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失敗の本質 の商品レビュー

3.9

59件のお客様レビュー

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2013/01/14

失敗をだだの失敗として終わらせるのではなく、そこから何を学ぶかが重要。その作業を繰り返していくことが大事。

Posted byブクログ

2013/01/05

リーダーに求められる能力は、現場感覚、大局観、それらを踏まえた判断力だという。そして哲学、歴史、文学などの教養も重要であると。 組織にとって不都合な真実を隠蔽し、硬直的な組織体制を続け、科学技術への先見性も欠如していた日本帝国軍の失敗。 リーダーも組織も悲しいくらい反省する点...

リーダーに求められる能力は、現場感覚、大局観、それらを踏まえた判断力だという。そして哲学、歴史、文学などの教養も重要であると。 組織にとって不都合な真実を隠蔽し、硬直的な組織体制を続け、科学技術への先見性も欠如していた日本帝国軍の失敗。 リーダーも組織も悲しいくらい反省する点が多いが、果たして現代の日本は歴史の失敗に十分学べているのか? 名著「失敗の本質」を近い内にまた読み直してみよう!

Posted byブクログ

2013/01/10

この本を読んで、かなりのショックを受けた。日本は、明治維新以来、組織的学習にあまり進歩がない。第二次世界大戦という大きな損失、多くの過ちを起こしてきた失敗に学ぶ努力を自分を含め、怠って来ていると感じた。バブル崩壊もその後の失われた20年も、そして今なお喘ぐ日本社会も、その場の「空...

この本を読んで、かなりのショックを受けた。日本は、明治維新以来、組織的学習にあまり進歩がない。第二次世界大戦という大きな損失、多くの過ちを起こしてきた失敗に学ぶ努力を自分を含め、怠って来ていると感じた。バブル崩壊もその後の失われた20年も、そして今なお喘ぐ日本社会も、その場の「空気」に「水を差す」だけの力量をもったリーダーの不足、不在に理由があると実感した。もっと歴史に学ぶ必要性を実感する一冊である。

Posted byブクログ

2012/12/22

戦艦大和の特攻作戦に至った経緯分析に納得。 なかなか面白かったので、組織論的研究の方も読んでみようかな。

Posted byブクログ

2012/11/29

・実践知を持つリーダーの特性を3つにまとめると: ①現場感覚、②大局観、③判断力である。 ・自身の立てた作戦でも、判断力によって否定しなければならなくなることもある(インパール作戦ではそれができなかった)。 ・判断力の乏しいリーダーの最大の問題は、スピード感に欠けること。 ・実践...

・実践知を持つリーダーの特性を3つにまとめると: ①現場感覚、②大局観、③判断力である。 ・自身の立てた作戦でも、判断力によって否定しなければならなくなることもある(インパール作戦ではそれができなかった)。 ・判断力の乏しいリーダーの最大の問題は、スピード感に欠けること。 ・実践知を醸成するためには; ①経験、②良い手本に倣う、③教養。 →現在のビジネスでは、タスクフォースを組織するなど、新規の社内横断的な組織を立ち上げることによってこのようなことができる。 ・蒋介石が軟禁されたが後に釈放された事件の背後には、中国共産軍と国民軍を統合させて抗日させ、それによりソ連に対する日本軍の脅威をそぐスターリンの戦略があった。が、そのような戦略性があったことを当時の日本当局は毛ほども気づかなかった。 ・教養:チャーチルはバトル・オブ・ブリテンの際、ドイツのイギリス侵攻について側近に語り続けたが、それは目前のものではなく、900年前のノルマン人によるイングランド侵攻についての話だった。 ・現場感覚:現場が大事といっても、現場からレポーターよろしくリポートするだけではだめ。そこに見えない本質を見出すように。モノではなくコトを見出す大局観がここで活かされる。 ・イスラエルは戦史を記録する部門とそこから教訓を引き出す部門が分離されている。そして戦史室の長にはかなりの権限が与えられ、正確な情報を残せるようになっている。 ・ニミッツは、武器の性能が十分理解されずに使用されてしまった稀有な例は、日本軍の潜水艦であると、喝破した。 ・トップの科学技術に対する理解のなさが、日本敗北の原因と言える。 ・ハンチントンは、軍人はプロ化するほど政治化しなくなると唱えているが、ファイナ―は逆のことを述べている。前者は、よって日本軍人はプロではなかったと結論しているが、そうではない。 ・組織いじりではなく、組織を動かす人材そのものの育成と適正配置が、セクショナリズムを正し部門横断的解決をもたらすものとなる。 ・米兵にとって、神への祈りは戦場においてとても役立ったと回答している。下士官の70パーセント、将校の62パーセントがそう答えた。 ・日本軍は、表面的には、恐怖心はない、とする。しかしアメリカ軍は、恐怖心の存在を認めた上で、それをコントロールする術を学ぶ。そこにも大きな違いがある。 ★やはり日本人は体裁を繕うからか、あるのに、ない、ということが多い。そこに問題の根源がありそうだ。 ・周囲の兵士や指揮官からの励ましや支援などのソーシャル・サポートが、戦闘ストレス反応の抑制と密接にかかわっていることがよく知られている。 ★これは仲間に対する気遣いがいかに大切かを教えてくれる。 ・アメリカ陸軍のCOIN作戦に関する教範には、敵せん滅よりも住民を味方につけることを優先することとなっている。改訂の中心であったペトレイアス将軍は、「君は今日、イラク人のために何をしたか」がイラク駐留中の口癖だった。 ★自分も「自分は今日、他の人のために何をしたか」と問いたい。 ・本書は、組織内にはびこる「空気」について、取引コスト論から論理的に取り組んでいる点で興味深かった。 ・本書は、派閥の功罪についても、取引コスト論から論じている点が興味深い。派閥は、おもての権力(法などで規律されるもの)と裏の権力(実際牛耳っている力)の齟齬が固有の問題となる。完全な民主主義も、完全な独裁も効率的ではなく、その中間形態が派閥と言える。 ・ウェーバーは、社会学においては、事実問題と価値問題を峻別して事実問題に集中すべし、としたが、ポパーは、かちもん代でも論理整合性を基準にして議論することができるとした。いずれにせよ、価値問題と事実問題を峻別することが大切だ。 ・野中氏に言わせると、「失敗の本質」はよりより未来を作るためのフィクションに近い。 ・米軍の信賞必罰は徹底していて、ハズバンド・キンメルはルーズベルトの大のお気に入りだったが、真珠湾攻撃の責任を取らされて予備役少将に格下げ、息子も潜水艦勤務から陸上へ移った。議会が名誉回復を決議したのに、クリントンもブッシュも署名をしなかった。

