箱の中 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
表題作の『箱の中』と次の話まではとても面白かったのですが、最後の話がちょっとしんどかったです。特にボーイズラブの世界(?)に持っていかなくてもいいのにとちょっと思いました。 真ん中の短編の探偵とその家族の描写が非常にうまくて共感できました。お話としてはこれが一番おもしろかったです。それから芝さんがかっこいいです。
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おもろい。 ボーイズラブ小説初めて読んだ。 全然抵抗なく読破。 ちょいちょいグロい部分もあるんだけど… なんかグロさを感じない。 そして紆余曲折あってのハッピーエンド。 へたな恋愛小説よりもスカッとする。
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ずっと読んでみたかった木原さんの作品が講談社文庫から出るということで楽しみにしていた。 読んでみて、容赦ない悲劇から始まるのにまず胃が重くなる。そしてくっきりと姿を現してくる喜多川という男。彼の直情すぎる感情に胸が詰まる。「普通って、変だよな」と言い、「何もしなくていいいんだよ」...
ずっと読んでみたかった木原さんの作品が講談社文庫から出るということで楽しみにしていた。 読んでみて、容赦ない悲劇から始まるのにまず胃が重くなる。そしてくっきりと姿を現してくる喜多川という男。彼の直情すぎる感情に胸が詰まる。「普通って、変だよな」と言い、「何もしなくていいいんだよ」と言われる喜多川が“寂しさ”を知ったのは果たして幸せだったのか。満腹を知らなければ空腹をやり過ごせたように、知らなかった頃には戻れない。 自由すら求めなかった男が求めるものが、それでもただひとりしかいないという事実に畏怖の念すら抱く。 (幸せか幸せでないかを他人が論じても意味がないとはおもいつつ、堂野と再会できなかったら喜多川はどうなってしまうのだろうとおもえば、わたしが途方にくれた子供のような気持ちになった。『檻の中』の最後、涙を流した堂野の姿にこれほど胸が締め付けられたのは、ただの傍観者でしかなくても“愛を知る”という変化にただただ圧倒されたからかもしれない。)
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BL小説は初ですが、ジャンルの括りは気にせずに読めました。 解説で三浦しをんさんが書かれているように、真実の愛が、いかに人間を救い、人の人生を豊かで深いものにするか。 この作家、木原音瀬さんの描写、読者を引き込ませる文章…とても素敵です。
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素晴らしい。 悲しみも痛みも喜びも全部詰まっていた。 読んでいて、暗くてシンドイだけじゃなく楽しめた。 人の心情が物凄く濃く描かれていて、読み応えあった。
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息詰まる物語だな。 堂野が、終盤になるまで、イマイチ曖昧な感じで感情移入しづらかった。 喜多川の一途さは、現実に考えると常軌を逸してるけど、うっかり感動してしまった。 あの愛情は受け入れてしまえば、この上もなく心地良いものなんだろうなあ。 この作家さんは、人気あるのは知ってたけ...
息詰まる物語だな。 堂野が、終盤になるまで、イマイチ曖昧な感じで感情移入しづらかった。 喜多川の一途さは、現実に考えると常軌を逸してるけど、うっかり感動してしまった。 あの愛情は受け入れてしまえば、この上もなく心地良いものなんだろうなあ。 この作家さんは、人気あるのは知ってたけど、初読み。 また、別の作品も読んでみよう。
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※このレビューにはネタバレを含みます
『箱の中』を読んだ時、まるで泥沼の中で蓮が蕾をつけるような愛を見た思いがした。しかしその蕾の何と花の咲かないことか。 続く『脆弱な詐欺師』では、喜多川が痩せ衰え、細く儚くなっていくのが目に見えるようで、誰しもがその背中に「もう諦めた方がきっと楽だ」と声を掛けたくなるだろう。しかし同時に、まだ諦めないで幸せになって欲しいと、祈らずにもいられない。 『檻の外』で二人と読者に与えられた結末は、決して手離しに喜べるものではなかった。しかしその酸鼻を極める悲しみの中で、「それでも君の家がいい」という一言は、果てしなく輝く花に見える。 三浦しをん先生の解説にあるように、『なつやすみ』がどうしても読みたくなってしまった。
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木原さんの作品は読みはじめてしまうと読み終わるまで寝られないトラップが仕掛けられている。 今まで読んだのが全部そうだった。そして寝不足ながらも翌日はずっとその作品のことばかり考えてしまうのだ……。 痴漢の冤罪で逮捕され、最高裁まで争ったために実刑を受けた堂野は、刑務所内で人間...
