毒婦。 の商品レビュー
木嶋佳苗が眉目秀麗であったら、素晴らしいプロポーションの持ち主だったら、あるいは男性が女性に結婚を仄めかして金銭を受け取り、練炭で殺害したと嫌疑がかかったのだとしたら、一連の事件、裁判はこれほどまでに話題にならなかったに違いない。 それこそが著者が感じ続ける違和感の正体だ。 結婚...
木嶋佳苗が眉目秀麗であったら、素晴らしいプロポーションの持ち主だったら、あるいは男性が女性に結婚を仄めかして金銭を受け取り、練炭で殺害したと嫌疑がかかったのだとしたら、一連の事件、裁判はこれほどまでに話題にならなかったに違いない。 それこそが著者が感じ続ける違和感の正体だ。 結婚観、ジェンダー、金… 個人が抱いている概念が男女間、世代間でこれほどまでにちがうのだ、と見せつける裁判記録。
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判決に対する疑問など、まあ確かに、著者は「佳苗」に感情移入しずぎかもしれない、と思う部分もあった。 こう多くの男性を騙し金銭を巻き上げてきた「佳苗」が、決して美人とは言えない容姿であることに、まず世間は驚き、なぜ?と思ったはず。 男性たちは「佳苗」のどこに魅力を感じ、交際した...
判決に対する疑問など、まあ確かに、著者は「佳苗」に感情移入しずぎかもしれない、と思う部分もあった。 こう多くの男性を騙し金銭を巻き上げてきた「佳苗」が、決して美人とは言えない容姿であることに、まず世間は驚き、なぜ?と思ったはず。 男性たちは「佳苗」のどこに魅力を感じ、交際したい・結婚したい・お金を出してもいい、と思ったのか?…それはとどのつまり、男性が女性に何を求めているのか、ということでもある。 それを本能的にか或は努力してか分析してか、「佳苗」は知っていた、ということになる。知ってもいたし、持っていて、利用していた、ということである。 そうなんだ、結局「女は、毒婦のように魅力的であれ、しかし毒婦にはなるな、と言われ続けているようなもの」といういう価値観に曝されている。
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髪を巻き、デコルテを強調した服を着て法廷に出廷し、かなり女子力が高いのかと思えば、人に会う時にお化粧をしていなくて気味が悪いという証言がでたり、木嶋佳苗の価値観や頑張り時の判断基準がよくわからない。読み進めれば、少しは理解できるかと思ったが、結局わからないままに読み終わってしまっ...
髪を巻き、デコルテを強調した服を着て法廷に出廷し、かなり女子力が高いのかと思えば、人に会う時にお化粧をしていなくて気味が悪いという証言がでたり、木嶋佳苗の価値観や頑張り時の判断基準がよくわからない。読み進めれば、少しは理解できるかと思ったが、結局わからないままに読み終わってしまった。 ただ、殺人を繰り返しても悪びれずに堂々としている人を、理解できてしまう方が怖いような気もする。
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ノンフィクションなので「面白い」と言っては語弊があるけど 検察側、原告、裁判官、傍聴者、全ての人が木嶋佳苗の法廷での態度、発言に驚き 翻弄された様子にすっかり冒頭から惹きこまれた。 確たる証拠がないにしても 状況証拠が揃いすぎているにもかかわらず 法廷での木嶋佳苗は全くオ...
ノンフィクションなので「面白い」と言っては語弊があるけど 検察側、原告、裁判官、傍聴者、全ての人が木嶋佳苗の法廷での態度、発言に驚き 翻弄された様子にすっかり冒頭から惹きこまれた。 確たる証拠がないにしても 状況証拠が揃いすぎているにもかかわらず 法廷での木嶋佳苗は全くオドオドとしたところがなく堂々と持論を展開している。 その“持論”がかなり無理があり、常軌を逸しているとしか思えないんだけど それを“正論”だと思わせるような説得力があるのが佳苗だ。 髪の毛を綺麗に巻いていたり オシャレな洋服に身を包み 法廷に現れ 奔放に振舞う佳苗。すっかり一人舞台ではないか。。。 ひたすら突っ走る佳苗を誰も止められないのかと思うと ここまでの度胸に恐れ入ってしまう。 騙された何人もの男性たちはそういう佳苗ワールドに惹きこまれてしまったのだろうか?そう考えるととても怖い。 2度ほど傍聴を経験したことがある私。 ここまで凶悪事件ではなかったけど 厳粛な空気が漂うはずの法廷内であるはず。 恥しげもなくむしろ自慢げに自身の性体験を語る佳苗の様子に 驚く北原さんの気持ちがよく分かる。 木嶋佳苗、ビジュアルはそれほどでもなかったかもしれないけれど これほど人を惹きつける話し方や雰囲気を持っている上に とてもアクティブでさまざまなことに挑戦する身軽さ。 北原さんによると声がかわいらしく さまざまな所作が優雅で見とれるほどらしい。しかも頭の回転も早い。 天賦の才と言ってもいい。こういうものってやろうと思ってやれるものではない。 違う方面で発揮できていれば また違う佳苗の人生が待っていただろうにと思って止まない。
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図書館で予約、しばらく待ってようやく借りて読みました。 すぐにレビューしようと思ったけど忘れてしまってた・・・。 一読後の感想。 被害者が、睡眠薬飲まされたけど彼女(被告)が犯人とは思えないから 試しにもう一度ホテル行きませんか のくだりが・・・ あまりにもあまりにも 滑稽かつ...
