エムブリヲ奇譚 の商品レビュー
かなりえぐくて苦手な方向の怖い話が多かったけど、面白かったのでするする読めた。最後のお話は爽やかで手放しで好き。本好きの女の子も耳彦も好き。
Posted by
山本タカトさんの表紙に惹かれて探し回って購入♡ 見開きのページも素敵だし、細〜い髪の毛のような3本のスピン(栞)も雰囲気あるな〜♡ そして本の内容もこの雰囲気にドンピシャでした!! 乙一さんの別名義。 ホラー部門が山白朝子さんという印象。 怪しくも美しい、昔話の怪談集といった...
山本タカトさんの表紙に惹かれて探し回って購入♡ 見開きのページも素敵だし、細〜い髪の毛のような3本のスピン(栞)も雰囲気あるな〜♡ そして本の内容もこの雰囲気にドンピシャでした!! 乙一さんの別名義。 ホラー部門が山白朝子さんという印象。 怪しくも美しい、昔話の怪談集といった感じ。 ホラーは苦手なんですが、ホラーと言ってもパッと読んでそんなに怖さは感じなかった。 ただ想像するとじわじわゾーっとする感じ。 幻想的で、不気味で、残酷で、それなのにクスッと笑えるとこや温かさもあったり、全てが上手く混ざり合って絶妙な雰囲気を醸し出してました。 飄々として掴みどころのない蠟庵先生と、ろくでなしだけど何故か憎めない耳彦とのコンビが凄く良かった。 1番ゾッとしたのは"〆"。 これはちょっとトラウマになりそう〜(´口`)↓︎↓︎ 読んだ後、このタイトルにゲッとなった。 好きだったのは"ラピスラズリ幻想" "湯煙事変" "「さあ、行こう」と少年が言った"の3篇♡ やっぱりちょっと怪しくも温かみのある話が好きだったな〜。 続編も買ってるので早めに読もう!
Posted by
美しく、切なく、怖くて不思議。どうこの本を表したらいいかわからない。今まで読んだどんな小説とも違う独特の雰囲気をまとった話が9話綴られている。とにかく誰かに読んでほしい一冊。
Posted by
長らく積読してましたが漸く読みました。物語の舞台は江戸時代。寺社参詣や湯治のために旅する人々は道中記や紀行本といった道先案内書を手に名所を巡っていた。和泉蠟庵はどんな本にも紹介されていない温泉や古刹を求めて諸国を訪ね歩く。しかし蠟庵にはかなり困った癖があった。どういう訳か必ず迷子...
長らく積読してましたが漸く読みました。物語の舞台は江戸時代。寺社参詣や湯治のために旅する人々は道中記や紀行本といった道先案内書を手に名所を巡っていた。和泉蠟庵はどんな本にも紹介されていない温泉や古刹を求めて諸国を訪ね歩く。しかし蠟庵にはかなり困った癖があった。どういう訳か必ず迷子になってしまうのだ。荷物持ちでお供する耳彦も彼の迷い癖に巻き込まれ、絶体絶命に陥ったり、不思議な体験をする。彼等の珍道中の行先は極楽か、はたまた地獄か。怪しく幻想的な連作短編集。装画が私の大好きな山本タカトさんということもあり、文庫も出てましたがハードカバーで買いました。物語の雰囲気や世界観にタカトさんの絵はぴったり。長髪で美青年な蠟庵先生の旅路をまた見たいです。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
乙一さんの別名義、と知らなかったらおそらくは手に取ることはなかったろうタイトルと装丁でした。知ってよかった! 旅に出ると必ず迷うという和泉蠟庵の物語。 表紙と、帯に書かれていた紹介分からもうちょっと読み辛いかなぁと思っていたけど読み始めたら面白くて次のお話次のお話!と止まらない。 ただ4話目の〆で、鶏が出た時点で題から察して小豆ちゃんの最後を予想してはいたのですが、食べられるものがあるのに可愛がっていた子を・・・というのがどうしても納得いかずにこれ以後耳彦が嫌いになった。〆られちゃうとしてもまさかそんなことでとは思わなかったから・・・。 そしてその話の後であの老婆への罵りである。 ただ最後まで読んだとこで思うのは耳彦というのは普通の男なんだろうなということ。普通の人にある情けなく醜い部分ばかりが目に付いちゃうというか、ろくでなしではあるけど情があって、自分の酷い行いに泣くくらいには普通の人。 と、耳彦の話ばかりになってしまいましたが、なにより蠟庵先生の懐の深さに惚れて読んでました。なので最後の少年のお話は凄く良かった!人間的魅力にあふれてるよ・・・! 一番印象に残ったのはラピスラズリ幻想。何度も自分自身の人生を繰り返す女性が最後に選んだのが・・・尊いというか愛おしい気持ちになれた。 とりあえず第二弾があるようなので読んでみようと思います。
Posted by
山白名義は初読。連作ホラーですが世界観が好きすぎて、一編読んで一度本を閉じて深呼吸したほどです。道中記を記すために旅する和泉蝋庵と付き人耳彦。方向音痴の和泉のために彼らは度々不思議なことに巡り合います。好みは「ラピスラズリ幻想」最後の彼女の満足感が伝わってきて涙がこぼれます。「〆...
