獣の奏者(4) の商品レビュー
『獣の奏者 Ⅳ 完結編』読了。 息する間も無く読み終わってしまった。何かで結末を知ってしまったからお願い死なないでってすごく願いながら読んだな。 人は愚かだ。欲深い生き物で欲を満たすために残酷なことを平気でする。 その一方で人は考える生き物で必死に希望の光を見...
『獣の奏者 Ⅳ 完結編』読了。 息する間も無く読み終わってしまった。何かで結末を知ってしまったからお願い死なないでってすごく願いながら読んだな。 人は愚かだ。欲深い生き物で欲を満たすために残酷なことを平気でする。 その一方で人は考える生き物で必死に希望の光を見つよけうとしていた。 登場人物たちが愛おしく感じたな…みんな一生懸命でいいほうへいいほうへ考え知ろうとしていた。 そして知ったことを後世へ伝えるためにいろんな手段を用いようしていた。 諦めない、その姿勢。なんか、カッコいいな… どんな結末でも、生き抜いた主人公がカッコよかった。 やっと、獣の奏者を全部読むことができて非常に満足…あとは外伝を読むだけ… すごく3巻4巻読むまでに時間がかかってしまったけど…シリーズものを読むにあんまり間をあけない方がいいなって思ったわ。忘れるから。 2020.8.23 (1回目)
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完結編。 一気読みした4冊。 あー、終わった。。。というのが感想。 強烈な運命を背負ったエリンと真王の生涯を全編通して見守ったと共に、今の世の中にとっても大事なことを口伝している書。という印象。 口伝というと、この物語がさも、本物のように思える言葉だが、形を変えた口伝なんだ...
完結編。 一気読みした4冊。 あー、終わった。。。というのが感想。 強烈な運命を背負ったエリンと真王の生涯を全編通して見守ったと共に、今の世の中にとっても大事なことを口伝している書。という印象。 口伝というと、この物語がさも、本物のように思える言葉だが、形を変えた口伝なんだと思った。 『人は、知れば、考える。多くの人がいて、それぞれが、それぞれの思いで考えつづけてる。一人が死んでも、別の人が、新たな道を探していく。人という生き物の群れは、そうやって長い年月を、なんとか生きつづけてきた。(略)知らねば、道は探せない。自分たちが、なぜこんな災いを引き起こしたのか、人という生き物は、どういうふうに愚かなのか、どんなことを考え、どうしてこう動いてしまうのか、そういうことを考えて、考えて、考え抜いた果てにしか、ほんとうに意味のある道は、見えてこない…。』(496頁) 人間は学ぶ生き物であるべきで、その学びを糧に災いを起こさないように考えなくてはいけない生き物。 人間は、この地球上で、自分たちが一番の偉いと勘違いし、どんな生物も意のままに操ることができると自惚れている生き物。 過去に学び、自分たちが地球上で生かされているだけだということを学ぶべきなんだろう。 と、読み終わって強く感じる。 ファンタジーなのに、ファンタジーじゃない。 不思議な本だった。
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あとがきにも書いてあったように、闘蛇編・王獣編が第一部、探求編・完結編が第二部、みたいな位置づけなのでしょう。 確かに、第一部と第二部では物語の軸となる大きなテーマが少し異なっているようでした。 第一部は、不条理な社会的乖離と人々がどう向き合っていくのか?というある意味、社会学...
あとがきにも書いてあったように、闘蛇編・王獣編が第一部、探求編・完結編が第二部、みたいな位置づけなのでしょう。 確かに、第一部と第二部では物語の軸となる大きなテーマが少し異なっているようでした。 第一部は、不条理な社会的乖離と人々がどう向き合っていくのか?というある意味、社会学的な側面がありましたが、 第二部、人類の性(さが)や歴史の底流の一端を必然的に担っていく人々は、どう生きていけばいいのか?といった文化人類学的な側面が感じられました。 また、探求編・完結編を読んでいくと、わたしが大学生の時に読んだ、 「影の学問・窓の学問」や「職業としての学問」を思い出しました。 両著とも「学問の本当の目的はなにか?」みたいなことを書いているものでした。 間違いなく、上橋さんは「影の学問・窓の学問」を読んでいます!(と思います・笑) 学ぶことは、疑うことであり、問い続けることであると思います。学びにより行きついた真理は必ずしも(その時)を幸せにするとは限りません。 しかし、数十年、数百年と長い時間かけてあるべき姿にブラッシュアップしていけるか?が大切なのだと思います。 「エリン」という語は物語では「リンゴの実」を意味していました。 リンゴはよく「禁断の果実」というメタファーに使われます。 エリンの行きついた真理が人類に正しくいきわたることを願います。 児童書でここまで書きますか!面白かったです。
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出た目は悪くなかったが、4までやったら足が出たか。 (以下抜粋) ○「親が圧倒的であれば」 セィミヤが、ぽつっと言った。 「多くの子供達は、穏やかに生きられる。ーーそういうかたちが、、安定を生むのね」(P.180)
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『獣の奏者』を以前読んだのはいつ頃だっただろうか。<完結編>はおろか、文庫版もまだ書店に並んでいなかったと思う。硬い材質の厳かな表紙に包まれた<闘蛇編><王獣編>が、まるで二つで一つのような佇まいで、近所の本屋さんに平積みで置いてあった光景は、なぜだかすっと思い出せる。 思えば...