Posted byブクログ

2012/11/16

創造の世界を開くのは、自分たちの思い(暗黙知)を言葉(形式知)にし、言葉を形(実践)していくダイナミックなプロセスである リーダーシップの検討 現場感覚、大局観、判断力 実践知を形成するための基盤の一つは経験である。とりわけ重要なのは修羅場経験、そして成功と失敗の経験だ。文脈は常...

創造の世界を開くのは、自分たちの思い(暗黙知)を言葉(形式知)にし、言葉を形(実践)していくダイナミックなプロセスである リーダーシップの検討 現場感覚、大局観、判断力 実践知を形成するための基盤の一つは経験である。とりわけ重要なのは修羅場経験、そして成功と失敗の経験だ。文脈は常に動いている。この文脈においては、この選択肢が最適だというジャストライトな判断をするためには、論理を超えた多様な経験が欠かせない 教養も重要な要素 哲学、歴史、文学 日本は零戦、大和、武蔵といった既存の兵器体系の精緻化には努めたが、それを組み合わせてどう戦うかという発想を生み出せなかった アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド イギリスの哲学者 世界とは連関したプロセスそのものであり、常に動き続けるイベントの連続体であるととらえた。目を向けるべきはモノではなく、コトeventの生成消滅するプロセスにある。 人間は万物についての真実を知ることはできない。組織にとって都合の悪い真実は頬かむりしたくなるのが人間だが、それでは新たな知は生まれない。あらゆる場面でなぜを5回繰り返すトヨタのように、絶対の真実があると信じて、何度も執拗に問を発し、試行錯誤を続けられる組織が最後には勝つ。 アリストテレス 知を5つに分類 直感的に原理を把握するヌース知性、真理を見極めるソフィア智慧、客観的知識としてのエピステーメ、物を作り出す実践的知識としてのテクネ、そして豊かな思慮分別を持ち、一刻ごとに変わるその都度の文脈に応じた最適な判断や行為を行うことことを可能にする実践的知恵としてのフロネシス フロネシスをもつリーダー 善い目的を作る能力 場をタイムリーにつくる能力 ありのままの現実を直感する能力 直感の本質を概念化する能力 概念を実現する政治力 実践知を組織化する能力 本田宗一郎 口癖 試す人になろう 人生は見たり、聞いたり、試したりの3つの知恵でまとまっているが、多くの人は見たり聞いたりばかりで、一番重要な試したりをほとんどしない。ありふれたことだが失敗と成功は裏腹になっている。みんな失敗を恐れるから成功のチャンスも少ない。やってみもせんで クラウゼビッツ 戦争論 研究と観察、理論と経験は、相互に決して排除しあってなならない

Posted byブクログ

2012/10/27

うちの社長の本で紹介されていたので読んでみた。 敗戦の原因をリーダーシップの観点から考えた内容だった。 当時の日米の組織のあり方からも物資、兵力の差以外でも敗戦は必然であったと思ってしまう。 歴史の本ではなく歴史から現代に求められるリーダーシップを考えたものなのでとても参考になっ...

