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ヘンな日本美術史 の商品レビュー

3.9

91件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    32

  3. 3つ

    19

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2014/01/30

透視図法とは異なる観点で遠近を表現していた日本の美術作品。その構造を教えてくれる。 そこに西洋から透視図法が輸入されて混乱。特に欧州の美術が発展していた時期だったために、留学生がそれぞれ新しい技法を持ち帰ったことの影響を説く。 透視図法による写実を身に付けながら浮世絵の画法も活か...

透視図法とは異なる観点で遠近を表現していた日本の美術作品。その構造を教えてくれる。 そこに西洋から透視図法が輸入されて混乱。特に欧州の美術が発展していた時期だったために、留学生がそれぞれ新しい技法を持ち帰ったことの影響を説く。 透視図法による写実を身に付けながら浮世絵の画法も活かして対比して描いた月岡芳年の話は面白かった。

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2014/01/21

 筆者の見識の深さと人柄のよさが存分に伺える本かと。  かなり前の現代アート展で作品にお会いして以来、  小さな追っかけ…というか、ただのファンです。  筆者の好みがありつつも結構有名どころの作品を抑えているのに、  ヤヴァイ。知らないぞ?という人も結構いたので、  今年は...

 筆者の見識の深さと人柄のよさが存分に伺える本かと。  かなり前の現代アート展で作品にお会いして以来、  小さな追っかけ…というか、ただのファンです。  筆者の好みがありつつも結構有名どころの作品を抑えているのに、  ヤヴァイ。知らないぞ?という人も結構いたので、  今年は…まずこの本を中心に、知らない作家さんについて学んで以降と思います。

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2014/01/03

クスクスと笑ってしまう。昔の日本人が、どういうことを考えていたか、垣間見れそうで、気持ちいい。著者の美術に対する愛に、ひきづりこまれる一冊。日本美術、とても興味深い。

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2013/12/21

*「こういう絵は面白くない」というような批判が多くて少々気分が悪くなり、私も気を付けないとな、と思った。ただ、著者自身が現役の絵描きなので、描きもしないで文句を言う批評家とは違うのです。ご自分でも「他人をくさしてばかりですみません、でも言ったことは自分に返ってくると思っているので...

*「こういう絵は面白くない」というような批判が多くて少々気分が悪くなり、私も気を付けないとな、と思った。ただ、著者自身が現役の絵描きなので、描きもしないで文句を言う批評家とは違うのです。ご自分でも「他人をくさしてばかりですみません、でも言ったことは自分に返ってくると思っているので、要するに自分への叱咤なのです」と書いている。ますます、私こそ気を付けないといけないのであった。 *著者的に好きな(または気になる)絵を時代順に紹介しているので、必ずしも「有名で代表的な名画」ばかりではない。面白い作品を色々知ることができた。 *前書きに、「時代順に並べただけで日本美術史とは、ヘンな本だな、と思ってください」という記述があって、なかなか良いコメントだと思う。実際並べただけで、後期なんとか派の影響がどうとかそういうことを語ろうとはしていないのだが、ただ、近代化(西洋化)による迷走についてはかなりこだわりがあるようで、そこんところはアツい。全ての章はそれを語るためにある、と思うと、もうじゅうぶんひとつの「日本美術史」本だと思う。 *芸術論としては、別に専門用語を使いまくってるとかそういうことはないのだが、なんとなく匂いくらいしか理解できなかった。キャッチできるだけの観賞眼が私にはなかったと思われます。

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2013/11/22

おもしろいなあ。描く人の視点というのがミソだね。山口さんのトボけ具合がたいへん好きである。六道絵がとても見たい。後世から見ああだこうだ言うのではなくて、同時代人の視点で見ることの重要性、というところに共感。

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2013/11/19

蕭白や若冲、国芳なんかは好きだけど、実際あまりよく分からない部分も多かった日本美術。コレ読んで、ちょっと見方が分かったというか、「なるほど」という感じでした。良いも悪いも自分の脳内が「写実」というものに侵されている、そんな気がした次第です。出張の機内で軽く読めた、気軽な日本美術指...

蕭白や若冲、国芳なんかは好きだけど、実際あまりよく分からない部分も多かった日本美術。コレ読んで、ちょっと見方が分かったというか、「なるほど」という感じでした。良いも悪いも自分の脳内が「写実」というものに侵されている、そんな気がした次第です。出張の機内で軽く読めた、気軽な日本美術指南書。

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2013/10/29

本屋さんで見かけて、読んでみた。 タイトルの印象から柔らかい内容かと思ったら… 真面目に解説というか絵画について語った内容だった。 勿論素人で、ところどころ解らない単語が出てくるが、こんな作品があったのか、と絵を鑑賞している気分になった。 個人的には、明治の画家 河鍋暁際斎が気に...

本屋さんで見かけて、読んでみた。 タイトルの印象から柔らかい内容かと思ったら… 真面目に解説というか絵画について語った内容だった。 勿論素人で、ところどころ解らない単語が出てくるが、こんな作品があったのか、と絵を鑑賞している気分になった。 個人的には、明治の画家 河鍋暁際斎が気になった。画集や展覧会があれば観てみたい。 あと、有名な鳥獣戯画が甲乙丙丁の4巻から構成されていたとは知らなかった。 著者の作品も是非観てみたいです。

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2013/10/28

著者は絵の好き嫌いが細かいので趣味が合わないときついが、紹介されている作品はもれなく面白く説明もわかりやすい。

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2013/10/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

透写遠近法を使った具象画は表現方法の1つであって、それのみが正しい表現方法ではない、と知る。 むしろキュービズム的な角度と大きさの心象風景を線描画で表現した日本画のほうが人間の感性により近い、という主張は、考えさせられた。内容の半分くらいは、対象の作品の実物、またはよくできた美術書でじっくり堪能してからでないと理解できないように思えたが、残り半分は大いに主張に同感できるものだった。 金箔・銀箔を使う日本画の展示会での光線具合や高さが、前提としている本来の和室での鑑賞とかけ離れていることの批判にも同感。 「ある程度上手に描けることが一般には一番評価されるのは、日本の美術教育の失敗」にも同感。 日本の教育は英語も美術も根本から間違っている。

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2013/10/25

とても好きな絵描き、山口晃氏の日本美術解説本。 氏の画風にもあった、ちょっと古式懐しい語り口調の文章は洒脱で、 読み物としての面白さはもちろんながら、絵描きからの目線、 時に制作中のご自身の迷いや、経験も交えての自戒を含めての 批評は、絵描きだけでなくものづくりに関わる人間なら...

とても好きな絵描き、山口晃氏の日本美術解説本。 氏の画風にもあった、ちょっと古式懐しい語り口調の文章は洒脱で、 読み物としての面白さはもちろんながら、絵描きからの目線、 時に制作中のご自身の迷いや、経験も交えての自戒を含めての 批評は、絵描きだけでなくものづくりに関わる人間なら 誰もが思い至るようなことも多くあり、非常に興味深く共感しながら読んだ。 個展は何度も伺うが、毎回楽しませてくれる氏の、 絵も文も、とても味わい深い。 好きな月岡芳年についての言及も、なかなか深いと思った。

Posted byブクログ