海賊とよばれた男(上) の商品レビュー
史実に基づいた、という点でこの日本にこんな気骨ある男がいたのかと驚きを隠せない。こういうタイプの小説をおもしろいと感じ始めたらオッサンの証。気高き日本人。今では考えられない。この男と対比されるように出てくる日邦連合が矮小過ぎて笑える。今の日本の政治家たちのようだ。こういう連中はい...
史実に基づいた、という点でこの日本にこんな気骨ある男がいたのかと驚きを隠せない。こういうタイプの小説をおもしろいと感じ始めたらオッサンの証。気高き日本人。今では考えられない。この男と対比されるように出てくる日邦連合が矮小過ぎて笑える。今の日本の政治家たちのようだ。こういう連中はいつの世にもいます。テンプレート過ぎて何も言えません。戦争が良いとは思わないけど、平和になって失ったものは確かにある。
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2018/4/29 GHQの占領下におかれた戦後の日本。 「われわれは戦争に負けたが、奴隷になったわけではない」 敗戦直後、吉田茂の側近・白洲次郎が言ったとされる言葉の一つです。 石油をめぐる、覇権争いが素人でもよく理解できました。 それにしても、昔から日本人はよく働いたもの...
2018/4/29 GHQの占領下におかれた戦後の日本。 「われわれは戦争に負けたが、奴隷になったわけではない」 敗戦直後、吉田茂の側近・白洲次郎が言ったとされる言葉の一つです。 石油をめぐる、覇権争いが素人でもよく理解できました。 それにしても、昔から日本人はよく働いたものである。が、遣り甲斐がありそう。
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友愛と努力の話かと思いきや、多分に狂気を持った経営者の一代記だったとは・・・。上巻を読んだだけでも、実際に存在した経営者を基にした、史実に近い小説であるとは到底信じられない内容です。戦前から戦後に掛けての日本の経済や政治の流れを太い幹として、その幹を激しく行き来する田岡商店をはじ...
友愛と努力の話かと思いきや、多分に狂気を持った経営者の一代記だったとは・・・。上巻を読んだだけでも、実際に存在した経営者を基にした、史実に近い小説であるとは到底信じられない内容です。戦前から戦後に掛けての日本の経済や政治の流れを太い幹として、その幹を激しく行き来する田岡商店をはじめとする石油商たち。その石油の世界の中で異端児である田岡は、他の石油商社から憎しみの的になるくらいに突出した存在であり、社員たちを自分の体の一部と思うほどに愛情を注いでいます。 狂気と言ったのは、人間として王道を歩んでいるようで有りながら、ビジネスとしては綱渡りを選び、社員に多大な犠牲を強いてでも国の為と突き進んで行く所です。普通に考えたらとてもついていけないのですが、田岡氏のカリスマ性で人心を鷲掴みにしていきます。 この小説をビジネス書のひとつとして読む向きもあるようですが、僕から言わせると「正気か!目を覚ませ!」と言いたくなります。 田岡商店の歩む道に出てくる数々の障害はほぼ同業者からの妨害で、それを数々の知略と人脈と運で次々乗り越えていくのですが、こんな物凄い経営者じゃ参考にならないでしょう。戦国武将を参考に会社経営するのとほぼ変わらないと思います。 あと、この話を日本の誇りと思うのも如何なものかと思います。あくまでこの田岡氏が異常に傑出しているだけで、正直民族の誇りにはなりえないし、そもそも足引っ張っているのも日本人ばかりなのですから。まさに田岡商店無双であって、それ以外ではないです。 それにしてもなんて引き込まれる物語なのでしょうか。読んでいるうちに日本人の魂的な所に火がつくのを感じますね。前述したのとは矛盾しますが。 さすが伊達に禿げてないな百田尚樹。下巻にさらに期待。
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永遠のゼロからの流れ一気に読み終えた。出光の創業者の一生涯。ここまですごい偉人は見たことない。それを表現する作者の筆致もすばらしいのだろう。引き込まれてよんでしたしまった。 時代の先を読む力、人生哲学、会社経営の方針が素晴らしい。このような素晴らしい能力がどのように培われたのか...
永遠のゼロからの流れ一気に読み終えた。出光の創業者の一生涯。ここまですごい偉人は見たことない。それを表現する作者の筆致もすばらしいのだろう。引き込まれてよんでしたしまった。 時代の先を読む力、人生哲学、会社経営の方針が素晴らしい。このような素晴らしい能力がどのように培われたのかという点に関して、非常に興味があるところ、もう少し詳細に掘り下げられていたらなおよかった。自分の人生、仕事に打ち込んで、自分のためだけでなく、世の中の全体の総和を考え、行動するそのようなものの見方を教えてもらった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
130ページまで読んで、5回ぐらい泣いた。音楽のせいかもしれないが。 日本は石油をアメリカから止められたから戦争し、石油を手に入れるために東南アジアに進出し、制海権を奪われたために石油が確保できなくなり、戦争に負けたというのは面白い。もっと他の観点でも理解したいと思った。 鈴木商店を蹴って酒井商会で働くことを決めたとき、もう迷いはないと思っていた。しかし未だ自分は迷っているのか。 わしがあんなお金持ってても何の役にも立たへんかった。株でも買ってすってたやろう。そうなったら死に金や。国岡はんが使うてくれたお蔭で、生きた金になった。 →すごい言葉だ。 徹底的な家族主義と日本への貢献を使命とする生き方には感動を禁じ得ない。使命が人を動かし、使命が人を強くするということがよく分かった。僕も使命に生きたいと強く思った。
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世界各地で起きている紛争、それから貧困、差別、そういうものを思うたび、また海外で多少の年月を生活した経験からも、果たして国というものは人間にとって何なのかと、あえていえば根本的に本当に必要なのか、といつも思ってきた。本書の主人公、国岡鐡造にとって商売とは手段であったと思うが、消費...
