毒婦。 の商品レビュー
木嶋かなえの裁判傍聴の記録、なんですが、闇が深い。他人から見た自分 というのは、鎖にもなるものなので気にしないでいられる方が楽には生きれるんだと思うんだがこの人はそういうことも全て越えて、己の欲それのみにいったってことなのかなーと。
Posted by
読み終わってもさっぱり佳苗のことがわからない… だから 気になって仕方ないんだよなぁ… その辺のミステリー小説よりも、全然、半端なく、ミステリー…
Posted by
新宿での待ち合わせの際に三回くらいに分けて立ち読みさせていただきました。 読み応えあり。この世界だからこそ。この世界の男が男だからこそ。起こった事件なのだな。
Posted by
デブスでブランド好きな成金趣味の田舎者がなぜモテまくるのか?というのが佳苗を知らない世間一般の男女問わずの疑問だろう。自分もそう思ってた。が、本書でその謎はある程度解明されてるように思う。 法廷内での証言・やりとりから佳苗は誰に何をすればモテるのかを知り尽くしており、そして技術も...
デブスでブランド好きな成金趣味の田舎者がなぜモテまくるのか?というのが佳苗を知らない世間一般の男女問わずの疑問だろう。自分もそう思ってた。が、本書でその謎はある程度解明されてるように思う。 法廷内での証言・やりとりから佳苗は誰に何をすればモテるのかを知り尽くしており、そして技術もあったのだなと思わせる。そして、実際男性記者や著者は「充分イケル、可愛い」と佳苗に引き込まれていく。他方美人記者は「ブスブス!なんであのブスが!どうして?!」とまくし立てる。頭が良くて美人程、女が(男が?)わかってないのかもしれないと感じさせるエピソードだ。それを著者は「生々しく悔しがり、嫉妬し、怒る、感情的で面倒くさい美人より、自分を全て受容する料理上手で感情を見せない不美人のほうが、男たちは夢を見やすい」と表現する。 愛とカネを交換するという点では佳苗は凡庸な毒婦だし、たいていの女は毒婦であるという著者の指摘もある意味正しい。と考えると、殺人は大変な事だが、それ以外の点においては別に大騒ぎするほどの事件ではないという印象を持った。(アキバ事件の方が闇を感じる) それにしても随所に記載される検察の言動には呆れるのだが、これは事実なのか?法廷で泣き落とそうとしたり、恫喝したり、感情むき出しにしたり。おまけに「リング稲」とか。判決理由もよくわからないし、裁判員のコメントもなんかズレてるし、全く被告を追い込めてないなと感じたのだが。
Posted by
木嶋佳苗、10人以上の男性に対して結婚をちらつかせて詐欺行為を行い、そのうち4名は練炭による一酸化炭素中毒で死亡している。 著者は、太っていて美人でもない木嶋被告がどうして男たちを容易にだませたのかという視点で裁判を傍聴してきた。 そこで浮かんでくる木嶋被告は、セックスに自信があ...
木嶋佳苗、10人以上の男性に対して結婚をちらつかせて詐欺行為を行い、そのうち4名は練炭による一酸化炭素中毒で死亡している。 著者は、太っていて美人でもない木嶋被告がどうして男たちを容易にだませたのかという視点で裁判を傍聴してきた。 そこで浮かんでくる木嶋被告は、セックスに自信があり自分がセックスを提供して男が貢ぐのは当たり前で、用がなくなったらなんのためらいなく殺せるという感覚をもった女性である。 嘘をつくことで男が求める女を演じ、男たちは、今までかなわなかった夢をみさせてもらい恨むこともなく死へと誘い込まれている。 セックスをちらつかせることで簡単にだまされる男たちの悲しさを感じる。
Posted by
最近ノンフィクション系を読んでないなあと思い読みました。女性ならば一気読み必至。週刊誌っぽい切り口(^_^;) 練炭女、木嶋佳苗。料理はプロ級の彼女、何故か壇蜜さんが被る。女子力高いなあと…つくづく女って業が深い。
Posted by
『なぜ、男たちは彼女の『毒牙』に次々とかかっていったのか?―』本書は「稀代の婚活詐欺師」「平成の毒婦」と呼ばれた木嶋被告の100日間にも及ぶ裁判の傍聴記録を筆者からの『女性からの目線』で綴った物です。 彼女の事件については朝や夜のニュース番組で断片的に少し知るくらいでありました...
