遺伝子の不都合な真実 の商品レビュー
ヒトの能力がどの程度遺伝によるものかを検証したもの 個人的には、あたりまえの事を今更書かれてあるなぁといった印象 以下、公式の概要 ----------------- 勉強ができるのは生まれつきなのか?仕事に成功するための適性や才能は遺伝のせいなのか?IQ、性格、学歴やお金を...
ヒトの能力がどの程度遺伝によるものかを検証したもの 個人的には、あたりまえの事を今更書かれてあるなぁといった印象 以下、公式の概要 ----------------- 勉強ができるのは生まれつきなのか?仕事に成功するための適性や才能は遺伝のせいなのか?IQ、性格、学歴やお金を稼ぐ力まで、人の能力の遺伝を徹底分析。だれもがうすうす感じていながら、ことさらには認めづらい不都合な真実を、行動遺伝学の最前線から明らかにする。親から子への能力の遺伝の正体を解きながら、教育と人間の多様性を考える。 ----------------- 副題は「すべての能力は遺伝である」とあるけど、かなり誤解を招くのではなかろうか? 本文では、何でもかんでも遺伝で決まるわけではない事を説明していながら、遺伝に関する誤解を解きたいのかいいように誤解させたいのかわからない 形質によって遺伝の寄与率が異なるのは当たり前でしょうに わかりやすい説明例はよかった 「人間の能力は遺伝と環境のどちらで決まるのか」を「長方形の面積は縦の長さと横の長さのどちらで決まるのか」と同じくらいナンセンスだというのは納得 条件を揃えないと、そりゃぁ比較はできないでしょうね あと、世間の人が如何に遺伝子を誤解しているか 「遺伝的差異を指摘することは差別につながるからそういうことは言ってはならない」と行動の遺伝的影響を否定する人たちは、むしろ彼ら自身が「もしも遺伝的差異があったならそれは差別の対象となる」という優生思想にとらわれている 機会の平等が成された社会は遺伝による能力の優劣が決め手になる 結果の平等の社会だと、能力的に不利な人に手厚い保障が必要になる まぁ、現代に於いて有利なのは「親ガチャ」という言葉が出てくるように、遺伝もさることながら生まれ落ちた環境も大きなものになってるけどね 全体的に感情論が所々に入ってきている印象 バート事件の検証にかんしても、結局著者も明確なデータに基づいて主張しているわけではなく、憶測を過分に含んでいるなぁ 「環境こそが遺伝子を制約している」という主張に関しても、あたりまえの事じゃね?という感想しかない 遺伝子なんて、結局は環境に適応したものが残るわけで 遺伝、各種形質や行動が環境にどう有利に働くかはどんな環境下なのかが大きな要因になるのはあたりまえでしょうに 現代に於いて有利な遺伝子と、高々100年前まで遡っても求められる遺伝子は違うし 一世代をざっくりと20年としても、五世代しかないし、しかもセレクションプレッシャーの強さにもよるわけで 遺伝の影響はあるものの、それ以上に個々の育つ環境の方が個体の生存には影響があると思うけどね
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2020.2.28 17 歳を取るほど遺伝の影響が強くなるとの結果も。 縦と横、遺伝と環境。長方形。 遺伝と環境。遺伝の発現を社会がどう捉えるか。 集団主義的傾向が高いほど、うつ病の出現率や不安傾向が高い。
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同じ著者の「心は遺伝する」とどうして言えるのか」が面白かったので続けて読んでみた。 副題は「すべての能力は遺伝である」。まじかよ、と思われるかもしれないが、著者の主張は「遺伝が影響している」であって、遺伝「だけ」で決まっているとは誰も書いてない。編集者のつけたタイトルなんだろうけ...
同じ著者の「心は遺伝する」とどうして言えるのか」が面白かったので続けて読んでみた。 副題は「すべての能力は遺伝である」。まじかよ、と思われるかもしれないが、著者の主張は「遺伝が影響している」であって、遺伝「だけ」で決まっているとは誰も書いてない。編集者のつけたタイトルなんだろうけれど(あとがきで触れている)、ひでえなあ。 タイトルを別にすれば、内容は興味深い。ぼくは前の本で読んでいたので新鮮味はなかったが。 学会の中でも環境重視派と遺伝重視派の対立があるそうだが、これはわかるな、と思う。進化論におけるラマルクの「獲得形質の遺伝」もそうだけれど、「がんばった結果」が報われない、とは誰も思いたくない。 ただ著者(というか編集者?)は能力に対する遺伝の影響が相当大きいことが「不都合な真実」だと考えているようだが、そうなんだろうか? ウサイン・ボルトの子とぼくの子がかけっこをしたら、たぶんボルト子が有利だよね? みんなわかっているんじゃないだろうか。それはまあ、しょうがない。 個人的に気持ち悪いな、と思うのは、DNAを根拠に方向性や志向をほかの誰かに決めつけられることだ。ウサイン・ボルトの子はかけっこが早そうだけれど、動物が好きだからトリマーになりたい! と言い出したらボルトには応援してあげてほしい。ぼくの子が陸上部に入ってボルトを目指す! と言い出したら、がんばれ! と言おうと思う。ぼくが高校のマラソン大会でビリ近かったことは内緒にしておく。 女だから建築士はやめとけ、男だから保育士は向かない、という主張も気持ち悪い。性別とか人種とかで人間をまとめて集計すると、平均値はそれなりに異なるだろうが(黄色人より黒人のほうが背が高い、とか、女より男のほうが重い、とか)だからどうした、ということでしかない。
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行動遺伝学という、最近になって研究が進んでいる分野の非常に興味深い一冊である。なぜか「氏より育ち」という言葉がしばしば使われたりしてきたが、これは違っていて、「氏も育ちも」ということであり、その初級編に相当する。また「育ち(=環境)」は、その「氏」によって影響する形がひとりひと...
