君が降る日 の商品レビュー
最後の短編「野ばら」が特に好きでした。この作品には3つの短編がありそれぞれ生/死、恋愛/失恋、友情/愛情のような対概念とは言わないもののベクトルの異なる2つの概念の境界線や過渡期のようなものがグラデーション的に描かれていて面白いと思いました。また「野ばら」は島本理生の作品の中でも...
最後の短編「野ばら」が特に好きでした。この作品には3つの短編がありそれぞれ生/死、恋愛/失恋、友情/愛情のような対概念とは言わないもののベクトルの異なる2つの概念の境界線や過渡期のようなものがグラデーション的に描かれていて面白いと思いました。また「野ばら」は島本理生の作品の中でも群を抜いて軽快な作品でした。高校生の男女を描いているのでとてもテンポ良く読み進めていくことができました。しかし軽快な話の中にも島本理生にしか描けない心の機微や表情がメタファーによって如実に表現されていてとても心を掴まれました。
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君が降る日・冬の動物園・野ばらを収録 どれも自分の青春時代の体験とはあまり似ていないながら、ちょっと似ているような、なんとも懐かしい感情であり、痛みでもある。 この中では「野ばら」がいい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
好きな作家以外の、文芸書を久しぶりに読んだ。 少し昔の吉本ばななに似ている気がした。 最後の「野ばら」が一番好きな話で、表題作の「浅き春の章」は読後感が悪かった。 こういう性の在り方は欧米諸国だったらレイプにあたるのでは、と、早く日本の女性はこういう関係から抜け出せたらいいと思った。
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大切な人を失ってしまった痛みの表現がめちゃくちゃ上手だなぁと思って読んだ。時折入ってくる回想に胸が締め付けられる。五十嵐さんみたいな人、実際にいるな~わかるな~…。
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囚われるなぁ。どうしようものにどうにかしたくてあがく状況に。 学生時代だったら恋人を亡くした主人公にずっと気持ちを寄せていただろうけれど、今は息子を亡くしたお母さんの存在が気になって仕方ない。
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心が締め付けられる思い、とはこういうことを言うのではないかと思う。 それぞれの主人公が救われることを心から願う物語だった。
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「ナラタージュ」に続いて島本理生さんの作品は2冊目でした。 3作品、どのお話も切なくて繊細な心の動きを描いていました。特に最初の作品は苦しく、読むのがつらいと感じてしまうことが多く、でも先が気になる展開で、目が離せませんでした。 1番好きだったのは2作目の「冬の動物園」 素敵な作...
「ナラタージュ」に続いて島本理生さんの作品は2冊目でした。 3作品、どのお話も切なくて繊細な心の動きを描いていました。特に最初の作品は苦しく、読むのがつらいと感じてしまうことが多く、でも先が気になる展開で、目が離せませんでした。 1番好きだったのは2作目の「冬の動物園」 素敵な作品でした。 久しぶりの恋愛ものでしたが、島本理生さんらしい繊細で儚い描写が沢山ありました。
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久々に恋愛小説が読みたくなりたまたま書店で手にとった作品。3つのストーリーはどれもちょっぴり切なく、読んでいてしんみりとした気分になった。感情の表現の仕方や、言葉一つ一つが繊細で美しく、この作家さんにしかない独特の雰囲気を感じた。ナラタージュもぜひ読んでみたいと思う。
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短編3作品。 どの作品も闇を抱えた恋愛モノってかんじ。 お互いの思いが、ベクトルが違うところにあるような感覚で、伝わらなかったり伝わっても届かなかったり。いろんな形の恋愛があって、届かない想いとか、報われない想いがあること。痛いくらいに刺さる作品だった
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恋の始まり、終わりを詰め込んだ1冊。細かな描写が美しくハッとするものがあった。「冬の動物園」が特に好き。激しいときめきのある恋というより、ゆったり、しっとりと染み渡るような良さがあった。
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