きみはいい子 の商品レビュー
優しい言葉で綴られる、厳しい現実の話 人は人と関わらずには生きられない 人と関われば、必ずしもそれがすべて良いものだとも限らない それでも関わらずには生きられない
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「きみはいい子」 「べっぴんさん」 誰もが言われたいと思っている。 誰もが言われたかったと思っている。 老若男女。 それだけで、自分の存在に自信が持てる。 素朴な言葉の温かさ。 今からでも言ってみよう。 子どもに。友人に。自分に。
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大人も子供もみんな、「きみはいい子」だと誰かに認めて、慈しんで、愛してもらいたいと思っているんだなあ。虐待という重いテーマを扱った話だけど、どの登場人物も虐待をしたくてしているわけでも、虐待することが好きなわけでもない。それでも周りを大切にできないのは、本当はみんな「いい子」なの...
大人も子供もみんな、「きみはいい子」だと誰かに認めて、慈しんで、愛してもらいたいと思っているんだなあ。虐待という重いテーマを扱った話だけど、どの登場人物も虐待をしたくてしているわけでも、虐待することが好きなわけでもない。それでも周りを大切にできないのは、本当はみんな「いい子」なのに気づかないだけなのかも。
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短編集。胸が痛むお話ばかりでした。特に『べっぴんさん』は身につまされる思いがしました。子どもが大きくなった今はイライラすることも少なくなりましたが、小さい時は時間に追われて常にイライラ、子どもは思い通りに動かないし、どこにも持っていきようのないイライラを子どもにぶつけていました。手をあげてしまったこともありました。でも直後、じんじんする手のひら以上に、激しい後悔と自己嫌悪で泣きたくなりました。なので、あやねちゃんママが、はなちゃんママにぎゅっと抱きしめられて「大丈夫だよ」と言ってもらえたことに救われる思いがしました。 育児中は孤独な気持ちになります。特に現代は干渉を嫌い、人との交わりも最小限しかもたないような気がするので、狭い世界での子育てになっているのかもしれません。 『サンタさんの来ない家』の岡野先生が本当にダメな先生なのか、それとも保護者の側がダメなのか、読み終わった今でもわかりません(苦笑) 『うばすて山』も他人事ではないような思いです。 このままでよいのかともやもやさせられる本ですが、考えずにはいられません。
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様々な親子関係を描いた短編集です。虐待に関しての物語は重くて読んでいて辛くなりますが、物語の最後には救われるエピソードがあり、読了感は良い感じでした。
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なぜ自分の子を虐待するのかが分からない。 そんな親、子どもの方から捨ててしまえ。と思うけど虐待されていたからこそ一生母や父の愛を求めてしまいそう。。切ないです。
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1つの街で起こる様々な問題を抱えた人々の物語。 学級崩壊、虐待、イジメ、障害、認知症… 人々の抱える問題はどれもずっしりと重い。 物語の中では同じように雨が降っていることが多い。 どれも辛さを孕んでおり、幸せとは言い難いが… どこか考えさせる、希望を持たせるずっしりの中にもしっと...
1つの街で起こる様々な問題を抱えた人々の物語。 学級崩壊、虐待、イジメ、障害、認知症… 人々の抱える問題はどれもずっしりと重い。 物語の中では同じように雨が降っていることが多い。 どれも辛さを孕んでおり、幸せとは言い難いが… どこか考えさせる、希望を持たせるずっしりの中にもしっとりがある物語。 「サンタさんのこない家」の新任の先生。 学級崩壊がリアルで怖かった。 でも先生は抱きしめるかさに希望を見出した。 「べっぴんさん」に描かれたのは虐待の連鎖。でも花ちゃんママがかけてもらった方言だらけの温かみのある言葉は、あまりにも胸に落ちてきすぎた。
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心に残る一言 「たとえ別れても、二度と会わなくても、一緒にいた場所がなくなってしまったとしても、幸せなひとときがあった記憶が、それからの一生を支えてくれる。どんなに不幸なことがあったとしても、その記憶が自分を救ってくれる。」
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学級崩壊や虐待など現代社会が抱えてる負の部分に焦点をあてた短編集で、何気なく一話目で出てきたおばあちゃんが実は四話目のメインという、ちょっとした発見もあったりしました。全部解決って訳じゃないけど、最後にほんの少し、希望が見えるような終わりかたなので終始暗い気分ではなくなるのが救いでした。作者の主人公たちに寄り添うようなやさしい感じの文章はすきです。「幸せな人でないと幸せは分けられない」「この記憶が将来子どもたち絶望を感じたときの救いになってほしい」など所々刺さった言葉もありました。
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虐待と言う一つの共通点を軸に進む、痛々しくてやり切れないお話がベースなれど、ほんの少しの誰かの優しさや思いやりがかすかな希望となってくれる、心揺さぶられる一冊。 ”どんなに不幸なことがあっても、このひとときの記憶が、いつか、この子達を救ってくれますように・・・”と祈る父親の心情が、あたたかくも切ない。
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