晴天の迷いクジラ の商品レビュー
痛くって泣いた。 痛くって苦しくって でもやさしい気もして。 生きるって大変だね。 辛い、苦しい。 それでも人は生きていくんだ。 ちっとも幸せになれそうもないし 好転しそうもないのに。 『死ぬなよ』ただそう一言。 クジラがいつか死ぬように 人も死ぬのよ。 生きることも死ぬこと...
痛くって泣いた。 痛くって苦しくって でもやさしい気もして。 生きるって大変だね。 辛い、苦しい。 それでも人は生きていくんだ。 ちっとも幸せになれそうもないし 好転しそうもないのに。 『死ぬなよ』ただそう一言。 クジラがいつか死ぬように 人も死ぬのよ。 生きることも死ぬことも 当たり前のことなのよ。 自然なこと。
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一生懸命に悩みながらも生きてきたのにうまく行かなくなった3人が偶然にも出会って、迷いこんでしまったクジラを見に行く。どうなるかなんて分からないし、この先も何があるかなんで分からない。それでも、踏み出したことで何かが変わるかもしれないと思いたくなる一冊。
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クジラの気持ちなんて知らない。人間に置き換える必要なんてまるでない。だけど息苦しいこの時代、何かに縋りつきたくなるのは仕方のないことだから、明日も明後日もクジラが生きていてくれればと思う。そしてその分だけ自分も生きようと思う。目を閉じなければきっと希望はどこかに転がってる。そう信...
クジラの気持ちなんて知らない。人間に置き換える必要なんてまるでない。だけど息苦しいこの時代、何かに縋りつきたくなるのは仕方のないことだから、明日も明後日もクジラが生きていてくれればと思う。そしてその分だけ自分も生きようと思う。目を閉じなければきっと希望はどこかに転がってる。そう信じさせてくれるこの小説こそが現代の希望だ。
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死んじゃってもいいや…。と思う瞬間。 死ぬな、と強引に引きとめ合い、 ひょんなことから迷い込んだクジラを見に行く3人。 海が見たくなる。
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これもおすすめされた1冊。 あー、生きるってこう言うことだ・・・。 生きたいと強く願って死んでいった人の明日を自分は生きてる。 死んでしまった人の分も美味しい物を沢山食べて、笑って、泣いて、色々な場所に行って沢山のことを体験しなきゃいけない。 酷く立ち直れないぐらい落ち込んだとき...
これもおすすめされた1冊。 あー、生きるってこう言うことだ・・・。 生きたいと強く願って死んでいった人の明日を自分は生きてる。 死んでしまった人の分も美味しい物を沢山食べて、笑って、泣いて、色々な場所に行って沢山のことを体験しなきゃいけない。 酷く立ち直れないぐらい落ち込んだときに読めばきっと救いになる1冊だと思った。
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※このレビューにはネタバレを含みます
きれいなタイトルに魅かれて読んでみました。 そして読み終わってみると 無性に海が見たくなっていました。 仕事も恋も上手く行かず、うつ病になってしまった青年。 自分の全てを注ぎ込んできた会社を倒産させてしまった女社長。 母親の異常なまでの束縛と過干渉が原因で、リストカットを繰り返す女子高生。 自殺しようとしていた三人が出会い 一緒に入り江に迷い込んでしまったクジラを見物にでかけます。 それぞれの章で語られる三人の人生の一つ一つの出来事がとても胸に沁みます。 生まれて来る環境は誰も選ぶことはできないのに そのために背負ってしまった荷物の重さが ジワジワと三人の人生を追い詰めていくのです。 生きる目標なんてなくていい 楽しい毎日や夢を見ることもないかもしれないけれど、 それでもただ生きていてほしいと 不器用に生きることしかできない三人に 心からエールを送りたくなりました。
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ベタベタせず、突き放してる。でもなんとなくあたたかい。疲れてしまった人にはちょうどいい距離感だと思った。 モヤモヤが晴れた訳じゃないけど、ぼんやりと許された感じがした。 無理にクジラや何かに自分の人生を重ねなくてもいい。 別に何かの隠喩でもないし暗示もしてないし、それをどうにか...
ベタベタせず、突き放してる。でもなんとなくあたたかい。疲れてしまった人にはちょうどいい距離感だと思った。 モヤモヤが晴れた訳じゃないけど、ぼんやりと許された感じがした。 無理にクジラや何かに自分の人生を重ねなくてもいい。 別に何かの隠喩でもないし暗示もしてないし、それをどうにかするかしないかは何かに繋がっている訳ではない、影響しない。 何かしなくたっていい。 とにかく生きていればそれでいい。 最後の1番の見せ場のシーンがよく分からなかったのは残念。 海老君と忍がいてよかったな。あの2人は大好き。
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※このレビューにはネタバレを含みます
主人公の3人の過去、抱えている傷、現在の事情がじっくりと丁寧に描かれています。 歪んだ愛情の中で育ち、重苦しい環境から逃れられないその心情は痛々しく、心が壊れていく音が聞こえてくるようです。望まずして、そう生きるしかなかった3人。追い込まれても懸命に生きてきたけど、どうしようもなくなり行き詰まります。 3つの不幸が出会い、迷いクジラを見に行った先で出会う人々の控えめな優しさに生気を取り戻していきます。 前半の濃密さに比べ、後半がちょっと雑に感じでしまうのが残念です。正子を助けるシーンがわかりづらく画がイメージしづらい。 劇的に3人の運命が変わるわけではなく、ただ「死なない」という方向に転換する小さな変化だけど、頑張ろうと思える希望につながっている終わり方はよかったかな。
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どん底まで落ちた人間は、もう一度生きることをはじめることができる。 「生きたい」という気持ちを持つことができる。 そんな救いのある小説。 …だけど。 最後の最後までずっと息苦しかった、生々しかった。重い小説は好きで結構読むけど、これはなんか特別重かった。 それぞれの置かれた環境...
どん底まで落ちた人間は、もう一度生きることをはじめることができる。 「生きたい」という気持ちを持つことができる。 そんな救いのある小説。 …だけど。 最後の最後までずっと息苦しかった、生々しかった。重い小説は好きで結構読むけど、これはなんか特別重かった。 それぞれの置かれた環境を可愛そうに思ったとか苦しくなったというわけじゃなくて、過程は違えどみんな苦しいという意味では、私も同じだと思ったから、まるで自分の話のようだった。 読んでるときは全く泣く気配なかったのに、読みきった瞬間すごく涙が出た。救われる、の疑似体験になったのかも。
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デザイン会社に勤める由人は、失恋と激務でうつを発症した。社長の野乃花は、潰れゆく会社とともに人生を終わらせる決意をした。死を選ぶ前にと、湾に迷い込んだクジラを見に南の半島へ向かった二人は、道中、女子高生の正子を拾う。母との関係で心を壊した彼女もまた、生きることを止めようとしていた...
デザイン会社に勤める由人は、失恋と激務でうつを発症した。社長の野乃花は、潰れゆく会社とともに人生を終わらせる決意をした。死を選ぶ前にと、湾に迷い込んだクジラを見に南の半島へ向かった二人は、道中、女子高生の正子を拾う。母との関係で心を壊した彼女もまた、生きることを止めようとしていた――。 ------------ それぞれ、心を病んでいる状態の人間の変化が、とてもリアリティがあって怖いけれど、行く末が気になって読み進めてしまう作品。現実では、壊れることはあっても救われることは少ないような気がするからこそ、物語のなかだけでも、救われる道が見える終わり方がよかった。
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