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赤頭巾ちゃん気をつけて の商品レビュー

3.7

69件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    15

  3. 3つ

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2015/07/26

東京紛争という混乱の時代に生きる青年の精神面の葛藤を描いたもの。といっても、主人公は紛争に参加するわけでもなく、さしたる事件もドラマもなく、内容は彼の内面にある青臭かったり政治的だったりとした心情、若い日の戯言を文章化したもの、という印象。 人によっては「そういう頃もあったかな」...

東京紛争という混乱の時代に生きる青年の精神面の葛藤を描いたもの。といっても、主人公は紛争に参加するわけでもなく、さしたる事件もドラマもなく、内容は彼の内面にある青臭かったり政治的だったりとした心情、若い日の戯言を文章化したもの、という印象。 人によっては「そういう頃もあったかな」と共感出来るかもしれないが、私には合わなかった。

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2015/04/15

自分の生まれ年、1969年の芥川賞で、若者を中心に一大ブームとなった作品。タイトルは耳にしたことはあったけどここまで触れ合うことはなし。偶然手にした雑誌で吉田照美が絶賛していたのが目にとまり、主人公が日比谷高校3年で、東大封鎖で受験できなくなった18歳ということで、息子に読ませよ...

自分の生まれ年、1969年の芥川賞で、若者を中心に一大ブームとなった作品。タイトルは耳にしたことはあったけどここまで触れ合うことはなし。偶然手にした雑誌で吉田照美が絶賛していたのが目にとまり、主人公が日比谷高校3年で、東大封鎖で受験できなくなった18歳ということで、息子に読ませようとレンタルした。 息子の感想は今ひとつだったが、彼が読みづらいと言った当時の若者言葉、饒舌的な文体はいまだ古くさくなく、みずみずしく輝いてるのに、私は感動。当時、相当な革新的な文体だったんだろうと、影響力の大きさが想像できる。ほかでも言われてるが、読み始めてすぐに、ライ麦畑でつかまえてを彷彿とした。村上春樹らにも影響を与えたらしい。 当時の文化、流行、人気女優の名前もふんだんに使われていて、それを見るだけでも興味深い。半分くらいは意味不明だったから、後でググって復習。「あなたって、ケーコートーね」というのは、「あなたって鈍いわね(灯りがつくのに時間がかかることから)」という意味らしく、今新たに使いたくなってくる。 それはさておき、筆者の知力は圧倒的だ。当時の日比谷高校スゴイ。もっと知らなくちゃいけないことあると、一人反省会中。

Posted byブクログ

2014/11/26

表紙はほとんど映りませんが、第11話(11月17日放送)に登場。青年の眼を通して現代社会の価値観の揺らぎを直視した、この伝説のミリオンセラーを読みながらも、真琴の心は、父のリストラで退学の危機に直面している教え子・根岸に向いているようです。

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2014/11/12

前半は若きウェルテルの悩みのようにつまらない。後半はきれいな小説になる。泣かせてくる。あとがきが意味不明。つける必要あるのか。

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2014/09/16

これは俺の話だ!と途中までは思ったんだけど、読み進めるにつれてなんか鼻につく部分が増えていってしまった。

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2014/07/26

男の子はいかに生くべきか。優しくてお坊ちゃんで素敵な薫くん。今は亡き日比谷高校(日比谷高校はあるけど、それの象徴する制度)に読みながら憧れる。こういう世界が昔はほんとに普通にあったようで、古き良き時代ってやつなのかな。

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2014/07/23

日本版ライ麦畑って感じ。 「ぼく」という一人称に代表される、口語体で、周りの定型化された大人を軽妙にからかったり、定まってない自分が見え隠れしたり。時代の雰囲気がよく伝わります。 ライ麦畑は背伸びしてるちぐはぐさまでうまく出てたけど、これはなんか冷めてる気がして好みではなかった...