『獣の奏者』を以前読んだのはいつ頃だっただろうか。<完結編>はおろか、文庫版もまだ書店に並んでいなかったと思う。硬い材質の厳かな表紙に包まれた<闘蛇編><王獣編>が、まるで二つで一つのような佇まいで、近所の本屋さんに平積みで置いてあった光景は、なぜだかすっと思い出せる。 思えば初めて<闘蛇編>を読んだのは、冒頭のエリンと同じくらいの少女だった気がする。世間をまだ何も知らず(今でも知らないことばかりだけど)ただ本ばかりを読んでいた。 親元を離れ、社会で働き、籍を入れるタイミングで、再び巡り合ったこの本は、<探求編><完結編><外伝>が追加されただけでなく、文庫どころかKindle版として、わたしの前に現れた。こう書くと、否応無しに時の流れを感じさせられますね。 『獣の奏者』を読んでまず驚いたのは、冒頭からぐんぐん引き込まれること。序章1話、闘蛇の牙全てが死んでしまう事件が起きる。この話だけで、主人公エリンの生まれ育った環境や、闘蛇の重要さが伝わってくるし、何より大きく何かが動く予感を感じさせる。 養蜂業で生計を立てるジョウンとの生活など、自然と共に生きる人間の描写が、本当に生き生きとして、リアルであった。この自然の描写、そして自然と人間の営み、国家政治が複雑に絡み合っていくのが、上橋さんの書く物語の、堪らなく好きなところだと思う。地理、経済、政治、自然現象が絡み合って物語となる。まさに新たな世界の歴史を生み出している。
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最後の章は涙が止まらなかった 小さい頃にアニメを見て、わたしの中では生き続けてきたエリンが死んでしまった… そして、エリンの切望したことが最後に叶ったことがうれしいのだけど切なかった エリン、イアル、ジェシが思いをつないで生きていくことが最後にわかってよかった
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闘蛇同士を戦わせると、ああなるのか……。 意外な結末だった。だけど、やっぱり大切な命は失われてしまった。 特殊な存在として生きることになったエリンだけど、ちゃんと幸せはつかめたよね。
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都合の悪い事実を秘するのではなく、知ることができるようにし、各自が事実を受け止め、知恵を出し合うことによってのみ、明日へ続く道を見つけることができるのではないか。 そのためには、知るということ、考えることについて、真摯であること。扇動に軽々しく乗らないよう自らを戒めること。 ...
都合の悪い事実を秘するのではなく、知ることができるようにし、各自が事実を受け止め、知恵を出し合うことによってのみ、明日へ続く道を見つけることができるのではないか。 そのためには、知るということ、考えることについて、真摯であること。扇動に軽々しく乗らないよう自らを戒めること。 分野は違えども、研究者としての顔を持つ、この物語の主人公と作者の思いなのかも知れません。 エリンの生涯は、重いものでしたが、異種でありながら王獣との絆を築いたことも、彼らを解き放ちたいと願ったことも、子どもを授かったことも、すべて心に深く根差したことだったのでしょう。
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面白かった。残念だったのは読んだ時期が悪かったですね。最後は圧倒的な勢いで一気に読み終わりましたが、前半乗り切れませんでした。その分で☆4となってしまいました。きっと、気持ちが乗っている時に読んでいたら☆5だったと思います。 でも、古くからの言い伝えに挑む緊迫感はよかったです。
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この物語はまるで神話だ。と誰かが言っていたように、 かつて地球で起きた史実を読んでいるような感覚だった。そして壮大な物語の裏にある作者のメッセージを考えずにはいられなかった。 どれほど愛していても反射的に牙を剥く王獣や 繁殖能力を失った闘蛇に 自分の愛犬が重なってしまって、 生き物は人間が思いのまま扱っていいわけないのに、 自分はどこかでペットのことを都合よく捉えてはいないだろうかと反省させられた。 制御不能な武器を行使してでも 戦争を続ける人間の愚かさや 生き物の在り方を変えてしまう人間のエゴに対する問題提起を物語を通して語りかけてくる作品です。 多くの人に読んでほしいと強く思います。
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