君が降る日 の商品レビュー
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この先ずっと一緒にいたいと思える彼に、誕生日は指輪が欲しいと伝えた。しかし、彼が用意していたものはピアスだったとわかる場面は辛かった。 彼は、将来自分と一緒にいると確約しきれなくて、でも、それでも自分のことを大切に思ってくれていたから、だからこそのピアスだったんだろうな。 少しの偶然が沢山重なって今がある。
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3つの話はどれも苦しくて、切なくて。 共通の哀しみがあるもの同士はわかり合ってるようで、でもお互いにその傷をえぐっているような。 好きとか嫌いとか一言では表せない複雑な感情が、人と関わる中で生まれるのだと改めて実感しました。 個人的には「野ばら」が好きでした。 恋愛感情抜...
3つの話はどれも苦しくて、切なくて。 共通の哀しみがあるもの同士はわかり合ってるようで、でもお互いにその傷をえぐっているような。 好きとか嫌いとか一言では表せない複雑な感情が、人と関わる中で生まれるのだと改めて実感しました。 個人的には「野ばら」が好きでした。 恋愛感情抜きでずっと側にいられる男女の友情を築くのってやっぱり難しいんですね。 恋人になる方が案外簡単で単純だったりするのかな。 野ばらの最後の言葉が心に刺さります。 引用されている、谷川俊太郎さんの「あなたはそこに」という詩を読んでみたいと思いました。 「私はこの人が、痛々しい。怖い。愛しい。自分には重すぎる。ぜんぶ本心だった。一つだけなんて選べなかった。」 「好きなものは、たいてい、好きな相手と共有する。だから相手がいなくなっても思い出が残る。」 「私は、祐に恋をしなかった。それでも大切に思ってさえいれば、ずっと一緒にいられるものだと思ってた。私たちは、あの雪の日から、別れると言えない関係を紡いでいたのだと、初めて気付いた。ただ一つの、好き、だけが欲しい思春期にとって、それがどんなに棘だらけの野ばらだったか、私は知らなかった。きっと祐だけが知っていた。」
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本当に同じ作家さんが書いたのだろうかと思うくらい、物語によって印象が変わる短編集でした。 「君が降る日」は、触れられたくない所をザラザラしたもので逆撫でされるような、感情をえぐられるような、なんとも言えない重苦しさに囚われ、気持ちがズーンと沈み、次の物語に進めませんでした。 ...
本当に同じ作家さんが書いたのだろうかと思うくらい、物語によって印象が変わる短編集でした。 「君が降る日」は、触れられたくない所をザラザラしたもので逆撫でされるような、感情をえぐられるような、なんとも言えない重苦しさに囚われ、気持ちがズーンと沈み、次の物語に進めませんでした。 しかし、「冬の動物園」で心が温まり、「野ばら」で再び考えさせられる…。感情の持って行き方が難しい1冊でした。
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こんなにも切なさを表現できるのが怖い。私は「野ばら」が好きだったなあ。谷川俊太郎の詩と最後リンクする瞬間とか、「友達」のしんどさとか。表題作はもっと簡単に線ぐらい踏み越えたらいいのにって思ってしまう。私は軽率な人間だからなあ
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恋人をなくす、という体験について。 事故で恋人を亡くした志保。 その事故の原因となってしまった車を運転していた、恋人の友人。 恋人の家族たち。 それぞれが感じている「不在」がどれも噛み合わなくてもどかしい。 同じ人を亡くしても、その痛みはそれぞれなのだ。 彼がいなくなって...
恋人をなくす、という体験について。 事故で恋人を亡くした志保。 その事故の原因となってしまった車を運転していた、恋人の友人。 恋人の家族たち。 それぞれが感じている「不在」がどれも噛み合わなくてもどかしい。 同じ人を亡くしても、その痛みはそれぞれなのだ。 彼がいなくなっても、私は「死んだものを食べて」毎日を生きていく、というような描写があってドキリとした。 「野ばら」がよかったな。 踏み出せない思い。恋愛にならない感情って難しいね。 島本理生さんは、喪失や不在に伴う切ない痛みを描くのがとても上手だな。 本当に大切なものを失ったとき、きっと私たちは泣き叫ぶことも喚くこともできず、ただ呆然としてしまうのだろう。
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久々の島本理生。読み終わった感想も島本理生だなぁ〜っていうw 恋人を事故で亡くした女の子が事故を起こした五十嵐さんとの付き合い方、亡くなったひとの思い出に触れたくて福岡にいる五十嵐さんに会いに行くお話。 こう、島本理生って恋愛の始まりというよりはじまっててほっこりしてるひとのお話...
