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母性 の商品レビュー

3.5

303件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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2022/11/12

女には娘と母親の二種類しかない…。私はどちらなのかな、と。 そもそも、母性って何なんでしょう?そもそも、愛自体、結局は自己満足なのでは? ちょっと映画もみたくなりました。ハッピーエンドではないけども、少なくともバッドエンドではない、そんな読後感が、割に好みです。

Posted byブクログ

2022/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

母性。私がめちゃくちゃに嫌いな言葉だ。 女なら持ってて当たり前という前提が蔓延っている。 日本で無駄に神聖視され、万能とされ、それを持ち得ない女などおらず万が一欠けている様子が見られれば人にあらずというような扱いを受ける。 こんな不確かで、定義のつけられないものを女すべてが持っていると思わないでほしい。 正直、うんざりしている。 『女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。 「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。 世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。 ……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。 母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。 圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語(ミステリー)。』新潮社文庫 湊かなえの『母性』はその母性が持つグロテスクさと延々と続く呪いの連鎖を鮮明に描いていて、おぞましくてたまらなかった。 今月には映画も公開されるが、このおぞましさは映像で伝わるものだろうか。 母親の手記部分が多いので、この生の物語を感じたい人は小説を読むことをおすすめしたい。 無邪気に女性はみんな持っているはず、という思想が澱み、母親からその娘へと絡みつく蔦のようなそれの不気味な様相。 母性という言葉とその概念にどれだけ邪悪なものが込められているのか。 母性という言葉にやわらかであたたかい印象しか持たない人に読んでほしい。あなたが信仰している母性は、はたしてそんなに美しいものなのだろうか。

Posted byブクログ

2022/10/21

母と娘 これは私の課題なのかもしれません 思春期の頃から 今でも気持ちがぴったり合うことはありません 目につくと気になり 振り回されているように感じ 二人とも感情の赴くままに言葉をぶちまけしまう 仲良くしたいと思いながらも 本当は穏やかな気持ちで 子供の時のように 楽しく話を聞い...

母と娘 これは私の課題なのかもしれません 思春期の頃から 今でも気持ちがぴったり合うことはありません 目につくと気になり 振り回されているように感じ 二人とも感情の赴くままに言葉をぶちまけしまう 仲良くしたいと思いながらも 本当は穏やかな気持ちで 子供の時のように 楽しく話を聞いてやりたいと思いながら 売り言葉に買い言葉 言葉のトーンを聞きながら 自分もトーンを上げてしまう 自分勝手に思えてしまい 手をとめて聞けない私 悪循環 自分の母は無償の愛を与えてくれた 自分はボロを着てても 子供の服を買い 自分の時間もなく 姑に言い返すこともなく つらいとも痛いとも言わず ただただ愛してくれる それは伝わってて 素晴らしく 母の子供で良かったと心から思う 私こそそれが出来てないのかもしれません まずは手をとめて聞くことから始め 娘と友達の親子が言う「娘はお母さんが 好きだよ!」を肝に銘じて

Posted byブクログ

2022/10/09

主人公…難しいな、母なのか、娘なのか…母の方は神父への手記、娘は娘の回想として、同時期に家族内で起きた出来事をそれれぞれの視点から振り返る物語…母と娘の捉え方はこうまでも違うのかと感じながらも、母に愛されたい気持ちは双方ともに共通していたんだと思いました。母が娘を思う気持ちももっ...

主人公…難しいな、母なのか、娘なのか…母の方は神父への手記、娘は娘の回想として、同時期に家族内で起きた出来事をそれれぞれの視点から振り返る物語…母と娘の捉え方はこうまでも違うのかと感じながらも、母に愛されたい気持ちは双方ともに共通していたんだと思いました。母が娘を思う気持ちももっと掘り下げてほしいような…愛されたい思いばかりが際だっているような印象を受けました。とはいえ、夢中になって読む手を止められなかったし、自分の中の「母性」というものを改めて考えるきっかけにもなりました。

Posted byブクログ

2022/10/01

以前読んだけど、内容忘れたのと 映画が始まるということで再読♡ こんな内容だったかな〜と思いながら 読み進めた。 母と娘の回想、、 交わるようで交わらない、、。 相手に好かれたいと思えば思うほど お互いがしんどくなっていくのかな。

