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街場の読書論 の商品レビュー

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81件のお客様レビュー

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2012/07/05

「爾来私は書物について《出力性》を基準にその価値を考量することにしている」 出力性てのは読んだあとに何かしたくなることらしい、例えばビールが飲みたくなるとか。この本は本が読みたくなって、文章を書きたくなりました。

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2012/06/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

朝日ジャーナルの歴史的使命 夏目漱石「三四郎」新潮文庫 西洋に対する劣等感と日露戦争後の戦勝気分とがないまぜになった片付かない心持ちで、三四郎は、列車で向かい合わせた「髭のある男」にこう話しかける。   「然しこれからは日本も段々発展するでしょう」     すると、かの男は、すましたもので、   「亡びるね」と云った。 おそらくは幕末か明治初年の生まれである広田先生は、三四郎たち「若い明治人」に向かって、「君たちがいずれ国を亡ぼすことになるだろう」と告げたのである。 私たちの父の世代はこの「明治人」たちと「戦後派」の中間にいる。 彼らは思春期・青春期の全期を戦争の予兆と現実のうちで過ごした、戦争の「当事者」たちである。(中略) けれども彼らはこの植民地侵略と戦争の起案者でも、指導者でも、主たる受益者でもなかった。そのような立場は「明治人」たちが独占していたからである。 そして、戦争が終わり、兵士たちが疲れ切って復員してきたときに、すでに政治でも経済でもメディアでも、めぼしいポストは勝利した戦争以外に戦争経験をもたないこの「明治人」たちによって占められていた。 そして、彼らは「八紘一宇」の代わりに、賑やかに「民主主義」の旗を振っていたのである。 「朝日ジャーナル」は戦争の加害者であり被害者であったこの「父たちの世代」の人々、敗れた戦争、大義のない戦争が唯一の戦争体験であるような世代がようやく手に入れたメディアだった。

Posted byブクログ

2012/06/20

 ブログから書物に関するエッセイ的なモノを寄せ集めた一冊。しかし、面白い。  内容に関わらずサクサク読めてしまい、かつ、いちいち腑に落ちる。この技法に相変わらず唸らされます。  実は読んだ後にあんまり内容が頭に残ってないのに、なんだかわかんないけど妙にモチベーションが上がっちゃう...

 ブログから書物に関するエッセイ的なモノを寄せ集めた一冊。しかし、面白い。  内容に関わらずサクサク読めてしまい、かつ、いちいち腑に落ちる。この技法に相変わらず唸らされます。  実は読んだ後にあんまり内容が頭に残ってないのに、なんだかわかんないけど妙にモチベーションが上がっちゃうんですよ。  だからブログをまとめただけであっても、同じような内容を繰り返してるだけでも、ついつい読んでしまうんだなぁ。

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2012/06/18

まさに「リーダブル」な一冊だと思う。のどごしが良く、脳みそのための嗜好品、という感じもする。特に著作権棚の章は興味深い。同世代に勧めたい。

Posted byブクログ

2012/06/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

勝手に教養の師と崇める内田先生の書なので評価できる訳もなく。兎に角圧倒的な読書の質と量。この本を読み、僕は勝手に弟子入りし、トクヴィル「アメリカの民主主義」を取り寄せ、合気道多田道場への入門を決めた。極めて個人的に、思い入れ深い本。

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2012/08/09

面白かったね。 著者の各所のテキスト(ブログやあとがき)の中から、書物と言語に関する内容を集成した代物。 彼の主張・スタンス・テイストがぎっしり詰め込まれていました。 この人の話は好きだ。「好きだ」、と公言せしめる魅力があるんだ。 印象的な箇所をメモしておこう。 ・「学ぶ力」…...