世界各地で起きている紛争、それから貧困、差別、そういうものを思うたび、また海外で多少の年月を生活した経験からも、果たして国というものは人間にとって何なのかと、あえていえば根本的に本当に必要なのか、といつも思ってきた。本書の主人公、国岡鐡造にとって商売とは手段であったと思うが、消費者のためを徹底して貫くという延長上に、日本という国のためという大義があった。読んでいて、そもそも作者の中にも、日本というものに対するプライドと誇りを感じ、それがやや民族主義的なかなり強いものだと感じた。国というものが何であるか、国境などがあるから紛争が起きるのではないか、という問いにうまく答えを見つけられていなかった自分にとっては、国岡の思想信条に、あるいは作者の筆致に、かすかな引っかかりを感じて読み進めた。しかし、考えてみれば、国岡にとって大切なのは家族であり、社員であった。愛するものたちを守る、その延長に日本人であること、日本という国のことを思う信条があるのかな、と思うことで違和感は解決したように思う。 エンターテインメントの面からは、一人の人間が身一つで困難に立ち向かい、解決して乗り越えていく痛快譚。特に、知恵と努力での真向勝負をせず、取引や政治を使い、また数を頼んで連帯しながら、国岡商店をつぶそうとあらゆる手を使ってくる相手に対して、信念を曲げずに戦い抜き、最後には見事に相手の鼻を明かしてしまう国岡の姿にはほんとうに胸がすく。日章丸事件はその白眉だが、イギリス、アメリカ、そしてイランとの駆け引きには手に汗を握り、スリリングさを十分に堪能させられた。 敗戦後のGHQや、国岡商店とビジネスでつながったアメリカ企業の姿を通して、様々な策を弄する嫌らしい面と、反対にフェアネスに基づいて行動する清々しい姿と、アメリカという国の両面を描き、懐の深い国だと表現している。嫌らしく見える策謀や工作もアングロサクソン的にはビジネスの正当な手段に含まれているものであり、勝者が正義、Winner takes allというような考え方も、それは考え方であり、それをどうこういっても仕方がない。本書に書かれたことがその通りであれば、イギリスがイランに長年行った仕打ちはかなりいただけないものには思えるが。 歴史というのは、それが実際にはどうだったのかは、見る立場や、あるいは切り口によってまったく見え方が変わるものだろう。本書は一貫して国岡の立場から見た、戦後の日本の復興の姿が書かれており、反対の立場から見たらどうだったのかというのもちょっと興味がわく。また、石油という切り口で戦後を辿ったことなど初めてで、まだ生まれる前の日章丸事件など、知らなかった日本の戦後史を理解できたのも非常に面白かった。
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4.5 出光興産の創業者をモデルにした小説。こんなビジネスマンが本当にいたのか、と思うほど熱い小説です。実録サラリーマン金太郎みたいな。下巻も必読です。
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読んでいるうちな錯覚する。自分も国岡鐵造の家族ではないかと…。それであったらどれほど良いかと。まさかこんな男が本当に存在したとは。懐が広く、信念を貫き、自分の内にいる人間を自分以上に信じる。そんな彼の言葉すべてが胸の奥を熱くし、未だその熱は冷めることなく残っている。
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本屋大賞受賞のタイトルが凄いのか 上下巻累計400万部超売上のベストセラー本 出光佐三氏について書かれた伝記ドキュメントは以前にも 出版されてるんで、ここまで売っちゃう百田さん、講談社も 凄いですね、タイトルが上手いなぁ。 映画化もされたタイミングで出光興産、昭和シェル合併 創業...
本屋大賞受賞のタイトルが凄いのか 上下巻累計400万部超売上のベストセラー本 出光佐三氏について書かれた伝記ドキュメントは以前にも 出版されてるんで、ここまで売っちゃう百田さん、講談社も 凄いですね、タイトルが上手いなぁ。 映画化もされたタイミングで出光興産、昭和シェル合併 創業家、経営陣の対立、経済産業省、サウジも巻き込んで もめてますが 出光佐三氏だったらどうさばいたんだろう?
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本屋大賞を取ったりして評判の高い作品を、ようやく読みました。少々、主人公を美化しすぎているのではないかと思う点はあるけれど、小説としては最高です。一人で会社を立ち上げ、戦前、戦中、戦後を通して、社員に対する愛と、お客のためを思う気持ちを終始一貫持ち続けたすごさ。勇気と元気に溢れる...
本屋大賞を取ったりして評判の高い作品を、ようやく読みました。少々、主人公を美化しすぎているのではないかと思う点はあるけれど、小説としては最高です。一人で会社を立ち上げ、戦前、戦中、戦後を通して、社員に対する愛と、お客のためを思う気持ちを終始一貫持ち続けたすごさ。勇気と元気に溢れる小説です。こんなに面白いなら、もっと早く読むのだった。現代の「竜馬が行く」であるという書評も紹介されていましたが、まさに。あと、出光という会社に対する印象がめちゃめちゃ良くなりました~♪
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