母性 の商品レビュー
面白すぎて3日ぐらいで一気に読んだ。小説でこんなに泣くとは思わなくて、号泣しながら自分でも引いた。私の両親とどことなく重なる部分があって怖くなった。
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「母性」それは生まれながらにして持っているものなのだろうかそれとも母になってから生まれるものなのだろうか 母性について考えさせられる本 ちょっとん?となってしまうところがありましたがそこが理解できるとなるほどなとスッキリします! キーワードは「愛能う(あとう)限り」
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良い意味で気味が悪いと感じました。 母 なのか 娘 なのか… 冒頭の事件を追うのかと思いきや、そうではなく 回想で物語が進みます。 誰が回想しているのか わかった時納得しました。 子供が出来たらもう一度読みたくなるのだと思います。
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「母性」という単語に惹かれて読み始めたけれど、湊かなえさんの作品は、毎度ながら、極端過ぎて、度を超えてしまっているので、どの登場人物にも一切共感を憶えない。 たまたま、角田光代さんを読んだ後だったので、尚更、そう感じてしまった。 角田光代さんの場合、登場人物の誰に対しても「気持...
「母性」という単語に惹かれて読み始めたけれど、湊かなえさんの作品は、毎度ながら、極端過ぎて、度を超えてしまっているので、どの登場人物にも一切共感を憶えない。 たまたま、角田光代さんを読んだ後だったので、尚更、そう感じてしまった。 角田光代さんの場合、登場人物の誰に対しても「気持ちは全く分からないけれど、もし自分がその立場ならどこか共感してしまうかも、私にも有り得るかも」的なものがあるのに対し、湊かなえさんは、喋り方ひとつとっても、異次元過ぎて非現実的。 それが作風なので、その癖のある味の悪さを楽しむ分にはいいのだけど。 というのも、まさに「母性」が欠如された母親役は、「私の母親」そのものであり、その母親に育てられた娘役は「私」そのものであった。 にも関わらず、物語自体に一切の共感を憶えなかったというのが、すごく残念だったのかもしれない。 女性には「母」と「娘」の二種類いる。 母になることができる女性 と、いつまでも娘であり続けたいと願う女性。 庇護されたい誰かの娘でありたいと強く願うことで、無意識のうちに母性を排除してしまう女性もいる。 私の母親は、いつまでも「娘」のまま。 私という娘の存在は、自分の母親(祖母)に認めてもらうための、コマでしかない。 常に祖母にどう思われるか、そればかりで、私のことを全然見てくれない。 娘である私の幸せよりも、祖母から愛されることを望んでいる。 それは、昔から感じていたし、今も尚、実感している。 「時は流れる。流れるからこそ、母への思いも変化する。それでも愛を求めようとするのが娘であり、自分が求めたものを我が子に捧げたいと思う気持ちが、母性なのではないだろうか。」
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母の手記で、自分は娘に愛を注いでいるのに、娘がそれに応えてくれない。私は娘にこれだけのことをしてあげてる。と自分を正当化、美化しているけど、娘の回想とではギャップがあって、暴力を奮っていることは隠しているのか、都合よく記憶をすり替えているのかそれも愛だと思っているのか…結局この母は自分に否があったということ(自分がおかあさんの1番でありたい、周りからの評価や世間体を気にしすぎて娘のことは全然分かってやれていない)ということにずっと気づかないんだろうな。 最後は少し明るい?雰囲気で終わったと思うけど、それは成長した娘のおかげだよ。 あのお父さんも暴力を振るわれてたり、同情するところもあるかもしれないけど、それにしても冷たすぎるし、結局自分だって娘から目をそらしてたんじゃないの? そして田所の家は本当に終わってたけど、最後りっちゃんがあの猿みたいだったヒデキをたこ焼き屋でバイトとして雇っているあたりが、親がどうしようもなくても、子供はちゃんと大人になるし、兄弟同士は絆があって、母性とか子供の育て方って何が正解っていうのは分からないけど、いい親いい育て方をされたから良い子が育つ、悪い親には悪い子が育つってわけではないんだよなーって改めて感じさせられた。
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母に愛される事がモチベーションとなる可哀想な女性と、愛されない悲しみから愛される事に必死な気の毒な女性。全ての女性が両方の要素を持ち合わせていて、失望したり、違う何かを得る事で成長し、母の愛を知る。それが叶わないのは死ぬ程苦しいと読みながら終始胸が苦しかった。最後には、家族が苦難...
母に愛される事がモチベーションとなる可哀想な女性と、愛されない悲しみから愛される事に必死な気の毒な女性。全ての女性が両方の要素を持ち合わせていて、失望したり、違う何かを得る事で成長し、母の愛を知る。それが叶わないのは死ぬ程苦しいと読みながら終始胸が苦しかった。最後には、家族が苦難を抱え乗り越えながら、新しい家族の形をスタートする辺りが、じーんときた。形は違えど全ての人に思い当たる感動作品だと思う!
