植物はすごい の商品レビュー
植物のすごさがわかる本。知らなかった色々なことが分かり、身近な植物、ウォーキング中に見かける植物も、実はすごい!ってことがわかりました。
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植物には、月下美人、オオオニバス、セコイアなど目立つすごさもありますが、本書では秘められたすごさが紹介されています。田中修「植物はすごい」、2012.7発行。①成長力(生産能力)がすごい(光合成)。キャベツ、5㎎のタネが4ヶ月で1200gに(24万倍)。植物は自分たちの食料だけでなく地球上の全ての動物の食料を賄っている ②栗の実の防御:鋭いイガ、硬い鬼皮、渋皮 ③病原菌の退治:ネバネバ(ムチン):山芋、オクラ、モロヘイヤ ④有毒物質で守る:アジサイの葉(青酸)、チョウセンアサガオ(アトロピン) ⑤紫外線の活性酸素と闘うために、抗酸化物質であるビタミンC、Eを体内に ⑥夏の暑さと乾燥に負けないよう、葉っぱは水を蒸発させてからだを冷やしている。また、冬に向かって、葉っぱに中に凍らないための物質(糖分)を増やして寒さをしのいでいる(凝固点降下)。
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子ども向けなんだろうか? 植物学の基本部分についても省略せずに、ゆっくり、平易な文章で説明してくれる。その分、ここもう少し読みたいんだけど、というツッコミの浅さも目立つけれど、それは別の本の役割なんだろう。 基本的に動かない植物は、ほっといても育つもの、みたいに見られがちだが、実...
子ども向けなんだろうか? 植物学の基本部分についても省略せずに、ゆっくり、平易な文章で説明してくれる。その分、ここもう少し読みたいんだけど、というツッコミの浅さも目立つけれど、それは別の本の役割なんだろう。 基本的に動かない植物は、ほっといても育つもの、みたいに見られがちだが、実際にはすべての生命は植物なしには立ち行かない。光合成に始まって、棘、味、毒、色素、暑さに乾燥など、植物の生き残りをかけた「すごさ」を豊富な実例をいちいち上げながら説明してくれる。さらっと読めて、面白かった。
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田中修(1947年~)氏は、京大農学部卒、同大学大学院博士課程修了、米スミソニアン研究所博士研究員、甲南大学理学部助教授・教授等を経て、同大学特別客員教授・名誉教授。専攻は植物生理学。植物に関する一般向け書籍の執筆多数。 本書は、題名の通り、我々が日頃目にしている植物たちの生態の...
田中修(1947年~)氏は、京大農学部卒、同大学大学院博士課程修了、米スミソニアン研究所博士研究員、甲南大学理学部助教授・教授等を経て、同大学特別客員教授・名誉教授。専攻は植物生理学。植物に関する一般向け書籍の執筆多数。 本書は、題名の通り、我々が日頃目にしている植物たちの生態の「すごさ」を、具体的に紹介したもので、目次と内容は以下である。 第1章:自分のからだは、自分で守る・・・植物は食物連鎖を通して地球上の全ての動物に食糧を賄っている。(一部の)植物はトゲで(動物に食べられないように)体を守っている。 第2章:味は、防衛手段!・・・植物は渋味や辛味、苦味や酸味で体を守っている。 第3章:病気になりたくない!・・・植物は香りなどで病原菌の感染を防いでいる。 第4章:食べつくされたくない!・・・植物は毒で体を守っている。 第5章:やさしくない太陽に抗して、生きる・・・植物は過剰な太陽光から体を守るために、様々な仕組みを持っている。 第6章:逆境に生きるしくみ・・・植物は寒さや暑さから体を守るために、様々な仕組みを持っている。 第7章:次の世代へ命をつなぐしくみ・・・植物は種や花粉が無くても子孫を作る仕組みを持っている。 私は、近年の昆虫ブームの火付け役の一つである(と私は思っている)丸山宗利氏の『昆虫はすごい』(2014年)(尚、本書は2012年)も以前読んだが、擬態や共生などの昆虫の形・生態にもまして驚いたのは(改めて認識したと言った方が正確だが)、それらの形・生態は「進化」の結果だということであった。