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死ねばいいのに の商品レビュー

3.8

215件のお客様レビュー

  1. 5つ

    47

  2. 4つ

    86

  3. 3つ

    50

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

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2021/03/02

初京極夏彦。◎。他人におススメしやすい作品。ページの分厚さに尻込みしがちだけどこれはけっこう一般的な厚さ?(笑)で、しかも連作短編だから読みやすい。一人ひとりのキャラがかなり作りこんであって、同時にそれを描くのがとても上手い。 なんてったって主人公が圧倒的によくできているなあって...

初京極夏彦。◎。他人におススメしやすい作品。ページの分厚さに尻込みしがちだけどこれはけっこう一般的な厚さ?(笑)で、しかも連作短編だから読みやすい。一人ひとりのキャラがかなり作りこんであって、同時にそれを描くのがとても上手い。 なんてったって主人公が圧倒的によくできているなあって思ったけど、さすが一筋縄ではいかない作品。まあミステリ好きがミステリだと思って読んだらたぶん面白くないんだろうけど、人の奥底に巣くう闇がじんわりじんわりにじみ出てくる痛快さにページめくる手は止まんない。 個人的に今年ベスト3に入る読書でした。 超遅読の自分がたぶん3日くらいでサッと読み切れたから、けっこうハマるひとはハマると思う。

Posted byブクログ

2021/02/21

8年前くらいから何度も読んでいる作品です。 最初は図書館でハードカバーを借りたなあ…。 話の作り方が本当に上手で、ついつい読んでしまう。 タイトルは目を引くものがあるけど、内容も本当におすすめできる一冊です。

Posted byブクログ

2021/02/09

うーん、主人公のケンヤが自分のことしか考えていない近視眼的な登場人物をバッサバッサと論破していくような展開なのですが、なんとも、スッキリしない。 ケンヤは自分自身をクズと評するが、どうもクズで頭の悪いという立場を利用しているようで卑怯な感じがする。まるでそれ以上自分を攻められても...

うーん、主人公のケンヤが自分のことしか考えていない近視眼的な登場人物をバッサバッサと論破していくような展開なのですが、なんとも、スッキリしない。 ケンヤは自分自身をクズと評するが、どうもクズで頭の悪いという立場を利用しているようで卑怯な感じがする。まるでそれ以上自分を攻められても失うものはないという安全地帯から攻撃しているような気がしてならない。 問題はケンヤ以上にクズな登場人物ばかりなのですが、なんとも気分の悪くなる作品でした。それが狙いなのかもしれませんが。

Posted byブクログ

2020/10/25

全くノンシリーズだけれども、こんなにも京極先生の本質というか、『憑物落とし』を体現している本も無いと思う。事件は、解体され、言葉の羅列は感情を解きほぐし…あとにはなにも残らない。何も残らない虚無が恐い。そんな作品である。

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2020/08/25

多かれ少なかれ、環境や他人のせいにしてしまったことってあるかも。6人のような激しいものじゃないけど。でもそういう時って、もっと原因は自分にあったりする。そんなことを読んでて思った。ケンヤは最後に核心を突いてまくしたてる様が面白かった。

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2020/06/10

辛い辛いと言いながらも、じゃあ死ぬわけでもない矛盾、 執着の強さと、盲目さ。どこまでいっても自分のことだけ。 そんな人間の弱い部分を、一つの事件と関係者、そしてかなり特殊な立ち位置の主人公によって、次々浮彫にされていく作品でした。 さすが京極先生という、とても計算されつくされた...

辛い辛いと言いながらも、じゃあ死ぬわけでもない矛盾、 執着の強さと、盲目さ。どこまでいっても自分のことだけ。 そんな人間の弱い部分を、一つの事件と関係者、そしてかなり特殊な立ち位置の主人公によって、次々浮彫にされていく作品でした。 さすが京極先生という、とても計算されつくされた構成です。

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2020/06/07

衝撃的な作品。「死ねばいいのに」という言葉を向けられる人たちが、至極当たり前の人たちで、自分をごまかしながら正当化して生きているけど、身につまされることが何と多いことか。そしてケンヤが如何にそれらを自然に軽やかに崩していくのか。同じ「死ねばいいのに」という言葉が、相手や状況によっ...

衝撃的な作品。「死ねばいいのに」という言葉を向けられる人たちが、至極当たり前の人たちで、自分をごまかしながら正当化して生きているけど、身につまされることが何と多いことか。そしてケンヤが如何にそれらを自然に軽やかに崩していくのか。同じ「死ねばいいのに」という言葉が、相手や状況によって軽くあるいは泣きそうなほど重く変わるのが恐ろしい。ちなみにケンヤは豆腐小僧と似てるなと思いつつ読んだ。

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2020/05/02

この本を読むまで「死ねばいいのに」も「死にたい」も、宝くじ当たらないかなあと同じ位の軽さで心の中で呟いていた。 それくらい死というものは私からは遠くにありすぎるもので、このような本を読みでもしない限りはその存在について深く考ることもしない。 みんな誰しも不合理や不満や不平の中で生...

