エムブリヲ奇譚 の商品レビュー
山白朝子さんの怪談短篇集です( ᜊ°-° )ᜊ 土瓶さんから山白朝子さんも面白いと教えて頂いたので、まずはどの作品からにしようか迷いましたが、土瓶さんが☆5にされているこの作品を読んでみることにしましたใ(^▽^ )ว ♬♬ 気に入ってしまった青春ものの中田永一さんの『百瀬、こ...
山白朝子さんの怪談短篇集です( ᜊ°-° )ᜊ 土瓶さんから山白朝子さんも面白いと教えて頂いたので、まずはどの作品からにしようか迷いましたが、土瓶さんが☆5にされているこの作品を読んでみることにしましたใ(^▽^ )ว ♬♬ 気に入ってしまった青春ものの中田永一さんの『百瀬、こっちを向いて』とは打って変わってのジャンル これも彼の作品なのかッ?!(; ꒪ö꒪)と驚きました 背筋が少々ヒヤリとする描写と美しく幻想的な世界(グロもあります)に堪能いたしました 時代は江戸、湯治の旅も盛んになり、旅本が重宝される様になった 旅本作家の和泉蠟庵と荷物持ちの耳彦 一本道なのに必ず迷ってしまう和泉蠟庵の迷い癖に、毎回耳彦はうんざり そんな二人がネタ集めで辿り着いた場所で遭遇した怪談話です 『エムブリヲ奇譚』 死なないエムブリヲ(胎児)の話 川原で小指くらいの小さな青白い胎児を拾ったが、女の腹の外に出ても死なないので世話をすることに 『ラピスラズリ幻想』 持ち主に何度も人生を繰り返させる石の話 青い石を持っていると、死んでもまた生き返る 七回目の人生を迎えようとした時、もうこれで最後にしよう… 『湯煙事変』 死者と出会える温泉の話 夜中に湯に浸かったら、死んでしまった懐かしい人達が入っている その中に子供の頃遊んだ少女がいる 崖から落ちて死んだと言っていた少女 「こっちに来ると帰れなくなるよ…」 『〆』 あらゆるものに人間の顔が浮かび上がる村の話なのだがこれが残酷(꒪̥̥﹏꒪̥̥ ) お茶に人の顔が映り込んでいる 壁中に人の顔を想像させる縞模様が無数にある 食べ物が全部人の顔に見える そして小豆よ……! ๐·°(৹˃̵﹏˂̵৹)°·๐ 『あるはずのない橋』 渡ると戻れない幻の橋の話 四十年も前に落ちてしまった橋なのに、夜になるとかかっていることがあり、橋から落ちて死んだ人が橋にいる 耳彦は婆さんに、死んだ息子に会いに行きたいと頼まれる 『顔無し峠』 耳彦を死んだはずの男だと信じ込む人々の話 彼が顔無し峠で死んだ喪吉という男に似ていると、旅先での人々が驚く 喪吉の妻と息子は、彼が喪吉だと言い張るが… 『地獄』 残虐な山賊一家の話 山賊の罠にかかり、地獄の様な大きな穴に落とされる 生き延びる為に地獄で食べたものとは… 描写がグロテスクだけど、これは一番話にのめり込んだなあ 『櫛を拾ってはならぬ』 何処からともなく現れる長い髪の話 初めから最後まで不気味 『「さあ、行こう」と少年が言った』 迷い癖のある少年の話 迷い癖とはそういう事だったか これを読むと和泉蠟庵がまた好きになる どの話も面白く、人の本性、怨念、執念、残酷さ、醜さを語った話でした しかし和泉蠟庵の超然とした人柄が、背中がぞくっとする様な描写を何処かのほほんとした幻想的な空気に変えてしまいます ٩(๑º﹏º๑)۶怖ぃ~という感じではなく、不思議な空間を体験した様な気持ちになりました 普段怪談ものは読まないので、とても新鮮な読書タイムを味わえました 土瓶さん、ありがとうございます( ᜊ°-° )ᜊ
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山白朝子さん名義の怪奇譚。 なんとなく江戸のような時代の場所で、旅行記を書いて生計立てている蝋庵先生と荷物持ちの耳助が行く先々でトラブルに見舞われる。 基本、耳助に不幸なトラブルは集中豪雨のように降りかかるので、毎回二度と行かない宣言をする耳彦だが、悪癖の賭博で肩代わりしてもらっ...
