遺伝子の不都合な真実 の商品レビュー
面白い研究結果だが、では教育をどうすべきかについての考察が乏しいのは、教育学の研究者として足りなくて残念。
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かなり挑発的なタイトルでその意味のまま取れば 当然各方面から反発が出そうな感じです。 しかし、様々な統計手法を用いて論理的に説明しているものの 結局は各個人が各個人として今いるのは遺伝子だけの影響でもないし 環境だけの影響でもなくその双方が密接に関わっているのだ というある意味当...
かなり挑発的なタイトルでその意味のまま取れば 当然各方面から反発が出そうな感じです。 しかし、様々な統計手法を用いて論理的に説明しているものの 結局は各個人が各個人として今いるのは遺伝子だけの影響でもないし 環境だけの影響でもなくその双方が密接に関わっているのだ というある意味当然のことを言っているに過ぎません。 ただ遺伝子と環境のどちらがベースになっているかという 議論に関しては明確に遺伝子がベースで環境によって その遺伝子の発現が左右されるという方向性は示されていますが。 そして現代社会では全ての人間は生まれながらに平等で 遺伝子による優劣は存在しないという前提にメスを入れる 様々な示唆を与えています。 倫理的な話題のためタブー視されて来たこの問題に関して むしろ真剣に議論することで逆に差別はなくなるし 皆が生きやすい世の中になるのではないかと 筆者は誤解されないように必死に説いています。 個人的には十分納得できる内容でしたが こういった内容の議論を公の場でするまでには まだまだ時間がかかりそうだと感じました。
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勝間塾で紹介されていた本。 一番に思ったのは、今の恵まれた自分の生活や友達関係、仕事で課長をやっていること、シングルで子育てをしていることなど、自分が頑張ってきちからだと、それなりに思っていたけど、それも、多くは遺伝子の影響を受けているらしいということだ。 現在は、努力や、親の教...
勝間塾で紹介されていた本。 一番に思ったのは、今の恵まれた自分の生活や友達関係、仕事で課長をやっていること、シングルで子育てをしていることなど、自分が頑張ってきちからだと、それなりに思っていたけど、それも、多くは遺伝子の影響を受けているらしいということだ。 現在は、努力や、親の教育次第で、子供がいい学校に通えるようになると思われており、逆にいえば、そうじゃない子供は、努力が足りないとか、親のしつけがなっていないとか、捉えられてしまう。けれど、それも、無視できない割合で、遺伝子の影響を受けているのだと思えば、その子らしく、その子が生き生きと生きることができるようにしか、支援はしてあげられないなぁと思った。自尊心が、やっぱり大切だ。それさえあれば、頑張りれるはずだ。
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パフォーマンスは遺伝と環境(学習)のどちらに起因するのかを記した本。学業成績や収入、性格と遺伝との相関については、双子や兄弟を使った研究により、どの程度の関連性があるか割合まで明らかになりつつあることを報告している。 特に興味深かったのは、 ①学業成績や収入の点において、高いレ...
パフォーマンスは遺伝と環境(学習)のどちらに起因するのかを記した本。学業成績や収入、性格と遺伝との相関については、双子や兄弟を使った研究により、どの程度の関連性があるか割合まで明らかになりつつあることを報告している。 特に興味深かったのは、 ①学業成績や収入の点において、高いレベルでは遺伝的な相関が低く、低いレベルでは遺伝的な相関が高い ②パフォーマンスの向上には学習が欠かせないこと。例えば、スポーツ選手も練習抜きに、高いパフォーマンスを発揮出来ない と言う点である。この事は、身近な経験とも一致するのではないだろうか。筆者も言うとおり、遺伝的な適性は存在するが、それを無視し、努力や学習の不足を指摘する流れがあることは、悲しいことであると思う。最終章は本題からややズレている感もあったが、その点、つまり互恵の必要性を気付かせてくれた点で、有用だったと思う。
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全ての能力は、遺伝の影響のもとにある。だからといって遺伝で差別することはできない。それぞれの遺伝的特徴がお互いに助け合い、社会が成り立っているから。遺伝をもとに差別するようなことがあるなら、そういう価値観を生み出している価値体系自体がおかしいんじゃないか。という遺伝と能力のお話か...