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タイトルは「母性」だか私が一番印象に残ったものは子が母を求める欲求だった。母と娘、二人に共通していたのは母から愛されたい、認められたいという気持ちがあることだ。 ただ、それが強く芽生えた原因は正反対。母は祖母から愛情をたっぷり注がれ、もっと母に愛されたいと思った。娘は母が意識的...
タイトルは「母性」だか私が一番印象に残ったものは子が母を求める欲求だった。母と娘、二人に共通していたのは母から愛されたい、認められたいという気持ちがあることだ。 ただ、それが強く芽生えた原因は正反対。母は祖母から愛情をたっぷり注がれ、もっと母に愛されたいと思った。娘は母が意識的に自分を避けていることに気付き寂しさから、もっと母に愛されたいと思った。どちらも結果として歪んだ感情を形成してしまった。 子を持つ親として子供との関わり方を考えさせられた。母と娘、親子だが生物学上は他人。それをきっちり理解することだろう。私の娘だから○○なはず、考えていることは同じなはずとは考えずにしっかりお互いを理解し個性を尊重し合う。その上で娘が大きくなったら適度な距離感を保ち親離れ、子離れをする。 言葉では簡単だが実践出来ている家族がどれほどいるのだろうか。
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「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説です」著者入魂の、書き下ろし長編。持つものと持たないもの。欲するものと欲さないもの。二種類の女性、母と娘。高台にある美しい家。暗闇の中で求めていた無償の愛、温もり。ないけれどある、あるけれどない。私は母の分身なのだから...
「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説です」著者入魂の、書き下ろし長編。持つものと持たないもの。欲するものと欲さないもの。二種類の女性、母と娘。高台にある美しい家。暗闇の中で求めていた無償の愛、温もり。ないけれどある、あるけれどない。私は母の分身なのだから。母の願いだったから。心を込めて。私は愛能う限り、娘を大切に育ててきました──。それをめぐる記録と記憶、そして探索の物語。
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共通の時間を過ごしても、人はそれぞれに感じ方が違う、互いを見る目も違うし、使う言葉も、記憶に刻まれる深度も違う。人間はどんなに近しい人たちであれ、どんなに互いに愛情を抱き、互いに求め合っていだとしても、互いと均一な感覚を持つことはできない。 湊かなえという作家は、そうした個...
共通の時間を過ごしても、人はそれぞれに感じ方が違う、互いを見る目も違うし、使う言葉も、記憶に刻まれる深度も違う。人間はどんなに近しい人たちであれ、どんなに互いに愛情を抱き、互いに求め合っていだとしても、互いと均一な感覚を持つことはできない。 湊かなえという作家は、そうした個々の人間の心の違いや、思いのすれ違い、不理解や、寛容性の度合いの差を、画家の絵の具みたいに使い分けて作品を作るのが実に巧い。 少女の自殺関連の報道記事に始まり、その後は事件をめぐり、各章・3パートずつの人物の言葉が綴られてゆく。母、娘、そしてもう一人は誰だろう。すべて平易な会話体により綴られゆく物語は、いつもの湊かなえの手法通り。 この作家は脇役に至るまで細密な人物データを作りあげる、と聞いている。数多くのキャラクターが登場することはないものの、どの人物も確かにしっかりと、その個性が描き分けられている。まさにその辺りが湊作品の生命線と言っていいだろう。 美辞麗句で語る作家ではなく、日常的な会話で綴ることで、人と人との邂逅や別離を、心の声に聴診器を当てるようにして言葉に変えてゆく。各章には、作中人物が好きなリルケの詩の引用がなされている。本書中唯一の美辞麗句と言っていい。 母と娘がテーマの、一冊。母と息子では成り立たない。息子は一生、母にはなれないからだ。娘はいつか、自分が母になる。親子三代に渡る母と娘の関係。母娘関係の違和感や綺麗事や二面性、愛と憎悪、誤解や性格差。男のぼくがつくづく単純だと考えていた親子関係からは少し想像のできない、おそらく女性ならではの感情の移ろいのようなものが描かれてゆく。 『私のイサベル』というスウェーデン発の良質ミステリーを読んだ直後だけに(これも、3人の女性の独白体だが、会話口語ではないので、雰囲気はだいぶ異なる)、二作読んでみて、やはり思う共通点は、女性はたくましく、そして強い、ということである。本書の中に果たす男性の役割の何という不甲斐なさ! 作品は現実世界とは違うもの、と改めて信じたい。そして女性の母性というものへの正しい理解こそ、男が生きてゆくための重要な要素であると、改めて肝に銘じたい。
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う~ん・・・。”母”と”娘”の認識のずれは、気味の悪いものがある。特にこの”母”は、本当に気持ち悪い。
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