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失敗の本質 の商品レビュー

3.9

59件のお客様レビュー

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2015/02/23

失敗の本質では組織のあり方、方向性について深く考えさせられたが、今作はそれを導くリーダーの在り方について極めて深く考えさせられた。 印象に残った箇所を抜粋しながら、感想を述べていく。 P159 戦場の指揮官 特に、現場をしらない新任指揮官は権威の葛藤に苦しみながら、舞台指揮の方法...

失敗の本質では組織のあり方、方向性について深く考えさせられたが、今作はそれを導くリーダーの在り方について極めて深く考えさせられた。 印象に残った箇所を抜粋しながら、感想を述べていく。 P159 戦場の指揮官 特に、現場をしらない新任指揮官は権威の葛藤に苦しみながら、舞台指揮の方法を学んで行った。 P160 ガ島 38師団 中隊長 若林東一中尉の日記 「部下を持ちて」:「部下にさからひの気配ある時、弾丸の中にて部下行かざる時、かならず部下を叱るな、おのれの徳、おのれの勇、未だ足らざるを思へ」 P176から始まる「リーダー像の研究」では、圧倒的に秀でた能力を持ち、実際に数々の劇的な成果を挙げながらも、組織人としての能力の欠如、あるいは逆に現場からの信頼の欠如、はたまた組織の硬直性の壁といった様々な要因によって、最終的には勝利をもたらすことが出来なかったリーダーが多くいたことに気づかされた。 寡聞にして山口多聞司令官の能力については今回初めて知った所だが、そうしたリーダーをもってしても戦争の分水嶺となるミッドウェー海戦を勝利に導くことは出来なかった。 苦しい状況を打開し、最終的な勝利に導くことがリーダーの使命であるとしたら、その求められる能力は無限であり、半ば絶望的ですらある。 しかし、その事実に真正面から立ち向かい、己の全てを賭けて、部下を、会社を、国を守ることがリーダーには求められているのだろう。 壁は果てしなく高いが、そうしたリーダーに自分はなりたい。 P270 オリバー•E•ウィリアムソンの取引コスト理論 P276 イマヌエル•カントの人間の他律性と自律性の分析 そして、これらを用いた「派閥」や「空気」の分析は、組織や人間社会を理解する上で極めて示唆に富んでいた。 この本を読み、リーダーとなるには、学ぶべきことが無限にあると感じ、またそうした知識を溜め込めだけでなく、リーダー経験を積んで、「実践知」を身につけていかなかればならないと改めて感じさせられた。

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2014/05/18

失敗はなぜ起こるのか。大戦当時の組織を例にあげて考察しており、分かりやすい。何よりも現代の社会でも色々なところで役に立つ知恵だと思う。しかし野中さんは山口多聞好きなんですねぇ~。

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2014/03/24

前作に引き続きリーダーシップ論に隠れた軍事マニア的本。ダメな日本軍の中においても山口多聞のような逸材もいたことが救いか。

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2014/02/15

まとめる必要なかったんじゃね?ってのはわかんなくもない。 残念ながら『失敗の本質』と比べるとイマイチと言わざるをえない。 それでも、日本軍好きでリーダーシップをとるひつようせいがあるのであれば読んどいて損はないと思う。

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2013/08/24

読むのが辛い本だった。確かに当時の技術からして、限られた情報の中で判断せざる得ないとしても、思い込みや個人のこだわり、精神論で戦争に勝とうとする姿は滑稽ですらある。やむなし、と思われる点はほとんどなく、こんなやり方で何百万人も死んだのか、と思うと、返す返すもあの戦争は無駄だったと...

