クローバー・レイン の商品レビュー
本が出来上がるまでの間に、いろんな人の努力と思いがあること知った。これから本を買う時にそれを思い出したら、また違う見方ができそう。 読み終わると爽やかな気持ちになった。
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本に関わる人達の苦労や喜び、そういうものがしみじみと感じられる1冊です。自分が図書館で本を選ぶときでさえ、全く知らない作家の本を手に取る事は少ない。そう思うと本を売るって難しい事なんだと気づかされました。
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あたたかい雨がじわーと心に染み入って、この本に出会えてよかったなという気持ちにさせてくれるお話でした。 ここのところ、大崎梢さん何冊か読んだけどダントツでいい。 本に関わる仕事をしている人のお話で、今回は文芸書の編集さん。 今まではエンタメ色の強い話だったけど、これは作中の「シ...
あたたかい雨がじわーと心に染み入って、この本に出会えてよかったなという気持ちにさせてくれるお話でした。 ここのところ、大崎梢さん何冊か読んだけどダントツでいい。 本に関わる仕事をしている人のお話で、今回は文芸書の編集さん。 今まではエンタメ色の強い話だったけど、これは作中の「シロツメクサの頃」のように普遍的な感動作ですね。 気分転換にちょっとだけ、と思って読み始めたら、結局最後まで読んでしまいました。 シビアな出版業界のビジネスの裏側を垣間見れるところも、いつもながら本好きには興味深いところ。 本屋さんのレビュー集「The Books」を直前に読んだこともあり、多くの人に読まれるベストセラーだけでなく、一人でも二人でもその人の人生を変えてしまうような本がたくさんあるんだなぁ、ということをすごく実感を持って感じることが出来ました。 日々、いろんな本を読んで勝手に感想書いているけど、もっと一冊一冊大事に読んでいこうと思いました。 いい本を届けたい人たちの想いと、家族への不器用な愛情がいい具合に合わさって、それぞれのビターな部分をやさしい春の雨が少しずつ少しずつ溶かしていくようで、みんな誰かの雨になれるんだなと思えたラストもよかったです。
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出版社の編集部員が偶然出会った「いい本」を売ろうと頑張る話。少し出来すぎだけど、いい話です。「売れる本がいい本」じゃなく「いい本が売れる本」であってほしいなあ。
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本好きには堪らない小説です。そして 大崎先生、是非『シロツメクサの頃』を小説化してください。とお願いしたくなります。
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「プリティが多すぎる」と同じく千石社シリーズ。 今回はミステリの要素は殆どなくて、一冊の本が世に出るまでの主人公工藤くんの奮闘記という感じ。 こうやって本を読んで好き勝手な感想を書き散らかしてるけど わたしたちの手元に届くまでにはたくさんの人たちの苦労があるんだなーと。 大崎梢...
「プリティが多すぎる」と同じく千石社シリーズ。 今回はミステリの要素は殆どなくて、一冊の本が世に出るまでの主人公工藤くんの奮闘記という感じ。 こうやって本を読んで好き勝手な感想を書き散らかしてるけど わたしたちの手元に届くまでにはたくさんの人たちの苦労があるんだなーと。 大崎梢作品はこういう普通の読者からはわからない世界を教えてくれる。 これからも活躍していただきたい作家のひとり。
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大崎さんは、成風堂書店の頃から好きで読んで いるけど、これは、中でもピカイチに好きな作品。 タイトルのつけ方も素晴らしくて、じんわり心に 響いてくる。 雨のイメージが大きく変わった気がする。 いわゆる「優等生」の若手編集者が、1つの原稿と出会い、 なんとしても本にしたいという思...
大崎さんは、成風堂書店の頃から好きで読んで いるけど、これは、中でもピカイチに好きな作品。 タイトルのつけ方も素晴らしくて、じんわり心に 響いてくる。 雨のイメージが大きく変わった気がする。 いわゆる「優等生」の若手編集者が、1つの原稿と出会い、 なんとしても本にしたいという思いに突き動かされ、 周囲の反対を押し切って行動していく。 その後ろにある思いや、いくつもの出会い。 この作品のこと、語りたい思いもあるけれど、 自分の中に取っておきたいような気持にもなる。 まだ読んでない人には、多くを語らずに、 手に取って読んでみてほしい。
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罪つくりな本です。 だって、大感動で読み終えたあとに、作者の大崎梢さんが本の中に登場させた もう1冊の本『シロツメクサの頃』を、読みたくてたまらなくなって どうしてそちらもちゃんと書き上げて、一緒に刊行してくれなかったの?! と、恨みがましい気持ちになってしまうから。 大手出...
