夏天の虹 の商品レビュー
前巻に続いてまたもや涙、涙で大変なことに…。 小松原さんとの未来。 料理人としての未来。 大切な友の未来。 よき理解者との突然の別れ。 人生って本当にままならない。 多くのものを背負っている澪ちゃんがすごく心配になりました。 ますます先が気になる展開で面白かった!
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悲涙の第7作。 澪を襲う苦難。料理人の澪にとって絶望的な苦難。 そして又次の死という永遠の別れ... つるやの誰にとっても悲し過ぎる。 又次の襷を励みにふきにも頑張って行って欲しい。
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涙が止まらなかった。 鯛のお話で泣き、又次と惜別の思いを高めたところでのあの仕打ちに滂沱の涙。 小松原の件も切ないし、体に異常をきたしたことも、今の自分の境遇とかさなり、余計に涙。 匂いが戻った理由が、うまいな、と思った。 2021.2.14 20
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流行り病とも呼ばれる疫病は、古来、呼び名通り「流行」してそのたびに人類の命を奪ってきた。まるで人類に対する人口調節機能のようにふるまう。防疫機能や治療法が開発されるとともに、かつて脅威だったそれらの病は鳴りを潜めるが、いずれまた新たな流行り病が登場する。新型コロナウィルスと呼ばれる病も、現代の流行り病として猛威を振るっている。 思えば、今の新型コロナウィルスが蔓延するよりかなり前に『みをつくし料理帖』は書かれたはずだが、その話のいくつかは、まるで新型コロナウィルスを予言したかのように思える。料理人の命ともいえる匂いが感じられなくなる、という話など、コロナウィルスの典型的な症状の一つである。臭覚を奪われた料理人の悲哀は、その苦悩に戦いつつ、その苦難をも自分の成長の糧にしようとする姿に思わず涙を誘われるが、ふと自分の足下の状況を顧みればまるで新型コロナウィルスの世で、罹患して匂いを奪われた人の辛さを言い当てている気さえしてくる。 さらにはもっと直截に、江戸の町で流行り病が発生して、子どもの命が多く奪われてゆく話もあった。名医である源斉は、多くの患者を抱えて江戸の市中を東奔西走することとなるが、これは昨今叫ばれている「医療崩壊」を象徴しているようでもある。自分の食事もままならぬほどの働きをして、結果として自分の体調が悪くなってしまうという、いわゆる「医者の不養生」ともいえる源斉を見ていると、流行り病が起きたときの医療従事者の苦労が偲ばれる。医療は専門的な仕事だけに、なかなか代わりが務まらない。源斉は、「食だけが人の体を作る」とかつて澪に説いていたが、現在飲食と医療の分野が新型コロナウィルスにより影響を最も多く受けて、危機に陥っている状況を鑑みると、予言書としての『みをつくし料理帖』が少し怖くも思えてくる。 『夏天の虹』では、先の流行り病で天に身罷った多くの子どもたちをはじめ、重要な人物の死にも直面することとなる。人の命と健康が主題となりそうな料理がテーマとなっている物語として見ると、『夏天の虹』はこれまでのシリーズとやや異色かもしれない。澪と幼馴染の野江をともに天涯孤独の身に貶めたかつての大雨による河川の氾濫に続いて、本作では流行り病に火災と、江戸の世で恐れられた出来事が次々と起こる。ともすると、読み手もうら悲しい気持ちにさせられるが、残された者たちが手に手を取り合ってその悲しみを乗り越えてゆく様に救われる。 自分の人生の岐路に立ち、一大決心をした澪。その先に待ち受ける艱難辛苦を思わせるかのように、本作では澪とそれを取り巻く人たちを時に絶望の淵に落とすのではないかとさえ思われる苦難が続いた。全十巻の『みをつくし料理帖』も本作が七巻目である。いよいよ澪の料理人としての人生も大きく揺り動いてゆくだろう。弔う者があれば、新たな出会いもあるに違いない。かつて澪も一人の料理人として世話になっていた「天満一兆庵」の再興はあるのか。天満一兆庵の江戸店のかつての店主、佐兵衛の行く末は? 少しずつ大団円が近づいてくる……そんな雰囲気をひしひしと感じ始めている。
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いや…だからもう、次から次へと……。 小松原さまとの経緯は 「あー、やっぱり、そうするよね…」 とは思った。若干、メタ読みもあったけれど、後々美緒ちゃんが仮説を立てたときは 「それか!!」 と、めちゃくちゃ膝を打った。さすが、育ちのいい人の想像力は素晴らしい。素敵だ。(心...
