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失敗の本質 の商品レビュー

3.9

59件のお客様レビュー

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2020/07/16

 時代の流れのなかにいるときは見えてこないことがある。  見えていても、カタチを伴ったものとして全体を捉えることができないので、時代の片隅にいた自分が見ていたものだけで、無意識にその時代を記憶に留めている。  自己の記憶はそういったもので、その記憶が己が生きる世のなかを造っていく...

 時代の流れのなかにいるときは見えてこないことがある。  見えていても、カタチを伴ったものとして全体を捉えることができないので、時代の片隅にいた自分が見ていたものだけで、無意識にその時代を記憶に留めている。  自己の記憶はそういったもので、その記憶が己が生きる世のなかを造っていく。だから、人それぞれに見えている世のなかは違う。  でも、時代というのは、今を通り越すことによってその時間経過とともにカタチを現してくる。そしてそのなかで時を過ごした自分の記憶が、そのカタチのなかに位置付けられると、自分の記憶もまた朧気にカタチを伴ってくるし、違った存在になる。    もうすぐ8月が来る。また今年も日本の大きく道を誤った原点を見つめてみよう。

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2020/02/25

全社会議で野中先生の記事が話題となったのをきっかけに読了。時代が移れど色褪せることのないリーダシップの在り方のエッセンスを、ここまで痛快に凝縮言語化していられる方は稀有。

Posted byブクログ

2020/01/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

失敗から学ぶことは多々あり、それが戦時のことであれば、生死をかけた戦略や行動であるために、更に学ぶべきことは多いと考える。ただし、完ぺきな人間などいるはずもなく、限られた情報の中で、限定合理的に行動した結果であることを念頭に置く必要がある。 ・ウェーバーの価値自由原理である、ヒト/モノ/カネを効率的に利用できているかという効率性の問題と、価値の問題は分けて考えるべきというのはなるほど。そして、効率的なものが常に正当であるということにはならないというのも納得である。 ・戦時において、成功した体験は、なかなか否定できない。実績が一度伴うと、それに寄りかかってしまう。必要な時には自己否定ができることが良いリーダーであり、その場合でもスピード感を持って判断できるようになるべきである。この判断のためには、大局観を持ち、真実に目を向け、新しいことを生み出そうとする思考が重要である。 ・部下たちの面倒をこまめに見ることが、指揮官への信頼と親近感を増幅させる。 ・これらを成すのは、体力と健康である。

Posted byブクログ

2019/12/10

戦時の話しをしているはずなのに、なんかすごくしっくりくる。いまも同じような状況に陥っているからなのかな。

Posted byブクログ

2019/05/31

戦場という生死がかかる究極の状況の中でのリーダーシップ。日本を覆う「空気」というものに支配されないこと、それがリーダーとして必要なことなのだろう。

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2019/03/25

2012年7月に書かれた本で、1984年に書かれた「失敗の本質」に対して多面的な検証とさらなる考察が実施された本、「失敗の本質」はずっと読みたかった本なのですが、まだ読めておらず、先に新しい版を読むことになりました。 相応の歴史知識や、太平洋戦争時代の人物像に関する情報がもとも...

