百年法(下) の商品レビュー
下巻はわりとスラスラ読めました。結局、人間て無いものねだりするし、欲深いしどーしよーもないけど、ちゃんと希望もあるって思える終わり方でした。
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- ネタバレ
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不老が完成したパラレル近未来、人は不老技術"HAVI"を受けた日から100年後に法律で死ななければならない。 上記のように書くと荒唐無稽な印象を受けますが、時代設定から不老化の方法、政治問題まで緻密に練られていてかなり面白かったです。 主役は政治側も一般人側も大物であり、小説の流れを決めるのはこの二人ですが、最後の大きな選択は「民衆」に託すところが良いです。 しかし民衆の動きには今はやりのB層を思い出しました。無意識のうちに表面的な良さや分かりやすい意見に飛びついてしまうIQの低い人々。 自分もB層であるがゆえに1回目の国民投票の結果に歯がゆい感覚を覚えながらも自分も投票権がある一人だったら反対にいれていただろうな~と思いました。 その分2回目の国民投票は結果が予想できず、ハラハラしました。 キャラクターもたっていて遊佐もケンも立場は違うものの「100年法」に対してまっすぐ向き合っている姿が好印象でした。
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永遠の若さを手に入れた政治家と官僚たちの謀略、そして老化を止めた人類に訪れる滅亡の危機。 主人公の半径100mの世界を描く作品ばかり読み慣れていると、こういった小説の視野の広さに圧倒されてしまう。 SF小説だけど、日本や米中韓各国の特徴は現実に即していて、感情論と精神論に振り回...
永遠の若さを手に入れた政治家と官僚たちの謀略、そして老化を止めた人類に訪れる滅亡の危機。 主人公の半径100mの世界を描く作品ばかり読み慣れていると、こういった小説の視野の広さに圧倒されてしまう。 SF小説だけど、日本や米中韓各国の特徴は現実に即していて、感情論と精神論に振り回される日本人はとても愚か。 設定も展開もすごく面白くて、「ジェノサイド(高野和明)」のような読後感を期待したのだけど、仕事が忙しくて細切れに読んでしまったせいか、あまり引き込まれないまま読み終えてしまったのが残念だった。 時間があるときに上下巻一気読みすることをお勧めします。
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加速して行くストーリー展開。 上も楽しめましたが、下は面白くて一気に読み切っちゃいました。 実はあまり期待していなかったのですが、良い意味で裏切られました。 エピローグとなる終章が少し物足りなかったので☆は4つで!
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本屋大賞ノミネート作ってことで読む。 「空想科学的とんでも話」かと思って読み始めたら、これがまた予想外に面白いではないか。 期限付不老不死を手に入れた日本人たちの、「命」をめぐる戦い。 政治が絡んでくることでぐぐっと重みがましているのだけど、「上」よりも「下」が、そして「下」の...
本屋大賞ノミネート作ってことで読む。 「空想科学的とんでも話」かと思って読み始めたら、これがまた予想外に面白いではないか。 期限付不老不死を手に入れた日本人たちの、「命」をめぐる戦い。 政治が絡んでくることでぐぐっと重みがましているのだけど、「上」よりも「下」が、そして「下」の中でも後半に向けて加速度的に面白さも増していく。 よくもまぁ、こんな話を思いつくもんだ。
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上巻からの続き http://booklog.jp/users/kickarm/archives/1/4041101484 【再読】 「日本共和国」を生かすために動き始めた「百年法」が時間の経過とともに、歪んでくる。 そして、自分の「生」と賭してこの国の未来を拓こうとする。...