日本版ライ麦畑って感じ。 「ぼく」という一人称に代表される、口語体で、周りの定型化された大人を軽妙にからかったり、定まってない自分が見え隠れしたり。時代の雰囲気がよく伝わります。 ライ麦畑は背伸びしてるちぐはぐさまでうまく出てたけど、これはなんか冷めてる気がして好みではなかった。

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2014/04/11

最初は主人公の恵まれた環境にケッてなった(笑)し'60年代はそうだったのかーとしか読めなかったけど、最後には共感。知性を持って、大きく優しい人間になる。私もそうなりたい‥。今でも、それはとても難しい。 こんな柔らかい文章でこんなことを書けるってすごい。

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2014/03/06

先日「戦後の幸福」がテーマの話を聞きにいった。その時に、村上春樹、エヴァンゲリオンと並んで、またサブカルチャーの走りと紹介されていたので興味が湧き手にとってみる。 高校三年生だった主人公が、志望していた東大が入試中止になり、大学進学を辞める話。文は主人公の思考がずらずらと続く。...

先日「戦後の幸福」がテーマの話を聞きにいった。その時に、村上春樹、エヴァンゲリオンと並んで、またサブカルチャーの走りと紹介されていたので興味が湧き手にとってみる。 高校三年生だった主人公が、志望していた東大が入試中止になり、大学進学を辞める話。文は主人公の思考がずらずらと続く。共感できず、面白さが分からない。学生運動の時代の人にはウケた話なんだろうな。「回りには熱い奴が沢山いるが、同調できない感」が共感を読んだのだろうか?

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2014/02/08

 庄司薫の4部作は、ずいぶん昔に読んだきりだったと思う。後半の2作は手元にあるので時々読み返していたが、前半2冊はとんとご無沙汰であった。最初に読んだときには、そちらの方が楽しく読めたにもかかわらず。朝日新聞に記事が載っていたのをきっかけに、改めて読んでみた。  ともあれ、懐か...

 庄司薫の4部作は、ずいぶん昔に読んだきりだったと思う。後半の2作は手元にあるので時々読み返していたが、前半2冊はとんとご無沙汰であった。最初に読んだときには、そちらの方が楽しく読めたにもかかわらず。朝日新聞に記事が載っていたのをきっかけに、改めて読んでみた。  ともあれ、懐かしい饒舌な文体。僕自身の文章の書き方、ずいぶん影響されているんだなと妙な発見をした。ぐだぐたと話が混乱していったり(もちろん庄司薫の場合は確信犯)、断定をしないで保留を繰り返す感じが、思考のあり方とぴったり合っていて、妙な快感がある(時々いらつくけれど)。  そしてその特色ある文体で描かれるのは、もうある意味で時代小説と言っていいような、ある一時期の男の子の一日である。  僕はかろじてその時代の気分を味わっているつもりでいる。で、そのことを少しうれしく思っていたりする。この作品の中で書かれている「鼻持ちならない」日比谷高校の姿なども、わりあいリアルにわかる。自分もそういう風に吹かれていて(もう止みそうなそよ風だったが)、それに影響されていたと自負していると言ってもいいかもしれない。だから、主人公庄司薫君の独白は、ほとんど自分の独白のような気持ちで読むことができる。  まあ、彼のような高みにいけたことは一度もないし、彼のように真剣に試作していただけではない。ただ思考の道筋とか、土台となっているものとか、そういうものがよくわかるのだ。そして、僕自身もそういった年代で、多かれ少なかれ同じような自問自答を繰り返していて、たぶん今もそれが続いているのだとはっきり感じる。  そういう意味で、うんとなじめる本だった。また、今の自分について、ちょっとした発見をくれた再読だった。  が、小説としておもしろかったかどうかは別。女医さんとの出来事のような楽しいところもあるけれど、至極淡々と一日が過ぎて行くような印象で、特に終わり方がもうひとつピンとこない。一人で勝手に盛り上がり(盛り下がり?)、一人で勝手に解決しているような気がしてしまった。個人の中で大切なことって、横から見ているとそういうことが多いのかもしれないけど、小説としては少し物足りないように思う。 そういう点では、4部作の序章って感じがする。単独で読むのでは、本当の魅力は伝わってこない物足りなさがある気がした。 注 四部作の順番は、僕的には赤白黒青です。出版順では白と黒が入れ替わるのですが、作中時間と主人公の成長でこっちの説です。

Posted byブクログ