江神二郎の洞察 の商品レビュー
火村英生が出てくる作家アリスとは別の学生アリスシリーズの短編集。 『女王国の城』を手に取る前に読みたい一冊。ハードロック・ラバーズ・オンリーがとても素敵。 1つ目の短編の「現実の名探偵は人を信じることができる」というアリスの台詞が印象に残る。 大学時代がひどく恋しくなるし、無為の...
火村英生が出てくる作家アリスとは別の学生アリスシリーズの短編集。 『女王国の城』を手に取る前に読みたい一冊。ハードロック・ラバーズ・オンリーがとても素敵。 1つ目の短編の「現実の名探偵は人を信じることができる」というアリスの台詞が印象に残る。 大学時代がひどく恋しくなるし、無為の会をしたくなる。
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江神二郎シリーズ(現時点で)唯一の短編集。 これまでの長編の間を埋める感じのお話がいろいろと。。アリスが英都大学推理小説研に入部しマリアが入部してくるまでの1年間。 どの話も非常に面白かったですが、江神二郎とアリスの大晦日の一夜「除夜を歩く」がよかったですね。青春ミステリっぽさが...
江神二郎シリーズ(現時点で)唯一の短編集。 これまでの長編の間を埋める感じのお話がいろいろと。。アリスが英都大学推理小説研に入部しマリアが入部してくるまでの1年間。 どの話も非常に面白かったですが、江神二郎とアリスの大晦日の一夜「除夜を歩く」がよかったですね。青春ミステリっぽさが凡百の「青春ミステリ」よりもずっと青春ミステリ感がでていました。 現時点での最新作「女王国の城」までの間を埋める短編もそのうちでてくるのだろうか?あと数冊で完結してしまうシリーズとのことですが・・・楽しみに待っています。
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大学に入ってからの、9つの短編集。 長いものあり、短いものあり。 登場人物もサークルの人間が固定されているので 人が分かりやすかったです。 人が殺された推理ものは1つだけで 日常推理状態でした。 要所要所に、長編の事件と思わしき話をしていましたが 読んでいなくても大丈夫な流れで...
大学に入ってからの、9つの短編集。 長いものあり、短いものあり。 登場人物もサークルの人間が固定されているので 人が分かりやすかったです。 人が殺された推理ものは1つだけで 日常推理状態でした。 要所要所に、長編の事件と思わしき話をしていましたが 読んでいなくても大丈夫な流れでした。 想像しても遭遇しても一番怖いのは 開かずの間、ですが…。 いや、きっとあれは見間違い。
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その人の落とした「虚無への供物」が英都大学推理小説研究会入部のきっかけだった。大学に入学した一九八八年四月、アリスは江神二郎との偶然の出会いからEMCに入部する。江神、望月、織田とおなじみの面々が遭遇した奇妙な出来事の数々、望月の下宿でのノート盗難事件を描く「瑠璃荘事件」をはじめ...
その人の落とした「虚無への供物」が英都大学推理小説研究会入部のきっかけだった。大学に入学した一九八八年四月、アリスは江神二郎との偶然の出会いからEMCに入部する。江神、望月、織田とおなじみの面々が遭遇した奇妙な出来事の数々、望月の下宿でのノート盗難事件を描く「瑠璃荘事件」をはじめ、アリスと江神の大晦日の一夜を活写する「除夜を歩く」など全九編。 アリス入部からマリア入部まで。
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短編でさくさく読めるけどちゃんとミステリで面白かった。 特に「四分間では短すぎる」が良かったかな。 月光ゲームの後、気持ちが日常に戻り切れないところとか、 リアルでよかった。 小説の中の人物たちも毎日生活してるんだと。 そりゃそうだよね、殺人現場に居合わせたらダメージ受けるよな...
