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追想五断章 の商品レビュー

3.7

320件のお客様レビュー

  1. 5つ

    46

  2. 4つ

    132

  3. 3つ

    102

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    2

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2012/07/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大学を休学し、伯父の古書店に居候する主人公が、ある女性から死んだ父親の書いた5つの物語を探して欲しいという依頼を受け、探し当てるという話。探し当てるうちに、女性と父親の過去、「アントワープの銃声」事件、物語がかかれた真実が徐々に明らかになっていく・・・ 米澤穂信の小説は二つ目。話の雰囲気は最初に読んでいた「ボトルネック」のように後ろ向きな主人公と全体的に灰色がかったような話の展開、最終的にはハッピーエンドにはなりえない・・・2作品だけみたらこんな作風かと感じてしまうので次何読むかをもう考えている。でも、話としては「リドルストーリー」を使った謎解きのような感覚で面白かった。暗いので★4つ。

Posted byブクログ

2012/07/17
  • ネタバレ

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学費が尽き、復学を志しながらおじが営む古本屋で働く主人公。 ある日死んだ父親が書いた小説を探しているという女が現れる。 冒頭に見つかった1作のほかに存在する4作品を探して欲しいという依頼を受けた主人公が、依頼人の父の書いた小説を探すのがメインプロット。 タイトルはこの5作品からきている。 全て結末が明示されていないリドルストーリーで、作中作のような形で挿入されている。 5作品が集まるのか、という筋と、もうひとつ、この小説を書いた男に向けられた妻殺しの疑惑を解いていく。 5作品はそれぞれ面白く、また全体の謎解き自体も面白かったものの、 主人公の背景が出てきたあたりから物語りが散漫になった印象。 この長さの作品なら主人公の設定は蛇足だったのではないかと感じた。 そして肝心の、依頼人の父の疑惑について。 論理が破綻していないことと、腑に落ちることは違うんだよなあと思ってしまった。 なんだかそれまでいい感じに醸造された謎の空気が陳腐な風に開放されてしまった。 途中までは中断するのが惜しく感じるほどだったけれど、オチが残念。

Posted byブクログ

2012/07/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

亡き父が残した5つの小説の断片を探す物語。 その父が書いたとされているところの文章が たいくつな感じもして辛かった。 あえて、物書き専門職ではない人がかいた小説を、ということなので 設定は合っていると思うし、いいと思うんですが 読んでいて辛かったから あらすじだけ教えて~とか思っちゃいました。 だって5回も出てくるんだもん、お父さんの小説。

Posted byブクログ

2012/07/12

ある作家が遺した5つのリドルストーリー(結末のない物語)と、蛇足のような結末。 そこに込められていた彼の真意とは。

Posted byブクログ

2012/07/11

古本屋の叔父の家に居候する主人公が、ひょんなことから、とある作家の5つのリドル・ストーリーを探してほしいと依頼を受ける。 1つずつ小説が見つかっていくにが、様々な形で見つけ出し、さらに作家と作者の過去や小説に秘められた真実も同時に明らかになっていくため飽きずに読み終えた。 ラスト...

古本屋の叔父の家に居候する主人公が、ひょんなことから、とある作家の5つのリドル・ストーリーを探してほしいと依頼を受ける。 1つずつ小説が見つかっていくにが、様々な形で見つけ出し、さらに作家と作者の過去や小説に秘められた真実も同時に明らかになっていくため飽きずに読み終えた。 ラストも米澤穂信って感じが出ていて全体的にまとまった1冊だった。 ただ・・・・・自己中ではあるが、個人的に主人公が陰気すぎるためどうしても好きになれなかった。この内容ならもっと違う性格の主人公でも良い作品は作れたと思うが、やはりこのキャラクターでしか出せない世界観があったのだろう。 まだまだ米澤作品を読んでみたいと思った。

Posted byブクログ

2012/07/11

著者の本を初めて読みました。 古書店で日々を無為に過ごす青年店員に降ってきた文章探し。 わくわくするミステリーかと思いきや、その文章は、かなりダークなもので、当初読み進められるかな~と思っていました。が、 途中から探し主、探されている文章の作家の人生、等々が絡んできて、相当面白か...

