パンとスープとネコ日和 の商品レビュー
出版社でバリバリ働いていたアキコは、50代で会社を辞め、かつて母が定食屋を開いていた場所でスープとサンドイッチの店を始める。猫のたろを除けば天涯孤独だと思っていたあきこに、人との繋がりが生まれていく。 本を開くなり、アキコに甘える飼い猫たろの描写。これでいきなりがっちり掴まれて...
出版社でバリバリ働いていたアキコは、50代で会社を辞め、かつて母が定食屋を開いていた場所でスープとサンドイッチの店を始める。猫のたろを除けば天涯孤独だと思っていたあきこに、人との繋がりが生まれていく。 本を開くなり、アキコに甘える飼い猫たろの描写。これでいきなりがっちり掴まれて、あとは一気読み。 部下を率いて第一線でバリバリ働いていたとはいえ、アキコはとても穏やかな性格で、母親の店の常連だったおじさんたちや、向かいの喫茶店のおばさんからの余計なお世話な苦言を謙虚に受け止め、決して言い返さない。でも芯が太くしっかりしているから揺らがない。アルバイトの面接でしまちゃんを選んだ理由もまっとうで、とても共感できる。 食べ物の描写がこまかいわけでもないのに、サンドイッチもスープもとても美味しそう。 後半はアキコのペットロスが続く。ペットの病気や死に直面した人なら身につまされる事必至。私は涙が止まらなかった。ここはもしかしたら群ようこの実体験が元になっているんじゃないかと思うくらい、嘆くアキコの心情描写がリアル。 なんとこの小説、ドラマ化されたらしい。WOWOWで放送・・・って、見れないじゃん!(号泣) アキコ役は小林聡美、しまちゃん役は伽奈というモデルさん。しまちゃんのキャスティングについては原作読者からブーイングが出そうだな。 追記: ネットでドラマの一部を見ることができた。しまちゃん役、意外と原作に近い雰囲気。お母さんの店の常連だったおじさんたちの設定は変わってる。ネコとの別れもソフトになってる。原作より全体的に穏やかな雰囲気なのかな。
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庶民的な飲食店を営んでいた母親の死後、ガラリと人生を変える選択をする独身女性の主人公。編集者から、店主に転職するも母親と同じスタイルのお店とは真逆の内装、食にこだわったお店にしてしまう。お店は繁盛するも、母親との価値観の違いで反面教師になってしまった結果、この方針のお店にして良か...
庶民的な飲食店を営んでいた母親の死後、ガラリと人生を変える選択をする独身女性の主人公。編集者から、店主に転職するも母親と同じスタイルのお店とは真逆の内装、食にこだわったお店にしてしまう。お店は繁盛するも、母親との価値観の違いで反面教師になってしまった結果、この方針のお店にして良かったのか、悪かったのか。主人公の揺れ動く気持ちがちょっぴり切ない。お店で丁寧に作られたパンとスープ。可愛がっているネコが癒しとなって、ストーリーに調和しており頑張って働いている女性を応援している作品でした。
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ドラマは今のところ原作よりもいくぶんマイルドな感じ。 案の定、パンもスープも食べたくなったし、ネコだっこしたくなった。
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ネコがあーだこーだなったあたりから、 残り少ないページ数を数えては、 「この物語、どうやって終わるの?」 と不安を覚えた。 世のなかの移り変わりは激しいけれど、 その中でまっすぐに、 自分をまげずに生きることの大切さを教わった。
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アキコさんとしまちゃんのお店を覗いてみたくなった。 突然のねこのたろちゃんのお別れはとても涙しけど、お母さんが女手一人で育てあげられたご苦労や色んな感動に触れられるのかなとちょっと期したけど、あまり良い思い出しかなく残念だった。 サラリと読める一冊でした。ドラマ化されていて録画済...
アキコさんとしまちゃんのお店を覗いてみたくなった。 突然のねこのたろちゃんのお別れはとても涙しけど、お母さんが女手一人で育てあげられたご苦労や色んな感動に触れられるのかなとちょっと期したけど、あまり良い思い出しかなく残念だった。 サラリと読める一冊でした。ドラマ化されていて録画済DVDが楽しみです!
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主人公の複雑な家庭環境を感じさせない、さっぱりとした性格に惹かれる。涙する場面もあり、美味しそうな描写もあり。こんなお店があったらつい長居してしまいそう。
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読んだあとにドラマ化されて気になった。 (WOWOWなので観られず・・・) 主人公がどうにもその年代には思えなかった。 かわいくて一生懸命。それが若くみせているのだろうか。 ならばそういうふうに年を重ねたい。 こういうカフェ、いまそこここにあって お客さんの会話なんてまさしく...
読んだあとにドラマ化されて気になった。 (WOWOWなので観られず・・・) 主人公がどうにもその年代には思えなかった。 かわいくて一生懸命。それが若くみせているのだろうか。 ならばそういうふうに年を重ねたい。 こういうカフェ、いまそこここにあって お客さんの会話なんてまさしくそうだろうというふうに描かれている。 おいしそう、と思いながら 本を読んでいるのを飛び越えていた気がする。 あるのだ、カフェが。そこに。 甘える猫がかわいいったらない。 でも・・・・哀しかった、とても。とても。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
女手ひとつで育ててくれた母が突然亡くなり 彼女が経営していた食堂を改装して、アキコはお店を出すことにした。 メニューはサンドイッチとスープの二種類だけという、店内も含め全体的に簡素なアキコの店は、女性客にたいへんうけ連日賑わいをみせた。 華やかで毎晩店の常連さんと酒とタバコで騒いでいた母。 生まれてから一度もその姿を見たことのない父。 店を手伝ってくれる気の利くアルバイトのしまちゃん。 そんなアキコのそばにはいつだってネコのたろがいてくれた。 今はネットの口コミで店の良し悪しを判断することが当たり前になっているけれど 店側からすると大変なんだね。 そういった信ぴょう性も定かではないものや、流行りに惑わされることなく 自分の目で口で確かめていくことも大事だね。。。 というか題名だけでもう十分楽しそうな本だって わかっちゃうのがいいよね。ドラマもあるんだね。 ネコは~かわいいよね~)^o^(
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パンとスープが好きで これまでに読んだ「群ようこ作品」が好印象。 そんな単純な理由で手にした本書。 現実なら複雑な人生を、簡潔なストーリー変えて描いているところに好感を抱くのでしょうか。
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ドラマで見てよかったので原作も読んでみた。 どことなくかもめ食堂と似た雰囲気。 アキコが50才でそれまでの仕事を辞め、パンとスープのお店を出すお話。 全体にふんわりと心地よい空気が漂っていて、読んでいてほっこりする。 でも起きることは良いことばかりじゃなくて。時には悲しみに涙しな...
ドラマで見てよかったので原作も読んでみた。 どことなくかもめ食堂と似た雰囲気。 アキコが50才でそれまでの仕事を辞め、パンとスープのお店を出すお話。 全体にふんわりと心地よい空気が漂っていて、読んでいてほっこりする。 でも起きることは良いことばかりじゃなくて。時には悲しみに涙しながらも、それでもしなやかにシンプルに自分の感じたことを大事にしながら生きていく、そんなアキコの姿がとても気持ちよかった。こんなお店あったらいいなぁ。
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