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赤頭巾ちゃん気をつけて の商品レビュー

3.7

69件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    15

  3. 3つ

    16

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2024/09/29

1人の青年が色んなものに触れ、色んな人に関わり 自分なりの答えを出していく。 その考えが、明日には変わっていても それはそれでいいと思う。 そうやって、ああでもない、こうでもない 自分なんて大嫌い、いやいや結構イケてるやつ なんてぐるぐる考える時期が必要なんだと思う。

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2024/06/11

著者、庄司薫さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。 ---引用開始 庄司 薫(しょうじ かおる、1937年4月19日 - )は日本の小説家。本名は福田章二(ふくだ しょうじ)。 ---引用終了 現在、87歳になります。 そして、最近...

著者、庄司薫さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。 ---引用開始 庄司 薫(しょうじ かおる、1937年4月19日 - )は日本の小説家。本名は福田章二(ふくだ しょうじ)。 ---引用終了 現在、87歳になります。 そして、最近知ったのですが、配偶者はピアニストの中村紘子さん(1944~2016)。 で、本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 学生運動の煽りを受け、東大入試が中止になるという災難に見舞われた日比谷高校三年の薫くん。そのうえ愛犬が死に、幼馴染の由美と絶交し、踏んだり蹴ったりの一日がスタートするが-。真の知性とは何か。戦後民主主義はどこまで到達できるのか。青年の眼で、現代日本に通底する価値観の揺らぎを直視し、今なお斬新な文体による青春小説の最高傑作。「あわや半世紀のあとがき」収録。 ---引用終了 本書の書き出しは、  ぼくは時々、世界中の電話という電話は、みんな母親という女性たちのお膝の上かなんかにのているのじゃないかと思うことがある。特に女友達にかける時なんかがそうで、どういうわけが、必ず「ママ」が出てくるのだ。 で、携帯電話がなく、家庭には固定電話しかなかった時代で、電話をかけた時に、家族の誰が出てくるのかわからなかった昭和時代を思い出します。 ついでに書くと、1960年代、私が小学生になる前のことだったと思いますが、家にはまだ固定電話もなく、比較的早く電話をひいた隣家に電話をかけてもらい、隣人に呼びにきてもらって、隣家の電話を借りるということがありました。

Posted byブクログ

2024/05/24

一番好きな作品。純文学でいながら意味のある内容で読みやすい。東大紛争とかまったく知らないけど、この主人公と書き方が凄い好み。

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2024/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

性の誘惑に負けず(?)まわり道しながらまわり道しながら一生懸命に僕の正しさとは何かを、問い続けるボクの話。村上春樹よりも、直球で面倒臭さがない。幼馴染の由美が根気強くボクを諦めずに支えてくれるといいね。 この本に出てくる性の誘惑の権化ネキのタバコの銘柄がショートポープでそれ以来ショートホープに落ち着いてしまったけど、オジサンって引かれました

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2024/04/14

書き出しがめちゃくちゃいいね 薫くんはとってもおしゃべりさん "それ"が多くてこんがらがった 友情!恋!LOVE!

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2024/02/07

いやったらしい奴の正に無駄でつまらない独白。時代のエネルギーは感じたけど、なぜ手に取ってしまったのか。

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2023/07/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

藍色1969 正直言って仕舞えばとにかく読みにくいし、分からない内容も多いし、読みものとしては最悪 でも考えが重なる部分もあり、エリートの話とかもののあはれの話とか今の自分に必要な話だったと思う(それか今自分が必要な部分だけを都合良く解釈してるだけか笑)。 それに初めて昭和の本を読んだ。不思議な感覚だった。良い経験をした。 ーー---------------------------------------- 「一指導者の幼年時代」サルトル 第一は「ゴマすり型」 優等生、秀才、エリートという言葉に対して、オレはそうじゃない、これはこんなに馬鹿です、間抜けです、欠点だらけです、愛すべき男ですとふれまわるようなやり方。 「話せるやつ」とか言われるのを楽しみとし 第二は「居直り型」 みんなの非難に対しそうさオレはどうせ秀才だ、エリートだ、それがどうしたってな具合に開き直ってしまうやり方 マキャベルリの『君主論』「愛されるか恐れられるか」 第三は「亡命型」趣味型 やらなきゃいけないことだけさっさとすまして、あとの能力を音楽や芸術みたいな芸術鑑賞を初め、碁だとか釣りだとか骨董だとか庭いじりだとか女の子(?)だといった趣味に猛烈に凝ることに使うタイプ。 もともと優秀な人はやる (113ページ)

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2023/03/19

東大紛争のあおりを受け、東大入試中止が決まったある春の1日を、主人公である薫くん目線で思弁的に描いている。 書かれたのは1969年、庄司薫が32歳のときで、作者は同作で芥川賞を受賞し、作品はミリオンセラーになったらしい。1969年というと村上龍の『限りなく透明に近いブルー(197...