即ち、彼らの形・生態は、その個体が意図したわけではなく、偶々生じた(突然)変異において、生存に有利な形・生態が自然選択され、その膨大な積み重ねによってそうなったものなのだ。我々は、あまりにも精巧な形・巧妙な生態を、思わず「(何らかの意図に基づく)戦略」と考えてしまうが、当人たちはそんな「戦略」を立てていたわけではないのである。 そして、そのことは植物についても同様に当てはまるのであり、本書で紹介された植物の「すごさ」も進化の結果なのだ。進化のプロセス・仕組みとは、本当に驚くべきものである。 植物の「すごさ」、面白さがわかると同時に、「進化とは何か」を考えさせてくれる一冊と言えるだろう。 (ただ、文章が淡白で、似たような記述の繰り返しが多いのは難。文章表現にもう少し工夫があれば、より印象の強い本となっただろう) (2022年12月了)
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植物についての関心を持つきっかけになる本。 現代の生活では植物に関心を持っていなくても何不自由なく暮らすことができる。食事のとき野菜や果物を食べるがそれは植物というよりは食べ物である。そんな意識の外にあった植物を知ることは、よりよく生きること学ぶことにつながりそうだなと思えた。
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なぜ赤い果物は甘いのか なぜ熱帯の植物はカラフルなのか ユーカリの葉には青酸が含まれてるのになぜコアラだけは食べられるのか 冬を過ごすと野菜はなぜ甘くなるのか 種なし果物の秘密 等々、淡々とした文章で書かれた植物のフシギ。 面白かった!
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身近な植物から、しらなかった植物の生体をわかりやすい言葉や例題で解説されていて、とてもためになった。
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ーー身近な植物にも不思議がいっぱい。アジサイやキョウチクトウ、アサガオなど毒をもつ意外な植物たち、長い年月をかけて巨木を枯らすシメコロシノキ、かさぶたをつくって身を守るバナナ、根も葉もないネナシカズラなど、植物のもつさまざまなパワーを紹介。動物たちには真似できない植物のすごさを、...
ーー身近な植物にも不思議がいっぱい。アジサイやキョウチクトウ、アサガオなど毒をもつ意外な植物たち、長い年月をかけて巨木を枯らすシメコロシノキ、かさぶたをつくって身を守るバナナ、根も葉もないネナシカズラなど、植物のもつさまざまなパワーを紹介。動物たちには真似できない植物のすごさを、「渋みと辛みでからだを守る」「食べられる植物も毒をもつ」「なぜ、花々は美しく装うのか」などのテーマで、やさしく解説。ーー やさしく解説しすぎて、重複した説明によるまだるっこしさが玉に瑕。しかし、植物のすごさは十分伝わってくる。 特に、光合成。太陽の光と、水と二酸化炭素だけで、自身の体の中にぶどう糖(デンプン)を合成する能力は、これだけ科学技術が進歩した現代でさえ人工では再生できないということからも、すごさがわかる。 本書では、さらに動物や昆虫などに一方的に捕食され弱弱しくみえる植物のサバイバル術や子孫の増やし方なども解説。各々独自で様々な手法を駆使している様子は、まるで各植物が示し合わせたように全体最適化を実現している。 本書を読めば、植物に対する眼差しが変わること必定です。子供と一緒に読んでおきたい1冊です。
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この本は植物の巧みな生き方をわかりやすく解説している。 本書は本筋の理解に必要な化学や生物用語を解説しているので理系の知識に詳しくない人でもわかりやすく読み進めることが出来る。 また所々に日常生活で見る植物の例やそれにまつわる日本文化の由来が語られ読者の興味を引くように...
