パンとスープとネコ日和 の商品レビュー
母を突然亡くした50歳のアキコは、出版社を辞めて調理師免許を取り、母が経営していた食堂を改装して再オープンさせた。従業員はサバサバした性格で機転がきく真面目なしまちゃんの一人だけ。メニューは日替わりの<サンドイッチとスープ、サラダ、小さなフルーツ>のみ。安心できる食材を使い手間ひ...
母を突然亡くした50歳のアキコは、出版社を辞めて調理師免許を取り、母が経営していた食堂を改装して再オープンさせた。従業員はサバサバした性格で機転がきく真面目なしまちゃんの一人だけ。メニューは日替わりの<サンドイッチとスープ、サラダ、小さなフルーツ>のみ。安心できる食材を使い手間ひまをかけることがアキコのこだわりだ。色々な評判に揉まれ、身の回りに様々な出来事が起こってもアキコは誇りをもって働き、日々を丁寧に送ってゆく。 全体がほんわかとした雰囲気に包まれていて、文章を追っているだけで心がほぐれるような物語だった。 酒と煙草の匂いが染みついた母の食堂から様変わりし、修道院の食堂のようなシンプルなカフェへと改装された店には、母の食堂の常連だった男たちがケチをつけたり、食材の安全について異常にこだわるお客さんが来たり、向かいの喫茶店のママさんに経営について口出しされたりと様々な人がそれぞれの意見を主張する。しかしアキコは怯まない。参考に、と耳を傾けながらも自分の芯は決してぶらさない。アキコのその泰然たる態度に感心した。 そんなアキコでも心が大きく揺さぶられる事件が起こる。アキコは大いに悩み、悲しむが、結局はっきりとした解決を迎えていないように思う。しかし後は時間薬である。今まで繰り返してきたのと同じように日々を積み重ねていけば、時間がアキコの痛みを癒してくれるだろう。自分の軸をきちんともって、毎日を丁寧に暮らしてゆくことの大切さを伝えてくれる物語だった。
Posted by
ドラマが気に入ったので原作を読みました。 やはりドラマでは、内容や人物が少し変えられていましたが、ドラマはドラマ、原作は原作で良かったです。
Posted by
日々、いろいろなことに悩みながら生活してるのは、自分だけでは、ないのかも。と、思った。日々が流れていく中で傷ついたり癒されたり理不尽に思ったりしながら生活は続いていくのかな。
Posted by
暖かい物語でした。全体を通して食事の描写が入っていてお腹がすきそう。。。お店をひとつの軸にして、アキコの過去・母親・料理・ネコと、何でもないような日常を描いてると思いますが、逆に共感しながら読める本でした。
Posted by
人生って孤独で寂しいものだけど、それでも日々は過ぎて行き、その積み重ねは総じて幸せだったりするのかも…としみじみ。カモメ食堂のヒロインよりお姉さん世代のお話。日々の小さなことに幸せを感じる。私もこういうほんわかナチュラル系なお話が、身に染みる年齢になったのだなぁと思った。若い時は...
人生って孤独で寂しいものだけど、それでも日々は過ぎて行き、その積み重ねは総じて幸せだったりするのかも…としみじみ。カモメ食堂のヒロインよりお姉さん世代のお話。日々の小さなことに幸せを感じる。私もこういうほんわかナチュラル系なお話が、身に染みる年齢になったのだなぁと思った。若い時はもっととがっていて、小さくまとまりたくない、なんて生意気なことを思っていたから。そんな時期を通り過ぎて、最近は、特別な出来事がなくても日差しの温かさとかおいしいごはんとかに幸せを見いだしている自分がいたりする。まだまだ悟りに達するには早いぜ、と自分に言い聞かせつつ。じんわり心にしみる本でした。小林聡美さんで映像化されるとのことなので、そちらもまた見てみたい。
Posted by
ネコかいたくなるです。それほど料理の描写がでてこないのに、無性に食べたくなる。なんておいしそうな話なんだろう。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
図書館で借りた本。 ネコのたろが一匹。これが53歳のアキコの家族だった。 食堂を営む母親の私生児として生まれたアキコ。 母親の死後、母親から譲り受けた食堂を改装して食材にこだわったおしゃれなレストランを始めた。 一度も結婚しなかったアキコが、もちろん、子供もいないのに、たろに向かって、自分の事を「お母さん」と呼ぶことに違和感があった。 最後の方、たろちゃんとの描写が良かったけど、感動はしなかった。 なぜかなぁ。 現実味がなさすぎたのか・・・?
Posted by
うーん、ちょっと。嫌味が多すぎるかな。文章がストレートすぎて品がない。 ストーリーなしでほっこりに走るなら走る、またはストーリー重視でがつんと深く書くなら書く、ちゃんと目的をもって書いておくれ。これではとても中途半端である。 作者ちがうけど、食堂カタツムリをもう一回読んだ気分。...
うーん、ちょっと。嫌味が多すぎるかな。文章がストレートすぎて品がない。 ストーリーなしでほっこりに走るなら走る、またはストーリー重視でがつんと深く書くなら書く、ちゃんと目的をもって書いておくれ。これではとても中途半端である。 作者ちがうけど、食堂カタツムリをもう一回読んだ気分。うーむ。
Posted by
本の中にいろいろな要素がでてくるのだが (主人公は妾の子ども、母親の死、お客様の言葉、猫…) その要素たちが生かしきれてないように感じた。 だからなんだ…もう一歩踏み込んでくれ…物足りないって感じ。 店のくる人が似通ってるみたいな話やたろの話なと、おなじような話が何回もでてきて、...
本の中にいろいろな要素がでてくるのだが (主人公は妾の子ども、母親の死、お客様の言葉、猫…) その要素たちが生かしきれてないように感じた。 だからなんだ…もう一歩踏み込んでくれ…物足りないって感じ。 店のくる人が似通ってるみたいな話やたろの話なと、おなじような話が何回もでてきて、また同じとこ読んでる?みたいな感じになり退屈した。。 料理の描写も品数が少ない分、物足りなさあったし… あまりあわなかったなぁ
Posted by
静かに、しっかりと歩む女性のお話。重ねた時のなかで失う物は増えるけど自ら手にしていく物を大切に生きていく。愛猫を亡くし哀しみを背負いながら存在する意味を探してる。「よくもそんなに涙が出るもんだね」母を亡くした時、親戚に言われた事を思い出した。
Posted by