東大紛争のあおりを受け、東大入試中止が決まったある春の1日を、主人公である薫くん目線で思弁的に描いている。 書かれたのは1969年、庄司薫が32歳のときで、作者は同作で芥川賞を受賞し、作品はミリオンセラーになったらしい。1969年というと村上龍の『限りなく透明に近いブルー(1976年)』の7年前、村上春樹の『風の歌を聴け(1979年)』のちょうど10年前になる。あと69年は三島由紀夫が亡くなった70年の1年前にもあたり、2023年の現在からだと54年前にもなる。 いろいろと年代で比較してみたのは、東大紛争、東大入試中止、さまようエリート、若者のエゴと、本作がまさに時代をかたどったタイプの小説だからだ。主人公の薫くんは東大入学者数で灘と1,2を争う(当時)日比谷高校に通う3年生で、エリートという但し書きはあるものの、今から50年も前の時代の様子や精神をのぞき見ることができる面白い小説だと思った。 なんというか共産主義という考え方にみんなが諦める以前の、みんながまだ共産主義にわくわくしていた時代の、思想のぶつかり合いとでもいうような熱気があって、そういった熱気は友達と芸術論でやりあうシーンにもある。 熱いと思わせるのは、薫くんの表現がところどころ、彼の言い方で言うと「激烈」で、まさに若者らしいエゴ全開な感じがするからだと思う。 文体も今から50年前とは思えないくらい平易で読みやすくて、内容も含めて全体的によかった。

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2023/01/31

これまで個人的に愛読してきた小説の影響をガンガンに受けて「面白すぎる..」って始終ニヤニヤしながら読み切った。 インテリ学生の若いエゴと独白スタイルといい、「めげちゃうね」「参ったね」「ぶっとんじまった」みたいな調子といい、ライ麦畑日本学生版を読んでる感覚だった。 庄司薫的にはこ...

これまで個人的に愛読してきた小説の影響をガンガンに受けて「面白すぎる..」って始終ニヤニヤしながら読み切った。 インテリ学生の若いエゴと独白スタイルといい、「めげちゃうね」「参ったね」「ぶっとんじまった」みたいな調子といい、ライ麦畑日本学生版を読んでる感覚だった。 庄司薫的にはこの小説を「ライ麦だ」なんて感性を持つ奴は「品性下劣」らしいし「舌噛んで死んじゃう」べきなんだろうけど、そう言われてもモチーフが酷似してるって...って突っ込みたくなる。 感性が魅力的なヒス気味の女の子とか、いちいち趣味嗜好の知性レベルに突っかかってくる同級生とか、ラストシーンちいさな女の子をきっかけに雨が上がって光が差してるような感じとか、ライ麦連想しても仕方ないと思うけどってモヤつくけど、ホールデン風に言えば「ちょっと電話をかけて話したくなっちゃう」作家だった。 ↓特に好きだったところ …………. 「エンペドクレスって、世界で一番最初に、純粋に形而上学的な悩みから自殺したんですって。」 「へえ。」 「それでヴォスヴァイオスの火口に身を投げたんだけど、あとにサンダルが残っていて、きちんとそろえてあったんですって。」 「素敵ね、エンペドクレスって。」 「うん(?)」 「サンダルがきちんとそろえて脱いであったんですって。いいわあ。」 ............ 最高すぎて舌かんで死んじゃいたいわ!

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2022/05/09

村上春樹以前の「ぼく」小説 始  ぼくは時々、世界中の電話という電話は、みんな母親という女性たちのお膝の上かなんかにのっているのじゃないかと思うことがある。 終  ぼくは由美とそっと手をつないでゆっくりゆっくりと歩きながら、何度も何度も同じことを繰り返し考えた。ぼくには、この...

村上春樹以前の「ぼく」小説 始  ぼくは時々、世界中の電話という電話は、みんな母親という女性たちのお膝の上かなんかにのっているのじゃないかと思うことがある。 終  ぼくは由美とそっと手をつないでゆっくりゆっくりと歩きながら、何度も何度も同じことを繰り返し考えた。ぼくには、このいまぼくから生まれたけっしんが、それがまるで馬鹿みたいなもの、みんなに言ったらきっと笑われるような子供みたいなものであっても、それがぼくのこれからの人生で、このぼくがぶつかるさまざまな戦い、さまざまな苦しい戦いのさ中に、必ずスレスレのところでぼくを助けぼくを支えぼくを頑張らせる大事な大事なものになるだろうということが、はっきりとはっきりと分ったように思えたのだ。

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