この本は植物の巧みな生き方をわかりやすく解説している。 本書は本筋の理解に必要な化学や生物用語を解説しているので理系の知識に詳しくない人でもわかりやすく読み進めることが出来る。 また所々に日常生活で見る植物の例やそれにまつわる日本文化の由来が語られ読者の興味を引くように工夫されてとても楽しめるようにもなっている。 一章 植物は光、二酸化炭素、太陽光を利用して自身で栄養を作り出せる。また外敵から身を守る手段としてトゲを利用。 二章 味(渋み、苦味、酸味、辛味)を利用して身や種を守ったり、反対に成長した種を運ばせるためにわざと食べられるように実を甘くしたりもする。 三章 病気から身を守るために体液、カサブタや香りなどを利用する。 四章 毒で身を守る。 五章 太陽光の紫外線を耐える(活性酸素の除去)のために色素、ビタミンCやビタミンEなどを豊富に作り出す。太陽光が強いほど色素の量が増加し植物はより色鮮やかになる 六章 暑さと乾燥を防ぐために水を蒸発させ体温を下げる。 寒さを凌ぐため体の中に糖分を増やし凍りにくくする(凝固点降下の原理)。農業ではこの仕組みを利用し野菜や果物に寒さのストレスを与えて甘くしたりもする。 七章 植物のタネには実を大きくする物質を生み出す力がある。
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植物はすごい 生き残りをかけたしくみと工夫 著者 田中 修 中公新書2174″ 2012年7月25日発行 植物の仕組みについて、種の保存の観点から分かりやすく解説した本。物語性があってとても楽しく読めるし、読んでいると植物はすごい、えらい、と思えてくる。なかなかの人気本らしい。 自分の身を守るため、トゲを備えたり、実や体に毒を含ませたり、まずい味にしたりと、植物は工夫する。しかし、子孫を同じ場所ではなく、他の広いエリアで繁殖させるためには、動物や虫の機動性を利用するしかない。そこで、柿のようにまだ種が出来ていないうちは渋く、種が出来たら食べてもらえるように甘くなる。食べてもらって、食べて貰うときに種を落としてもらったり、未消化のまま糞でまき散らしてもらったり。そんな工夫がある。 食べ尽くされたくはないが、ある程度は食べてもいいよ、という植物が多いようだ。 ところで、近年、日光は人の体に悪い面があると強調されている。一つは、紫外線が体内に活性酸素をつくりだし、体を老化させること。そこで、ビタミンなど抗酸化物質を摂って健康を保とうとする。それは植物から摂る。では、どうして植物には抗酸化物質があるのか?実は、植物も人と同じ悩みを持っている。植物は太陽光の3分の1程度以下の強さの光しか光合成に使いこなせない。強い太陽光は植物にとっても有害な活性酸素を生み出す。そこで植物はそれを消去するため、ビタミンCやEなどの抗酸化物質をつくり出したとのことである。それが、人間様にも役立っているとは。 杉や松、ツバキなどのなどの常緑樹は、どうして冬にも葉っぱがかれないのかという仕組みも興味深かった。例えば、冬に氷点下になれば水は氷る、水分を含んだ葉っぱも氷るはず、だが氷らないのは氷らないような物質を冬になる前にためこんでいるからだという。それは、例えば糖分。糖分の濃度が高ければ高いほど、凝固点降下で氷る温度が低くなっていく。 で、これと同じ理屈が冬を通り越した大根や白菜、キャベツなどの甘みだという。ほうれん草や小松菜は、温室で栽培し、最後の1週間は寒風を入れて冷やすのだという。それで甘みが増す。 もしかすると、白菜や大根を雪に埋めて保存するのも、その理屈かもしれないと思った。 種なしの果物はどうして実が成るのか、そして、どうして増やすのか? みかん(温州みかん)は種がないが、時々入っていることがあるのは何故か? その仕組み解説も楽しかった。 江戸時代前期、当時の薩摩で栽培されていたときに、ミカンに突然変異がおこり、「温州ミカン」が生まれた。花粉がメシベについてタネをつくる能力をなくす」性質と、「タネができなくても、子房が肥大する」性質を併せもつミカンが生まれたのである。 果物は、花粉がなくてもオーキシンという物質を与えると実が大きくなるそうだ。 しかし、温州ミカンも違う種類のミカンの花粉がつくと、メシベには生殖能力があるため種ができるそうだ。虫によってそれが起きるらしい。 やはりメスは強い。
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