皇帝のかぎ煙草入れ 新訳版 の商品レビュー
浮気症の夫と離婚したイヴは婚約者トビイの父、サー・モーリス殺害の容疑をかけられる。 犯行時の状況を外部から知るイヴはそれを公にできない理由があり……。 不朽の傑作長編。→ ノンシリーズなんだけど、カーらしいチャーミングな女性とジェントルな探偵と憎めない警察署長が良き味を出してる...
浮気症の夫と離婚したイヴは婚約者トビイの父、サー・モーリス殺害の容疑をかけられる。 犯行時の状況を外部から知るイヴはそれを公にできない理由があり……。 不朽の傑作長編。→ ノンシリーズなんだけど、カーらしいチャーミングな女性とジェントルな探偵と憎めない警察署長が良き味を出してるミステリ。 上手い……このトリックは上手すぎる。「女王クリスティが驚嘆」という文言にも納得。 短いお話に綺麗にまとまる職人芸。読み終わったら絶対冒頭に戻るよね(笑)→ 個人的には「かぎ煙草」という文化を知れたのが良かった。煙草の粉末を摘んで匂いを嗅ぐという煙草の嗜み方があったのか。フランスでは鼻から煙を出すのは下品、という考え方が広まったとかとか。面白いなぁ。 コンパクトにまとまっているノンシリーズだから、カーの入門書にピッタリ。
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ディクスン・カー初読み。 十角館にも出てくるカーがやっと読めた! 「クリスティーを驚愕させた不朽の傑作」と背表紙に書かれていたので、この作品を読んでみたかった。 まんまと気持ちよく騙されて楽しかった。 ページ数も少ないし、無駄のない展開で読みやすくてあっという間に終わってしま...
ディクスン・カー初読み。 十角館にも出てくるカーがやっと読めた! 「クリスティーを驚愕させた不朽の傑作」と背表紙に書かれていたので、この作品を読んでみたかった。 まんまと気持ちよく騙されて楽しかった。 ページ数も少ないし、無駄のない展開で読みやすくてあっという間に終わってしまった。 初読みなのでまだよくわからないけど、自分の読んだイメージではクリスティーに比べて人間描写や心理描写が少なめで、犯人当てを楽しむ感じかなと思った。
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海外ミステリのおすすめは?と聞かれたら、真っ先にこちらを勧めます。 カーを知った1冊でもあり、本当に最後まで面白い。最後まで全員信用できない感じが良かった!
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たまには古典ということで、図書館にあったディクスン・カーを読んでみた。 やはり、この時代の翻訳物の雰囲気はとても懐かしく、心落ち着く。 謎解きについては、こういうふうに読者はミスディレクションされるのか。なるほど、とは思うが、やられた!騙された!っていう驚きまではあまり感じられな...
たまには古典ということで、図書館にあったディクスン・カーを読んでみた。 やはり、この時代の翻訳物の雰囲気はとても懐かしく、心落ち着く。 謎解きについては、こういうふうに読者はミスディレクションされるのか。なるほど、とは思うが、やられた!騙された!っていう驚きまではあまり感じられなかったかな。 ----ここから先ちょっとネタバレあります--- アンフェアだと思ったのは、探偵役のキンロス博士があれほど何度も犯人はローズ家の中にいる、って言ってたのに真実は違っていた! この点に関して、博士の言葉は以下の通り。 →「ゴロン署長から初めて事件の経緯を聞かされたときは、犯人はローズ家の中にいる疑いが濃厚だったのです。文句は言いっこなしですよ。あなた方だってそう考えていたんですから。」P290 確かに地の文で確定的に述べられておらず、あくまでも、その時点での博士の考えの表明ではあるけれど、探偵役がそう言うのだから、犯人をローズ家の人間に絞って考えてた私は馬鹿?っていう感じ。 また、キンロス博士って、もう50歳は超えた人間かと思っていたら、なんとエンディングで、犯人にされそうな窮地を救ってあげた超美人のヒロインとラブラブになって終わるという都合の良さ! (年齢は30からせいぜい40台だってこと?) 全体的に、昔の推理小説らしい雰囲気は楽しめたが、トリック含めなんだかなーという感想でした。
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読んだわー、もう探偵小説を読んだわー という一冊(いやそんなしたり顔で言われても) ジョン・ディクスン・カーの鴨長明じゃなかった超名作『皇帝のかぎ煙草入れ』を再読です ちなみに皇帝ってナポレオンのことね いやもう、とんでもないわ このトリックはすごい この読ませ方よね そん...
