毒婦。 の商品レビュー
以前BUTTERを読み、木嶋佳苗という人に興味を持ちました。この人のサイコパスというか狂気じみたところは、一体どこが発端なのか。読んでみると、歪な部分もあるものの、まぁ普通の家庭じゃないか。と思いました。持って生まれた何か、そんな気さえしました。 では、この人に関わった男達は本当...
以前BUTTERを読み、木嶋佳苗という人に興味を持ちました。この人のサイコパスというか狂気じみたところは、一体どこが発端なのか。読んでみると、歪な部分もあるものの、まぁ普通の家庭じゃないか。と思いました。持って生まれた何か、そんな気さえしました。 では、この人に関わった男達は本当に悪くないのか?そこも謎です。大体直ぐに大金を出してしまうなんで ちょっとでも下心はなかったか?色々考えさせられる。 BUTTER、毒婦。どちらも読んでも分からないのは、木嶋佳苗のほんとの気持ち。ずっと演技し続けているように感じるのは私だけ?本当は誰を愛していたのか?誰も好きじゃなかったのか?分からないままです
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木嶋佳苗はわたしだと思った女性読者は多かったのではないか、私もその一人であり、搾取構造がより明確になった日本で殺人を犯さなくても木嶋佳苗のようになる人はたくさんいて、彼女はある意味“時の人”だったんだと思う。時代が産んだ女性。
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柚木朝子さんの「BUTTER」を買ったので、その前段階として事件を詳しく知りたかったので読んでみた。 まあ、木嶋本人は柚木さんにものすごく怒ってるみたいだけど。 事件のことはよくわかったけど、この人、そもそも木嶋佳苗に実際に面会とかして話したわけじゃないよね……? 裁判傍聴した...
柚木朝子さんの「BUTTER」を買ったので、その前段階として事件を詳しく知りたかったので読んでみた。 まあ、木嶋本人は柚木さんにものすごく怒ってるみたいだけど。 事件のことはよくわかったけど、この人、そもそも木嶋佳苗に実際に面会とかして話したわけじゃないよね……? 裁判傍聴しただけだよね? なのに、なんかさも木嶋佳苗の心情を分かったように書いているのが気になった。
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上野千鶴子 信田さよ子 北原みのりの対談「毒婦たち」を読んで この裁判傍聴記に興味を持ち 佳苗のブログと並行して読み進めた 対談で語られていたとおり 男性目線の裁判のやりとりは非常にこっけいだった 著者の意図が含まれているので そう見えるように仕向けられてはいるだろうが あと...
上野千鶴子 信田さよ子 北原みのりの対談「毒婦たち」を読んで この裁判傍聴記に興味を持ち 佳苗のブログと並行して読み進めた 対談で語られていたとおり 男性目線の裁判のやりとりは非常にこっけいだった 著者の意図が含まれているので そう見えるように仕向けられてはいるだろうが あとがきの「男はとても安全な世界で生きているのだなと思った」 著者が繰り返し述べていることは この言葉に集約される 佳苗にあこがれる女たちがいるらしい 女であること 容姿がよくないことで不利益を蒙り 怒りややるせなさを感じつつもなにもできず こぶしをふりあげて戦う同性にもあまり共感できない 現代を生きる女たちにとって 執拗に男の常識で佳苗を裁く者たちを手玉にとったかに見える佳苗像は 胸がすくような一面があったのかもしれない
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2015/1/12一日で読んだ。本当に女性の作者ならではの視点で書かれた裁判傍聴記。いろんな意味で前代未聞の犯罪であったと思う。★4
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大出さんがなくなったは、佳苗と出会って23日後。 怒涛のメールをだし、500万を受け取っている。 傍聴していたの若い女性の会話。 「(被害者の男性は)中だしは(佳苗に)いわれたままにするのに、結婚は親に反対されたから駄目だなんておかしいよ!」 千葉県からやってきた30...