著者の本を初めて読みました。 古書店で日々を無為に過ごす青年店員に降ってきた文章探し。 わくわくするミステリーかと思いきや、その文章は、かなりダークなもので、当初読み進められるかな~と思っていました。が、 途中から探し主、探されている文章の作家の人生、等々が絡んできて、相当面白かったです。最後にすっかり忘れていた序章へ話は戻るんですね、ここがミソな部分ですね。

Posted byブクログ

2012/07/10

米澤穂信氏の長編読了。 古書店の居候店員が失われた五編の“リドルストーリー”を探すうちにたどり着く過去の未解決事件とその顛末・・・ 伏線と意外な展開で先を読みたくなる作品ですが・・・少々あっさり終わる感じ? 或いは、この作品自体もリドルストーリーなのでしょうか?

Posted byブクログ

2012/07/16

ナツイチ集英社文庫「ツギコレ」をたどってみよう企画第一段です。 久しぶりの米澤さん。 氷菓シリーズ読んで以来。 やっぱり理解しづらいな。けど、先が気になる。で、読むのかな? では、ツギへ。

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2012/07/10

内容(「BOOK」データベースより) 大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光は、ある女性から、死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語」を探して欲しい、という依頼を受ける。調査を進めるうちに、故人が20年以上前の未解決事件「アントワープの銃声」の容疑者だったことがわかり―。...

内容(「BOOK」データベースより) 大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光は、ある女性から、死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語」を探して欲しい、という依頼を受ける。調査を進めるうちに、故人が20年以上前の未解決事件「アントワープの銃声」の容疑者だったことがわかり―。五つの物語に秘められた真実とは?青春去りし後の人間の光と陰を描き出す、米澤穂信の新境地。精緻きわまる大人の本格ミステリ。

Posted byブクログ

2012/12/22

これまで読んだ米澤さんの本から、米澤作品はライトな設定に社会派を盛り込んでくりイメージだったけれど、今回は全然ライトじゃない。個人的にこっちのほうが読みやすいなあ、といった感じ。 あらすじ; バブルが崩壊して学費の工面が出来なくなった芳光は大学を休学し、東京に残るために、そして...

これまで読んだ米澤さんの本から、米澤作品はライトな設定に社会派を盛り込んでくりイメージだったけれど、今回は全然ライトじゃない。個人的にこっちのほうが読みやすいなあ、といった感じ。 あらすじ; バブルが崩壊して学費の工面が出来なくなった芳光は大学を休学し、東京に残るために、そして復学するため、実家には帰らず伯父の営む古本屋を手伝いながら居候させてもらっている。そこにある女性から本を探してくれ、との依頼が舞い込む。高額報酬につられ、伯父には内緒で動き出した芳光だが、彼女の求める本を手に入れ読むたびに、その不思議な話に引っかかりを感じる。元より手がかりが少ない本探し。ヒントになると作者のことを調べるうちにある事件に行きあたった。事件の真相とは――? 探している小説というのがリドルストーリー(物語の結末を読者にゆだねるグレーゾーンが大きい話)で、どれも短編なのだがどこか不気味で陰鬱としていて、いつの間にかのめり込んでしまった。平成の初めの方が舞台だけれどなんだか昭和と言われた方がしっくりくるなあ。でもバブルがはじけたあとの日本は、先行きが見えない不安があったのかもしれない。 米澤さんって言ったらミステリだけど、肝心のミステリ部分が出てこないなあ、と思いながらページを進めて行ったのだが、大丈夫、ちゃんとミステリです! いわゆるどんでんがえしの驚きはないけれど、しっかりと物語を練り上げてあるというのが感じられる巧い話だった。終わりから始めまで完成されているといった感じ。

Posted byブクログ