神様のカルテ(3) の商品レビュー
" 正解はない。それが医療というものの難しさであろう。" " 医者っていう仕事はね、無知であることがすなわち悪なの。" 『神様のカルテ3』はエンターテイメントではなかった。 映画化されたタイミングも考慮にあったのかわからないが、読者に対...
" 正解はない。それが医療というものの難しさであろう。" " 医者っていう仕事はね、無知であることがすなわち悪なの。" 『神様のカルテ3』はエンターテイメントではなかった。 映画化されたタイミングも考慮にあったのかわからないが、読者に対して、背筋を伸ばしたくなる問いかけをこれでもかと突きつけてきた。 ” 正解はない ” だからこそ、対峙している相手に対して、対峙している時に対して、今立っている場所を考え、” 自分と向き合い ” 納得のゆく解を出さなくてはいけない。 命を預かる医者はまさに厳しい解を求められる。 医者でなくとも、そうであるはず。 冒頭にたびたび出てくる以心伝心の風景に安らぎを感じた。 以心伝心という高コンテキストを共有しない前提に立たねばならないビジネスの場におく身において、小説の中で展開される風景に懐かしさを感じた。 しかし”正解はない”世界では、以心伝心に逃げちゃいけない、知らない中で出した決断によって致命的な影響を相手に与えてはいけない。 そんなことを小説後半に考えさせてくれた。 「第五話 宴」胸が熱くなった。 想いを強く持ちなおした。 目指す姿を追い求める原点を振り返ることができた小説でした。 そして改めて以心伝心で伝わる人間関係を築くことの大切さも感じさせる小説でした。 やるべきこと、やりたいこと、できること。 続けよう。
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2013.5.30 読了 シリーズ3作目 今回も優しくて暖かく、そして深い内容でした。 出会いがあれば別れもあり、辛い事もあればもちろん喜びもある。 さすがの栗原先生も凹んでしまう事が起きるが、そこは榛名姫や本庄病院の暖かな仲間たちに支えられ、乗り越えていく様はある意味羨ましく...
2013.5.30 読了 シリーズ3作目 今回も優しくて暖かく、そして深い内容でした。 出会いがあれば別れもあり、辛い事もあればもちろん喜びもある。 さすがの栗原先生も凹んでしまう事が起きるが、そこは榛名姫や本庄病院の暖かな仲間たちに支えられ、乗り越えていく様はある意味羨ましく思えた。 屋久島のお話がちらっと出て嬉しかったのと、コーヒーや日本酒がやたら美味しそうだった。砂山ブレンドは勘弁だな(^_^;) 今回はそんなに泣くほどでもないな…と思っていたが、大狸先生の「ちょいともう一杯付き合わねえかい。」以降で(T_T) あと、個人的には「腹が減ったぞ、クリハラ」と口の悪いツネさんが憎めないというか、可愛いい(^-^) 新しいスタートはどんな事が待ち受けているやら、期待せずにはいられない。
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美しい信州の情景を背景に、切磋琢磨する仲間と、温かい夫婦の絆に支えられながら、命を預かる仕事の重みに対して、改めて真摯に向き合う覚悟をつきつけられる、青年医師・栗原一止に訪れた、最大の転機 というわけで、林檎の銘柄を知り尽くす女医小幡先生にボコボコにされて、凹む彼。細君に励まさ...
美しい信州の情景を背景に、切磋琢磨する仲間と、温かい夫婦の絆に支えられながら、命を預かる仕事の重みに対して、改めて真摯に向き合う覚悟をつきつけられる、青年医師・栗原一止に訪れた、最大の転機 というわけで、林檎の銘柄を知り尽くす女医小幡先生にボコボコにされて、凹む彼。細君に励まされながら、自分の職責について真摯に考えることになるのですが…… もちろん今回も、細君は素敵過ぎる一言で、彼を救うのです。 (そして、これを読んだ殿方は、自分の嫁に振り向いて文句を言うのですヨ……、ええ、言われましたとモ!) http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-2805.html
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シリーズ1,2を読んでから大分間が開いたので、以前のエピソードが織り込まれてるのはわかっても、内容をよく思い出せなかったりしてもどかしかった。けど、そうそう!この大好きな空気感!信州松本平の本庄病院勤務医であり古典文学好きで言葉遣いが古風な栗原一止先生と、その妻でプロカメラマンの...
