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エムブリヲ奇譚 の商品レビュー

4.2

73件のお客様レビュー

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2012/03/31

旅先で起こるさまざまな怪異を描く怪談連作短編集。当然怖いのはあるけれど、どこかしらしんみりさせられる物語も多いです。そして和泉蝋庵の迷い癖……ひどすぎるだろこれはっ!と思うのですが。その謎?もラストで明かされます。 お気に入りは「櫛を拾ってはならぬ」。正統派怪談話かと思いきや……...

旅先で起こるさまざまな怪異を描く怪談連作短編集。当然怖いのはあるけれど、どこかしらしんみりさせられる物語も多いです。そして和泉蝋庵の迷い癖……ひどすぎるだろこれはっ!と思うのですが。その謎?もラストで明かされます。 お気に入りは「櫛を拾ってはならぬ」。正統派怪談話かと思いきや……うーん、この真相のほうがずっと恐ろしく感じてしまいます。 「地獄」もいいなあ。一番凄惨な物語なのだけれど。最後に残っていたのがいったい誰だったのか、とても気になります。

Posted byブクログ

2012/03/27

(no.12-24) 連作短編集です。一応日本の江戸時代っぽい世界ですが、奇譚ですから・・・・。 『旅をする庶民のための道中記「道中旅鏡」の作者・和泉蝋庵は、他の本に紹介されていない温泉や風光明媚な土地を求め、噂や言い伝えを頼りに旅をしている。自分で確かめたことを書くために。 ...

(no.12-24) 連作短編集です。一応日本の江戸時代っぽい世界ですが、奇譚ですから・・・・。 『旅をする庶民のための道中記「道中旅鏡」の作者・和泉蝋庵は、他の本に紹介されていない温泉や風光明媚な土地を求め、噂や言い伝えを頼りに旅をしている。自分で確かめたことを書くために。 しかし蝋庵にはとても困った「癖」が・・・。それは迷い癖。真っ直ぐ歩いているはずがいつの間にかもとのところに戻ったり、後少しで着くはずの村にいつまでたってもたどり着けなかったり。そんな蝋庵の荷物持ち・耳彦が語る旅の話。』 ほとんどは耳彦が主人公ですが、蝋庵に関わったほかの人が主人公の編もありました。 もし映像で見せられたらとても正視できない場面も 多いのですが、語り口が淡々としているのでいつの間にかそんな場面もするっと読んでしまいます。何しろ本の題名にもなっている最初の編のエムブリヲは、ほんとにエンブリオ(胎児)ですから。それを世話するって・・・。でもあれは読後感が良かったわ。 9編収録されているので一編はそんなに長くありません。読み始めると後もう少しだけ~とついつい読んでしまい、中断するのが苦痛でした。 読後感が良いもの、辛いもの、いろいろでしたが、「耳彦、あんたはほんとに良い人だ~」とほめて上げたくなりました。耳彦自身の自己評価が低いんですもの。 蝋庵のことがあまりきちんと描かれていなかったのですが、最後の 「さあ行こう」と少年が言った で少し詳しいことが分かってよかったです。 内容と同じくらい素敵だったのが装丁です。繊細な栞紐にうっとり。気持ち悪いけれど美しい絵にうっとり。本をなでたりさすったり・・・。素晴らしい本を造った方たちに感謝したい! 読み手を選ぶ本だとは思いますが、私は嵌ってしまいました。 表紙の絵を見て大丈夫な方は是非読んでください! 作者の山白朝子さんは、O氏の別ペンネームです。 私はつい最近知りました。 とても良かったので、以前出た本も読もうと思います。 中田永一、山白朝子、もう他のペンネームはないよね~。 他にもあるって知ってる方は、教えてくださいね。

Posted byブクログ

2012/03/13

少し不思議で少し怖くて少しあったかい短編集。 久しぶりに好みの本に出逢えた気がします。 しかし「地獄」は強烈でした。

Posted byブクログ