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皇帝のかぎ煙草入れ 新訳版 の商品レビュー

4.3

54件のお客様レビュー

  1. 5つ

    21

  2. 4つ

    26

  3. 3つ

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2024/05/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

カーの作品はいくつか読んで、怪奇趣味で密室トリックが好きなんだなあ〜と感じて止まっていたけれど、こんな作品もあったなんて知らなかった。 とことんシンプルなトリックと動機だけれど、物語の筋を注意深く追わないと全くわからない。 解説ではフェアかどうかで意見が割れるとあったが、気持ちよく騙され、喝采です。

Posted byブクログ

2024/05/06

未読だったミステリーの名作を初めて読んだ。 イブはフランスの避暑地で暮らす英国人。浮気者の夫に愛想を尽かし離婚するが、通りの向かいに住む堅実な家庭の誠実な青年と恋に落ち、婚約する。 ところがある晩、別れた夫が未練がましくイブの家に侵入し、婚約の解消を迫る。押し問答が続く中、2...

未読だったミステリーの名作を初めて読んだ。 イブはフランスの避暑地で暮らす英国人。浮気者の夫に愛想を尽かし離婚するが、通りの向かいに住む堅実な家庭の誠実な青年と恋に落ち、婚約する。 ところがある晩、別れた夫が未練がましくイブの家に侵入し、婚約の解消を迫る。押し問答が続く中、2人は婚約者家族の家長が殺害される現場を目にする。 別れた夫が家にいたことを知られたくないイブは口をつぐんでいたが、偶然から状況証拠が積み上がり、イブは殺人の第一容疑者になってしまう・・・。 人間心理の隙をついたトリック。トリックそのものはシンプルながら、様々なミスリードにより、「◯◯ができた人間は××しかいないよなあ」と思っても、その人物が殺人を犯すことは不可能という状況が作り出され、最後まで犯人がわからない。 読んでいて、とても映画的な作品だと感じた。 イブが殺人を目撃してから状況証拠が作られてしまうあたりの一連のシーンはヒチコック映画を彷彿とさせるサスペンスがあるし(もしかしたら「裏窓」はこの作品にインスピレーションを得ているのか?)、灯台の灯りが差し込み、時々人物のシルエットが浮かび上がる部屋での謎解きも映像が目に浮かぶよう。 ラストシーンも、ヘップバーンあたりが主演の映画を思わせる。

Posted byブクログ

2024/01/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

離婚してまもなく、銀行員の青年トビイ・ローズと婚約したイヴ。ある夜彼女はトビイの父、サー・モーリス殺害の容疑者にされてしまう。犯行時刻、イヴは向かいの自宅の寝室にいたが、前夫のネッドが忍び込んでいたため、アリバイを立証できなかった。イヴとネッドはモーリスの部屋から消える「茶色の手袋」をはめた人物を目撃した。加えてネッドはその人物の顔を見たようだが、逃げる際に階段から落ち、脳挫傷で意識不明に…。イヴは一人、絶対絶命の窮地に立たされることになる。 トリックに関しては、今思えばすごくシンプルでわかりやすいのに、それを感じさせない構成力が魅力的だった。カー作品は今回が初めてだったが、そのほかの作品も読んでみたくなった!ヒントとなる発言はあちこちに散りばめられているにも関わらず、登場人物のの人間模様として消化されてしまい、そこまで重要なことのように思えない。読了以前と以降でガラリと意味合いが変わる手腕と、それを気づかせずミスリードさせる構成がクリスティを唸らせた所以なのでしょうかね? イヴの無実が読者には分かっているので、「あぁ…何で…」、「これを言えば無実なのは一目瞭然なのに…!」などのもどかしさと言うか、終始イヴを含めた登場人物に苛立ちを覚えながら読み進めた(これ故に星4)。特にトビイは何なのだ?女性には理想を押し付け、一方で自分は「ほんの気の迷い」?火遊び?ママに慰めてもらいな、笑ってやるから。 ネッドがアリバイ工作にイヴを利用した(結局はイヴに罪を着せるつもりはなかった)のは許せんが、まだこっちの方が愛があると感じてしまった…。私も男を見る目がなってないのだろうか??

Posted byブクログ

2023/12/04

面白かったあ。派手などんでん返しではなかったけど、きちんとしてるなと思った。じっくりくるタイプの謎解きだった。良かった。

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2023/11/25

最初はキャラクターの心情にもどかしさを感じつつも、最後はスッキリ終わったしなるほどと思わせるトリックだった。 先入観というものは、恐ろしい

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2023/11/13

アメリカ人作家カーのミステリーを初めて読んだ。クラシックな、シャーロックホームズ系の犯人捜しである。なかなかよくできている。 設定はフランスの片田舎でリゾート地区に住むイギリス人家族とその隣人の話である。主人公の女性(離婚したばかり)はその美しさ故に、男性たちから嫉妬されて疑惑に...

アメリカ人作家カーのミステリーを初めて読んだ。クラシックな、シャーロックホームズ系の犯人捜しである。なかなかよくできている。 設定はフランスの片田舎でリゾート地区に住むイギリス人家族とその隣人の話である。主人公の女性(離婚したばかり)はその美しさ故に、男性たちから嫉妬されて疑惑に巻き込まれる。 向かいの家のおじいさんが何者かに殺害された。その晩は、彼以外の家族は出かけていて家には鍵もかかっていた。 こういう小説にありがちな、警察はイマイチ頭が良くなくて、代わりに探偵(本書の場合は心理学者)が謎を解いていく。登場人物全員が怪しげなのも、よくある設定だ。 ちょうどいい長さで気軽に読める。

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2023/11/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

海外古典キャンペーン中につき初ディクスン・カー、東西ミステリーベスト100から海外版37位の本作です。 意外な犯人と言う事で、一緒に犯行現場を見ていた(風の)人が犯人、と言うこのパターンは斬新です。それでもキチンとしたフェアプレーです。 古典のこの時期に色々やり尽くされていたのかなと推察。ミステリの可能性を試す感じがちょっとアガサ・クリスティっぽいですね。翻訳本苦手だったけれど、新訳を中心に訓めば良いと気づいたので漁ってみます。☆×3.7。

Posted byブクログ

2023/09/30

この本が書かれた1942年にすでに、トビイの考えが時代遅れの古くさい道徳観念だったということが驚きである。ミステリーとしても、小説としても面白い一冊。

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2023/09/27

最初からかなりスリリングで引き込まれる。叙述トリックの亜流とも捉えられる種明かしは鮮やかで傑作の所以あり。

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2023/09/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

カーのノンシリーズもの。 ゴロン警察署長は短編にも出てくるらしい。 若い美貌の女性イヴは、向かいに住んでいる婚約者の父が殺されていることを窓から発見する。数々の状況証拠により犯人とされるが、釈明しようにも、殺された夜、前夫が寝室に忍び込んでいたため証言できない。 色々な人が述べているように、凄い作品。遅ればせながら読了。カーの中でも指折りの名作だと思う。トリック、雰囲気、ストーリー全て良し。タイトルも本当に秀逸。 カーらしからぬというか、結構珍しい手法だと思うので、他のシリーズ作品を読んでからだとなお良いかも。

Posted byブクログ