図書館で予約、しばらく待ってようやく借りて読みました。 すぐにレビューしようと思ったけど忘れてしまってた・・・。 一読後の感想。 被害者が、睡眠薬飲まされたけど彼女(被告)が犯人とは思えないから 試しにもう一度ホテル行きませんか のくだりが・・・ あまりにもあまりにも 滑稽かつ男女の違いで言葉を失ったという点。笑 (読んだその時は、んなわけないだろ!もう一度行こうって!と思わずつっこんだ) 全体的にさらさら~と読めるけど、読みながら色んな視点を持つと 見方が変わって面白い。 被告ってどんな女性だったんだろっていう興味とセックス感、 裁判で男女関係があらわになるって痛いなーという作家への共感 男性側に立った婚活・・・等々。 深く考えれば考えるほど、不思議な事件。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
内容紹介 男たちはなぜ、だまされたのか―― 肉体と結婚をちらつかせて男たちから1億円以上もだまし取り、 3人の男を練炭で殺害したとして死刑判決を受けた木嶋佳苗被告。 100日に及んだ裁判では、彼女のファッションまでもが話題となり、 自身のセックスについて赤裸々に語ったことで、日本中が騒然となった。 「稀代の婚活詐欺師」「平成の毒婦」と呼ばれた木嶋被告とは、どんな人物なのか。 決して美人とはいえない容姿で、何人もの男を手玉に取れた理由とは。 裁判の傍聴に加え、故郷・北海道別海町や事件関係者への徹底した取材を通して 木嶋被告の内面に迫った渾身の一冊! 「佳苗のことを考えていると、色んな風に考えが広がる。女と男のことを考える。女目線、男目線の違いを考える。私たちは、男に何を求めているのか。なぜ、男たちは佳苗に苛立つのか。ある種の女たちは佳苗に惹かれ、ある種の女たちは、佳苗を憎むのか」――本書より
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分かったのは関わった男の数と騙した金額。 本人が否認してるので動機も分からずじまい。 佳苗の手記全文が公開されてたから読んでみたが同じ。 http://60643220.at.webry.info/201204/article_4.html 著者の見解はごく一般的だと思う。 セン...
分かったのは関わった男の数と騙した金額。 本人が否認してるので動機も分からずじまい。 佳苗の手記全文が公開されてたから読んでみたが同じ。 http://60643220.at.webry.info/201204/article_4.html 著者の見解はごく一般的だと思う。 センセーショナルなこの事件の輪郭はよく分かるのでどうぞ。
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「今、女子はキジカナから目が離せない」的なコラムを多々見かけたので、何で?と思いつつ、読むも、解決せず。 週刊誌のまとめだから仕方ないけど、週刊誌的でざーっと1時間もかからずに読んじゃった。 佐野本も読んでみることにする。 ちなみに、これ、図書館で56人待ちでした。みんな興味ある...
「今、女子はキジカナから目が離せない」的なコラムを多々見かけたので、何で?と思いつつ、読むも、解決せず。 週刊誌のまとめだから仕方ないけど、週刊誌的でざーっと1時間もかからずに読んじゃった。 佐野本も読んでみることにする。 ちなみに、これ、図書館で56人待ちでした。みんな興味あるんだなー、やっぱり。
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偶然空港の本屋で平積みされているのを立ち読みして、面白い!と思って即買いしました。 メデイアなどで、少し知ってる程度だったんですが、この本をよんで死刑判決とは真実とは、性別とは…彼女の頭の中の正義、道徳、人生、哲学を覗いて観たいと思いました
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作者のときおり見せる、皮肉?が笑える。 眉目秀麗な女性に騙されるのであれば納得もいくが、 お世辞にも美の範疇から外れる女性にどうして騙される? しかし、かなえの女子力は相当なもので、見習いたい部分も。
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