シフォン・リボン・シフォン の商品レビュー
ある田舎の商店街にあるランジェリーショップの話。下着は自分を大切にするため、自分のために選ぶという考え方を初めて知った。下着は毎日身につけるもので必需品なのに、それが好きとかそこにお金をかけることは憚られる。あらためて考えると不思議な考えのように思えてきた。 毎日使うスマートフォ...
ある田舎の商店街にあるランジェリーショップの話。下着は自分を大切にするため、自分のために選ぶという考え方を初めて知った。下着は毎日身につけるもので必需品なのに、それが好きとかそこにお金をかけることは憚られる。あらためて考えると不思議な考えのように思えてきた。 毎日使うスマートフォンは最新のものを買うのに、毎日使う下着には極力お金を払いたくないと思ってしまう。 この物語は家族との関わり方も考えさせられる。これから家族の形が変わったり、親の介護が必要になった時、きっとぶつかり、悩むことになるだろう。そんな時、自分に何ができるのか、自分は相手に何をしてもらえるのか、ただ話を聞く聞いてもらうだけでも関係性は変わっていくのだろう。
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図書館。 とてもよかった。綺麗事だけでないのが、とてもよかった。人間はきれいとみじめで成り立っている。
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普段、下着屋さんで値引きされている千円台のものしか着けないので、新鮮な世界。「ま周りから見えるわけでもない消耗品にそんなにお金をかけるのは…」と思ってしまいがちな私だったので、下着で変わっていく登場人物の心情に「なるほどぉ」と思いながら読んでいた。 自分の気に入ったものをつけてい...
普段、下着屋さんで値引きされている千円台のものしか着けないので、新鮮な世界。「ま周りから見えるわけでもない消耗品にそんなにお金をかけるのは…」と思ってしまいがちな私だったので、下着で変わっていく登場人物の心情に「なるほどぉ」と思いながら読んでいた。 自分の気に入ったものをつけているときの幸福感ってものが、あるんだなあ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「シフォン・リボン・シフォン」 なんて素敵な響きだろう。かわいいものが大好き、少女趣味なところがある私はシフォンも好きだしレースも好きだしリボンも大好きなのである。 ふわふわきらきらしているものが大好きなのだ…!アイドルの衣装、ドレスブティックのウィンドウ、そしてランジェリー。 そういう夢みたいな繊細なものが大好きなのだ。 だからタイトルにひかれて、さらに今個人的にきてる近藤史恵さんの本だったから読んでみた。 ランジェリー集めは私も好きだ。けっこう持っているほうだと思う。普段使いするものとは別の総レースになっているものだったりビジューがついているものだったり、自分がときめくから買うし身につける。誰かのためではない。 そんな隠れた装い、人から見えない部分での装いが自分自身を励ましてくれることもある。 ランジェリーを買うときは自分がこれを着てどういう気分になれるか、なりたいかを考える。人に見せるものでもないから誰かの目を気にする必要もない。だからこそとことん自分と向き合える場所がランジェリーショップだ。 デパートや商業ビルだとテナントの一角がショップになっていることはほとんどだろうが、本作の「シフォン・リボン・シフォン」みたく独立型の店舗となっている場合、その店舗に入った瞬間からは自分とランジェリーだけの時間になる。 そういう外から見た自分と向き合わなくていい時間があるだけで、心にクッションを纏うことができる。そして心にクッションを纏うからこそ、向き合える現実もあるのだ。
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高級ランジェリーショップの店主とお客さんたちのお話。山あり谷あり、現実的な悩みごともしっかり書かれている。2012年の本、前半は女性蔑視の登場人物の発言や思考を読むのがしんどかった。10年以上たった今では同じ問題を描いたらだいぶ違う感じになるかも。
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下着って確実に気分の上げ下げに関わっていると思う。こんなお店が近くにあったらいいのにな。 物語の中盤から終盤は人生に深く関わるお話でいろいろ感じ入るところがあった。心がささくれたとき、優しく寄り添う下着や寝間着があったら安らぐだろうなぁ。
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親というものは何だろうねぇ。子供は自分の所有物? 価値観を押し付けられ、そこから逃げ出せずにいる。 リアルで重かった。
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ランジェリーショップか舞台でシフォン・リボン・シフォンってかわいらしいタイトルからキュートなお話なんだろうな〜って想像していたら結構ヘビーだった。 娘の自尊心を傷つけてコントロールしようとする両親や、旧態依然とした父親、自分の子供の部屋を漁りプライバシーを許さない母親っていう毒...
ランジェリーショップか舞台でシフォン・リボン・シフォンってかわいらしいタイトルからキュートなお話なんだろうな〜って想像していたら結構ヘビーだった。 娘の自尊心を傷つけてコントロールしようとする両親や、旧態依然とした父親、自分の子供の部屋を漁りプライバシーを許さない母親っていう毒親メドレーを食らっておどろく(旧態依然父は毒親とはちょっと違うかもだが)。キッツって思いながら読んでいたし、時々は口に出してた。 それぞれの話の親たちのやったことってほんとに嫌悪感強いんだけど、子供はそれをきっぱり打ち捨てないんだよね。読んでる側からしたらキツいしムカつくが…。 でも佐菜子は父母をほっぽらないし、篤紀は家を出ず、かなえは母と並んでテレビを見る。 子供たちは過去に親にされたことはきっとずっと許せないだろうけれど、親は完璧な人間じゃないって知ったときに、少なからず支配から脱することができたのかな。
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ランジェリーショップにまつわる話で、それぞれ重いテーマで読んでて辛くなるところもあったけれど、現実と向き合う姿に前向きな気持ちになれた。忙しい中でも自分を大切にしたいなと思った。
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