盤上の夜 の商品レビュー
碁やマージャン、チェスが題材となっているということもあって、ボードゲームを通した人間のギャンブル性が語られるのかと思いきや、たかがゲーム(いやゲームだからこそ)にのめり込む者たちを通して人間という存在の業が描かれる。ゲームというものの中に凝縮された人間の本性である狂気や罪深さが、...
碁やマージャン、チェスが題材となっているということもあって、ボードゲームを通した人間のギャンブル性が語られるのかと思いきや、たかがゲーム(いやゲームだからこそ)にのめり込む者たちを通して人間という存在の業が描かれる。ゲームというものの中に凝縮された人間の本性である狂気や罪深さが、歴史上幾度となく繰り返されてきた戦争や、最終的には原爆へと重ねあわされていくのだから驚きだ。
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2012 7/14読了。Amazonで購入。 @sakstyleのエントリ(http://d.hatena.ne.jp/sakstyle/20120708/p1)の非ネタバレ部分までを読んで、面白そうと思って買ってみた本。 実際のところ想像以上に面白かった。 ボードゲームにまつわる6つの短編からなる本。 扱われるのは囲碁、チェッカー、麻雀、古代チェス、将棋で、古代チェスの話以外はすべて同じジャーナリストが取材の中で遭遇した話として描かれる。 ジャーナリストが出てこない話も含め、すべてが違うネタを持ちつつ、関連していることも示唆されていって、最後の話で何かがつながったように受け取れる。 チェッカーで40年間無敗だった世界チャンピオンがコンピュータに敗れ(正しくは1度目の戦いでは2敗したもののシリーズを通しては勝利、2度めには6連続引き分けの後、チャンピオンが体調を崩し不戦敗)、さらには完全解の存在が証明までされて・・・という実話に基づく話「人間の王」と、3人の異能/異常な打ち手とそのうち1人に惚れ込んでいる1人の凡庸な打ち手が繰り広げた狂気の麻雀対決を扱った「清められた卓」の2編がとりわけ好き。 でも他の話もやたらと引きこまれた・・・著者の単行本ってまだこれだけなのか。早く他にも読みたい。
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囲碁、将棋、麻雀、チェッカーなどを題材に取った短編集。 それぞれのゲームが持つ世界観を展開していく構想力は抜群。盤上の世界と外の世界の境界を大胆に溶かしていく。 直木賞の候補になったことだし…と思い手を出したが、納得。
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内容(「BOOK」データベースより) 相田と由宇は、出会わないほうがいい二人だったのではないか。彼女は四肢を失い、囲碁盤を感覚器とするようになった―若き女流棋士の栄光をつづり、第一回創元SF短編賞で山田正紀賞を贈られた表題作にはじまる全六編。同じジャーナリストを語り手にして紡がれ...
内容(「BOOK」データベースより) 相田と由宇は、出会わないほうがいい二人だったのではないか。彼女は四肢を失い、囲碁盤を感覚器とするようになった―若き女流棋士の栄光をつづり、第一回創元SF短編賞で山田正紀賞を贈られた表題作にはじまる全六編。同じジャーナリストを語り手にして紡がれる、盤上遊戯、卓上遊戯をめぐる数々の奇蹟の物語。囲碁、チェッカー、麻雀、古代チェス、将棋…対局の果てに、人知を超えたものが現出する。二〇一〇年代を牽引する新しい波。
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タイトルが示すように、囲碁や将棋などのゲームを題材にした物語6編が収められている。それぞれのゲームを通し、世界をつかもうとするプレイヤーたちの精神世界を描きだそうと試みている。不勉強な私には『これがSF?』的な感想だけれど、面白い。特に、将棋と麻雀の話が好きでした。
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世界各地のボードゲームにまつわる人智を超えた物語を、一人のライターの目を通して描いた連作短編。 淡々としながらもリーダビリティに優れた硬質な文章によるものか、歴史やゲームの細かい解説・定石を織り交ぜることにより生まれるリアリティにとても説得力があるためか、世界に引き込まれるにつれ...
