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幕末史 の商品レビュー

4.1

101件のお客様レビュー

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    29

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2013/08/17

この著者の寺子屋講義の語り口調は非常に分かり易く、リアルで楽しい本です。昭和史も同様の本を読みましたが、それに比較してかなり古い時代であるにも拘らず、逆に知っていることが多く、新鮮さが欠けるという事は面白い皮肉ではありました。この著者は徳川慶喜、また薩長双方に関してかなり悪印象を...

この著者の寺子屋講義の語り口調は非常に分かり易く、リアルで楽しい本です。昭和史も同様の本を読みましたが、それに比較してかなり古い時代であるにも拘らず、逆に知っていることが多く、新鮮さが欠けるという事は面白い皮肉ではありました。この著者は徳川慶喜、また薩長双方に関してかなり悪印象を持っていることがあちこちから感じられます。西郷と大久保が幼馴染で親しかったとされますが、著者にかかると難しい関係ですね。西郷がむしろ木戸と心が通じたというのも面白いものです。例えば和宮が政府に宛てて書いたという嘆願書の中身から見て、和宮に関わらず大奥からの人気がなかったということはかなり高い確率でそうなのでしょう。

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2013/07/22

面白い。 500ページくらいあるんですが、一気に読めます。 もともと講座で口頭で話しているものを文章化したものなので、 ものすごく読みやすいです。 特定の人物に偏らずに幕末の時代の流れを俯瞰するのが面白い。 歴史好きとは言いつつ、大概の知識が小説に頼っているので、 知らないこ...

面白い。 500ページくらいあるんですが、一気に読めます。 もともと講座で口頭で話しているものを文章化したものなので、 ものすごく読みやすいです。 特定の人物に偏らずに幕末の時代の流れを俯瞰するのが面白い。 歴史好きとは言いつつ、大概の知識が小説に頼っているので、 知らないこともいっぱいあるし。 歴史は全般好きだけど、 幕末とか戦国とか、世の中が混沌としている時代は特に好き。 色んな人が色んなこと考えてて、まぁそれはどの時代でもそうなんだろうけど、 そういう各人の思惑や行動が歴史を動かしていく感じが強いのが、いい。

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2013/07/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読書期間:6/3-6/24(22日間) 内容:嘉永六年(一八五三)六月、ペリー率いる米艦隊が浦賀沖に出現。役人たちは周章狼狽する。やがて京の都はテロに震えだし、坂本龍馬も非業の死を遂げる。将軍慶喜は朝敵となり、江戸城は開城、戊辰戦争が起こる。新政府が樹立され、下野した西郷隆盛は西南戦争で城山の地に没す--。波乱に満ち溢れた二十五年間と歴史を動かした様々な男たちを、著者独自の切り口で、語りつくす。 感想:維新を幕府正義史観からみた幕末史の講義。現代日本に溢れる薩長史観に対して多少の疑義を投げかける。とはいえ、いい大人(私は)は薩長史観の持つ「怪しさ」をある程度理解できているはず(はず!)なので、個人的には「そこまで薩長史観を敵視しなくても分かっているつもりだよ~。分かってて維新物語を楽しんでいるよ」と思ったり思わなかったり。 自らが長州出身だからでしょうか。 ちなみに、幕府側からの物語で読了しているのは「武揚伝(佐々木譲)」」ですが、こちらは幕府側視点でありつつ、勝海舟をこきおろしていたのがなかなか面白かった名作でした。 なお、今放送中の大河ドラマ「八重の桜」も、会津視点の維新物語としてなかなかの名作です。今のところ。 脱線しましたが、「幕末史」は大人の長州人の立場としては「多少幕府正義史観に偏らせすぎだろう」と思いつつ、大いに楽しめた良作でした。

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2013/06/23

網野善彦による「日本とは何か」で着想を得た 「日本史再考」というテーマで探した1冊。 この本は明治以降の皇国史観は、薩長の下級武士による「革命」を正統化する歴史認識であったという内容である。 読み取れる作者の意図は、戊辰戦争における官軍になるか賊軍になるかという選択は、ほぼ「関...