山白朝子さん名義の怪奇譚。 なんとなく江戸のような時代の場所で、旅行記を書いて生計立てている蝋庵先生と荷物持ちの耳助が行く先々でトラブルに見舞われる。 基本、耳助に不幸なトラブルは集中豪雨のように降りかかるので、毎回二度と行かない宣言をする耳彦だが、悪癖の賭博で肩代わりしてもらった借金で頭が上がらない。 そしてこの耳彦が実に人間的である。 人間の弱さ醜さあさましさ、優しさを具現化した男である。 耳彦を通して人間を見ているように感じる。 今回2話ほど、出てくる少女、輪はまた対照的に描かれて、人間の陰と陽を見ているようだった。 『〆』の小豆を思い出し、心が痛くなり、『地獄』を読んで、山白朝子の筆力に圧倒された。恐ろしすぎる…まさに地獄の描写だった。
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全国に道がつながり始めた頃の話。旅本製作を手掛けるがまっすぐな道を歩いても迷う蠟庵先生。 どんな出来事が起こっても動じる事なく淡々としているが最後の短編で子ども時代の話があるが道に迷った末に夫や夫の家族に虐められていた主婦を助ける。いつも同じ場所に辿り着かないのに今回は毎回同じ場...
全国に道がつながり始めた頃の話。旅本製作を手掛けるがまっすぐな道を歩いても迷う蠟庵先生。 どんな出来事が起こっても動じる事なく淡々としているが最後の短編で子ども時代の話があるが道に迷った末に夫や夫の家族に虐められていた主婦を助ける。いつも同じ場所に辿り着かないのに今回は毎回同じ場所に着く、助けたいという必死さが伝わり動揺すると迷う事なくたどり着けるのかな?と思うとちゃんと人間らしさも持っているんだと嬉しくなる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
どの話も面白かった。 人の優しさや愛情、憎しみや嫌悪、いざという時には自分可愛さに人を見捨てることだってある、そういう一言で表せない色んな面を読むのが怖くて楽しくて引き込まれた。 蠟庵先生、迷い癖と言うから単なる方向音痴かと思ったらそんな生易しいものじゃなかった。ワープしてしまっている。 こんなに迷子になるのにラストの短編では主人公を助け出して道を示していて、泣き笑いしたくなるようなあたたかい気持ちになる。相変わらず自分は行きたいところにすんなり行けなくて頼りなくて、涙が出そう。でも耳彦という一緒に迷子になってくれる友人ができている。いい本だったなぁ。
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耳彦と蠟庵コンビが良い◎淡々と語られる気色悪い話がより一層キモいなって思う。気色悪いだけではなくジワっといい話が盛り込まれているところがツボです。
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これは面白かったです、とっても。 まず装丁が素敵です、3本の糸もおしゃれ。 数日前に丸善で偶然見かけた山本タカトさんの画集も立ち読み(ごめんなさい)してしまいました。 どのお話も良かった。 幻想的・不気味・恐怖・ホラー… なんだけど、人間の欲や執念が一緒にあって、人の切なさや儚...
これは面白かったです、とっても。 まず装丁が素敵です、3本の糸もおしゃれ。 数日前に丸善で偶然見かけた山本タカトさんの画集も立ち読み(ごめんなさい)してしまいました。 どのお話も良かった。 幻想的・不気味・恐怖・ホラー… なんだけど、人間の欲や執念が一緒にあって、人の切なさや儚さを感じ、摩訶不思議なんだけど読後感は何故か希望に満ちています。 和泉蠟庵の飄々とした人物像も良いのですが、耳彦です、耳彦が良いっ。 耳彦はダメ男なんだけど、憎めないっ。 心根が優しくて、自分の欲に後悔したりして、もう愛しさすら感じます。 ただ、すごい事件に巻き込まれましたね、それでも立ち直ってくれると信じています。 本を書く為に、ずっと不思議な旅を続けて欲しいです。 そして、「パレイドリア現象」を初めて知りました。 実家の天井の木目、顔に見えて怖くて嫌いでした。 すすめてくれたブク友さんたち、ありがとうございました。 ( ꜆ . ̫ . ). ̫ . ꜀ )♡
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なんて怪しくて妖しくて悲しくてグロくて温かい本なんだ。スピンも素敵.*・゚ .゚・*. 『エムブリヲ奇譚』で不思議で優しい気持ちになってからの『ラピスラズリ幻想』で心をグッとつかまれた。輪…。悲しいけど強い。 『地獄』で吐き気をもよおし笑 『櫛を拾ってはならぬ』で背すじがぞぞ...