久々の島本理生。読み終わった感想も島本理生だなぁ〜っていうw 恋人を事故で亡くした女の子が事故を起こした五十嵐さんとの付き合い方、亡くなったひとの思い出に触れたくて福岡にいる五十嵐さんに会いに行くお話。 こう、島本理生って恋愛の始まりというよりはじまっててほっこりしてるひとのお話が多そうである意味はじまる話だったりするよね 結婚目前と思ってた彼に振られ、高校生の男の子と新しく出会った女性のお話や(冬の動物園) 男女の友達とは恋愛なのか?みたいな友情からの失恋や家族やらのうねうねしちゃった関係のお話と(野ばら) 谷川俊太郎の「あなたはそこに」も読みたくなる
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2021.7.30. 再読。 はじめて読んだときには表題作の切なさで胸がいっぱいだったけれど、今回は「冬の動物園」が心に残った。 とにかく年下の森下君がかわいい。 美穂ちゃんを自由気ままに振り回しているように見えて、本当はとても大切に思っていて、まだ失恋の痛みから抜け出せていな...
2021.7.30. 再読。 はじめて読んだときには表題作の切なさで胸がいっぱいだったけれど、今回は「冬の動物園」が心に残った。 とにかく年下の森下君がかわいい。 美穂ちゃんを自由気ままに振り回しているように見えて、本当はとても大切に思っていて、まだ失恋の痛みから抜け出せていないし森下君に対して年齢差からか卑屈になりがちな美穂ちゃんの不安をいつも先回りして解いてくれる。 「きっと弱いのはおれのほうなんだよ。今一人でタクシーに乗って帰る美穂ちゃんの姿を想像すると、すごく、ふがいない気分になるから。だから勝手なのは分かってるけど、送らせて」 「自分さえ満足していれば、誰に狭いって言われても気にすることないよ」 美穂ちゃんを否定することなくゆるやかに肯定する言葉が大好き。相手を想うって、森下君のように自分の都合を押し付けず相手を受け入れることなんじゃないかなぁ。 表題作も野ばらも大好きだからいつか再読したら感想を書こう。
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恋愛がテーマの短編が3つ。 いずれも女性が主人公。 1つ目は事故で恋人を失った女子と事故時に一緒だった彼の友達の交流を通して、恋人を失ったことを受け入れる話。 2つ目は、結婚するものと思っていた恋人に振られうじうじしている女子と英会話学校のクラスメイトの男子高校生の話。彼に振り回...
恋愛がテーマの短編が3つ。 いずれも女性が主人公。 1つ目は事故で恋人を失った女子と事故時に一緒だった彼の友達の交流を通して、恋人を失ったことを受け入れる話。 2つ目は、結婚するものと思っていた恋人に振られうじうじしている女子と英会話学校のクラスメイトの男子高校生の話。彼に振り回されるが、自分の視野の狭さに気付かされる。 最後は普通の女子高校生とクラスメイトの男子、そしてその兄、最終的には主人公の妹まで出てきて、言葉にしない想いがその中で渦巻く話。 3つともある人に出会う前と後の変化を描いている。現実の世界ではそう都合よく異性のキーパーソンが現れることはないので、こういうお話として読む感じ。だが、ところどころ身に覚えがあるというか理解できるような描写があって、こういったシチュエーションが自分の身にも起きればいいなとか思ってしまう。
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3つのストーリー。どれも切ないけれど希望あるものだった気がする。 「野ばら」が特に印象に残った。 男友達としての心地良さって何とも言えない。女の子友達とはまた違った居心地の良さと安心感。 友達として深くなったら好きになってしまいそうな気がするけれど主人公はそうではない。 最後...
3つのストーリー。どれも切ないけれど希望あるものだった気がする。 「野ばら」が特に印象に残った。 男友達としての心地良さって何とも言えない。女の子友達とはまた違った居心地の良さと安心感。 友達として深くなったら好きになってしまいそうな気がするけれど主人公はそうではない。 最後の谷川俊太郎の「あなたはそこに」の詩がグッときた 全文調べてみたい
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ゆっくりと静かに紡がれる、世界で誰かが抱いているのかもしれない感情。 「君が降る日」 恋人の死を介して繋がった話。死がなかったら、繋がらなかった。良くも悪くも、そういう繋がりの。 「冬の動物園」 失恋の淋しさとも悲しさとも言えない感情が、突飛な存在に緩く溶かされていく。 「...
ゆっくりと静かに紡がれる、世界で誰かが抱いているのかもしれない感情。 「君が降る日」 恋人の死を介して繋がった話。死がなかったら、繋がらなかった。良くも悪くも、そういう繋がりの。 「冬の動物園」 失恋の淋しさとも悲しさとも言えない感情が、突飛な存在に緩く溶かされていく。 「野ばら」 友達になるって友達でいるって、どうして難しいんだろう。求めあったり好きあったり、おおよその縛りが発生する恋人の方が、容易いのだ。
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