Posted byブクログ

2022/07/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

作者の作品は何冊か読んだことがあるのだが、この作品が一番読んでいて嫌な怖さを感じた。  女子高生が自宅から転落したという不吉なニュースから始まり、母親と娘の独白が交互に続く。合間に、不吉なニュースに引っかかる教師の話が少し挟まるという構成。  一番最初の母親の語りから、すでに嫌な予感がする。物腰穏やかで、ごく普通の女性の独白のようで、そうではない。やけに女性の母親(娘から見たら祖母となる)と、女性自身を同一視しているような、自分のためというよりも自分の母親のために行きているような……。なんでもない言葉の端々から、異常さを感じる。  女性は結婚し、娘を産んで母親となる。優しい祖母と、どこかおかしい母親と、その娘。その家庭は、とある不幸な事故で壊れた後にすれ違ったまま進んでいく。  ミステリーの味は薄いかな、と思った。どちらかというと、昼ドラとかに出てきそうなドロドロのストーリーだと感じた。  母と娘のすれ違いが辛いが、読み終わらないと辛いままなのでページを捲る手が止まらない。  母親の母親、つまり祖母は作中では、母視点、娘視点ともに無償の愛を与えてくれる、一見完璧な存在として描かれているが、しかし、問題のある母は、彼女が育てたのだ。完璧に見える祖母だが、母を育て上げたという点では完璧ではない。祖母が完璧に見えたからこそ、母が生まれてしまったとも言える。そこが一番怖かった。  娘は母から決別し、いずれ母になることを示唆されているが、彼女はどんな母になるのだろうか。

Posted byブクログ

2022/07/13

母性ってなんだろう?と読みながら考えていたけど、ラストに書かれている一文こそがまさに母性なのではないかと思う。 登場人物の誰一人として感情移入できなかったのに、内容も重いのに、続きが気になるのはやはり湊かなえさんの作品らしいと思った。

Posted byブクログ

2022/05/27

いやね、「母」ってものに過剰に期待しすぎなんちゃうかって。 「母」自身にも、子どもの方にしても。 この本は、ニコが思うに良き母たろうとして、もう典型的理想的「毒親」と化した母親が出てくるんだけども。もっとテキトーにやればよいのに、って思うんですよね。 それはそれとして、この本...

いやね、「母」ってものに過剰に期待しすぎなんちゃうかって。 「母」自身にも、子どもの方にしても。 この本は、ニコが思うに良き母たろうとして、もう典型的理想的「毒親」と化した母親が出てくるんだけども。もっとテキトーにやればよいのに、って思うんですよね。 それはそれとして、この本に出てくる「田所家」がクソですよね。主人公たちも田所家との同居が始まってからおかしくなっていく。姑、小姑、ロクなもんじゃない。 最後がほのかにハッピーエンドっぽかったのが救いでしょうか。

Posted byブクログ

2021/12/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

イヤミスに相応しい後味の悪さを感じる作品。  まず母だが、とんでもない毒親であることは間違えないが、その後の出来事が不憫すぎて、一概に悪い人だとは言えない。というよりも、自分の母、娘にとってのおばあちゃんに心底依存しているからこそどこか壊れてしまっている可哀想な人。 本作は母性ということで大まかに3人の母親が登場するが、思えばそのどれもが問題がある人物なのではと思わされた。義母と母に関しては言わずもだが、おばあちゃんに関しても、強烈な愛情だけ与え、とことん娘を甘やかし自立できない人間にした、ある意味毒親とも言える。しかしながら、本作に登場する母親は、誰もが親として愛情を持って接したいと考えている人物で、だからこそ責めることはできないとも思う。こういっは背景があり、所謂お嬢様として育てられた母だからこそ、あの環境には耐えられるはずもなく壊れていったのは、自身と娘との文章の食い違いから見てわかる。  次に娘だが、実に不憫な生い立ちで、だからこそ母に依存しているところが見受けられる(もちろん母ほど病的なものではないが)。その生い立ちから教師として、同じような境遇にいる人間に対して敏感なのかもしれない。余談だが、見るからに騙されていそうな律子が1番幸せな家庭を持っていそうなところが面白いところ。 この話からの学びとして、と書こうと思ったが、何か学びがあったのかと言えば、うまく言語化できない。結局のところ人間関係というものは自分本位で進むのだから、親としてのあり方や受け取り方というものは人によって異なるのだろう。そう考えれば、特段の不自由もなく、愛されて育ててくれた両親には感謝しかない。まぁ、依存しすぎは良くないけれどもね。 湊かなえらしさが出た、良い作品だった。

Posted byブクログ

2021/04/18

面白すぎて3日ぐらいで一気に読んだ。小説でこんなに泣くとは思わなくて、号泣しながら自分でも引いた。私の両親とどことなく重なる部分があって怖くなった。

Posted byブクログ