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百年法(下) の商品レビュー

4.1

309件のお客様レビュー

  1. 5つ

    100

  2. 4つ

    131

  3. 3つ

    44

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    2

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2013/02/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

国政は大統領の独裁により歪み、百年法から逃れて密かに生き続ける「拒否者」たち、大統領許認可を受けて政界にしがみつく不老政治家たちが増え、大きな社会的歪みは日本を衰退の一途へ。そして謎の奇病が流行り始めた…。 上巻では文章に違和感(芝居の台本みたいで雑)があったがそれも気にならなくなるほどに、ストーリーが力強くてページをめくる手が止まらなくなった。下巻では、不老化手術を受けずに拒否者らと生きるケンと、大統領を補佐しつつ国難に立ち向かう遊佐を中心に物語が展開。死が当たり前でなくなったら人間はどうなってしまうのか。どこまでもストイックで私情を挟まず、国のためなら自分の評判を落としかねない決断をできる遊佐の政治家としての行動、言葉は、今の日本に切実に必要だと感じた。最終章で彼が語る言葉に著者の主張が強烈に反映されている。この膨大なストーリーは全てこれを語るために用意されてたんだなぁ。 読後しばらくはこのパラレルワールドで受けた衝撃の余韻に浸って考えてしまった。

Posted byブクログ

2013/02/17

牛島大統領と遊佐首相は国民投票で凍結された5年後に新100年を制定する。処置後潔くTCに行く者、拒否者として生き抜く者。未来を危惧する大統領と首相であるが警察局長と補佐官がクーデターを起こし実権を握ろうとするが大統領0号発令により阻止される。しかしHAVI処置者はSMOCを発症し...

牛島大統領と遊佐首相は国民投票で凍結された5年後に新100年を制定する。処置後潔くTCに行く者、拒否者として生き抜く者。未来を危惧する大統領と首相であるが警察局長と補佐官がクーデターを起こし実権を握ろうとするが大統領0号発令により阻止される。しかしHAVI処置者はSMOCを発症し16年以内に全ての処置者が死亡するというアメリカからの報告が襲う。やがて大統領もSMOCに倒れ遊佐首相はこの国の未来を見据えてHAVI廃止とインフラの維持に尽力し蘭子の息子である仁科ケンに引き継がれた。 凄い話しだなと読後感ズシッとした。不老不死は人類の願望かもしれないが自然の摂理に逆らえば何処かに歪みがくるのかな。

Posted byブクログ

2013/02/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 設定がすでに興味を惹きつけるものになっていて、この面白い設定を活かしてどう展開するのか、わくわくしながら読みました。  ここは盛り上がるだろうなぁと客観的に思える事象を、意外にさらっと過去形で記載していたり、展開がめちゃくちゃ早いのですが、最後まで読むと作者が一番書きたかったことが、かなり後半にあるのだと知りました。  『死ぬ』ことを突きつけられて、始めて『生きる』ことを実感するというのは、なんだか悲しくもあるけれど、瞬間しかないから輝けるのかもしれないと思ったりします。  人の温かさは、『生きて』いる温かさなのだと。それが永遠になった瞬間に、温かさは冷めてしまう。持続できないからこそ、愛は温かいのかもしれない。

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2013/02/15

上巻読んでからちょっと間があいたので 期待値下がってた(忘れてたともいう)割にはフツーだった どう落とすのか全く予想できなかったけど なんだか都合イイナーと思った 病気も0号発令も もっと命に切り込んでくるかと思ったので予想外 でも楽しく読めたので 星は3つ

Posted byブクログ

2013/02/13

発想は面白いし、キャラクターも個性的に描かれてはいるんだけど、文章がくどくて読みにくかった。 最後の展開は、まとめ方が難しかったんだろうけど随分と唐突だなぁと…。もっと生物学的な見地から考察できるストーリーもあったら、もっと面白かったのにな。★★☆☆☆

Posted byブクログ

2013/02/12

読む価値ありです。自然の力ってのは強大で人間には越えることのできないものなのかな。今後進化していく人間ってのはどうなるのだろう。とっても面白かったです。

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2013/02/12

面白かった!やっぱり神の領域には踏み込んじゃいけない(--;) サクサク読めて気持ち良かったけれど、最後はちょっと物足りなかったかな(^_^;)

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2013/02/11

下巻はわりとスラスラ読めました。結局、人間て無いものねだりするし、欲深いしどーしよーもないけど、ちゃんと希望もあるって思える終わり方でした。

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2013/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

不老が完成したパラレル近未来、人は不老技術"HAVI"を受けた日から100年後に法律で死ななければならない。 上記のように書くと荒唐無稽な印象を受けますが、時代設定から不老化の方法、政治問題まで緻密に練られていてかなり面白かったです。 主役は政治側も一般人側も大物であり、小説の流れを決めるのはこの二人ですが、最後の大きな選択は「民衆」に託すところが良いです。 しかし民衆の動きには今はやりのB層を思い出しました。無意識のうちに表面的な良さや分かりやすい意見に飛びついてしまうIQの低い人々。 自分もB層であるがゆえに1回目の国民投票の結果に歯がゆい感覚を覚えながらも自分も投票権がある一人だったら反対にいれていただろうな~と思いました。 その分2回目の国民投票は結果が予想できず、ハラハラしました。 キャラクターもたっていて遊佐もケンも立場は違うものの「100年法」に対してまっすぐ向き合っている姿が好印象でした。

Posted byブクログ

2013/02/09

永遠の若さを手に入れた政治家と官僚たちの謀略、そして老化を止めた人類に訪れる滅亡の危機。 主人公の半径100mの世界を描く作品ばかり読み慣れていると、こういった小説の視野の広さに圧倒されてしまう。 SF小説だけど、日本や米中韓各国の特徴は現実に即していて、感情論と精神論に振り回...

永遠の若さを手に入れた政治家と官僚たちの謀略、そして老化を止めた人類に訪れる滅亡の危機。 主人公の半径100mの世界を描く作品ばかり読み慣れていると、こういった小説の視野の広さに圧倒されてしまう。 SF小説だけど、日本や米中韓各国の特徴は現実に即していて、感情論と精神論に振り回される日本人はとても愚か。 設定も展開もすごく面白くて、「ジェノサイド(高野和明)」のような読後感を期待したのだけど、仕事が忙しくて細切れに読んでしまったせいか、あまり引き込まれないまま読み終えてしまったのが残念だった。 時間があるときに上下巻一気読みすることをお勧めします。

Posted byブクログ