上巻からの続き http://booklog.jp/users/kickarm/archives/1/4041101484 【再読】 「日本共和国」を生かすために動き始めた「百年法」が時間の経過とともに、歪んでくる。 そして、自分の「生」と賭してこの国の未来を拓こうとする。 その時、自分が未来の世代のために出来ることは何か?俺に出来ることは何か? 政権があの党に戻り、日本は良くなるのか? 折りしも「日本国憲法」改定の話もある。物語と同じで敗戦時にアメリカの都合に合わせて作られた憲法。 それをしっかり国民に説明し、中国を敵国と認識させることで「まだアメリカに助けてもらわないと日本ヤバイよ」と意識操作していることを白昼に晒し、国民投票をすることが出来るか? なんて妄想も膨らむ、「国造りエンタメの傑作」です。 【初読時】 法律で「死」を求めれば、当然その法律から逃れる人が居ます。 物語の中の社会では、「死」を拒否した人を「拒否者」と読んでいます。これが「基本的人権」を持たない人達です。 拒否者でも集まれば、集団になり村になる。何しろ「不死」ですからね。 安定していた「日本共和国」が揺れ始めます。 後半は、「不老不死」よりも政権、権力の奪い合いに話が流れていく。そして「不死」の存在が一転・・・ 下巻で、ストーリーから逸れた気がするんですが、結末へ向けての必要な布石。 「この国がどうやって生き残るか!」に全てを捧げる官僚が熱い。 「不死に法律で期限つける?何か面白そう」と手に取りましたが、いやいや、いつの間にが国を作る熱き男たちの物語になった。 それでは現実に戻り、政権を取り戻したあの党に期待大です! 貪るように読んでしまった。読了後、そのまま再読中。。。
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面白かった。 みんな熱い人だった。 尻に火がついた形で改革に踏み切ったけれど これだけ熱い人がいて、もっと時間があったら、 百年法をやめて新たな日本を作ることができてたかもと思うので そっちの結末も見てみたかった。 でもやっぱり面白かった。
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面白いです、上下合わせて、一気読みしました。 帯にもあったように、いろいろな立場の登場人物が、「百年」を基準にした長いスパンで登場し、考えや立場も変わり、読み応えがありました。 そして、今の私たちにそのままあてはまって考えさせられる言葉がいっぱいありました。 他著者ですが「ジェノ...
面白いです、上下合わせて、一気読みしました。 帯にもあったように、いろいろな立場の登場人物が、「百年」を基準にした長いスパンで登場し、考えや立場も変わり、読み応えがありました。 そして、今の私たちにそのままあてはまって考えさせられる言葉がいっぱいありました。 他著者ですが「ジェノサイド」と似た読後感がありました。 いやー、面白かった☆
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上巻に比べて少し過激な話でした。 話は面白く、つい徹夜して読んでしまいました。 しかし、登場人物が多く、上巻に少しだけ出ていた人がいきなり主要人物になって出てきたりして、少々混乱しました。
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とても面白かった。 読書がこんなに面白い、と思ったのは久しぶり。 読み応えと読後の爽快感、満足感は 『天地明察』以来くらい。 不老不死は、誰もが一度は憧れる夢。 誰だって老いたくはないし、死にたくもない。 そんな夢が実現した社会では思いもよらない 事態が起きる。身体は若くと...
とても面白かった。 読書がこんなに面白い、と思ったのは久しぶり。 読み応えと読後の爽快感、満足感は 『天地明察』以来くらい。 不老不死は、誰もが一度は憧れる夢。 誰だって老いたくはないし、死にたくもない。 そんな夢が実現した社会では思いもよらない 事態が起きる。身体は若くとも、精神は老いる。 死ぬことが無くなった社会での停滞感や閉塞感、 根本的な秩序の崩壊。 法によって、命の期限を決められることの理不尽。 百年法に抗い、終わることのない生で 生きていくことの意味を見いだすことの困難。 さまざまな問題が提起され、登場人物たちの境遇や 行動によって考えさせられた。 最近読んだ本の中では、ナンバーワンの面白さ。 もしもこの作品が映像化されることがあるならば、 この作品の面白さをどうか台無しにはしないでほしい。
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