クローバー・レイン の商品レビュー
物語の展開のスピードと読後感が良かったです 主人公を中心とした登場人物に、仕事人としての魅力もありましたね
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小説家で原稿を書いても、本という形になるまでは長い。編集者、編集部、会社の立場、営業部、、、いろいろな人たちを、経て選りすぐられものだけが、本になるのか。と思った。
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本を読み出すと止まらなくてあっという間に一冊読んでしまうけど、一冊の本をつくる裏にはたくさんの人、たくさんの時間が必要で、出来上がってからもそれで終わりではなくそこから第二弾スタートみたいな…気が遠くなる話だなと思いました。主人公が冷静そうに見えて、なかなかアツイのが◎
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小説って、それが原稿の時は作家のものだけれど、“本“にするという時点で、そこに携わる全ての人による“作品“になるんだね。 出版界のあるパーティで、今は売れなくなった、泥酔した作家を家まで送り届けた、主人公彰彦は大手出版社の若手編集者。その作家の家で、原稿を見つけた。 「どうしても...
小説って、それが原稿の時は作家のものだけれど、“本“にするという時点で、そこに携わる全ての人による“作品“になるんだね。 出版界のあるパーティで、今は売れなくなった、泥酔した作家を家まで送り届けた、主人公彰彦は大手出版社の若手編集者。その作家の家で、原稿を見つけた。 「どうしてもこの小説をを自分の会社で本にしたい。どうしても自分がこの本を作りたい」 熱い思いで「この原稿を預からせて下さい」と作家に頼む。「どうせ、君の会社では出ないと思うからダメならダメと早く言ってよ」と言いながら作家は預けてくれる。 彰彦の勤める出版社は大手で、売れない作家の本など出してくれるはずもない。編集長に推してみても、忘れられるくらい長い間、デスクの引き出しに眠らせられるか、その上の会議で簡単にボツになるかだ。そんなことなら、さっさと小さな出版社に原稿を渡して日の目を見たほうが、作家も幸せだ。 だけど彰彦はどうしてもその小説を自分が本にしたかった。何故なら、その小説は“彼自身“の小説でもあったから。 彰彦は熱意を持って、あの手この手で社内の人間を説得し、とうとう出版の決定がなされる。しかし、その先の道のりも大変だった。 まずはその小説の“要“である詩の作者である作家のお嬢さんから引用の許可を貰うこと。それから、せっかく出版された本が、平積みさえされずに返本ということを避けるために、営業と一心同体となって本屋回りなど、あらゆる努力をした。 本屋から「王子」と呼ばれているイケメン若手敏腕営業マンは「今をときめく編集者が首を掛けて作った本」などという触れ込みで、本屋のスタッフに印象づける。 本を作るのは作家と編集者とデザイナーと印刷屋などだけではない。「読者」に届けるという本の大切な役割を果たすためには、“営業マン“も“製作者“の一人なのだと思った。 他に、若手編集者たちによる「シロツメクサの頃」(その本のタイトル)をめぐる座談会が雑誌で企画してされるなど、「読んでほしい」と心から思う人たちによって読者に届ける戦略がなされ、「シロツメクサの頃」は重版された。 そして、彰彦はじめ、小説「シロツメクサの頃」を読んだ読者たち自身の小説の続きが始まった。 電子出版なら手間もコストもかからず、エコである。けれど、多くの人の手や足や頭や心を使って、なんとか完成する「紙の本」は、出来ただけで「ドラマ」、出来てからも「ドラマ」を産む。それくらい素晴らしいものだと思った。
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一冊の本が世に出るまでにはいろいろあることに気づかされた。メディアに取り上げてもらえる作品はほんの一握り、出版された事さえ忘れられてしまう物やそもそも出版されない作品も多いんだよな。出版業界をほんの少し覗き見できたようでおもしろかった。 彰彦と、歳の近い叔父「尚樹」の関係もよ...
一冊の本が世に出るまでにはいろいろあることに気づかされた。メディアに取り上げてもらえる作品はほんの一握り、出版された事さえ忘れられてしまう物やそもそも出版されない作品も多いんだよな。出版業界をほんの少し覗き見できたようでおもしろかった。 彰彦と、歳の近い叔父「尚樹」の関係もよかった。家庭内で複雑な立場にあっても真っ直ぐに成長し、彰彦に様々な本の種を蒔いてくれた。多額の借金の依頼も変なトラブルの後始末ではなかった、ホッとした、まっとうな人生を歩んでいたんだ。 作中の作品「シロツメクサの頃」読みたいなぁ❗
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一冊の本には色々な想いが込められていることに、改めて気づいた。 いつもは好きな作家さんの本や話題になっている本しか手に取らないが、 時にはタイトルや装丁で気になったものを読んでみるのも良いのかもしれない。 思わぬ出会いが雨となって心にやさしく降り注いでくれるかもしれない。
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いい本に出会えたなぁ。たくさんの人の手を通って一冊の本になって、届く。当たり前の様に読んできた本の裏側を少しでも知れて良かった。
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要領の良く、仕事で挫折を味わったことがない編集者の工藤彰彦(29)が初めて編集者として苦労する話。編集者としての経歴を順調に歩んできた工藤だったが、現在売れていない作家の原稿を読み感動のあまり作家に「担当させてください!」と頼み奔走する。いい人すぎる主人公を応援する気持ちが湧いて...
要領の良く、仕事で挫折を味わったことがない編集者の工藤彰彦(29)が初めて編集者として苦労する話。編集者としての経歴を順調に歩んできた工藤だったが、現在売れていない作家の原稿を読み感動のあまり作家に「担当させてください!」と頼み奔走する。いい人すぎる主人公を応援する気持ちが湧いてくる一冊。
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2021年最後に読み終えた本がこの本でよかった。今年読んだたくさんのすてきな本も、このお話のように誕生したのかもしれない。 改めて本っていいなぁ。
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小説家と編集者のリアルな奮闘記。 出版社・千石社の文芸部に所属する若手編集者・工藤彰彦は、酔い潰れてしまった過去の人気作家・家永嘉人を介抱し、自宅を訪ねたところ、「シロツメクサの頃」という素晴らしい原稿に出会ってしまう。 しかし大手の千石社では、たとえ良い作品でも、人気がない...
小説家と編集者のリアルな奮闘記。 出版社・千石社の文芸部に所属する若手編集者・工藤彰彦は、酔い潰れてしまった過去の人気作家・家永嘉人を介抱し、自宅を訪ねたところ、「シロツメクサの頃」という素晴らしい原稿に出会ってしまう。 しかし大手の千石社では、たとえ良い作品でも、人気がない、賞へのノミネートの期待も無い家永では、出版は難しく、出版業界の現実にぶち当たる。 彰彦は、どうしても「シロツメクサの頃」を上梓し、ある人に見せたい思いを胸に、旧態依然の社風に立ち向かう。 生意気だがやり手の後輩、ライバル出版社の編集者などの協力も得ながら、壁をぶち破る。 出版業界の甘いも酸いも分かるお仕事小説。 そういう過程から生まれてきた本を読んでいる喜びを感じられる。
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