なんて怪しくて妖しくて悲しくてグロくて温かい本なんだ。スピンも素敵.*・゚ .゚・*. 『エムブリヲ奇譚』で不思議で優しい気持ちになってからの『ラピスラズリ幻想』で心をグッとつかまれた。輪…。悲しいけど強い。 『地獄』で吐き気をもよおし笑 『櫛を拾ってはならぬ』で背すじがぞぞーっとなり (髪の毛が口の中に入った時って信じられないくらいゾワッとしますよね(O言O)) 『「さあ、行こう」と少年が言った』で清々しい気持ちで読了 色んな感情入り乱れ。 最高の読後感*ˊᵕˋ* 飲んで博打して仕事も続かないダメダメな耳彦が愛しく感じたし 飄々としているようで愛情深い蠟庵もよかった。 『櫛を~』で蠟庵を「友人」と呼ぶようになっているのもいいっ! ✍︎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 「迷子の最中、荷物持ちが混乱しているのを見れば、不思議とこちらの心は落ちつくからね」 「道連れにされる身にもなってください」 ✍︎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ きっと自分1人では出会えなかった本。 オススメしてくださった土瓶さんに感謝です ありがとうございます(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)) 『顔無し峠』がすきです 早く「わたしのサイクロプス」も読みたい!
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ブグ友さん達が揃って良い感想だったこの作品 まぁ素敵な装調だこと♪ イラストも雰囲気があるし、隠れたとこに金… エムブリヲ…エンブリオじゃないとこがまた良い! 奇譚物はそそりますしね(//∇//) キャラも内容もいいですね〜こんなの大好き! 「この迷い癖、度をこえてます」...
ブグ友さん達が揃って良い感想だったこの作品 まぁ素敵な装調だこと♪ イラストも雰囲気があるし、隠れたとこに金… エムブリヲ…エンブリオじゃないとこがまた良い! 奇譚物はそそりますしね(//∇//) キャラも内容もいいですね〜こんなの大好き! 「この迷い癖、度をこえてます」のとうりに 迷って迷っての不思議体験でございますm(_ _)m グロい体験もありますが、なんだか優しい話に思えてくる不思議… 最終話が素敵でした。 子供の頃の先生のお話 「さあ、行こう」と少年が言った タイトルも良いです(〃ω〃) 土瓶さん教えてくれてありがと〜♪
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9編からなる連作短編集。 この本を手に取るとまず、装丁が素晴らしい。 本当に美しいの。 栞が細い糸3本で出来ていて、これもまた雰囲気があって良い。 旅本作家の和泉蠟庵と荷物持ちの耳彦が、旅の道中に出会う不思議体験が、それぞれ短いストーリーにまとめられている。 ゾクッとする怪談話...
9編からなる連作短編集。 この本を手に取るとまず、装丁が素晴らしい。 本当に美しいの。 栞が細い糸3本で出来ていて、これもまた雰囲気があって良い。 旅本作家の和泉蠟庵と荷物持ちの耳彦が、旅の道中に出会う不思議体験が、それぞれ短いストーリーにまとめられている。 ゾクッとする怪談話、霊体験、不気味な話など。 全体的には、背中がひんやりする程度の心地良いホラーなんですが… 途中、トラウマになりそうな不気味な描写や、残酷で恐怖しかない描写もあるので、油断なりません(*_*; しかし、迷子癖があり、飄々とした雰囲気の鑞庵と、ダメ男の耳彦のコンビが怖さを和らげ、作品全体を温かく色付けていると感じます。 最終話は、締めくくりに相応しく、泣けるストーリーでした。 冒頭に書いた糸3本。 読み終えた今となっては髪の毛にしか思えない…コワ!
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この装幀の良きこと。装画山本タカトさんの怪しげな雰囲気よ。 そして、タイトル。“エンブリオ”ってくれば、一単語なのに、“エムブリヲ”ってなった途端に、艶やかな謎に包まれてしまう。言霊入魂。 温泉地を旅する、旅本作家・和泉蠟庵。その荷物持ちの旅の連れ合い耳彦。彼らが迷い辿り着く、旅...
この装幀の良きこと。装画山本タカトさんの怪しげな雰囲気よ。 そして、タイトル。“エンブリオ”ってくれば、一単語なのに、“エムブリヲ”ってなった途端に、艶やかな謎に包まれてしまう。言霊入魂。 温泉地を旅する、旅本作家・和泉蠟庵。その荷物持ちの旅の連れ合い耳彦。彼らが迷い辿り着く、旅先の綺譚集。怪談とか伝承とか民譚辺りの危ういところを読ませてくれる。地に足が着いた幽霊談。哀情の伝承というところ。 多少、気持ち悪い表現が入るのでご注意下さいね。
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