面白かったね。 著者の各所のテキスト(ブログやあとがき)の中から、書物と言語に関する内容を集成した代物。 彼の主張・スタンス・テイストがぎっしり詰め込まれていました。 この人の話は好きだ。「好きだ」、と公言せしめる魅力があるんだ。 印象的な箇所をメモしておこう。 ・「学ぶ力」…不足感・無知の自覚。師の存在。開放性。 ・「アングロサクソン型と大陸型」…フーコー、ラカン、デリダ、レヴィナスらは大陸型。 ・“私たちが死ぬのを嫌がるのは、生きることが楽しいからではない。一度死ぬと、もう死ねないからである。”(p347) ・140字の修辞学 ・“「起きてもよいのに、起きなかった出来事」”(p390)…「起きなかったことが起きなかった理由」と「起きたことが起きた理由」

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2012/06/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私たちは、ダウンサイジングしてかつ生き延びた国の先行事例をいくつも持っている。けれどもその事例からなにごとかを学ぶことができるし、学ぶべきだという人に私はまだあったことがない 情報強者というのは、他の人がしらない情報をたくさん知っている人のことではない。誰にでも、誰とでもすぱっとコミュニケーションをできる人のことである。自分に必要な情報があるときに教えてと言えば、うんいいよという人のところにすぐホットラインが繋がるようにネットワークが構築されている人のことである 情報弱者というのは、だれからもおしえてという需要がこないひとのことである。知らないと教えてという言葉を口にするのは自分の無知を露呈するようで恥ずかしいと思っているので、だれも何も教えにきてくれない、そんな人のことである。

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2012/06/07

「街場シリーズ」でおなじみの内田樹さんの本。 内田さんの本からは、いつも新鮮な発想で、多くの気付きを与えてもらえるので、本屋で見かけて、即買いしました。 今回は、読書エッセイ。 この本を読むと、内田さんの独自でユニークな発想は、読書によって、生まれているということがわかります...

「街場シリーズ」でおなじみの内田樹さんの本。 内田さんの本からは、いつも新鮮な発想で、多くの気付きを与えてもらえるので、本屋で見かけて、即買いしました。 今回は、読書エッセイ。 この本を読むと、内田さんの独自でユニークな発想は、読書によって、生まれているということがわかります。 内田さんは、一冊の本から、本当に様々なことを考えているんですよね。 つまり、読書を、なんとなくするのではなく、読んだ本の内容を一度自分の中で、揉むことが大切ということなのかもしれません。 今回も、多くの気付きを与えてもらったので、これを自分の中で、しっかり揉んでいきます。

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2012/05/30

バルトやブルデューのエクリチュールがあまりに学術的であり、それを理解することを通じて初めて社会的階層化圧から離脱することのできる社会集団には届かないように構造化されていた、という自覚の如何をメタ・エクリチュールと言われても…という気がする。結局開かれたテクストとかエクリチュールの...

バルトやブルデューのエクリチュールがあまりに学術的であり、それを理解することを通じて初めて社会的階層化圧から離脱することのできる社会集団には届かないように構造化されていた、という自覚の如何をメタ・エクリチュールと言われても…という気がする。結局開かれたテクストとかエクリチュールの広がりとかになるのだけれど、その割に本著の文章ほとんどが内輪向け、楽屋話、自著紹介であるのは、ブログだからか。やっぱりブログは開かれたものでなく、のっぺりとした村用だったと揶揄したくもなるのだが。しかし、何よりも純戦後日本的な高橋源馬郎をこの著者が評価しているようで、一瞬で冷めてしまった。

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2012/05/26

内田樹さんの読書論。内田さんのこれまでの読書遍歴が主でした。 四〇〇ページ超えで、ボリュームがすごい。図書館の返却期限も迫っていたので、ほとんど流し読みで終わってしまったのが悔しい。 内容としてはおもしろいところもそうでないところも。ただ、リーダビリティの話は文句なしでおもしろい...

内田樹さんの読書論。内田さんのこれまでの読書遍歴が主でした。 四〇〇ページ超えで、ボリュームがすごい。図書館の返却期限も迫っていたので、ほとんど流し読みで終わってしまったのが悔しい。 内容としてはおもしろいところもそうでないところも。ただ、リーダビリティの話は文句なしでおもしろい! 『街場の文体論』はめちゃくちゃ読みたい。早く出てほしいな。 噛み切れていないところも多々あるので、また読み直します。

Posted byブクログ