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植物はすごい の商品レビュー

3.9

65件のお客様レビュー

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2025/01/10

植物と動物の循環は芸術的。植物が光をデンプン等のエネルギーに変換して、それを摂取した動物は体内でエネルギーに変換して活動し、もとの水と二酸化炭素に戻って動物の体内から出てゆく。 植物は食べられる代わりに、動く動物に種を運ばせる。 動けないというハンディは植物を戦略家に仕立てた。 ...

植物と動物の循環は芸術的。植物が光をデンプン等のエネルギーに変換して、それを摂取した動物は体内でエネルギーに変換して活動し、もとの水と二酸化炭素に戻って動物の体内から出てゆく。 植物は食べられる代わりに、動く動物に種を運ばせる。 動けないというハンディは植物を戦略家に仕立てた。 その戦略を確立する為には、夥しい先人(先植物)の命をかけたトライアンドエラーが重なっているだろう。 ピーナツの戦略など、どうやって確立したのか、どういうプロセスを経て行き着いたのか、とても想像出来ない。 人間と彼岸花の共生、紫外線他自然環境への適応、読みどころ沢山だった。

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2024/12/16

 植物はすごい! 自分では動けないけど、その生き残り戦略は動物となんら変わることなくすごい。  植物は水と空気中の二酸化炭素と太陽光でブドウ糖やデンプンを作っているわけだけど、それは動物には絶対にできないことだし、人間も今のところどんなにコストをかけても、それはできないこと。植...

 植物はすごい! 自分では動けないけど、その生き残り戦略は動物となんら変わることなくすごい。  植物は水と空気中の二酸化炭素と太陽光でブドウ糖やデンプンを作っているわけだけど、それは動物には絶対にできないことだし、人間も今のところどんなにコストをかけても、それはできないこと。植物はそれだけではなく、アミノ酸も脂肪もビタミンも成長に必要なものは全部自ら作っている。これはすごい! 植物のすごい! が満載の本。 少しくらいなら動物に食べられてもいいように進化し、あるいは一定程度は動物に食べられるように進化したり、逆に食べられたいないものは渋みや辛みを持ったり、猛烈な毒を持つように進化したり。 熱中症にならないために自分の体を冷やす冷却能力を持ったり、寒さに耐えるために体内の糖分を増やしたり、ロゼットという形態を得たり、地下茎を形成したり・・・とにかくすごい。  これだけすごいと、実は植物にも意識や知能があるんじゃないか・・・とさえ思ってくる。でも、それは違う。植物はそんなもの必要ないよ、という進化をしてきたんだなぁ。生き延びるや遺伝子を残すということに関しては意識や知能の有無が上位にあるってことではなく、種の戦略に過ぎないんだってことなんだろう。植物はすごい!

Posted byブクログ

2024/07/04

 植物のすごさがわかる本。知らなかった色々なことが分かり、身近な植物、ウォーキング中に見かける植物も、実はすごい!ってことがわかりました。

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2023/07/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 植物には、月下美人、オオオニバス、セコイアなど目立つすごさもありますが、本書では秘められたすごさが紹介されています。田中修「植物はすごい」、2012.7発行。①成長力(生産能力)がすごい(光合成)。キャベツ、5㎎のタネが4ヶ月で1200gに(24万倍)。植物は自分たちの食料だけでなく地球上の全ての動物の食料を賄っている ②栗の実の防御:鋭いイガ、硬い鬼皮、渋皮 ③病原菌の退治:ネバネバ(ムチン):山芋、オクラ、モロヘイヤ ④有毒物質で守る:アジサイの葉(青酸)、チョウセンアサガオ(アトロピン) ⑤紫外線の活性酸素と闘うために、抗酸化物質であるビタミンC、Eを体内に ⑥夏の暑さと乾燥に負けないよう、葉っぱは水を蒸発させてからだを冷やしている。また、冬に向かって、葉っぱに中に凍らないための物質(糖分)を増やして寒さをしのいでいる(凝固点降下)。

Posted byブクログ

2022/12/25

子ども向けなんだろうか? 植物学の基本部分についても省略せずに、ゆっくり、平易な文章で説明してくれる。その分、ここもう少し読みたいんだけど、というツッコミの浅さも目立つけれど、それは別の本の役割なんだろう。 基本的に動かない植物は、ほっといても育つもの、みたいに見られがちだが、実...

子ども向けなんだろうか? 植物学の基本部分についても省略せずに、ゆっくり、平易な文章で説明してくれる。その分、ここもう少し読みたいんだけど、というツッコミの浅さも目立つけれど、それは別の本の役割なんだろう。 基本的に動かない植物は、ほっといても育つもの、みたいに見られがちだが、実際にはすべての生命は植物なしには立ち行かない。光合成に始まって、棘、味、毒、色素、暑さに乾燥など、植物の生き残りをかけた「すごさ」を豊富な実例をいちいち上げながら説明してくれる。さらっと読めて、面白かった。

Posted byブクログ

2022/12/03

田中修(1947年~)氏は、京大農学部卒、同大学大学院博士課程修了、米スミソニアン研究所博士研究員、甲南大学理学部助教授・教授等を経て、同大学特別客員教授・名誉教授。専攻は植物生理学。植物に関する一般向け書籍の執筆多数。 本書は、題名の通り、我々が日頃目にしている植物たちの生態の...

