光 の商品レビュー
とある片田舎に暮らす子供たちのお話。 面白いです。なんていうか雰囲気が非常にいい。子供が子供してて読んでいてなんかほんわかする気分にもなるんですが、幼いながらも嫉妬や恋心なんかの感情に徐々に目覚めつつもそれに対して戸惑う様がなんともいえず・・・変な感想ですけども。自分はこういう片...
とある片田舎に暮らす子供たちのお話。 面白いです。なんていうか雰囲気が非常にいい。子供が子供してて読んでいてなんかほんわかする気分にもなるんですが、幼いながらも嫉妬や恋心なんかの感情に徐々に目覚めつつもそれに対して戸惑う様がなんともいえず・・・変な感想ですけども。自分はこういう片田舎での体験みたいなものはほとんどありませんが、読んでいるとこう、追体験することができるというか。 最近の作風からして暗い展開になるんじゃないかと序盤はびくびくして読みましたが、こういう作品も書くんですね・・作者の引き出しの多さを垣間見た気分です。
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少し昔のころを思わせる時代設定の、少年少女たちのささやかな大冒険。 タイトルは「光」だが、恋や部活にキラキラ輝く青春を描いたものではない。 むしろ陰を丹念に書くことで、それを存在たらしめているであろう光を想像させる物語だ。
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この表紙と私の借りたやつ、若干違うんですけど…。こんな虹?みたいなの見えないぞ。道尾秀介週間、最終巻。連作短編集。少年時代の思い出。スタンドバイミー的な。面白かった。何かキュンとくる感じ。ところどころ笑えるし。章間の文章は本文の書き手・利一ではなく、悦子だった。利一のつもりで読んでたから、何か違和感。最後のキュウリー夫人たちが助けに来たときは涙が出てしまった。大人になった今も花火の日には集まるってのがいいね。うらやましい。こんな冒険、してみたかったなー。
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あのころ、わたしたちは包まれていた。 まぶしくて、涙が出る。 まるで自分の思い出を振り返っているような自然な読み心地と、 小説作品にしか辿り着けない感動。 さらなる心境を示す、道尾秀介、充実の最新作。 第18作。第五連作短編集。 形式:一人称小説(語り手:「私」(利一)、「わたし」(悦子))。 小学4年生鮮やかな、夏から翌年の春までの一年を時系列に沿って丁寧に描いた傑作連作長篇。 主人公である「私」、利一はどこにでもいそうな4年生であるが、他にでてくる子供に比べちょっと内向的で、自分に自信がないイメージを与える。 親友・慎司は興奮すると「え、」と前置きしてしまうとぼけた感じの男の子。 その姉・悦子は、ボーイッシュで活発、一方で何気に垣間見える弟への心遣いが可愛らしい。 宏樹は典型的な金持ちの子って感じで、場面によってはうざったいがどこか憎めない。 清孝はこのなかで誰よりも強い心をもった、人の気持ちになって考えられる優しい少年。 以上の基本メンバーに加え、清孝の祖母・キュリー夫人、その宿敵だった犬のワンダ、担任の沙織先生や教頭先生、「㎜∞」で形容される一学年下の劉生などの面々が物語に光を与えている。 道尾さんの得意のどんでん返しはないものの、 少年モノらしく主人公たちの苗字は一切出てこないし、 明朝体とゴシック体とでちょっとした仕掛けをしたり、 冒頭から『時間の光』なる著からの引用、アームストロング船長らの通信記録など遊び心にあふれている。 当初は「夏の光」単発だったものが、キャラクターに惹かれて続きが気になり書いた作品。 それぞれの短編で見ても主人公たちがちょっとずつ生長しているし、たった一年の流れの中で、彼らの世界もちょっと広がりを見せる。 各短編もちょっとした伏線のある「日常の謎」モノとして読めなくもない。 短編小説も一編一編が出色の出来で、とくに「冬の光」は思わず涙した。 最後の二編は大事過ぎるきらいがあるものの、全編を通して見事なほどに収斂している。 ミステリ:☆☆ ストーリー:☆☆☆☆☆ 人物:☆☆☆☆☆ 読みやすさ:☆☆☆☆☆
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んーよかった!! 大人になったかつての少年たち 彼らの思い出を現在の立場から振り返るという連作短編集 最終章に向かい各章にちりばめられた伏線が繋がっていきます そのときにしか感じられない想い、今になってしか感じられない想い・・・・・ どちらの想いも今生きている、そしてこれから生き...
