つぶやきのクリーム の商品レビュー
見開き2ページで繰り広げられる「つぶやき」の数々はどれもタイトルからして目を惹くものばかり。 森博嗣という人は洞察力が深く真のインテリジェンスの持ち主でクレバーな人なのだな、と、ストンと腑に落ちるものばかりの選りすぐりのつぶやきのエッセンスがキラリと上質に光る。 全てに共感できる...
見開き2ページで繰り広げられる「つぶやき」の数々はどれもタイトルからして目を惹くものばかり。 森博嗣という人は洞察力が深く真のインテリジェンスの持ち主でクレバーな人なのだな、と、ストンと腑に落ちるものばかりの選りすぐりのつぶやきのエッセンスがキラリと上質に光る。 全てに共感できる訳ではないのですが、なるほどこの人ならでは、と思われる世界をまなざす視点と発想力にはふむふむ、と唸らされるし素直に面白い。 奥方とのやりとりが楽しいです。
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2017.4.16読了。 積ん読から引っ張り出して、何ページか読んで挫折して、3度目くらいの今回にやっと一気読みできる余裕があった。 森氏の著作としては2作目の読了になるが、1作目で感じた読みにくさが軽減された。 それは、今作がエッセイであり、著者本人が「素直に思っていること...
2017.4.16読了。 積ん読から引っ張り出して、何ページか読んで挫折して、3度目くらいの今回にやっと一気読みできる余裕があった。 森氏の著作としては2作目の読了になるが、1作目で感じた読みにくさが軽減された。 それは、今作がエッセイであり、著者本人が「素直に思っていることを書いているだけ。小説は自分の思考ではなく、登場人物の思考に基づいて表現をしているわけで、思っていることとは逆のことも書かなければならない」とはっきり書いていてくれたからである。 小説イコール著者の内面に宿るものと考えていた自分にとっては、そこが1番「世界の見え方が変わる」部分であった。 全体的にはつぶやきに対する補足の文章に多少のムラがあるように感じたが、祖父ととりとめのない会話をするような感覚で読めるエッセイ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
森博嗣の文章は、見えていること以上に内容が深いことが多いので、読むのに大変時間がかかる。 小説でもそうなのだから、エッセイなんて、こんなに薄い本でも4日くらいかかってしまった。 「身もふたもない」といわれる森博嗣の文章は、他人事として読んでいる限りは痛快なんだけれど、自分に降りかかってくると猛烈に痛い。 森博嗣自身は、他人がどう感じようとかまわないというスタンスなんだけどね。 箴言のような短い文章がまずあって、それに対する解説のような文章がついて見開き2ページで一編。それが100。 「自慢をする年寄りは、悲観する年寄りよりは長生きしてもらいたい」「人の弱みにつけ込む最たるものとは、神である」「土地に縛られているのは個人ではなく、集団である」「つぶやくだけで良い。多くの普通の人の意見とは、その程度のものか」などなど。 “常に、自分から離れ、全体を俯瞰する視線を持つことが大事で、それはやはり想像することで養われる感覚である。” しかし、周囲がみんな近視眼的になっているときに、ひとり全体を俯瞰しても、なかなか真意が伝わらないのよね。 たとえアウェイでも自分の視点を持ちつづけることができるか。 それが問われているのだな。 “いずれにしても、それというのも、経済というものが「発展」しか知らないからである。発展しないのは「悪」だ、と経済は教えている。どうしてそんなふうに考えるのかといえば、経済の中で、仕事もせず楽をして稼いでいる人たちがいるからだ。こういう人たちが経済を動かし、政治を動かしている。 エネルギィの問題は、科学技術とかではなく、経済という「人間の欲」に根元がある。少し離れてみれば、「楽して儲けさせてくれよ」という王様のような人たちが、「少子化は悪い」「増税は悪い」「太陽光発電は正義だ」などと、いろいろ大衆の耳元でささやく場面があちらこちらにある。” 経済について語る森博嗣。なかなかレアでは。 “偉そうな口調で文章を書く人は多い。本人はそのつもりはなくても、いつの間にかそういう表現になっている。それは、その人が自分の言葉ではなく、誰か本当に偉い人の文章、偉い人の物言いを真似しているから、そうなのである。その偉い人には、その人なりのバックグラウンドがあったわけだが、普通の人にはそれがない。したがって、口調は勇ましいのに、手応えがないことがたちまち見抜かれる。足許が覚束ない不安定感が支配的なのだ。” ブログについて。耳が痛い。 “面白い映画を観たり、好きな小説を読んだり、というような感動を求める趣味も、考えてみたら同じだ。自分に変化はなくても良い、その一時が楽しければ良い、というわけである。悪くはない、それもありかもしれない。” 偉い人の話を聞いて納得しても、自分が偉くなったわけではない、と。 知らず知らず、勘違いしちゃうものなのかなあ。 気をつけよう。 映画や小説から何かを得ることはあると思うけど、森博嗣はきっと、「その程度で変わる自分なのか?」と畳み掛けてくるだろう。 常に自問。 ずーっと自問。
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森博嗣さんによるエッセイ。赤裸々な表現で、様々なことが2ページで語られていきます。鋭い洞察というか・・・これはぜひとも参考にしたいと思える表現がいくつか見つかったので、良かった。
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『すべてがFになる』だけ読んだことがあるのですが、あの作品が好きだったのでエッセイもと購入。理系ながらも芸術的なイメージがある人がでした。 読んでみると、エッセイもTHE理系!考えが何とも合理的で、ズバズバ言う人でした。理論的に話をする人は好きなので、共感できることも多々ありましたが、人口は減らした方がいいとか、けっこう極端な考えも。 こういう人が身近にいたら、こんなに合理的にはできないけど、ちょっと面白いだろうなぁ。私ももう少し考える力を付けたい。
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森博嗣の呟きを集めたもの。共感できるもの/できないものありますが、今まで考えたこともない視点で書かれているので興味深いです。特に何か為になるわけではないですが、呟きとして見れば極上です。「飲むヨーグルトって、歩く辞書とは少し違う」「没個性の理由、それは一流よりも二流が多いからであ...