読むのが辛い本だった。確かに当時の技術からして、限られた情報の中で判断せざる得ないとしても、思い込みや個人のこだわり、精神論で戦争に勝とうとする姿は滑稽ですらある。やむなし、と思われる点はほとんどなく、こんなやり方で何百万人も死んだのか、と思うと、返す返すもあの戦争は無駄だったと言わざる得ない。本当に怖いのは、日本が敗戦国となって、戦後の構築を全て米国が行ったため、日本人があの戦争を自ら反省できていないことである。自ら反省し、自ら学ぶという事を行う最大の機会を逸したのである。それが故に、戦後も戦前の考え方が生き続け、今の日本の停滞に繋がっているような気がしてならない。 ちなみに、この本では当然米国はあらゆる点で日本を上回る素晴らしい国家として書かれているが、その米国がなぜベトナム戦争で負けたのか、新たな興味が湧いてきたので、次ばそういう観点の本を読んでみたい。

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2013/07/24

率先垂範の精神を欠くリーダー、硬直化した官僚的組織、プロフェッショナリズムの誤解―現在も日本の組織を蝕む『病』を先人の犯した『失敗』を例に鋭い考察を加えています。これをどう生かすかは個人の問題ですが。 本書は「失敗の本質」「戦略の本質」の続編にあたります。一応、前の2作も読んだ...

率先垂範の精神を欠くリーダー、硬直化した官僚的組織、プロフェッショナリズムの誤解―現在も日本の組織を蝕む『病』を先人の犯した『失敗』を例に鋭い考察を加えています。これをどう生かすかは個人の問題ですが。 本書は「失敗の本質」「戦略の本質」の続編にあたります。一応、前の2作も読んだことはありますが、やっぱり面白かったです。ここでは、日中戦争、および太平洋戦争(大東亜戦争)における戦場でどのような決断を下し、またそこで失敗したのかを複数の執筆者が詳細に分析し、また、現在にも続く、『組織的な失敗』の病理を鋭く抉り出し、また処方箋を記したものであると思います。 なぜ帝国海軍は過ちを繰り返してしまったのか?というパールハーバーでの『奇襲』からミッドウェーの敗北。さらには昭和における日本陸軍といういわば『究極の官僚機構』ともいえる組織がなぜ暴走し、破滅して行ったかを東条英機対石原莞爾という二人の官僚のタイプを検証していたり、優秀な指揮官が必ずしも『組織の人間』として適切な人材ではない、ということを辻正信という現場の指揮官から検証してあったり、ミッドウエー海戦で壮絶な最期を遂げた山口多聞のエピソードは本当に考えさせられるものがありました。 ノモンハン事件の失敗。戦艦大和が沖縄に特攻作戦を敢行するときに作戦本部に発生した『空気』。そして、陸軍内における皇道派と統制派の派閥争いにおける『論理』は形を変え、時代を超えて現在にも『生き残って』いるんだな、ということをつくづく感じました。先人たちの失敗を以下に自分のものとし将来をいかにするべきか、ここにはそのヒントが隠されていると思います。

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2013/06/19

適切な情報処理の欠如、「独断専行」の容認、現場主義の欠如、「空気」による非合理的な意思決定、、、、 日本軍の欠陥は挙げればキリがないが、総括して適切な人材配置を行えるだけのバランス感覚が組織全体として欠如していたのが最も深刻な問題だったんじゃないかと思った。 人が行う以上全てを合...

適切な情報処理の欠如、「独断専行」の容認、現場主義の欠如、「空気」による非合理的な意思決定、、、、 日本軍の欠陥は挙げればキリがないが、総括して適切な人材配置を行えるだけのバランス感覚が組織全体として欠如していたのが最も深刻な問題だったんじゃないかと思った。 人が行う以上全てを合理的に処理することはできないが、それを自覚して物事を進められれば結果は違ったんだろうな。 情報量が多くてエッセンスも沢山詰まっているが最終的な結論を示していないので、自分の中で何が一番の問題なのかを考えながら読み進める必要がある。 まだまだ情報に踊らされていて、本質的なメッセージを読み取れているかと言われたら自信がない。。。 知識も経験も圧倒的に足りない。 それらをある程度のレベルまで身に付けてからもう一回読みたい本。

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2013/06/14

気になったことをメモ、引用。 日本は<零戦><大和><武蔵>といった既存の兵器体系の精緻化には努めたが、それらを組み合わせてどう戦うか、という発想を生み出すことができなかった。 新たな知を紡ぐには、さまざまな情報を幅広く集めながら、それらの背後にある文脈を理解し、適切な取捨選択...