シリーズ1,2を読んでから大分間が開いたので、以前のエピソードが織り込まれてるのはわかっても、内容をよく思い出せなかったりしてもどかしかった。けど、そうそう!この大好きな空気感!信州松本平の本庄病院勤務医であり古典文学好きで言葉遣いが古風な栗原一止先生と、その妻でプロカメラマンの榛名姫ことハルさん、夫妻が居住する「御嶽荘」の個性あふれる住民、大狸先生他病院の同僚たち、および、今回新しく加わったちょっと謎な女医先生等々、登場人物を思い出すにつれ、どんどん、物語の雰囲気に引き込まれていった。次回作もぜひ読ませていただきます。
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再読。一止が下した大きな決断。やっぱり、ハルさんが素敵。 深く温かく一止包む。自分をしっかり持ちながら。
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1、2同様、心が洗われるというか 気持ちがすごく穏やかになれる作品。 全ての登場人物が魅力的で 優しい優しい物語です。 今回は、主人公の栗原一止よりも、 一止の周りの人たちが中心となった話が多く 東西さんファンの私は、ちょっとドキドキしました。 東西さんの今の恋が...
1、2同様、心が洗われるというか 気持ちがすごく穏やかになれる作品。 全ての登場人物が魅力的で 優しい優しい物語です。 今回は、主人公の栗原一止よりも、 一止の周りの人たちが中心となった話が多く 東西さんファンの私は、ちょっとドキドキしました。 東西さんの今の恋が叶わない事はわかっていても どうにかならないものかと、本を読みながら一人悶々としていました。 結局、一止は東西さんの気持ちに気づいていたのかな? その辺りをはっきりさせないところが、この作品のいいところ。 夏川さんの文章は、本当に個性的で おそらく主人公の一止だけではなく、夏川さん自身が 夏目漱石を愛しているのだろうなと感じます。 とにかく信州の情景描写が素晴らしく 一止やハルが見ている景色を、実際に見てみたくなります。 そして表現方法もユニークで私好み。 例えば・・・ 一止が自分の頭痛を表現する際 ---以下抜粋--- 頭痛。 この傍若無人な我が友は、今朝も私の頭の中に乱入してきて 好き勝手に暴れまわっている。 私としては、この不埒な友人を招き入れるつもりは毛頭ないのだが 彼は私の頭蓋骨の合鍵でも持っているかのように いつでも平然と、土足で上がりこんできて脳内に居座るのだ。 と表現。 一言で言ってしまえば「頭痛がする」とだけのことが 夏川さんの文才にて、こんなに頭痛という文字が変化することに、感動してしまいます。 「人生とは言葉ではない。歩みである。」 胸に染みます。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
このシリーズには安心感がある。絶対に裏切らない優しさと信頼感が心地よい。いつまで続くか分からないシリーズではあるが、ずっと読み続けていたい。あと、東西にはぜひ幸せになってもらいたい。
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医者という仕事がどれだけ過酷で、重要な仕事であるかを再確認させてもらうシリーズ。実際の医療の現場はわかりませんが、少し近づくことはできるのかな。こんなお医者さんにかかってお世話になりたいと思いますが、日本の医療制度に少し不安も覚えるような。。そして、人間関係は大切。
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以前酷評して御免なさい、1よりも2が、2よりも3がいいなんて。1,2とも淡々と本庄病院の日常を描きながら、一生懸命患者と向き合う事が正しい事、それが患者の幸せに繋がる・・・と言ういささか青臭い小説だったのに、それをぶち壊してしまいました。小幡先生という格好の敵役を得て俄然話に深み...
以前酷評して御免なさい、1よりも2が、2よりも3がいいなんて。1,2とも淡々と本庄病院の日常を描きながら、一生懸命患者と向き合う事が正しい事、それが患者の幸せに繋がる・・・と言ういささか青臭い小説だったのに、それをぶち壊してしまいました。小幡先生という格好の敵役を得て俄然話に深みが増しましたね。第1話から第4話が全部第5話の伏線になっているんです。そして第5話の読み応えのあること! 「治療は投資信託じゃないんですよ、事務長」 「同じ患者が百人来ても、百人とも手術です」 「やめねえか、小僧」 「あんたは、いい医者になる。しっかり頼むぜ」 今書いてみても別に名セリフでは無いのに文脈の中では格別なセリフになってしまう、もう滂沱の涙です。 そして最後のエピローグがまた暖かい、こんなに好い嫁さんはこの世にはきっと存在しません。百人の妻帯者がいたら百人とも言うでしょう。あぁ榛名姫に会いたい!
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一止の成長。 外村看護師や、東西看護師の人となり。 次郎や辰医師との友情。 小幡女医のかっこよさ。 御嶽荘の住人の変化。 ハルさんの可愛い妻ぶり。 患者の、横田さんや、島内さんの生き方。 どれもこれも、いい。 そして、終盤の大狸先生との一献では、思わず泣いて...
一止の成長。 外村看護師や、東西看護師の人となり。 次郎や辰医師との友情。 小幡女医のかっこよさ。 御嶽荘の住人の変化。 ハルさんの可愛い妻ぶり。 患者の、横田さんや、島内さんの生き方。 どれもこれも、いい。 そして、終盤の大狸先生との一献では、思わず泣いてしまいました。 紅白歌合戦の場面で、「嵐」登場には、笑ってしまいました。
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