この本を読むまで「死ねばいいのに」も「死にたい」も、宝くじ当たらないかなあと同じ位の軽さで心の中で呟いていた。 それくらい死というものは私からは遠くにありすぎるもので、このような本を読みでもしない限りはその存在について深く考ることもしない。 みんな誰しも不合理や不満や不平の中で生きている。なんの悩みも無く生きている人間なんていない。人は時にその自分の不平や不満を通して相手を見ている。どうせこう思っているのだろう、お前には私の不幸は分からないだろうと。自分の不幸を引き合いに出し、相手の本質を見ようとせず、都合のいいように決めつける。この本に出てくる関係者もそうだろう。だから関係者が語るアサミは実体の分からない虚像なのだ。 人間の身勝手さと、今まで軽んじてきた言葉の重みを感じた。

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2020/04/28

#読了 2020.4.28 京極夏彦さん初読み。 初読みの作家さんを探してたことと、タイトルの強さに興味を持って手に取った次第。 うーん。素直に百鬼夜行シリーズ読めばよかったかなぁ。本書をどう楽しめばいいか分からず…。 登場人物の誰にも興味を持てなかった。 死んだアサミにつ...

#読了 2020.4.28 京極夏彦さん初読み。 初読みの作家さんを探してたことと、タイトルの強さに興味を持って手に取った次第。 うーん。素直に百鬼夜行シリーズ読めばよかったかなぁ。本書をどう楽しめばいいか分からず…。 登場人物の誰にも興味を持てなかった。 死んだアサミについて聞いて回る頭の悪そうな若い男。ストーリーは「一人目」「二人目」と六人目まで章が進む。 二人目からはパターンにはめた感があって途中で飽きてきたが、真相が最後には分かるのだろうと期待して読み進めた。が、ちゃんと最後には犯人やアサミについて触れてはいるものの、いまいちスッキリするような展開もなく。 「死ねばいいのに」という言葉の使い方は、一見感じる攻撃的な感じとは対照的に、「関係者」たちに親切にポジティブな気づきを与えていて良かった。 一人目、二人目と出てくる「関係者」は、皆自分の環境を不当だ、不幸だ、運が悪いと、何かのせいにして、自分以外のものを自分の価値観の中の一般論で決めつけて生きている。 そして、主人公の若い男は、俺は頭悪いだの偉くねーだの、あんたは俺よりすげえーよだの言いながら、他責に生きている「関係者」たちに向かって、一人目二人目とズバッと確信をついていく。 たぶんこのズバッと感が本来は、読んでいて気持ちのいい部分なのだと思うが、「関係者」があまりに人として興味も魅力もない上に、主人公の若い男が指摘する内容は既に「関係者」が話をしている時点で心に浮かんでるものなので、それをズバッと感出しながら説教されてもスッキリ感がなく。 それでいて、主人公の若い男も、冒頭から俺頭悪いんで、敬語知らないんで、先に謝るんで。と失礼な態度を取り続ける。なんだか「私サバサバしてるからハッキリ言っちゃうタイプなんだよね〜!ごめんね〜!」と平気で無神経なこと言う奴とか、「…自分コミュ障なんで」を言い訳に、自分からコミュニケーションとる努力を放棄して、相手からの働きかけを待つ奴みたいな。 「関係者」が言う"自分なりに頑張ってるのに評価されないのは自分のせいじゃない"って主張と、"俺頭悪いから相手をイラつかせるのはしょうがない(だから先に謝ってるし)。とにかくあんたの話はいいからアサミの話しろ"って主張は、どちらも相手の背景や感情を見てない自分勝手なかんじで、人間性としては大差ない気がしてしまった。 主人公の若い男も一生懸命勉強したり仕事したりの経験も無さそうだし、仮にも葛藤してる社会人を説教するにはあまり説得力も無かった。 ミステリー要素としては、犯人について、アサミについて触れられていく。が、これもいまいちスッキリしなかった。 最後まではっきり語られないから分からないが、唯一多少の好感が持てるのはアサミだけかも。何が幸せで、何が不幸かなんて、人に決められたくないし、分からないよね。自分の人生だもん。死ぬことまで人に促された感じがするアサミだけど、登場人物の誰よりも自分の人生を受け入れてた感じがする。 解説の辻村深月さんが言う、学生時代に心の中や学生同士の軽口で「あいつ死ねばいいのに」って気軽に使ったことある人にはドキリとさせられる部分があるのかもしれない。 本書はこうやって楽しむ人がいるのかと、解説読んでようやく理解できた。 私は「消えたい」と思ったことはあっても、「死ねばいいのに」と思ったことはないし、自分の思い通りにならないからといって、諦めきれないまま何かのせいにし続けるということは無かったから、本書の登場人物に共感することも楽しむこともできなかったのかな。 理不尽に親から怒鳴られても、何かの代表をする中で自分勝手なメンバーがいても、パワハラまがいなことを受けても、死ねばいいのにと思うほどでもないんだから恵まれてたんだと言われればそうなのかもしれないが。 (厳密に言えば、マリアビートル/伊坂幸太郎に出てくる"王子"には初めて死ねばいいのにと思ったけどw) やっぱり王道の百鬼夜行シリーズ読んでみようかな。 ◆内容(BOOK データベースより) 死んだ女のことを教えてくれないか。三箇月前、自宅マンションで何者かによって殺された鹿島亜佐美。突如現れた無礼な男が、彼女のことを私に尋ねる。私は彼女の何を知っていたというのだろう。交わらない会話の先に浮かび上がるのは、人とは思えぬほどの心の昏がり。

Posted byブクログ

2020/04/11

人は他人を見ているようで見ていない。その人その出来事によって生まれる感情の動きそれによってとった行動そして導かれた結果が残りやすいって話。その割に自分の人生を生きているようで自分で選んで生きていない。あ、割にじゃないか、論理的には合ってるのか。

Posted byブクログ