網野善彦による「日本とは何か」で着想を得た 「日本史再考」というテーマで探した1冊。 この本は明治以降の皇国史観は、薩長の下級武士による「革命」を正統化する歴史認識であったという内容である。 読み取れる作者の意図は、戊辰戦争における官軍になるか賊軍になるかという選択は、ほぼ「関ヶ原の戦い」と同じ意味で、その後の100年を決める選択だったということ。 戊辰戦争後、明治政府から太平洋戦争までの政府首脳部や軍閥は結局、薩摩・長州・土佐の出身者ということになる。孝明天皇につくした会津藩は逆賊になり、奥州連盟に加わった東北地方も中央政権とは縁遠い存在になる。 坂本龍馬が死んで終わる熱血幕末物語でもなく、江戸・徳川幕府がなくなったところで終了してしまう幕末史でもない、迷走した明治幕府の実態を浮かび上がらせる内容にうなってしまった。 黒船の来襲から西郷の死までを描く意味は大きかった。 これを読みながら「八重の桜」を観てると、会津がかわいそうで、涙が止まらなくなる。塩野七生の「ローマ人の物語」に匹敵する時代の解読書です。

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2013/06/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

そもそも僕にとっての幕末は龍馬が死んだ時点で終わっていて、あとは鳥羽伏見の戦いも、江戸の無血開城も、五稜郭も、歴史の知識として知っていても、感慨もなく記憶にとどめているだけだった。しかし、攘夷派と開国派、佐幕派と尊王派がオセロの目のように、ころころ変わっていく背景は、どうしても理解でなかった。 さて、半藤の幕末史だけど、たいへん分かりやすくて、幕末雄藩・幕府重臣の意思形成の過程や勢力争いの様子が、子供に教えるように描かれていて、たいへん良かった。というか、もともと慶応での12回の講義を一冊の本にまとめたものらしい。半藤さん、ノモンハンの夏以来の2冊目。所謂半藤史観には、現代の保守派としては辟易とするものがあるけど、なかなかためになる一冊でした。

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2013/06/14

幕末に東軍となり朝敵になってしまった長岡藩を先祖にもつ著者の視点による幕末史。前著の昭和初期から戦後処理までを解説した昭和史も複雑な時代背景を分かりやすく読み解いた名著だが本著も複雑極まりない幕末の登場人物たちや世間の思惑を整理して解説している。

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2013/06/07

タイトル通り、幕末の時代に誰がどんな意思で動いていたかという歴史解説の講義本です。 受験勉強用で駆け足的に端折られたパートですが、この時期がどれほど重要であったかを再認識させられます。 社会人の教養としてだけでなく、社会の動乱をどう読むべきかというのを考えさせられた。 文字通り...

タイトル通り、幕末の時代に誰がどんな意思で動いていたかという歴史解説の講義本です。 受験勉強用で駆け足的に端折られたパートですが、この時期がどれほど重要であったかを再認識させられます。 社会人の教養としてだけでなく、社会の動乱をどう読むべきかというのを考えさせられた。 文字通り歴史に学べってやつなのでしょう。

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2013/04/17

従来の薩長観とは異なるとはいえ、日本史が弱い人間には取っつきやすい内容。これを足場にもうちょっと歴史物を、と当時は思い、今も思っているのだが、なかなか進まず。もうちょっと歳とると、興味がもっと出てくるはず。日本史のここらへんは面白い。

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2013/04/15

 幕末~明治初期・・・すごい時代ですね。この時代を生きた全員が小説の主人公になれるのではないかと思ってしまいます。 同時に、私のこの時代に対するいくつかの思い込みや勘違いを修正させてもらえました。

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2013/04/07

薩長史観を問い直すというスタンスで描かれている幕末史。ところどころ、半藤さんの考えや感想が入っており、読みやすい。とくに徳川慶喜の決断のなさを色濃く書いている気がしてならないが、きっと半藤さんは嫌いなんでしょう。幕末をもうい一度勉強しなおしたい方にもお勧めの一冊です。

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