行動遺伝学という、最近になって研究が進んでいる分野の非常に興味深い一冊である。なぜか「氏より育ち」という言葉がしばしば使われたりしてきたが、これは違っていて、「氏も育ちも」ということであり、その初級編に相当する。また「育ち(=環境)」は、その「氏」によって影響する形がひとりひとり異なるという。親子は顔が似ているのと同じで、脳も行いも似ているのが自然なのである。 こうした基本知識を踏まえ、子育てにあたって参考になるところが多く、また子育てを取り巻いている環境へのアプローチを考えさせられたりもする。もう少し行動遺伝学の研究を追いかけたくなる、そんな入口となるものである。
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<本全体、あるいは各章ごとの概要> <個人的な知識・ターム> * 覚えておきたい事(本全体の主張と関係なくともよい) + キーワードで興味のあるもの * 短い説明とページを記入 <引用> <自分の見解> * 読後感・...
<本全体、あるいは各章ごとの概要> <個人的な知識・ターム> * 覚えておきたい事(本全体の主張と関係なくともよい) + キーワードで興味のあるもの * 短い説明とページを記入 <引用> <自分の見解> * 読後感・意見・反論・補足など書きたいと思ったこと <読書回数>
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むむむ。重要な本。とりあえず3回読んで付箋つけまくっている。実証の部分は読ませるけど最後の方がちょっと残念な感じもするが。教育関係者はちょっと怒るか落ち込むような内容かもわからん。
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ちょっと間が空いてしまい、最後のほうは斜め読みしてしまったが、実に興味深かった。 遺伝というのは文系の教育学ではかなりタブー視されているトピックなので、こういう本は貴重なのかな。海外ではこの種の議論はされているのだろうか。遺伝か環境か、というのは古典的な議論だけれども、「遺伝と教...
ちょっと間が空いてしまい、最後のほうは斜め読みしてしまったが、実に興味深かった。 遺伝というのは文系の教育学ではかなりタブー視されているトピックなので、こういう本は貴重なのかな。海外ではこの種の議論はされているのだろうか。遺伝か環境か、というのは古典的な議論だけれども、「遺伝と教育」というトピックを論じたものは全然みない。 ただ、著者と近い分野の方からは科学的な話が杜撰だとして批判されたりもしているようで、まあそのあたりは私は感知できない。啓蒙書としては誠実な書き方がされていると思ったけど。 あと、最後の「互恵的利他主義」はいまいちだと思った。ふつうに考えてイチローも清掃業をこなす能力はあるだろうなどと思うし、ニートみたいな何の役にもたたない人などもいる。なんか最後は「みんなちがってみんないい」みたいになってしまって、そういう社会一般に対する規範的な提言めいたことを言わなくてもよかったのではないか。 しかし、実に勉強になった。著者の『遺伝マインド』『遺伝と教育』などもみたい。
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一卵性双生児の研究から、知能などは環境の影響もあるが、明らかに遺伝的影響が認められる。 p.191 遺伝差別論者とレッテルを貼る人もいるが、そのような発想こそが、事実上の人種差別や集団間格差を容認し、助長している。「もし知能に遺伝的人種差があることがわかると差別に結びつくから、遺...
一卵性双生児の研究から、知能などは環境の影響もあるが、明らかに遺伝的影響が認められる。 p.191 遺伝差別論者とレッテルを貼る人もいるが、そのような発想こそが、事実上の人種差別や集団間格差を容認し、助長している。「もし知能に遺伝的人種差があることがわかると差別に結びつくから、遺伝的差異はないことにしなければならない」と主張する人は、「実際に遺伝的差異があったら、自分はそれを理由に差別する」という優生的態度に潜在的にとどまっている。
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ほとんど全ての能力や思想傾向について遺伝要素が関与している、という内容がデータ付きで示されています。 こういった内容はタブー視されている向きもありますが、どんな能力がどの程度遺伝子に支配されているのかというのは知っておくことはこれからの遺伝子情報社会に備えるためにも大事なことだ...
ほとんど全ての能力や思想傾向について遺伝要素が関与している、という内容がデータ付きで示されています。 こういった内容はタブー視されている向きもありますが、どんな能力がどの程度遺伝子に支配されているのかというのは知っておくことはこれからの遺伝子情報社会に備えるためにも大事なことだと思います。 教育現場では、こういった事実を正しく捉えた上で方針決定をするのが理想だと思います。
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適切な環境とたゆまぬ努力さえあれば、いかなるの人間も遺伝子に縛られる事なく自由にどこまでも自分の個性や能力を伸ばすことができる…そう信じなければ私たちは平等を成し遂げられないと思っている。 ★行動遺伝学の三原則 ・行動にはあまねく遺伝の影響がある ・共有環境の影響がほとんど見ら...
適切な環境とたゆまぬ努力さえあれば、いかなるの人間も遺伝子に縛られる事なく自由にどこまでも自分の個性や能力を伸ばすことができる…そう信じなければ私たちは平等を成し遂げられないと思っている。 ★行動遺伝学の三原則 ・行動にはあまねく遺伝の影響がある ・共有環境の影響がほとんど見られない ・個人差の多くの部分が非共有環境から成り立っている ★子供の問題行動の差 3歳から4歳にかけて、子供の行動は劇的に変化する。落ち着きがない、不安を訴えやすいと言った感情問題も、この時期には随分移り変わる。この変化にも遺伝と環境の両方が関わっていると考えられている。感情問題を遺伝的に起こしやすい子供でも、親の養育態度(子供への接し方)が温かくなるにつれ遺伝の影響が出にくくなる。 「言ってはいけない」より
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