遺伝子の不都合な真実 の商品レビュー
慶應義塾大学教授で教育学博士の安藤寿康先生の著書。遺伝子によって物事の全てが決まるわけではないけれど、知能レベルや性格の大部分が遺伝要因で決定され、環境要因はさほど関係がないという結論。遺伝子の不都合な真実でまとめられている安藤寿康先生のご意見は子供を持つ親や教育関係者から見ると...
慶應義塾大学教授で教育学博士の安藤寿康先生の著書。遺伝子によって物事の全てが決まるわけではないけれど、知能レベルや性格の大部分が遺伝要因で決定され、環境要因はさほど関係がないという結論。遺伝子の不都合な真実でまとめられている安藤寿康先生のご意見は子供を持つ親や教育関係者から見ると少し複雑な感情を覚えるかも。いくら努力しても教育環境を整えても大半が遺伝子要因で決まってしまう、それはが現実だとしたら自分たちの存在価値の自己否定になってしまうし、それこそ不都合な真実になるから。
Posted by
人の才能は遺伝的にかなり差があるらしいが、向き不向きは昔から言われているレベルのことはあるだろう。しかしまた遺伝情報はまだまだ分かっていないことがたくさんあり、それだけで全て決まる訳でもなさそう。才能の無い人も情熱で才能ある人を追い越したりするのはままあること。 それにしても、書...
人の才能は遺伝的にかなり差があるらしいが、向き不向きは昔から言われているレベルのことはあるだろう。しかしまた遺伝情報はまだまだ分かっていないことがたくさんあり、それだけで全て決まる訳でもなさそう。才能の無い人も情熱で才能ある人を追い越したりするのはままあること。 それにしても、書いたのが生物学者ではなく、慶応の文学部の先生というのが面白い。さめたような物の見方がいかにも慶応っぽい感じ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
サブタイトルに、「すべての能力は遺伝である」とあるが、遺伝決定論やいわゆる優性思想を主張するものでないことに注意。学習によって遺伝的素質が表面化する。学習方法を含む環境によって違いが加味されることは事実であり、同じ学習方法によって同一の効果を期待できないことや、どうやってもある能力は同じ水準に達しないのは本質的に正しい状況と考えている。そのうえで、遺伝的素質の違いが人間としての価値にどのように意味づけをするのかが考察されている。 とはいえ、これ以上は著者の哲学的考察が入りまくりで私にはよく分からなかった。
Posted by
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480066671/
Posted by
このところ多忙につき、読感を書いている時間がない。 とりあえず、読みましたということで、読了日と評価のみ記載。 2016/5/12
Posted by
◯互恵的関係が目の前に実現しているにもかかわらず、理不尽な不平等がこの世の中に蔓延しているのではないかと思われます。(208p) ★分業は互恵的利他行動なのだ。
Posted by
学歴やIQ、収入は遺伝の影響を受けるー。誰もが薄々気付いているが口に出すことがタブー視されている遺伝子の不都合な真実について論じられている。 例えば、学習成果は勉強によって個人の遺伝的才能があぶり出された結果であり、学歴の何割かは遺伝によって決まるという。そうすると「やればで...
学歴やIQ、収入は遺伝の影響を受けるー。誰もが薄々気付いているが口に出すことがタブー視されている遺伝子の不都合な真実について論じられている。 例えば、学習成果は勉強によって個人の遺伝的才能があぶり出された結果であり、学歴の何割かは遺伝によって決まるという。そうすると「やればできる」などの学習塾のキャッチコピーも虚しく響いてくるが、経験上何となく納得できる。 印象的だったのは、大リーグのスター選手のイチローには特別な遺伝的才能が必要だが、観客が気持ちよく観戦するために球場のトイレ掃除を根気よく続ける人にも特別な才能が必要だという点。個人の優れた才能が補完し合う互恵的関係が社会に必要なのである。 それら個人の遺伝的才能を発掘し、伸ばすことが教育に求められていると結論づけている。
Posted by
遺伝子と向き合った「教育」の必要性が求められる。こう、一口で教育と言った時、学校教育が真っ先に思い浮かべられる環境にも問題があるのだろう。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] 勉強ができるのは生まれつきなのか? 仕事に成功するための適性や才能は遺伝のせいなのか? IQ、性格、学歴やお金を稼ぐ力まで、人の能力の遺伝を徹底分析。 だれもがうすうす感じていながら、ことさらには認めづらい不都合な真実を、行動遺伝学の最前線から明らかにする。 親から子への能力の遺伝の正体を解きながら、教育と人間の多様性を考える。 [ 目次 ] はじめに すべては遺伝子の影響を受けている 第1章 バート事件の不都合な真実―いかに「知能の遺伝」は拒絶されたか 第2章 教育の不都合な真実―あらゆる行動には遺伝の影響がある 第3章 遺伝子診断の不都合な真実―遺伝で判断される世界が訪れる 第4章 環境の不都合な真実―環境こそが私たちの自由を阻んでいる 第5章 社会と経済の不都合な真実―遺伝から「合理的思考」を考えなおす 第6章 遺伝子と教育の真実―いかに遺伝的才能を発見するか [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
Posted by
①なぜ、遺伝で判断される世界が訪れるのか? ・一卵の双子がい環境で育ったも同じレベルの知力、性格 ・一卵の方が二卵より、身長、体重のみならず、IQも似ている(共有環境の影響がみられない) ・行動と遺伝に関係あり ②環境と遺伝子の関係は? ・個人差は遺伝から ・環境が人を育てると...
①なぜ、遺伝で判断される世界が訪れるのか? ・一卵の双子がい環境で育ったも同じレベルの知力、性格 ・一卵の方が二卵より、身長、体重のみならず、IQも似ている(共有環境の影響がみられない) ・行動と遺伝に関係あり ②環境と遺伝子の関係は? ・個人差は遺伝から ・環境が人を育てるというより、環境こそが私たちを制約している ・同環境下での個人差は遺伝である ③遺伝と学力、収入の関係は? ・学習のやりやすさ、速さ、正確さは遺伝に関係 ・興味の有無、やる気、努力も遺伝に関係 ・収入の42%が遺伝で説明できる ・収入と学力も相関有 ・学業成績は40%が遺伝の影響、20%が環境 ・青年期に社会的階層が高いと、遺伝の影響を受けやすい、低いと親の影響 ④いかに遺伝的才能を発見するか? ・遺伝子検査「TJムック」 ⑤気づき ・遺伝は遺伝しない ・親と同じ遺伝的要素を持った子は非常に表れにくい ・米国人の方が、遺伝的に新規性追求の傾向あり ・韓国、台湾、中国、シンガは集団主義 ・米英オーストラリアは個人主義
Posted by