2012年7月に書かれた本で、1984年に書かれた「失敗の本質」に対して多面的な検証とさらなる考察が実施された本、「失敗の本質」はずっと読みたかった本なのですが、まだ読めておらず、先に新しい版を読むことになりました。 相応の歴史知識や、太平洋戦争時代の人物像に関する情報がもともとないと、やはり難解であるとは思うが、それなりに長い間勉強してきてから読んだので、僕にはさらに造詣が深まったと思う。 『戦場のリーダーシップ』という観点では、僕もこれまでいくつか勉強してきてましたが、「キスカ撤退の木村」や「組織人になれなかった天才参謀 石原莞爾」、「独断専行はなぜ止められなかったのか 辻 政信」など、これまで知らなかったことも新たに知ることができました。 後半には、大和特攻の伊藤長官の 「我々(大和)は死に場所を与えられたのだ」の名言による戦艦大和特攻作戦における意思決定プロセスに関しても記載あり、大変興味深い。 山本七平の『空気論』という部分も大変勉強になった。 (山本七平:『「空気」の研究』1977年) → 伊藤長官の論理的思考は空気で説明できない → 「空気」の本質を科学的に分析する   2009年度ノーベル経済学賞を受賞した、 オリバー・E・ウィリアムソンの取引コスト理論に従って分析 → いかにして、空気に水を差すか カントの人間学的道徳哲学を引用して「自律的な意思を実践できる人間:啓蒙された人」と 以下、引用 P277 ==================== 日本軍は、設立当初はメンバー同士が自由闊達に議論する組織であった。 ところが時間の経過とともに制度が完備され、特に人事制度が明確になると、制度上、どうすれば昇進できるのかが明確になった。 こうした状況で、昇進制度に忠実な他律的エリートたちが育成され、実権を握っていった。 (中略) こういう他律的エリートが統率する組織では、メンバーは容易に取引コストを計算し、合理的計算のもとに全員一致で「空気」を読み取ることになる。 そして、合理的に非効率で不正な結論に導かれることなる。 この意味で、海軍は、不条理に陥ったエリート集団の典型であった。 取引コストにとらわれた人々の、他律的な意思決定に対し、一石を投じることのできる人物、それが自律的な意思を実践する「啓蒙された人」である。このようなリーダーが帝国海軍に数人いれば、組織の不条理から救われたはずである。 ====================

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2019/03/17

第二次大戦時の帝国陸海軍が犯した数々の失敗を、個別の事例の丁寧な調査と解説で分析してくれている。この手の本の中でもとてもわかりやすいものだと思う。何を読んでも当時のお粗末な意思決定や視野の狭さに呆れるが、やはり他人事ではない。特に戦艦大和の特攻にあたっての意思決定では、米国留学経...

第二次大戦時の帝国陸海軍が犯した数々の失敗を、個別の事例の丁寧な調査と解説で分析してくれている。この手の本の中でもとてもわかりやすいものだと思う。何を読んでも当時のお粗末な意思決定や視野の狭さに呆れるが、やはり他人事ではない。特に戦艦大和の特攻にあたっての意思決定では、米国留学経験のある知性派でさえ、今考えれば合理的でない決定をしている。本書の分析によれば、「敗戦が濃厚な状況で、大和を温存しておくことは、臆病者のレッテルを貼られるだけでなく、終戦後に大和が敵国の実験などに使用されることになり、これらを何より恐れた」とされている。当時のその立場であれば当然の意思決定かもしれないが、そのせいで数千人の戦死者を出したとなれば、同情できる話ではない。ただ、こういう「空気感」のなかで誤った判断をしていないかについては常に自省する必要があると感じた。

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2019/02/26

「失敗の本質」の続編。太平洋戦争時の日本軍におけるリーダーシップ不在、大きな戦略不在についてが、具体的な事例、人物を取り上げながら説かれている。実用的な知識だけでなく哲学が必要なこと、グランドデザインを持ちつつ現場の細かな様子にも気を配る必要があること、リーダーシップにおいては日...

「失敗の本質」の続編。太平洋戦争時の日本軍におけるリーダーシップ不在、大きな戦略不在についてが、具体的な事例、人物を取り上げながら説かれている。実用的な知識だけでなく哲学が必要なこと、グランドデザインを持ちつつ現場の細かな様子にも気を配る必要があること、リーダーシップにおいては日常の部下とのコミュニケーションも重要であることなどが印象に残った点です。

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2018/11/12

第二次大戦における日本の軍事行動の失敗から教訓を得ようとする本。リーダーシップに的を絞り、主に司令官に焦点を当てて分析を試みている。空気で説明される大和特攻を、取引コストの点で説明を試みたことは興味深かった。

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2018/10/28

●リーダーシップを発揮するためには、実践知をを備えなければならない。経験や教養により、大局観と現場感覚、判断力を養うことが大切。

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