んーよかった!! 大人になったかつての少年たち 彼らの思い出を現在の立場から振り返るという連作短編集 最終章に向かい各章にちりばめられた伏線が繋がっていきます そのときにしか感じられない想い、今になってしか感じられない想い・・・・・ どちらの想いも今生きている、そしてこれから生きていくうえで大切なもの いつも感じているわけではない ふとした瞬間に思い出す 温かい・・ほろ苦い思い出 道尾流『スタンド・バイ・ミー』 どうぞ!おすすめです!! http://momokeita.blog.fc2.com/blog-entry-180.htmlより
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カバー写真:大橋愛 装幀:坂野公一+吉田友美 まず本文のフォントが違和感あって読みづらかった。 しかも腐った頭で読んだため 宏樹x清孝←劉生 とか考えて本文が頭に入らなかった。 たぶん私が道尾さんに求めているものは こういう少年時代の苦い思い出とかじゃなく もっとどろどろし...
カバー写真:大橋愛 装幀:坂野公一+吉田友美 まず本文のフォントが違和感あって読みづらかった。 しかも腐った頭で読んだため 宏樹x清孝←劉生 とか考えて本文が頭に入らなかった。 たぶん私が道尾さんに求めているものは こういう少年時代の苦い思い出とかじゃなく もっとどろどろした読み物なんだ。 同じジュブナイル系でも「月と蟹」の陰鬱な雰囲気の方が断然好み。
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小学4年生の日常と非日常、「スタンドバイミー」とオーバーラップするがまた違ったテイストで面白い。私とわたしの違いに最後で気がついた。キュウリー夫人とワンダの闘いとその後は気に入っている箇所だ。
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新たなる道尾秀介ワールド。 毎作品違う顔を見せる。 発表される事に好きな作品が塗り替えられる。 私はこの作品大好き
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道尾さんの最近作。 ちょっと丸くなった…? 少年達が過ごした日々の話。 直木賞受賞の「月と蟹」ほどガッチリ構成されてはいませんが、その緩さが心地良い。 後半は波乱の冒険物です。 初期作品ほど暗くない…あの怖さが好きだったら、やや甘く感じるかも? 都会から少し離れた山間の町。 ...
道尾さんの最近作。 ちょっと丸くなった…? 少年達が過ごした日々の話。 直木賞受賞の「月と蟹」ほどガッチリ構成されてはいませんが、その緩さが心地良い。 後半は波乱の冒険物です。 初期作品ほど暗くない…あの怖さが好きだったら、やや甘く感じるかも? 都会から少し離れた山間の町。 夏休みに入り、女恋湖(めごいこ)で夏の花火が始まる。 小学4年生の利一、慎司、宏樹、清孝。 大人しい利一は、いつもの仲間達と今日も遊び回り、身近に起きることに興味津々で、小さな謎を追う。 慎司の姉で6年生の悦子は真っ黒に日焼けしていて、一緒に遊ぶ。利一みたいな弟の方が良かったという悦子を、ほのかに異性として意識している。 お金持ちの家の子・宏樹は、よく無神経な発言をして、呆れられる。 祖母と暮らしている清孝は貧乏だが、それだけに考え深い強さも持っていた。 清孝の祖母のことはキュウリー夫人とあだ名して、皆が畏れていた。 (顔が胡瓜に似ているからで、キュリー夫人に似ているからではない) 強烈な性格で、犬と本気でやり合うキュウリー夫人。 子ども達は、雑木林に住み着いて色々な人から餌を貰っているこの犬ワンダ(もとはワン太)と仲良しになる。 ワンダもなかなか良い味出してます。 開発に反対している良心的な議員が引っ越してきて、その息子・劉生が近所の仲間になりかける。 弱々しい外見の子だが、頭は良いらしい。 家は桁違いの金持ちだったが、実は両親が忙しすぎて孤独。 劉生を狙った誘拐事件に、利一たちも巻き込まれてしまい…? 秘密の場所を巡って、教頭先生が教えてくれた伝説。 女恋湖で人魚が殺されたという…子ども達は探検しているときに、それらしい場所を発見する。 怖い存在だった先生が、子どもの頃は友達がいなかったと話してくれたのも印象的。 子ども達の見ている世界がさわやか。 どこまでも歩いていけるような気がしていた。 何かに包まれているような気がしていた… 子どもの体温や汗、きらきら輝く目や泥に汚れた服など、くっきり目に浮かぶよう。 時には力なさを感じ、子どもなりに内心苦しむのだが。 これだけ思いっきり行動できたら良いよねえ。 どことなくトム・ソーヤーに似た所があります。 少年が主人公の児童冒険物日本版として、意識してるんじゃないかしら?
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