木原さんの作品は読みはじめてしまうと読み終わるまで寝られないトラップが仕掛けられている。 今まで読んだのが全部そうだった。そして寝不足ながらも翌日はずっとその作品のことばかり考えてしまうのだ……。 痴漢の冤罪で逮捕され、最高裁まで争ったために実刑を受けた堂野は、刑務所内で人間不信に陥り、鬱状態になってしまう。 親切に対しての見返りを恐れて心を閉ざしていた堂野に、同房の懲役である喜多川が、なにくれと世話をしてくれるようになる。今度は何を見返りに奪われるのだろうと警戒する堂野だったが、喜多川が要求したのは『ありがとう』という言葉であった。 喜多川の愛情は言ってしまえば非常に重い。子供のような男だが、その分愛の純度が高い。自分の保身を全く考えないから、逆に相手が保身を考える気持ちにも思い至れない。必死で堂野を求める姿はいじましいのだが、堂野の立場になってみればなかなか痛い。 一度冤罪で実刑を受けた平凡な男が出所後望むのは、これ以上目立たずに、妻子を持って『ふつう』に生きて行くことだろう。だが、同性愛というセクシャルマイノリティを隠そうとも考えない(と思われる)男から過剰な愛情を受けるのは、もうまったくの真逆だ。 愛を知らずに育ち、堂野への執着を捨てられない喜多川、喜多川の孤独を知りながらも、その愛を受け止める覚悟を持てない堂野、どちらの理も分かるからつらい。端から見てしまえばストーカーじみた執着かもしれないが、読めば読むほど喜多川への情が湧くのだ。読者も。 そういった意味でも読むのはしんどかったが、この作品を読むことができてよかったと思えた。 だがやはり、もっと早いうちにノベルス版を買うべきだったかな……。草間さんイラストだし収録されてない話があるみたいだし。 あ、水城せとなさんの窮鼠と俎上のテーマにも似ているなとふと思った。
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あの名作木原音瀬の、箱の中と檻の外が一緒になったのが、なんと講談社文庫で出ました〜ドンドンパフパフ−!! 表題作が入って700円なので相当お得で、しかも講談社文庫なので、こっそりBL知らない人にも薦められる大変いい感じですが、あの、2人のその後が描かれた「なつやすみ」が未...
あの名作木原音瀬の、箱の中と檻の外が一緒になったのが、なんと講談社文庫で出ました〜ドンドンパフパフ−!! 表題作が入って700円なので相当お得で、しかも講談社文庫なので、こっそりBL知らない人にも薦められる大変いい感じですが、あの、2人のその後が描かれた「なつやすみ」が未収録なので、これは布教用です。 あと表紙デザインをムシカゴグラフィクスの百足屋さんがやってます。ラノベデザインで有名なので、おっ?という感じ。三浦しをん嬢の解説もうんうんと頷いてしまいます。 ノベルス版、是非購入して下さい。こっちは布教用。
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「講談社文庫」として発売され感慨深くなりました。BLから一般向けに発信されたものって、今までなかったような…山藍紫姫子センセは角川文庫から出てますが。 とても木原センセらしい秀作が文庫化されて嬉しいし、さらに沢山の読者と共有できるということも素晴らしいです。収録されているのは「箱...
「講談社文庫」として発売され感慨深くなりました。BLから一般向けに発信されたものって、今までなかったような…山藍紫姫子センセは角川文庫から出てますが。 とても木原センセらしい秀作が文庫化されて嬉しいし、さらに沢山の読者と共有できるということも素晴らしいです。収録されているのは「箱の中」と「脆弱な詐欺師」と「檻の外」。一般受けするようになのか、BL的にはマストの「雨の日」と「なつやすみ」が入っていません。なので旧版を知らない読者はそこは想像するしかないことに。BL的にはあの番外編の収録がないなんてありえないけど、こういうのがきっと「一般向け」なんだろうなーと実感しました。 痴漢冤罪による理不尽な服役や、それによって暗転する家族の人生や、同部屋の受刑者による手酷い裏切りなど、普通に人生を送りたかった堂野に次から次へと降りかかる怒涛の不幸が痛くて痛くて、何度読んでも泣かずには読めません。まるでいいことなしの服役生活。しかし、喜多川から寄せられる愛だけは無垢で優しくて。 喜多川のむき出しの愛情に、世の中の常識に捕らわれて愛の本質を知ることがなかった堂野の心が変化していく様や、堂野を愛することによって人として目覚めていく喜多川の姿に、魂を揺さぶられます。 「脆弱な詐欺師」では、堂野を探すために自分の人生の全てを費やし、あくまでもあきらめない喜多川の執着愛に、切なく苦しくさせられます。 そして、「檻の外」ではさらに怒涛の展開。再会した二人の周囲で胸が息苦しくなるほどの愛憎が渦巻いていくのです。何度読んでも喜多川や堂野の気持ちにいつの間にか同化してしまい、愛の本質のついて一緒に悩んだり、理不尽な出来事に傷ついたり苦しんだりして、最後には号泣です。 淡々とした語り口で、夢やロマンの対極とも言える俗世間の汚さが描かれているので、痛みはハンパない。その分、生まれる愛情は深く切ない。絶妙な描写力です。 三浦しをんセンセのあとがきも共感しました。
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