『なぜ、男たちは彼女の『毒牙』に次々とかかっていったのか?―』本書は「稀代の婚活詐欺師」「平成の毒婦」と呼ばれた木嶋被告の100日間にも及ぶ裁判の傍聴記録を筆者からの『女性からの目線』で綴った物です。 彼女の事件については朝や夜のニュース番組で断片的に少し知るくらいでありました。裁判のイラストでの木嶋佳苗の着ている服ですとか彼女の赤裸々なまでの『ヰタ・セクスアリス』についてですとか、『男性からお金をもらうのが、当たり前だと思っていました』などの発言を聞くくらいで、特に関心は払っていなかったのが正直なところでございました。 しかし、こうしてまとめられたものを読むと事件の裏にある男女の深い『業』といいますかなんと言うのか…。ノンフィクション作家の佐野眞一氏は『名前以外は全てがウソ』と切り捨てつつも『東電OLを超える存在』とうなっていた理由がなんとなく判るような気がしました。事件のあらましは肉体と結婚をちらつかせて男たちから1億円以上もだまし取り、3人の男を練炭で殺害したとして死刑判決を受けた木嶋佳苗被告。本書は彼女の100日間の裁判の様子を傍聴した記録です。 「稀代の婚活詐欺師」「平成の毒婦」と呼ばれた木嶋被告とは、どんな人物なのか。それを同じ女性からの視点を軸として裁判の様子と彼女の故郷である北海道別海市への取材を重ねた上でかかれており、すらすと読めはするのですが、男女問わず誰かもが思っているであろう疑問『決して美人とはいえない容姿で、何人もの男を手玉に取れた理由』は結局わからずじまいでありました。しかし、彼女に『籠絡』された男たちには同じ男として大いにシンパシーを感じつつも、まるで蟷螂の交尾よろしく『がんばって』いるオスを頭から食い殺すがごとく、自分の性をはじめとして料理のスキルからなにから使える武器は全て使い、『自分を大切にすることとはカネを出すことだ!』といわんばかりにキャッチセールスのクロージングのように自分と交際を迫る(お金を引き出す)手練手管の数々には、正直言って度肝を抜かれました。 さらに、北海道別海市に飛んで木嶋香苗被告家族及び18歳までの生育暦になると、『保守的で排他的で閉鎖的な環境』からなにが何でも抜け出したいという叫びにも似た欲求と家族や周囲との不協和音。そして早熟な彼女の『性』に関するうわさ…。心底彼女は生まれ故郷が嫌いだったんだなと。そこから抜け出して二度とそこへ戻らないために自分の『性』を商品化して「デイ・トリッパー」よろしく男から男へ…。というなりふり構わない人生へと突入したのではなかろうか…。彼女がとった手段に関して決して同調できませんが、おそらくはこういうことなんだろうなというのが現段階の彼女に対する『思い』です。 そして、驚いたのが『東電OL』のときもそうだったように彼女の生き方に『共感』を覚える女性が一定数存在してこと。これにはしばらくの間腕組みをして考え込まざるをえませんでした。本書の最後の方で、フェミニストで有名な上野千鶴子女史が彼女の事件を評して『援交世代から思想が生まれると思っていた。生んだのは木嶋香苗だったのね』とおっしゃっていたのがとても印象に残っております。彼女の起こした事件は今後も繰り返し扱われると思いますが、彼女への理解は別として、この本にはぜひとも一度は資料としても目を通す価値はあるかと思われます。
Posted by
とどのつまり男は入らねどお金は欲しいってことか? 「援交世代から思想が生まれると思っていた。生んだのは木嶋佳苗だったのね」 これは本書で紹介されている上野千鶴子の言葉です。著者の北原みのりは世代的にフェミズムの洗礼を受け、セックス・トイ・ショップ「ラブピースクラブ」を主宰している...