罪つくりな本です。 だって、大感動で読み終えたあとに、作者の大崎梢さんが本の中に登場させた もう1冊の本『シロツメクサの頃』を、読みたくてたまらなくなって どうしてそちらもちゃんと書き上げて、一緒に刊行してくれなかったの?! と、恨みがましい気持ちになってしまうから。 大手出版社「千石社」の文芸部門の編集者 彰彦が、 とある作家を自宅に送っていった際、炬燵の上で見つけた原稿。 鼻の奥が痛くなるくらい泣き、心に得も言われぬ余韻を残した この『シロツメクサの頃』を、ぜひ本にしたい、預からせてください、と 彰彦が頼み込むところから物語は始まるのですが。。。 本が大好き!と言いながら、知りませんでした。 1冊の本(ことに、人気が下火になった作家の本)を出すことが、こんなに大変だなんて。 大手出版社なら資金もツテも潤沢にあることだし、 これは!と思う原稿はすいすい出せるんだろうな、と思いきや 大手だからこそ、作家や作品のランク付けが厳しくて 確実に売れる人気作家の作品の陰で、何年もヒット作のない作家が書いた 『シロツメクサの頃』は、どんなに内容が素晴らしくても会議にすらかけてもらえない。 中小出版社からなら出してもらえるだろうから、さっさと手放せと言われても 惚れこんだこの作品を、絶対に自分の手で世に出すのだと、 編集長に直談判し、編集者の仕事から逸脱しても、手作りのプレゼン資料を作り、 ありとあらゆる関係部署に頭を下げて配って歩く彰彦。 「一冊はいつかきっと百冊にも千冊にもなる。 数年後の誰かのために、その人を感動させるために、 今、種を蒔いたり水をかけたりするのだ」と、頭の中では緻密な戦略を練り 書店員にはジャニーズばりの爽やか笑顔を振りまきながら 販売スペースを拡げ、好意的に扱ってもらうよう骨を折る、営業の若王子。 大御所ならたやすく手に入る献本を断り、1500円払って書店でこの本を買い 頼まれもしないのに、大手の全国紙に読後感を綴ってくれる 気骨の大御所作家、柴山。 手書きのPOPに思いの丈を綴り、工夫を凝らした飾りつけで 本を手に取ってもらえるよう、店に並べてくれる書店員たち。 心を揺り動かされた作品をきちんと本にして、書店の隅に埋もれさせることなく なるべくたくさんの読者のもとへ届けるために 最大限の努力を惜しまない人たちがいるからこそ、 私たちはこうして素晴らしい本に巡り会えるのですね。 タイトルと装幀を見て、「うん?女性向け? というか、少女向け?」 なんて誤解して手を引っ込めた方(特に男性)も多いと思いますが 本が好きなら、ぜひぜひ引っ込めた手を戻して 読んでいただきたい1冊です!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大崎梢さんの作品 今度はメイン舞台は書店ではなくて、その上流、(そしてミステリではなかったです) さらにディープな世界でした。 文芸書の編集者さん 作家、営業、書店等、一般読者からは目に見えない、本作り。 いい原稿をみつけたところから、出版にこぎつけ、重版… 急にトントン拍子な気もしましたが エンディングもいい感じ、もう一歩先まで読ませて欲しいという余韻を残して。 私も仕事頑張らなきゃな (?)
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この本を読んで思い出したのは三浦しをんさんの「舟を編む」。 「舟を編む」は辞書編集の話で、その本も編集プラス恋愛と、この本と少し相似点もあり、そしてとても面白かったので「クローバー・レイン」を読まれた方はそちらもおすすめします。 「クローバー・レイン」とてもよかったです。 本と...
この本を読んで思い出したのは三浦しをんさんの「舟を編む」。 「舟を編む」は辞書編集の話で、その本も編集プラス恋愛と、この本と少し相似点もあり、そしてとても面白かったので「クローバー・レイン」を読まれた方はそちらもおすすめします。 「クローバー・レイン」とてもよかったです。 本というと、作家さんがまず一番に頭に浮かびますが、編集者、そして書店周りの営業担当者が、 一冊の本ができるまで、それを世に送り出すまで、送り出した後もいかに世の人に知らせるか手にとらせるか読ませるか、 一冊の本の後ろには、ここまでのことがあるんだということ、陳腐な表現しかできませんがとても勉強になりました。 主人公の若手編集者の工藤彰彦の編集者としての頑張り、成長も読んでいて面白く楽しめましたが、その彰彦の見つけた、彰彦の頑張りがなければ世に出なかったであろう小説「シロツメクサの頃」に関する話、作家、その娘の話も面白く、そして最後しめくくり、彰彦とその娘冬実の今後、そして彰彦が一番気にかけていた"尚樹"から届いたメール。 一人の人間の成長、頑張り、恋愛、人を思う気持ち、複雑な家庭環境、そして最後ダブルのハッピーエンド。 内容盛りだくさんの良い小説です。 主人公彰彦も素敵ですが、幼い時から、心が屈折してもおかしくない環境の中で生きてきたにもかかわらず、まっすぐ善良に育った(であろう)尚樹にも関心を持ちました。 今度はこの尚樹を主人公にした小説を書いてほしい、そして「シロツメクサの頃」も小説にしてほしい、と思います。 大崎梢さん、次々の作品まっています。 「作家=小説を書く人。文芸編集者=小説のために何でもする人。本を創るために本に携わる人たちのまっすぐな思いに胸が熱くなる一作」
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