短編でさくさく読めるけどちゃんとミステリで面白かった。 特に「四分間では短すぎる」が良かったかな。 月光ゲームの後、気持ちが日常に戻り切れないところとか、 リアルでよかった。 小説の中の人物たちも毎日生活してるんだと。 そりゃそうだよね、殺人現場に居合わせたらダメージ受けるよなぁと思ったのがリアルで新鮮でした。
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江神二郎シリーズは推理小説研究会というよりは「有栖川有栖の恋の痛手を癒やす会&新たな恋を見守る会」に変わったかのよう(笑) 短編集なのでちょっと物足りないがメンバーの優しさに触れ合う一冊。
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代表的なシリーズに登場するアリスの学生時代の話。 謎めいた先輩の存在がとても印象的で、本当に面白かった。 短編集なのだけど、全体を1つの作品として楽しむ事が出来ました。(時系列が続いているので) この中に組み込まれなかった長編「月光ゲーム」も読んでみたいです。
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学生アリスシリーズの短編集。大学生の周りで起きる事件だから大がかりなトリックではなく推理合戦のロジック押し。著者の頭の中にこの人物たちが生きるパラレルワールドがかっちりできていないと書けないものも。発表時期が幅広いのに、変わらぬトーンもすごい。
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お金はないけれどたっぷりと時間があり、すぐに結論を出すよりもあれやこれや考えて意見をぶつけあって、いつまでも続くお喋りが楽しくて仕方がない。 いま思えばまぶしく懐かしい、そんな青春時代。 それを肌で感じながら、時には繊細で優しく切ない物語、時には少年探偵団のような冒険活劇等をく...
お金はないけれどたっぷりと時間があり、すぐに結論を出すよりもあれやこれや考えて意見をぶつけあって、いつまでも続くお喋りが楽しくて仕方がない。 いま思えばまぶしく懐かしい、そんな青春時代。 それを肌で感じながら、時には繊細で優しく切ない物語、時には少年探偵団のような冒険活劇等をくるんでいるオブラートであり、核でもあるミステリを味わう。 至福の時間だけれど、いつも傍にいてくれるのに誰も知らない謎を抱え、誰も考えの及ばないところにひとり軽々とたどりつく江神さんの姿は、いつもどこか切ない。すこし、叶うことのない初恋の切なさに似ている気がする。 「除夜を歩く」の新しい元号あてのロジックはさすがで、今後も通用しそう。つまりは「平成」の次は、「N」か「K」のはず?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1990年代に続けて本格推理小説を書き続けていた有栖川有栖さんの「学生アリス」シリーズ初の短編集。 著者のデビュー作「月光ゲーム」は、学生時代に読んでのめり込んだのですが、「孤島パズル」、「双頭の悪魔」と執筆されたあとは、犯罪心理学者・火村英生が探偵役をつとめる「作家アリス」シリーズが中心でなかなか続編が出ず寂しく思っていました。 「女王国の城」が2011年に出版され、ちょっと乾きは癒やされたのですが、この短編集のおかげでやっぱり好きな学生ミステリを堪能です。 この短編集は、「月光ゲーム」の事件に遭遇する前、英都大学に入学したばかりのアリスが、推理小説研究会の3人、江神、望月、織田に出会うところから、新しい年に研究会のヒロイン、有馬麻里亜が入部するまでの9つの物語が収録されています。 執筆された時期は1986年から2010年と時期にも出来にもばらつきがあり、他の長編作品と比べると殺人事件の発生しない、いわゆる「日常の謎」系の物語のためどうしてもサイドストーリー的な仕上がりですが、「学生アリス」シリーズにハマった経験のある方には必読の一冊になるものと思われます。 9編の短編のうち、「学生アリス」シリーズ好きとして一番良いなと思ったのは、大晦日に望月が書いた小説をネタにアリスと江神がやり合う「除夜を歩く」。素人が書いた探偵小説のトリックを題材に、ミステリ考察が繰り広げられ、ミステリマニアに書かれた話といった感じ。 「ミステリの世界では、トリックはロジックに優先すんぞ」という台詞についついニヤリとしてしまったり。 一般のミステリマニア向けには最後の作品「蕩尽に関する一考察」かな。 高台にある古本屋の店主が近頃おかしい。売り物の本を「只にする」といったり、レストランで居合わせた客におごったり、古本屋の土地を二束三文で売り払ったり。どうしてそんな行為に走るのか……。 シャーロック・ホームズの「赤毛連盟」のような、「不自然な行動に隠された謎」がするりと解かれるときの快感はミステリの醍醐味。 「学生アリス」シリーズは長編5作、短編集2作で完結するとのこと。完結するのはもうしばらく先でしょうが、もうちょっとたくさん読んでみたいなぁ。 そうそう、「学生アリス」シリーズの有栖川有栖が成長した姿が、「作家アリス」シリーズだと思っていたら、「学生アリス」のアリスが書く小説が「作家アリス」、「作家アリス」のアリスが書く小説が「学生アリス」という構造なんだって。知らなんだ。
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