森博嗣の呟きを集めたもの。共感できるもの/できないものありますが、今まで考えたこともない視点で書かれているので興味深いです。特に何か為になるわけではないですが、呟きとして見れば極上です。「飲むヨーグルトって、歩く辞書とは少し違う」「没個性の理由、それは一流よりも二流が多いからである」等、100個の呟きを収録。
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不覚にも、読みかけの『地球儀のスライス』を家に忘れてしまったノー残業デー…手持無沙汰を紛らわすためにBookoff守谷松前店に寄って、急遽購入した『つぶやきのクリーム』… 森先生のつぶやきは、確かに『臨機応答・変問自在』などに比べると、マイルドになっているようですが、クリー...
不覚にも、読みかけの『地球儀のスライス』を家に忘れてしまったノー残業デー…手持無沙汰を紛らわすためにBookoff守谷松前店に寄って、急遽購入した『つぶやきのクリーム』… 森先生のつぶやきは、確かに『臨機応答・変問自在』などに比べると、マイルドになっているようですが、クリームと表現するには滑らかさが足らない感じもします(クリームなのにコクとキレがある)。しかし、良く泡立てられていて美味(いつになく凡人にも解りやすい表現)なのは事実で、是非、諏訪野が淹れてくれたコーヒーにトッピングして味わいたい香りでした。 まえがきの中で「呟くとき普段から気をつけているのは、やはり“抽象性の高さ”だ。」と仰っていますが、そのような森先生の意識が(森先生は意図していないのでしょうが)読者を引き付けて離さないのだと思います。 人間に生まれてきたからには、できるだけ自分の頭で考えないと…という気持ちになります。 森先生の思考に触れたおかげで、S&Mシリーズに続くVシリーズも、より理解しやすくなりそうです。 そういえば、苫米地秀人先生の『心の操縦術 (PHP文庫)』でも、抽象性の高さが重要であることが書かれていました。
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久々の森博詞。S&Mシリーズしか読んだことがないので初エッセイです。これがエッセイなのかはわからないですが(^_^;) 森博嗣節全開でした。あー、そうだった、この爽快感!大好きです。つまんない悩みはふきとびました。
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クリームシリーズ、第一作。森イズム?満載のエッセイ集。近くにいたら絶対友達になりたくないなぁ、と改めて思いました^^; 一言でいえば“イヤなやつ” それはホントのことしか綴っていないから。幾つか気になるものから一番心に来たものを引用しておきます。
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とてもシンプルで人生の教訓となりそうな事が書かれている、にも関わらず、若干押しつけがましい文体が全体の印象をガッツリ盛り下げてしまうのがかなり残念。 「私が正しい」と言う書き方ではない、もっと別の表現方法があったのかも。 あくまで森氏の主観・・・と言う執筆者の姿勢をむしろ通してく...
とてもシンプルで人生の教訓となりそうな事が書かれている、にも関わらず、若干押しつけがましい文体が全体の印象をガッツリ盛り下げてしまうのがかなり残念。 「私が正しい」と言う書き方ではない、もっと別の表現方法があったのかも。 あくまで森氏の主観・・・と言う執筆者の姿勢をむしろ通してくれた方が、説得力が倍増したのではないかとも思う。 説教がましさがかえって書籍全体の印象を悪化させてしまった、サンプルのような本。 逆に自分がエッセイを書く時の、良き反面教師となってくれそうだけど(笑)。
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