風の海 迷宮の岸 の商品レビュー
あまりにも面白すぎて困ってしまったくらい、 話の世界に夢中になりました。 続きが気になって仕方ない。 お薦めしてくれた人は、続きが気になるあまり 講談社文庫に乗り換えたらしいですが、 その気持ちはよくわかります。
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【感想】 「あなたが選んだということが大事なんですよ」 という肯定的に捕らえている人生観に好感。 「少年の初恋」と捉えて見ても楽しめる章なんでしょうね。(プラトニックな方面で。) 【引用メモ】 「麒麟が選んだ、まさにそのことが天啓なのですよ、泰麒」 - 337ページ いたらない自分がどれほど周囲の人間の心を痛めさせているか。にもかかわらず、どれほど深い愛情を注いでもらっているか。――それを考えると切ない。 - 228ページ 「景台輔は決して間違ったことを申されたわけではありますまい。ーなれど、正しい方法が必ずしも最良の方法ではないことを、学ばれる必要があらっしゃる」 - 143ページ
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泰麒が妖魔と対峙するシーンだったり、昇山してきた者に襲われるシーンだったり、盛り上げどころがしっかりしていて、読んでいてあっという間に感じました。 何も知らない麒麟が色々な人と接していくうちに悩みながら目覚めていく過程を読んでいると、親心みたいなものも沸いてくる、そんな一冊だと思...
泰麒が妖魔と対峙するシーンだったり、昇山してきた者に襲われるシーンだったり、盛り上げどころがしっかりしていて、読んでいてあっという間に感じました。 何も知らない麒麟が色々な人と接していくうちに悩みながら目覚めていく過程を読んでいると、親心みたいなものも沸いてくる、そんな一冊だと思います。
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後半の盛り上げ方はかなりうまいですね。 淡々と進む前半部分がよいバネとなって後半部を盛り立てていると思います。 妖魔と相対する場面や、終盤の重圧のかかる心理など、ポイントポイントで読み手をぐいっと引き込んでくるので思わず読みふけってしまいます。
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ざっくり言うと、前作『月の影 影の海』同様、蓬莱で育った胎果である主人公が十二国の世界へ帰ってきてあれこれ奮闘するというストーリー。 これだけを見ると、同じ設定かよ!とツッコミたくなりますが決定的に違う点が一つ。前作の中嶋陽子が慶国の王であるのに対し、高里要は戴国の麒麟であるとい...
ざっくり言うと、前作『月の影 影の海』同様、蓬莱で育った胎果である主人公が十二国の世界へ帰ってきてあれこれ奮闘するというストーリー。 これだけを見ると、同じ設定かよ!とツッコミたくなりますが決定的に違う点が一つ。前作の中嶋陽子が慶国の王であるのに対し、高里要は戴国の麒麟であるという点。 前作は王(そしてそこに暮らす民たち)から見た世界の成り立ちや仕組みが描かれていました。そして本作では麒麟から見た世界が描かれています。 麒麟がどのように誕生し、育ち、そして王を選ぶのか。 王の視点だけではなく、麒麟の視点にふれることでこのシリーズの面白さが一気に深みを増します。本作までは既刊順を飛ばさずにぜひ読んでいただきたい!
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「魔性の子」の高里(泰麒)が幼少期に1年間神隠しに合っていた時の、異界での話。 蓬莱で人の子として育ったために、麒麟として不完全であると思い悩む泰麒の姿が、とても繊細に描かれています。 のちに妖魔を使令として降したり、転変して驍宗を追うシーンなど、 徐々に麒麟としての成長が見られる分、 天啓がわからないと悩む泰麒の心が読んでいて切なく、 驍宗を王に選んでしまったと罪悪感にかられるくだりは、胸が苦しくなるほどでした。 泰王、延王、延麒、景麒で芝居を打つ場面で、 泰麒の王選びは間違っていなかったことが証明され、 泰麒の気持ちが救われたことに、 この話を読んでいて、やっと一安心できた感じです。 この何年か後の、蓬莱や慶国での出来事を既に読んでしまっているため(「魔性の子」「月の影 影の海」)、 陽子と会う前の景麒、延王、延麒を垣間見たのが楽しかったり、 再び蓬莱に行ってしまった泰麒に何故という疑問がわいたりと、 シリーズでも楽しめました。
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通勤電車で前作を読み終えてしまい、すぐに本屋に立ち寄り次を入手して帰宅。そして明日を待たずに読み終えてしまい、どうしたらいいのだ。(こればっかり。) 泰麒のいじらしさといったら。これでどうしてまた蓬莱に戻ってしまうのかが気になってしかたがない。解説者が「魔性の子」の読み方を示唆してくれたので、読み直してみたい。 そしてこの新潮文庫シリーズの次はいつなんだ!予告してくれ!
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前作ではほとんど語られることのなった麒麟のお話。 シリーズを順番に読んでいくと、いきなり、なんで戴の話?と不思議に思うかもしれないけど、 各国の王や麒麟の行動を共にすることで、十二国のことを少しずつ知ることが出来るように組み立てられている。 今作は泰麒が主人公だから、泰麒が頑張...
前作ではほとんど語られることのなった麒麟のお話。 シリーズを順番に読んでいくと、いきなり、なんで戴の話?と不思議に思うかもしれないけど、 各国の王や麒麟の行動を共にすることで、十二国のことを少しずつ知ることが出来るように組み立てられている。 今作は泰麒が主人公だから、泰麒が頑張ってるのは確かなんだけど、 一緒に景麒も奮闘中。前作、出番がほとんどなかったものね…。 説明下手はこの頃から顕著だったようで、 ただ、もうちょっと、この時に泰麒を見習ってくれれば、 後の事情が変わったのかもなぁと思わないでもない。 麒麟がしばらくは、女怪に育てられるという下りを読んだときに、 芥瑚(景麒の女怪)は今の無愛想な景麒を見て、昔は可愛かったのになぁとか思わないのかなと 考えるとおかしかった。
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前作が虚海の外の人間から見た十二国だったのですが、今回は麒麟から見た十二国の物語です。 どの世界にも馴染む事が出来ず、自分に自信の持てず、孤独と煩悶に苛まれる泰麒が、様々な出会いを経て、成長し、自分の居場所を獲得するまでの物語です。 このラストがどうして「魔性の子」につながるんだ〜〜!?
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十二国記のエピソード2「風の海 迷宮の岸」を読んだ。「魔性の子」で登場する高里の神隠しの間の物語。この巻では、麒麟の王選びの方法、キリンの姿に変身する「転変」、妖魔と契約する「折伏」について詳しく描かれている。戴国の麒麟である幼い泰麒の葛藤に眉を寄せ、それを温かく見守る女怪の汕子...
十二国記のエピソード2「風の海 迷宮の岸」を読んだ。「魔性の子」で登場する高里の神隠しの間の物語。この巻では、麒麟の王選びの方法、キリンの姿に変身する「転変」、妖魔と契約する「折伏」について詳しく描かれている。戴国の麒麟である幼い泰麒の葛藤に眉を寄せ、それを温かく見守る女怪の汕子、女仙の蓉可にホッコリし、初めての折伏シーンにハラハラした。そして泰国王の即位の儀、新しい物語がスタートしたなとニンマリ。次巻を読む前にもう一度「魔性の子」を読みたくなった!
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