ナモナキラクエン の商品レビュー
母親の違う4人の兄弟が父親が亡くなったことをきっかけに、それぞれの母親に会いに行く。 登場人物がみな良い人で、いい意味でぽわーんとしているので読後感が良い。
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★2014年10月19日読了『ナモナキラクエン』小路幸也著 評価A+ あまり期待せずに読み始めたのだが、これが私には大当たり。最近読んでいる東京バンドワゴンシリーズのように、寅さんっぽくなく、舞台が湘南海岸沿いということもあるのか、さらりとして爽やかな感じのふわっとした物語。東京バンドワゴンがごま油なら、これは、オリーブオイルって感じかな。 海辺に住むもう引退生活を送っているような向井志郎(50代父)。ほわっとした男子、工学部2年生の山(サン)。女子高校生でめちゃしっかりした美人の紫(ユカリ)。男子中学生で芸術的才能に恵まれた水(スイ)。まだ小学生の明(メイ)。5人家族と日々通いで家の食事をはじめ家事全般を担ってくれる朝美さん。 サンの彼女、桜井はるか は最近知り合ったサンと同じ大学の経済学部の1年生。 ある日突然、父は台所で倒れ、脳卒中で他界する。 実は、4人の山紫水明はそれぞれ母が異なる異母兄弟。長男のサンは、4人の母が次々と家を出て行くつらい体験を持っており、自分の大切な人が去って行ってしまうことに恐れを抱いていた。しかし、今回は泣き言は言っていられない。父は、自分の死後の準備は万端にしており、遺言状を残していた。その中には、生き別れている母4人と皆が望むなら、会いに行っても良いそれは自分たちで決めよと書いていた。 そして、それぞれが、自分の母に、向井志郎が死んだことを伝えに行き、対面してくる。 その後に分かる驚きの事実。父がいつも言っていた楽園を作りたいと言っていたその意味とは、、、 この物語のお父さんがめちゃかっこいい生き方を教えている。とても足下にも及ばないが、でも見習いたい。 この作品には心に響くいくつもの台詞があった。こんなに気の利いたセリフ、感情を表現する文章、久しぶりに読後にその余韻を楽しめた作品でした。それほど、他の読者の評価はめちゃ高いわけではないから、私の心の琴線にたまたま響いたのでしょう。読んでよかった。幸せな若い時代をもう一つ過ごせたような気がする。 以下、気に入ったセリフを書き留めておく。 P19 何かを目指すのならそれは自分の力で目指さなきゃ成らない。他人の助けをあてにする時点それはダメになっていく。でももし、自分の傍らに理解してくれる人がいたなら、それは自分で張った帆に力を与えてくれるだろう。 P28 大切な人を傍に置きたくない。いなくなってしまうときの苦い思いを僕は十二分に味わってきたから、分かっているから。 P35迷って誰かに相談するのなら、朝美ちゃんかハマに相談してもいい。ただし、結論だけは自分たちだけで出せ。意見が分かれたのなら、それぞれが思うとおりにしろ。それが一番後悔しない方法だ。 P42生き物は皆この海から生まれてきたんだ。こんな大きなお母さんが近くにいて良かったな。 P50 この手紙を読んでいるということは、俺はもうこの世にいないということだろう。先に逝っちまって済まない。最後までお前たちの面倒を見たいという気持ちもあるんだが、それはまあ無理だろう。だから、この手紙を書いておく。 P239 背伸びをする必要はない。そして世の中に、世間のいろんなものに無理に合わせようとする必要もない。それが必要だと思えばすればいいし、自分たちに必要ないと思ったのなら、しなくてもいい。いつも父さんが言っていたことだ。<ただし、それには責任というものが、覚悟というものがついてまわる> P244涙じゃない。人の止めようのない感情を身体全体で受け止めると言うことは、そういうことなんだなって初めてわかった。 P248背中を、後ろを見て、時には皆に背中を向けられる人間にならなきゃいけないと思うんだ。僕が。
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母親が違う兄妹4人が父親の死後 母親に会いに行き父親の作りたかったラクエンの意味を知ることになる。とても重い話なのだが 読後感はさわやかでホッコリとしました。
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不思議な事に、小路さんの言葉は水の如くに身体に染みてくる。 サンの思考が違和感なく共感出来てしまう!と言うよりも小路さんの思考がシンクロして素直に受け入れられる! こんな家族が生活できて、伸び伸びと子供たちは成長出来るものか? 今の世の中にシンパシーを感じあえる人と出会うことの難...