山白名義は初読。連作ホラーですが世界観が好きすぎて、一編読んで一度本を閉じて深呼吸したほどです。道中記を記すために旅する和泉蝋庵と付き人耳彦。方向音痴の和泉のために彼らは度々不思議なことに巡り合います。好みは「ラピスラズリ幻想」最後の彼女の満足感が伝わってきて涙がこぼれます。「〆」「あるはずのない橋」では人間の身勝手さを嫌というほど突きつけられ、とても痛いです。「地獄」はまさしく一番怖いのは人間だと思わせられる一編。ラストの「「さあ、行こう」と少年が言った。」の締めが見事。どれも素晴らしかったです。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
栞にギョッとした。装丁にやられた。。 乙一のブラックな面が前面に押し出されている。。 深刻でグロいのに、爽やか?にさらりと描ききるのが 毎回本当にすごいと思うけれど 映像として想像すると。。。辛い。。 エムブリヲ奇譚 →序章、という感じ。 ラピスラズリ幻想 →結末は想像していたけれど、最期の選択には驚いた。。 一瞬でも、母親との邂逅はないのだなぁ。。 湯煙事変 →荷物持ちの知られざる過去。しんみり。 あるはずのない橋 →荷物持ちのある意味人間らしい一面。口調に驚いた。。物語だと美しく終わるけれど、実際は確かにそんなもんかもしれない。 顔無し峠 →荷物持ちにやたらフォーカスが。。 地獄 →これ、本当地獄。。乙一節炸裂。。 櫛を拾ってはならぬ →怪談でなく、故意の方がよほど怖い。。 「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った」を思い出した。 平野レミさんも、自分の母親は死なないって思ってた、と言ってたもんなぁ。。 「さあ、行こう」と少年が言った →地獄 でガチガチになってるところにこういう作品をラストで滑り込ませるから乙一氏はずるい。。 彼の迷い癖の秘密が少し明かされる。 再開した後、どんな展開になるかを想像して、ちょっと楽しい。
Posted by
乙一の小説は好きだが寡作なのが残念だと思っていたら別名で書いていることを先日知って早速読んでみた。帯の文句からは珍道中記的な印象を受けたがホラー色の強い連作集だった。筆名は違えどテイストは同じ。期待通りでした。
Posted by
乙一さんの別名義ですが、個人的には山白朝子名義のほうが好みです。 この単行本の表紙がとても綺麗で、帯も美しく、 栞はギョッとするほど凝っている(笑) これだから紙の本には電子書籍にはない味わいがあって良いですね。 不思議な話、懐かしさと悲しさを感じる話、背筋が寒くなるほど禍々...
乙一さんの別名義ですが、個人的には山白朝子名義のほうが好みです。 この単行本の表紙がとても綺麗で、帯も美しく、 栞はギョッとするほど凝っている(笑) これだから紙の本には電子書籍にはない味わいがあって良いですね。 不思議な話、懐かしさと悲しさを感じる話、背筋が寒くなるほど禍々しい話… 様々なタイプの短編が収録されています。 『あるはずのない橋』は、ほっこりしたと思ったら最後にあのオチ! 『地獄』は黒乙一を彷彿とさせる恐ろしさ。 『櫛を拾ってはならぬ』では、ついつい自分の周りの髪の毛を探してしまった。 続編が非常に楽しみ!
Posted by
社寺参詣や湯治のため庶民は諸国を旅するようになった。旅人たちは各地の案内をする道中記を手に名所旧跡を訪ね歩く。『道中旅鏡』の作者・和泉蝋庵はどんな本でも紹介されていない土地を求め、風光明媚な温泉や古刹の噂を聞いては旅をしていた。しかし実際にそれらがあった試しはない。その理由は蝋庵...
社寺参詣や湯治のため庶民は諸国を旅するようになった。旅人たちは各地の案内をする道中記を手に名所旧跡を訪ね歩く。『道中旅鏡』の作者・和泉蝋庵はどんな本でも紹介されていない土地を求め、風光明媚な温泉や古刹の噂を聞いては旅をしていた。しかし実際にそれらがあった試しはない。その理由は蝋庵の迷い癖にある。仲間とともに辿りつく場所は、極楽のごとき温泉地かこの世の地獄か。江戸――のような時代を舞台の奇妙な怪談連作。
Posted by