する思い込み。これを読もうと思ったのは、ダヴィンチ・プラチナ本だったっけ?氏の著作なら何でも、というファンではないから、何かきっかけがあったけど忘れた。さておき、ノンシリーズの本作、自分の読んだ氏の本の中ではだいぶ好きな方だった。不遜な態度を取る割にビビりな主人公とか、なんだか身につまされるようで…。でもそんな彼から発せられる言葉たちは、実に的を射ていて、本当は自分のことばかりのインタビュイーたちの化けの皮を、見事に剝がしていく。そしてこの連作インタビュー物っていう結構、だいぶ好きだな。恩田陸のQ&Aとか。

Posted byブクログ