大出さんがなくなったは、佳苗と出会って23日後。 怒涛のメールをだし、500万を受け取っている。 傍聴していたの若い女性の会話。 「(被害者の男性は)中だしは(佳苗に)いわれたままにするのに、結婚は親に反対されたから駄目だなんておかしいよ!」 千葉県からやってきた30代の主婦は、「申し訳ないんですけど」と前置きしながら、「被害者の男性に、同情ができないんです」と話した。 「男性の結婚観って、古いですよね。介護とか、料理とか、尽くすとか、そういう言葉に易々と引っかかってしまう。自分の世話をしてくれる女性を求めているだけって気がするんです。佳苗はそういう男性の勘違いを、利用したんだと思う」 都内から通ってきている30代の会社員は、ハッキリと、「佳苗に憧れている」といった。 「堂々としているから。私は、男が求める女を演じて、ついつい媚びたり、笑ったりしちゃう。そういう自分が嫌なんです。でも、佳苗って、男に媚びる演技はするけど、実は全然媚びていない。ドライですよね」 佳苗のドライさと、その結婚観は、女にとっては、奇異に映るものではないのかもしれない。実際に婚活サイトを見ても、女性が手料理自慢をしたり、自らを癒し系とアピールしたりなど、分かりやすい女らしさを売りにし、高所得男性を求めるのが、”一般的”である。 対して男は、「白馬の王子様、ここにいるよ」という50打や、『手料理、食べたい」とか言う30代フリーターが、自分よりも10も20も若い女性を求めるなど、現実離れした状況が横行している。まるですべての男性がカモであるような気すらしてくるほどだ。(略) 男は佳苗が不美人ゆえにこの事件に関心を持たないが、女は佳苗が不美人だからこそ、関心を持つのかもしれない。 この社会に生きていれば、不美人であることの不遇を、女は痛いほど感じている。女は、男のようにブスを笑えない。自分がブスだ、と自虐しても、他人のブスは笑わない。それは天に唾するようなものだから。そんな社会で、佳苗は、軽々と”ブス”を超えたように見えるのかもしれない。容姿を自虐することなく、卑屈になることもなく、常に堂々と振る舞う佳苗。不美人を笑う男たちをあざ笑うように利用したのは、不美人の佳苗だ。 P114 冷静に男性たちのルックスを評価し、結婚する気はなかった、と淡々と話す佳苗。 ある男性ととまたホテルに別の男性とも止まったことについて、若い男性検事が、 「抵抗はないんですか?」 「何に抵抗を感じるのかわかりません」 男は純情の名のもとにお金を出し、愛を求め、手料理を求め、セックスを求めてくる。 佳苗のドライさと合理性に、純情がかなう訳がない。 傍聴していた美人記者が憤懣やるかたない苛立つ。 「佳苗、私よりずっとセックスしてますよ。だいたい私なんか、今まで1度しか、プロポーズされたことないっていうの!佳苗は一体何回プロポーズされているんですか!」 「いったい、なんであんなブスが!ブスなのに!どうして!どうしてだと思いますか!」 ブスブス!と悔しがる美人記者を見ながら思う。もしかしたら、佳苗は「惚れなかった」から、常に男たちの冷静な観察者だったから、そして決して自分の容姿を卑下することがなかったから、男たちに魔法をかけられたかもしれない。 男たちは、ただ彼女に受け入れられている、愛されているという安心感の中、彼女が見せる虚構の世界に結ったり使っていればよかったのだろう。 生々しく悔しがり、嫉妬し、怒る感情的で面倒くさい美人より、自分を全て受容する料理上手で感情を見せない不美人の方が、男たちは夢を見やすい。 P146 佳苗は、最後まで佳苗だった。 どんなにたくさんウソをついてきても、自分を裏切ることはできないのが、佳苗だ。「男性が喜びそうな女像」を徹底して演じながらも、「他人にどう思われるか」に驚くほど無頓着で、おそれを持たず、それより「どう見せたいか」にこだわり、相手に畏怖と敬意を求める。
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男性四人が死亡し、その周りか練炭と人体から睡眠剤の痕跡が発見された。北海道の田舎出身で東京に出て一人で生きた彼女はなぜ男性をこのように手玉にとったのか。女性の目線で書かれた裁判の傍聴記。
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連続殺人事件の裁判傍聴記&独自取材によるルポだが、女の視点から書こうという気負いなのか事件を深堀りせずSEXを含む男女の関わりの観点ばかりにページが割かれてる印象。援交世代という括り方を使ってる点なども表面的な印象を強めている。なぜ殺したのか、はやはりよくわからない。
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読みやすいな。スルスルと進む。 事件の全容は見えない。おそらく、事件を追っている人が知っている以上のことは何もない。 著者が興味を持っているのは、結果的には被告自身と、被告を含む女という性、それが必要とする、それを必要とする社会と、男だ。 死刑判決が確定しているし、なんだか、...
読みやすいな。スルスルと進む。 事件の全容は見えない。おそらく、事件を追っている人が知っている以上のことは何もない。 著者が興味を持っているのは、結果的には被告自身と、被告を含む女という性、それが必要とする、それを必要とする社会と、男だ。 死刑判決が確定しているし、なんだか、判決理由もどうかなと思うんだ。間違いなく、この死刑囚による犯行だとは思うが、全容が明らかになることはないと思うと、切ない。
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