気になったことをメモ、引用。 日本は<零戦><大和><武蔵>といった既存の兵器体系の精緻化には努めたが、それらを組み合わせてどう戦うか、という発想を生み出すことができなかった。 新たな知を紡ぐには、さまざまな情報を幅広く集めながら、それらの背後にある文脈を理解し、適切な取捨選択を行わなければならない。そのうえで、何かと何かを組み合わせ、新しい概念をつくり出し、さらに、その概念を形にして実際に使えるかどうかを試してみることが重要だ。 アリストテレスの五つの知の分類。 客観的知識としてのエピステーメと物をつくり出す実践的知識としてのテクネ。 この双方を統合した概念、実践的知恵がフロネシス。 リベラル・アーツが重要。 フロネティック・リーダー ①「善い」目的をつくる能力 ②場をタイムリーにつくる能力 ③ありのままの現実を直視する能力 ④直観の本質を概念化する能力 ⑤概念を実現化する政治力 ⑥実践知を組織化する能力 チャーチルこそその典型。

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2013/05/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

巻次 戦場のリーダーシップ篇 著者名1 ノナカ イクジロウ   野中 郁次郎/編著 著者名2 スギノオ ヨシオ   杉之尾 宜生/著 著者名3 トベ リョウイチ   戸部 良一/著 著者名4 ドイ ユキオ   土居 征夫/著 著者名5 カワノ ヒトシ   河野 仁/著 1 戦場のリーダーシップ  野中 郁次郎/著 2 リーダーは実践し、賢慮し、垂範せよ  野中 郁次郎/著 3 失敗の連鎖  杉之尾 宜生/著 4 プロフェッショナリズムの暴走  戸部 良一/著 5 「総力戦研究所」とは何だったのか  土居 征夫/著 6 「最前線」指揮官の条件  河野 仁/著 7 石原莞爾  山内 昌之/著 8 辻政信  戸部 良一/著 9 山口多聞  山内 昌之/著 10 情報敗戦  杉之尾 宜生/著 11 合理的に失敗する組織  菊澤 研宗/著 12 派閥の組織行動論  菊澤 研宗/著 13 リーダーの「現場力」を検証する  野中 郁次郎/述 杉之尾 宜生/述 リーダーに求められる現場感覚・大局観・判断力とは? 昭和期陸軍の病理、天才参謀・石原莞爾の蹉跌など、日本軍の指導者の失敗と数少ない成功を通して、現在のリーダーや組織にとっての有益な教訓を引き出す。

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2020/07/27

2013/1/6毎日書評にて池上彰氏の推薦の3冊の1つ。◆〜〜〜〜◆日本にはなぜ優れたリーダーが生まれないのか。「最近の日本人は小粒になって、リーダーが生まれなくなった」と嘆く人がいますが、リーダー不在は昔からのことだったのです。◆〜〜〜〜◆これが池上氏のコメントだった。◆読んで...

2013/1/6毎日書評にて池上彰氏の推薦の3冊の1つ。◆〜〜〜〜◆日本にはなぜ優れたリーダーが生まれないのか。「最近の日本人は小粒になって、リーダーが生まれなくなった」と嘆く人がいますが、リーダー不在は昔からのことだったのです。◆〜〜〜〜◆これが池上氏のコメントだった。◆読んでみると後半は日本軍の分析から見るリーダー論になるが、前半はより普遍的な解説で迫る。◆1〜6章、特に1〜2章がいい。◆知的創造からフロネティック(実践知)・リーダーへがそのものずばり。◆◆リーダーに必要なもの6点。◆、◆1.「善い」

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