街場の読書論 の商品レビュー
内田さんには、いつも頭と常識をかきまわしてもらうのを期待しているのだが、今回は励ましてもらった。 (1)情報強者とは、自分に必要な情報があるときに、「教えて」といえば、「うん、いいよ」という人のところにホットラインがつながるようにネットワークが構築されている人のことである。(...
内田さんには、いつも頭と常識をかきまわしてもらうのを期待しているのだが、今回は励ましてもらった。 (1)情報強者とは、自分に必要な情報があるときに、「教えて」といえば、「うん、いいよ」という人のところにホットラインがつながるようにネットワークが構築されている人のことである。(p366) 復興のことで、本当の現場の情報をするためにネットワークづくりをしていた自分にぴったり。 (2)人間がいきてゆくために本当に必要な力についての情報は、他人と比較したときの優劣ではなく、「昨日の自分」と比べたときの力の変化についての情報なのです。(p285) もともと強い劣等感にさいなまれている自分としては、自分自身の力を少しでも伸ばすことに価値を見いだしたい。 (3)共同体はそのメンバーのうちで、もっとも弱く、非力な人たちであっても、フルメンバーとして、自尊感情をもって、それぞれの立場で責務を果たすことができるように制度設計されなければならないと思っているからです。それは親族や地縁集団のような小規模な共同体でも、国民国家や国際社会のような巨大な共同体でもかわりません。(p244) 今回の本は、ちょっと心が弱っているので、励みになりました。 参考文献。ローレンス・トーブ『3つの原理』(ダイヤモンド社)、平川克美『株式会社という病』(文春文庫)『移行的混乱』(筑摩書房)、難波江和英ほか『現代思想のパーフォーマンス』(光文社新書)
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