田中修(1947年~)氏は、京大農学部卒、同大学大学院博士課程修了、米スミソニアン研究所博士研究員、甲南大学理学部助教授・教授等を経て、同大学特別客員教授・名誉教授。専攻は植物生理学。植物に関する一般向け書籍の執筆多数。 本書は、題名の通り、我々が日頃目にしている植物たちの生態の「すごさ」を、具体的に紹介したもので、目次と内容は以下である。 第1章:自分のからだは、自分で守る・・・植物は食物連鎖を通して地球上の全ての動物に食糧を賄っている。(一部の)植物はトゲで(動物に食べられないように)体を守っている。 第2章:味は、防衛手段!・・・植物は渋味や辛味、苦味や酸味で体を守っている。 第3章:病気になりたくない!・・・植物は香りなどで病原菌の感染を防いでいる。 第4章:食べつくされたくない!・・・植物は毒で体を守っている。 第5章:やさしくない太陽に抗して、生きる・・・植物は過剰な太陽光から体を守るために、様々な仕組みを持っている。 第6章:逆境に生きるしくみ・・・植物は寒さや暑さから体を守るために、様々な仕組みを持っている。 第7章:次の世代へ命をつなぐしくみ・・・植物は種や花粉が無くても子孫を作る仕組みを持っている。 私は、近年の昆虫ブームの火付け役の一つである(と私は思っている)丸山宗利氏の『昆虫はすごい』(2014年)(尚、本書は2012年)も以前読んだが、擬態や共生などの昆虫の形・生態にもまして驚いたのは(改めて認識したと言った方が正確だが)、それらの形・生態は「進化」の結果だということであった。即ち、彼らの形・生態は、その個体が意図したわけではなく、偶々生じた(突然)変異において、生存に有利な形・生態が自然選択され、その膨大な積み重ねによってそうなったものなのだ。我々は、あまりにも精巧な形・巧妙な生態を、思わず「(何らかの意図に基づく)戦略」と考えてしまうが、当人たちはそんな「戦略」を立てていたわけではないのである。 そして、そのことは植物についても同様に当てはまるのであり、本書で紹介された植物の「すごさ」も進化の結果なのだ。進化のプロセス・仕組みとは、本当に驚くべきものである。 植物の「すごさ」、面白さがわかると同時に、「進化とは何か」を考えさせてくれる一冊と言えるだろう。 (ただ、文章が淡白で、似たような記述の繰り返しが多いのは難。文章表現にもう少し工夫があれば、より印象の強い本となっただろう) (2022年12月了)

Posted byブクログ

2022/11/21

植物についての関心を持つきっかけになる本。 現代の生活では植物に関心を持っていなくても何不自由なく暮らすことができる。食事のとき野菜や果物を食べるがそれは植物というよりは食べ物である。そんな意識の外にあった植物を知ることは、よりよく生きること学ぶことにつながりそうだなと思えた。

Posted byブクログ

2021/12/28

なぜ赤い果物は甘いのか なぜ熱帯の植物はカラフルなのか ユーカリの葉には青酸が含まれてるのになぜコアラだけは食べられるのか 冬を過ごすと野菜はなぜ甘くなるのか 種なし果物の秘密 等々、淡々とした文章で書かれた植物のフシギ。 面白かった!

Posted byブクログ

2021/09/23

身近な植物から、しらなかった植物の生体をわかりやすい言葉や例題で解説されていて、とてもためになった。

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2021/07/23

ーー身近な植物にも不思議がいっぱい。アジサイやキョウチクトウ、アサガオなど毒をもつ意外な植物たち、長い年月をかけて巨木を枯らすシメコロシノキ、かさぶたをつくって身を守るバナナ、根も葉もないネナシカズラなど、植物のもつさまざまなパワーを紹介。動物たちには真似できない植物のすごさを、...

ーー身近な植物にも不思議がいっぱい。アジサイやキョウチクトウ、アサガオなど毒をもつ意外な植物たち、長い年月をかけて巨木を枯らすシメコロシノキ、かさぶたをつくって身を守るバナナ、根も葉もないネナシカズラなど、植物のもつさまざまなパワーを紹介。動物たちには真似できない植物のすごさを、「渋みと辛みでからだを守る」「食べられる植物も毒をもつ」「なぜ、花々は美しく装うのか」などのテーマで、やさしく解説。ーー やさしく解説しすぎて、重複した説明によるまだるっこしさが玉に瑕。しかし、植物のすごさは十分伝わってくる。 特に、光合成。太陽の光と、水と二酸化炭素だけで、自身の体の中にぶどう糖(デンプン)を合成する能力は、これだけ科学技術が進歩した現代でさえ人工では再生できないということからも、すごさがわかる。 本書では、さらに動物や昆虫などに一方的に捕食され弱弱しくみえる植物のサバイバル術や子孫の増やし方なども解説。各々独自で様々な手法を駆使している様子は、まるで各植物が示し合わせたように全体最適化を実現している。 本書を読めば、植物に対する眼差しが変わること必定です。子供と一緒に読んでおきたい1冊です。

Posted byブクログ