全ての能力は、遺伝の影響のもとにある。だからといって遺伝で差別することはできない。それぞれの遺伝的特徴がお互いに助け合い、社会が成り立っているから。遺伝をもとに差別するようなことがあるなら、そういう価値観を生み出している価値体系自体がおかしいんじゃないか。という遺伝と能力のお話から本著の主題である政治・社会学的な領域に。これから先の世界で必ず大きな問題になるテーマ。人間は差別する生き物、全てを受け入れ、包み込み、そこまで強くなれるのか。政治学者との対談本でもだしてほしい。
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自分がやりたい、無理をしていない、心地よいと思える、しっくりくることをやる。それが遺伝子(仮定の面あり)と環境両面から見た最善の方法と考えた。
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著者の安藤氏は、行動遺伝子学を専門とする教育学者です。 双子の研究で、能力や性格を調べています。 一卵性双生児は、遺伝的には100%一致していますが、二卵性双生児は50%の一致率です。 一卵性と二卵性の双生児の比較研究で遺伝子の影響がはっきりとわかります。 知能指数に関しては、一...
著者の安藤氏は、行動遺伝子学を専門とする教育学者です。 双子の研究で、能力や性格を調べています。 一卵性双生児は、遺伝的には100%一致していますが、二卵性双生児は50%の一致率です。 一卵性と二卵性の双生児の比較研究で遺伝子の影響がはっきりとわかります。 知能指数に関しては、一卵性で約95%の一致率、二卵性で約50%の一致率です。 体重や身長など身体的な面だけでなく性格に関しても一卵性で二卵性の二倍近い一致率を認めます。 環境よりも遺伝子が能力や性格を決めているのです。 http://ameblo.jp/nancli/entry-11712490806.html
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この本の中では、一般的に考えられがちな遺伝と環境との関わりについて、遺伝的要因に関することはイイこと、そうでないこと問わず、受け継いでしまうため、途中で環境が変 この本は、遺伝と環境との関わり方について、読者が一般的に考えるような遺伝が制約を指し、環境が自由をあらわすような考え...
この本の中では、一般的に考えられがちな遺伝と環境との関わりについて、遺伝的要因に関することはイイこと、そうでないこと問わず、受け継いでしまうため、途中で環境が変 この本は、遺伝と環境との関わり方について、読者が一般的に考えるような遺伝が制約を指し、環境が自由をあらわすような考え方とは正反対です。 つまり遺伝が自由を指し、環境そのものが制約を表すという考え方を筆者の安藤さんはされています。 安藤さんの言葉を借りれば、「環境こそが私たちを制約しているのであって、私たちは、自由を求め、そして必要としている。 私たちが自由を目指すその根底のところに、実は遺伝が大きくかかわっている。」とのこと。 環境の要因は一人一人全然違う。また環境の要因は、遺伝情報を発現させてくれるかどうかもその要因によって違ってくる。 私たちが遺伝的要素を気にして、その発現にいい影響を与えないような環境にしてしまうことで、遺伝情報もその環境に合わせようとする。 このことは結局、私たちが環境自体にしばられている状況に過ぎないということ。 だから私たちがいくら環境を変化させようとしても、遺伝的要因そのものもその環境に適応しようとしてしまう。 固定観念を疑ってみることが大切。そうすると今まで見えていなかったり、正反対の考え方が生まれる可能性が高いということを感じていました。
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ありとあらゆる事、顔かたち、好み、選挙で誰に投票するかまで⁉︎遺伝子が影響していると説く。環境か遺伝かの二元論ではない、行動遺伝学的見解を披露。しかしまだまだ未知の領域が多数存在することは事実
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才能や能力は遺伝であり、それを阻害するのが環境であると、今までの考え方をひっくり返す行動遺伝学の世界。ちょっと内容が衝撃的で、絶対朝日新聞の書評では紹介されないような本。面白い
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