不思議な事に、小路さんの言葉は水の如くに身体に染みてくる。 サンの思考が違和感なく共感出来てしまう!と言うよりも小路さんの思考がシンクロして素直に受け入れられる! こんな家族が生活できて、伸び伸びと子供たちは成長出来るものか? 今の世の中にシンパシーを感じあえる人と出会うことの難しさは有るものの、人と人の繋がりを大切にする作家ならではの作品です。
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これぞ小路幸也さん って感じのお話 愛しさと切なさと心強さ満載の。(笑 ■ ■ ■ ■ ■ ただ、ほんの少し感じる違和感みたいのは 私がフツーにフツーの母親をやってるからでしょね。
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「楽園の話を、聞いてくれないか」 その言葉を最後に、突然死んでしまった父。残されたのは、全員母親の違う四人の兄妹。 彼らは、それぞれの自分の母親に会いに行くことにする。 ひと夏の親子の物語。 表紙のイラストがほんわかと可愛らしいい感じ。 母親の違う四人の兄妹。しかも、その母親たちはいずれも、子どもが物心がつく前に家を出ているという特殊な家庭。本人たちは基本的には幸せだとい言うけれど、やはり惹かれる相手も何かしら抱えた人というのが少し気がかりになる。特に一番普通っぽい長男は、母親となった人に四回も捨てられるという意識が多大な影響を与えられていると思う。まあ、両親が揃っていれば良いってもんでもないし、彼らの場合はお父さんはもちろん(個性的ではあるけれど)周りの人からも愛情を注いでもらっていると感じられているので大丈夫そうだけれど。 以下、ネタばれ含みます。 でも一番抱えていたのはやっぱりお父さんだった。兄弟の名前も種明かしと同じ理由で最初に引っかかりを感じたし、途中そうかな?と思わせる件もあったので、ラストでもやっぱりなという感じではあったけど。彼が自分の子どもを持たなかったのはわざとなんだろうかとか思ってしまった。一人だけ実子となるのを気遣ったのか、それとも自分の過去から本当の親となるのを恐れたのかとかね。そんなことを考えてしまうと、やはり辛い話ではあったな。
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四人の異母兄弟が 父の死をきっかけに 自分の母親に会いに行く。 それぞれの母親と父の関係。 結婚と離婚を繰り返しているにも 関わらず、かつて肉体関係を もったことのある父と その子ども達をずっと世話してくれる 独身の家政婦さんとの関係。 そして父が追い求めた 「楽園」とはい...
四人の異母兄弟が 父の死をきっかけに 自分の母親に会いに行く。 それぞれの母親と父の関係。 結婚と離婚を繰り返しているにも 関わらず、かつて肉体関係を もったことのある父と その子ども達をずっと世話してくれる 独身の家政婦さんとの関係。 そして父が追い求めた 「楽園」とはいったい?? そんな謎を解き明かすための旅。 全部 読んだあとに その答えがぼんやりと分かるのかな? 読者の想像次第なのかもしれません。
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できるだけ自宅から通えるようにしたいとは考えているだろうけど、何もかも自分の希望通りに行くとは限らない。 背伸びする必要はない。そして世の中に、世間のいろんなものに無理に合わせようとする必要はない。
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愛情というのを噛みしめながら読み終えた。最近、親をみるにつけ、兄弟に会うにつけ、もちろん妻、娘と過ごしていると、家族愛というか絆というものを強く感じ、本当に幸せだなと思っている。その反面、この幸せがいつかするりとすり抜けてしまうんじゃないかと、不安も常につきまとっている。特に、親...
愛情というのを噛みしめながら読み終えた。最近、親をみるにつけ、兄弟に会うにつけ、もちろん妻、娘と過ごしていると、家族愛というか絆というものを強く感じ、本当に幸せだなと思っている。その反面、この幸せがいつかするりとすり抜けてしまうんじゃないかと、不安も常につきまとっている。特に、親がいつまでもいないと考えるのは怖い。 今の幸せがいつまでも続き、それが次へと伝わって行くように、受けた以上の愛情を降り注いでいこう。ラクエンをいつまでも大切にしよう。
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信頼し合う繋がりの温かさを感じる。血縁がなくても、なのかな。 4兄妹を、頑張れ!とつい応援したくなる。 “ 恨むことは前へ進むエネルギーを奪う " は名言と思う。
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