うちの社長の本で紹介されていたので読んでみた。 敗戦の原因をリーダーシップの観点から考えた内容だった。 当時の日米の組織のあり方からも物資、兵力の差以外でも敗戦は必然であったと思ってしまう。 歴史の本ではなく歴史から現代に求められるリーダーシップを考えたものなのでとても参考になった。 リーダーシップには下記の6つの能力が必要。 ・「善い」目的をつくる能力 ・場をタイムリーにつくる能力 ・ありのままの現実を直観する能力 ・直観の本質を概念化する能力 ・概念を実現化する政治力 ・実践知を組織化する能力 過去はともかく現代にもこれらをすべて併せ持つリーダーは少ない。 最後は折れが責任を持つと言って任せるではなく大丈夫かと聞くだけで自分の部下がどういった状況に陥っているのかが判断できないリーダーがあまりにも多い。 人間力を上げるには仕事のスキルだけではなく哲学をはじめとしたリベラルアーツを学習して人間としての能力を上げることが必要。 誰よりも大局観をもって目的のために今何をするべきかを考えることで目的に近づくことができる。 状況は常に変わるので昨日の成功も今日では疑ってかからなければならない。 歴史の面白さと仕事でのスタンスの持ち方を考えさせてくれた良書だった。

Posted byブクログ

2012/10/18

『失敗の本質』は難解な専門書、『戦略の本質』は少し砕けたビジネス本、そして本書は魅力的な語り口で紡ぐ読み物だ。面白い。前2作とくらべものにならないくらい、組織と人間について、熱を込めて語っている。それは、本書が日本の敗戦についての分析を主眼にしているわけではなく、敗北という現実を...

『失敗の本質』は難解な専門書、『戦略の本質』は少し砕けたビジネス本、そして本書は魅力的な語り口で紡ぐ読み物だ。面白い。前2作とくらべものにならないくらい、組織と人間について、熱を込めて語っている。それは、本書が日本の敗戦についての分析を主眼にしているわけではなく、敗北という現実をまえに組織があるいは人間がどのように振舞ったのか。運命というか所与というか、ある意味避けられなかったのではないか。「そうとしか生きようがなかった」という事実を感情を織り交ぜて語るさまは僕らの日常と近しい。日本は負けた。たしかにとんでもないやつもたくさんいたし、組織も腐敗してた。でも、がんばってるひとだっていたんだよ、と誇らしげに語ってもいいと思える。「昭和の軍隊」について好意的に評価するのを心情的に躊躇っていたのだが、山内昌之さんが描写する山口多聞の人物像を知ったら、どんな腐敗した状況でも、良心というものが残り、自分の存在を未来に向けて力いっぱい投げつける生き方は素晴らしいと思えた。また、菊澤研宗さんの「取引コスト理論」を駆使して「大和特攻」や「陸軍の派閥」を説明する下りは、肩がほぐれる感じで良かった。いまのところ今年一番です。

Posted byブクログ

2012/10/08

28年前に刊行され、いまだに売れ続ける名著「失敗の本質」の、”正統な”続編と位置づけられているのがこの本。前作の著者6名のうち、3名が引き続き続編でも執筆している。(新たに4人の著者も加わって、計7名の共同執筆となっている) 「続編」と言う位置づけではあるが、前作の知識を持ってい...

28年前に刊行され、いまだに売れ続ける名著「失敗の本質」の、”正統な”続編と位置づけられているのがこの本。前作の著者6名のうち、3名が引き続き続編でも執筆している。(新たに4人の著者も加わって、計7名の共同執筆となっている) 「続編」と言う位置づけではあるが、前作の知識を持っていることは前提にしておらず、この続編から読み始めても問題は無い。むしろ前作が、軍事的にマニアックで、かつ文語的な表現を多様していたために、一般人にとってかなり難解な書物だったのに対し、続編は時代を反映してか相当に読み易くなっていることが第一印象。名著と言われる一方で難解だった前作に対しては、読み解くための入門書まで出版されていたが、そのような”非公式な”関連書籍に対する対抗する意図もあったのだろう。 平易で分かり易くなった一方で、前作ほどの重厚さは期待してはいけない。前作では、個別の戦闘のケーススタディを、一般人には難解なほどに突き詰めたうえで「一般論としての教訓」を導きだしたことに対し、続編は個別事例の深堀が徹底できていないため、どうしても薄っぺらな印象を受けてしまう。私にとってこの本を読んだことの最大の成果は、「もう一度前作の『失敗の本質』をじっくり読み直してみよう。」と思わせたことだろうか。 もっとも、名著と言われる前作と比較されるのも酷な話で、一般的なビジネス書としてみれば、読むのに十分な有益な本と言って良い。前作と同様に、この本を読むと、「過去の失敗事例を分析して、同じ轍を踏まないようにする。」と言う、一見簡単に思えることが、現代でも十分になされていないことに愕然としてしまう。

Posted byブクログ

2012/10/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「ところで、あるべきリーダー像、あるべきリーダーシップってなんだろう?」というのが、読了直後の感想。 戦争というイベントを通して、経営学的な見地からリーダー像、リーダーシップを再考するという試みは面白いのですが、残念ながら、分析後に得られる示唆がまとまっていないような気がします。 そういう意味で、惜しい本、という印象です。

Posted byブクログ