とどのつまり男は入らねどお金は欲しいってことか? 「援交世代から思想が生まれると思っていた。生んだのは木嶋佳苗だったのね」 これは本書で紹介されている上野千鶴子の言葉です。著者の北原みのりは世代的にフェミズムの洗礼を受け、セックス・トイ・ショップ「ラブピースクラブ」を主宰しているコラムニストである。彼女は未だ男目線の日本の社会にあって、それに寄り添うことも内面化することもなく女性が自立していくには?という問いに物書きかつ組織のリーダーとして運営に関わりながら常に向き合ってきたと思います。 幼い子供を殺したりDV夫をバラバラにした女性に対しても北原は「もし私があなただったら」とシンパシーを禁じ得ないと書いています。そんな彼女をして、今回の事件の容疑者木嶋佳苗には共感や同情を一切持てなかったそうです。 飽くなき目的意識、佳苗の場合、それは美味しい物を食べ、ブランド品で身を着飾り、温泉などで体を労わること、女というセックスをむき出しのままに、「私は、セックスにおいて長時間快感を持続させながら、トランス状態でオーガズムを感じトリップすることを求めていました…」などと法廷でのたまり、「整形よりもベンツ、ダイエットよりも料理教室」にお金をかける、婚活サイトで標的の男性を見つける際には、物理的に扱いやすい自分より体重の低い、背丈が小さいという特徴を重視したのではないかということ、結婚を前提にお付き合いを始める男に対して、まず体の相性を確かめたいと避妊具なしでセックスを誘い、すぐさま援助と称して入学金や学費等を要求すること。 筆者は計画的と言うよりそうやって男を唆し、お金を貰い、いよいよ行き詰れば排除するといった一連の行動が佳苗の人生、処世術そのものだったのではないか気づいたのでしょう。そこにはセックスとジェンダーの間で未だ揺れ動く女性特有のためらい、生き難さとは無縁の一人の人間。社会が生み出しや怪物というより、お金が欲しかったら何より女として男から貰うという回路が今の社会にはより多く用意され、木嶋香苗はそれに乗ることにいささかも躊躇なく、徹底していたということなんでしょう。
Posted by
一気に読んで、とても面白かった。分かるところと、理解できないところがあるが、幼い時のエピソードからすると、そうなる資質はあったのだと思う。 男性が同じような犯罪を犯しても、それほどニュースにならないという視点は当たっていると思う。
Posted by
ものすごく騒がれた事件。当時はあまり追ってなかったけど、こうしてまとまったものを読むと改めて壮絶な事件だったと感じた。そして壮絶さを感じさせないところがまた凄い。 傍聴し続けた著者に、上品さを感じさせたり、殺人事件でありながら、被害者からも、その遺族からも怒りや怨念よりももっと...
ものすごく騒がれた事件。当時はあまり追ってなかったけど、こうしてまとまったものを読むと改めて壮絶な事件だったと感じた。そして壮絶さを感じさせないところがまた凄い。 傍聴し続けた著者に、上品さを感じさせたり、殺人事件でありながら、被害者からも、その遺族からも怒りや怨念よりももっと安らかな何かが感じられたり、とにかくおかしな話だ。 北海道の片田舎で、母と仲たがいし祖母の家で暮らし、中学の頃から援交の噂が流れていた。他人のクレジットカードを盗んだり、前科あり。真面目な父は後に自殺。父の頭の良さと、母のずれているところを受け継いだ。 (こいつ矢に貫かれてスタンド使いになったら半端ないスタンド使いになるぞ。。。)
Posted by