読んだわー、もう探偵小説を読んだわー という一冊(いやそんなしたり顔で言われても) ジョン・ディクスン・カーの鴨長明じゃなかった超名作『皇帝のかぎ煙草入れ』を再読です ちなみに皇帝ってナポレオンのことね いやもう、とんでもないわ このトリックはすごい この読ませ方よね そんなに長くないし、新訳で読みやすいんで、マジみんなに読んでほしいわ〜 とてつもなく面白かったです わいは普段から自分のことを「推理しない読者」と呼んでいて、これは推理小説大好きなくせにあまりこの人が犯人とか、このトリックはこういうことでは?なんてことを考えずにどんどん読んじゃうんです だって犯人を見つけるのは探偵の仕事であって、読者の仕事ではありませんからね 不可能と思われた犯罪を探偵が鮮やかに紐解いていくのを見るのが好きなんですよ なんで、今回もそのへんところはあまり考えずに読んでるんですが、もしこれから読むって人がいたら、これはもう是非推理しながら読んてほしいですね その方がキンロス博士の推理がより一層鮮やかに感じられるはず 超オススメ!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
カーの作品はいくつか読んで、怪奇趣味で密室トリックが好きなんだなあ〜と感じて止まっていたけれど、こんな作品もあったなんて知らなかった。 とことんシンプルなトリックと動機だけれど、物語の筋を注意深く追わないと全くわからない。 解説ではフェアかどうかで意見が割れるとあったが、気持ちよく騙され、喝采です。
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未読だったミステリーの名作を初めて読んだ。 イブはフランスの避暑地で暮らす英国人。浮気者の夫に愛想を尽かし離婚するが、通りの向かいに住む堅実な家庭の誠実な青年と恋に落ち、婚約する。 ところがある晩、別れた夫が未練がましくイブの家に侵入し、婚約の解消を迫る。押し問答が続く中、2...
未読だったミステリーの名作を初めて読んだ。 イブはフランスの避暑地で暮らす英国人。浮気者の夫に愛想を尽かし離婚するが、通りの向かいに住む堅実な家庭の誠実な青年と恋に落ち、婚約する。 ところがある晩、別れた夫が未練がましくイブの家に侵入し、婚約の解消を迫る。押し問答が続く中、2人は婚約者家族の家長が殺害される現場を目にする。 別れた夫が家にいたことを知られたくないイブは口をつぐんでいたが、偶然から状況証拠が積み上がり、イブは殺人の第一容疑者になってしまう・・・。 人間心理の隙をついたトリック。トリックそのものはシンプルながら、様々なミスリードにより、「◯◯ができた人間は××しかいないよなあ」と思っても、その人物が殺人を犯すことは不可能という状況が作り出され、最後まで犯人がわからない。 読んでいて、とても映画的な作品だと感じた。 イブが殺人を目撃してから状況証拠が作られてしまうあたりの一連のシーンはヒチコック映画を彷彿とさせるサスペンスがあるし(もしかしたら「裏窓」はこの作品にインスピレーションを得ているのか?)、灯台の灯りが差し込み、時々人物のシルエットが浮かび上がる部屋での謎解きも映像が目に浮かぶよう。 ラストシーンも、ヘップバーンあたりが主演の映画を思わせる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
離婚してまもなく、銀行員の青年トビイ・ローズと婚約したイヴ。ある夜彼女はトビイの父、サー・モーリス殺害の容疑者にされてしまう。犯行時刻、イヴは向かいの自宅の寝室にいたが、前夫のネッドが忍び込んでいたため、アリバイを立証できなかった。イヴとネッドはモーリスの部屋から消える「茶色の手袋」をはめた人物を目撃した。加えてネッドはその人物の顔を見たようだが、逃げる際に階段から落ち、脳挫傷で意識不明に…。イヴは一人、絶対絶命の窮地に立たされることになる。 トリックに関しては、今思えばすごくシンプルでわかりやすいのに、それを感じさせない構成力が魅力的だった。カー作品は今回が初めてだったが、そのほかの作品も読んでみたくなった!ヒントとなる発言はあちこちに散りばめられているにも関わらず、登場人物のの人間模様として消化されてしまい、そこまで重要なことのように思えない。読了以前と以降でガラリと意味合いが変わる手腕と、それを気づかせずミスリードさせる構成がクリスティを唸らせた所以なのでしょうかね? イヴの無実が読者には分かっているので、「あぁ…何で…」、「これを言えば無実なのは一目瞭然なのに…!」などのもどかしさと言うか、終始イヴを含めた登場人物に苛立ちを覚えながら読み進めた(これ故に星4)。特にトビイは何なのだ?女性には理想を押し付け、一方で自分は「ほんの気の迷い」?火遊び?ママに慰めてもらいな、笑ってやるから。 ネッドがアリバイ工作にイヴを利用した(結局はイヴに罪を着せるつもりはなかった)のは許せんが、まだこっちの方が愛があると感じてしまった…。私も男を見る目がなってないのだろうか??
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面白かったあ。派手などんでん返しではなかったけど、きちんとしてるなと思った。じっくりくるタイプの謎解きだった。良かった。
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最初はキャラクターの心情にもどかしさを感じつつも、最後はスッキリ終わったしなるほどと思わせるトリックだった。 先入観というものは、恐ろしい
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