世界各地のボードゲームにまつわる人智を超えた物語を、一人のライターの目を通して描いた連作短編。 淡々としながらもリーダビリティに優れた硬質な文章によるものか、歴史やゲームの細かい解説・定石を織り交ぜることにより生まれるリアリティにとても説得力があるためか、世界に引き込まれるにつれ、ゲームを極める事は神との対話に似たりという錯覚さえ覚えます。 数奇な運命に弄ばれ、碁盤と感覚を同化した天才女性棋士の半生。 コンピュータと戦い、孤独の中に道を見たかに思えたチェッカーのチャンピオンの晩年。 精神病を患い、とある能力に開眼した女性教祖と、卓を囲む個性的な面々の決勝戦での半荘。 古代インド、偉大な王の下に生まれた小国の王子の采配とその後の生。 ある兄弟と女性が織る、将棋界を舞台とした狂乱の日々と真実。 原爆の落ちた日に打たれた棋譜をめぐる、天才女性棋士のその後の物語。 いずれ劣らぬ奇妙な物語を客観的な視点で描くことで、ボードゲームやそこに関わる人々の特異性を際立たせ、ひいては「天才」と呼ばれる勝負師達の尋常ならざる境地を描くことに成功していると思います。 個人的なお気に入りは「清められた卓」。麻雀をテーマとした本編は、どんな麻雀漫画よりもアツい、エキサイティングなバトル小説です。 SFファン以外にも是非お勧めしたい一冊ですね。
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囲碁、チェス、将棋などの対局を通して、「人間」「世界」「神」をミステリアスに浮かび上がらせる短編集。 ゲームと哲学が融合したようなストーリーに知的興奮をおぼえた。 ネタバレになるので語りにくいのだけど、たとえば、「コンピュータ VS 人間」という対戦が行き着く先、そこに残るも...
囲碁、チェス、将棋などの対局を通して、「人間」「世界」「神」をミステリアスに浮かび上がらせる短編集。 ゲームと哲学が融合したようなストーリーに知的興奮をおぼえた。 ネタバレになるので語りにくいのだけど、たとえば、「コンピュータ VS 人間」という対戦が行き着く先、そこに残るものは何か。 ルポタージュにも似た硬めの文章でつづられるストーリーは、数学の歴史における「無限」の概念を言葉でたどり直しているかのようであった。 これはSFともミステリーとも、フィクションともノンフィクションとも捉えがたい、挑戦的な小説。 ちなみに僕は、ここに出てくるゲームのルールを1つも知らないで読んだ。 それでも面白かったし、この本の影響で囲碁をやり始めたほど。 ひとことで言うならば、この本は非常に美しい。 (※訂正:ウソだわ、将棋は知ってたわ!)
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期待が大きかっただけに、今ひとつ物足りない感じもした。 麻雀の話が一番、面白かった。囲碁の話はもう少しドラマチックな展開があればよかったと思う。チェッカーの話は、ちょっとくどい感じ。麻雀の対決場面は臨場感があった。
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文句無しに面白かった。 囲碁、チェッカー、麻雀などの盤上遊戯を題材にした6作の短編集。 神の一手を目指す者や戦争好きの王の気をそらすために遊戯を考え献上する者、ゲームを殺すゲームを作ろうとする者。 特に面白かったのは「千年の虚空」。将棋を題材に、二人の兄弟と一人の女性が目指した「...
文句無しに面白かった。 囲碁、チェッカー、麻雀などの盤上遊戯を題材にした6作の短編集。 神の一手を目指す者や戦争好きの王の気をそらすために遊戯を考え献上する者、ゲームを殺すゲームを作ろうとする者。 特に面白かったのは「千年の虚空」。将棋を題材に、二人の兄弟と一人の女性が目指した「暴力の終焉」。量子歴史学なんてSFっぽくパラドックスに満ちている。 他の作品も面白かった。 最も、私は盤上遊戯は苦手です。先を読もうとしすぎて面倒臭くなり、疲れてしまうので。
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囲碁、将棋、古代チェス、麻雀、チェッカーをテーマにした短編集です。 一応分類としてはSFになってるみたいですけど、ほんのちょっぴりSFテイストが入ってるだけで普通の小説ですね。 チェッカーの話とかほぼノンフィクションみたいなものですけどw どれも結構面白かったです。こういうゲーム...
囲碁、将棋、古代チェス、麻雀、チェッカーをテーマにした短編集です。 一応分類としてはSFになってるみたいですけど、ほんのちょっぴりSFテイストが入ってるだけで普通の小説ですね。 チェッカーの話とかほぼノンフィクションみたいなものですけどw どれも結構面白かったです。こういうゲームが好きな人はぜひ読んでみて下さい! 麻雀小説って初めて読んだけど、どこかアカギっぽさがあって個人的にすごく好きですw
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