いや…だからもう、次から次へと……。 小松原さまとの経緯は 「あー、やっぱり、そうするよね…」 とは思った。若干、メタ読みもあったけれど、後々美緒ちゃんが仮説を立てたときは 「それか!!」 と、めちゃくちゃ膝を打った。さすが、育ちのいい人の想像力は素晴らしい。素敵だ。(心の底から) 甘ったれとかくそくらえでございます(?)。わかった、このシリーズのオチは美緒説やな、よしそれまで付き合おうと思った矢先の、アレ……。 しかも澪が体調を崩しまくる一冊なのは、もう、どうなのと……。そんなにか。そんなにしんどい思いせなあかんのか! そもそも、小松原さまも素敵やけど又次さんもめっちゃ粋。りうさんがちょいちょい覗かせる、又次さんとの未来もあるの…? それはそれで、澪も幸せになるのでは…? と、思った矢先の、コレ……。 ッアーーー!! このシリーズ、ほんまに幸せなオチがつくんでしょうね!? アッ別にハッピーエンドになるとはだれも言うてはらへんか! 広い青空が広がる、っちゅうだけか! 意味深すぎる!! とりあえずソッコーで次巻も予約。 つくづく、澪には料理という打ち込めるものがあってよかったねと思う。結局ひとを支えるのは情熱だけなのではないか。寂しいけども。 ところで、当時の江戸では牡蠣は高級食材ではなかったのか…。深川…? 深川鍋とかなかったっけ…? どじょうとかそんなイメージがあるけど、それはたぶんわたしが間違ってる。 あと、当時の大坂にはなくて江戸にはあったらしい刺身屋。なるほど、江戸イコール鮨というイメージもあるんやけど、とにかく刺身は江戸の料理なんやなあ。 せやなあ、刺身とはあんまり言わん。お造りっていう(同じものやけど)。 お造りもご馳走やけど、なんとなくメインではないイメージがある。贅沢…。
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「江戸世話物」というジャンルなのだろう。季節が巡る中で大切な人との別れを経て、主人公が強くなっていくという展開。冬をこえて、初夏の虹が出て終了。いよいよ物語はクライマックスへ。
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ここにきて、悲しくて悲しくて、 私が立ち直れないくらい悲しくて、 このシリーズはじめての星4つにした。 きつい一冊だったな。 この悲しさが、今後絶対に澪たちの力となりますように。
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今巻は、澪が臭覚と味覚を失い、つる家の料理人として吉原翁屋の又次が助っ人になる展開。2か月間の約束期間を終え吉原に戻ったその日、吉原炎上にあいあさひ大夫を助けた又次が亡き人となる。涙が止まらない一巻である。
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澪が小松原さんを想う心を、添い遂げるか否か、考え、添い遂げることにした。それなのに、翻し、料理に生きることにして、想い焦がれる小松原さんのことを振り払う。 澪から断ったにも関わらず、小松原さんは、お侍さんなので、自分が格上との縁談に目が眩んだ、との事にして、澪を庇ってくれる。 な...
澪が小松原さんを想う心を、添い遂げるか否か、考え、添い遂げることにした。それなのに、翻し、料理に生きることにして、想い焦がれる小松原さんのことを振り払う。 澪から断ったにも関わらず、小松原さんは、お侍さんなので、自分が格上との縁談に目が眩んだ、との事にして、澪を庇ってくれる。 なんて男らしい。 今、こういう言い方はふさわしく無いかもしれないが、人として素晴らしい。 想うがあまり、お互いに対する愛が滲み出ている感じ。 美緒がいうように、今でなく、この先どこかで寄り添って欲しいとおもう。 小松原との事で、味覚嗅覚を失う。 料理人として1番大切なもの。 左手の傷も小松原さんを思った時なので、澪の身体は全て小松原さんに関連しているように思う。 吉原の火事で、又次はあさひ太夫を自身をかけて救い亡くなってしまう。 その火事で嗅覚を取り戻す。 周りの人のことを1番に考える澪だからこそ、きっと又次に助けられたのだろう。 7巻最後で、ふきに料理を教え出すシーンがある。 ふきちゃんが、次からのキーマンになるのか? とにかく次が楽しみでたまらない! 時代物が苦手だった私がこんなに楽しめるとは! 多分全巻が★5個だと思う…
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大波乱展開でいっきによむ。 読みながら、これほど読むことに焦がれる本のシリーズを終わったら、、、と初めて思う。 何か同じような感覚の長編 誰かにこのみをつくしを好きな方にお尋ねしたいです。
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