晴天の迷いクジラ の商品レビュー
初の窪美澄さん。 登場人物のギリギリの危うさになんだか惹かれてしまう。 でもそこには悲愴感みたいなものは不思議となくて、オドロオドロしい感じもなくただただ生きていく強さみたいなものを感じた。 その中でそれぞれが抱える業のようなものーそれはきっと自分自身を受け入れることなのかなー ...
初の窪美澄さん。 登場人物のギリギリの危うさになんだか惹かれてしまう。 でもそこには悲愴感みたいなものは不思議となくて、オドロオドロしい感じもなくただただ生きていく強さみたいなものを感じた。 その中でそれぞれが抱える業のようなものーそれはきっと自分自身を受け入れることなのかなー をお互いの交わりの中での削ぎ落としていくような。 ただ野乃花は救われたのかな? そこは背負い続けていくべきものなのかな。 自然涙が出た。 読んで良かったなあと思える1冊。
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とても感動した。生きるのに意味なんて必要ないのかもしれない。ただ息をしているだけでは生きられないけど、息をしているように生きられたら、人は幸せになれるのかもしれない。いい本だった。
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いけてない母親が何人も登場し、それが主旨でないにも関わらず、親の影響というものをほとほと強く感じさせた作品。 そう言うことが言いたい本じゃないのはわかってるけど、親であるとどうしてもそこに囚われる。鬱々となりながら読んだ
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「ふがいない僕は空を見た」が結構好きだったので、読んでみました。 読みやすくて良いと思う。 個人的には、社長のお話から始まっても良かったのかも、とは思う。 私は彼女の生い立ちの章が一番好きだったから。 正子ちゃんは社長にすごい怒ってたけど、結局あれって解決したのかな…? そ...
「ふがいない僕は空を見た」が結構好きだったので、読んでみました。 読みやすくて良いと思う。 個人的には、社長のお話から始まっても良かったのかも、とは思う。 私は彼女の生い立ちの章が一番好きだったから。 正子ちゃんは社長にすごい怒ってたけど、結局あれって解決したのかな…? それぞれ悩みを抱えた三人だったけれど、”死”という選択肢を外すことができて良かったと思う。
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みんな苦しくて、苦しいことに耐えるのが当たり前みたいで、でも本当は呼吸がすごく楽なんだって思い出す。低い場所からはじまって、気づくと泣いちゃう。
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男女3人がそれぞれの人生の中での挫折をかかえて、クジラが迷い込んだ入り江の町で時間を共有する小説。リアリティをもって語られるそれぞれの人生や、町で出会うおばあさんの生き方に共感を覚える。
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由人、野乃花、正子。三者三様の生き辛い事情を抱えている、この物語の主人公たち。ふとしたきっかけで座礁したクジラを一目みてから死のうとするが・・・。 3人のそれぞれの物語は過去から遡り、軽すぎず重すぎず、でも読み手の心にその痛みが素直に入ってくる、絶妙なさじ加減のエピソードでした...
由人、野乃花、正子。三者三様の生き辛い事情を抱えている、この物語の主人公たち。ふとしたきっかけで座礁したクジラを一目みてから死のうとするが・・・。 3人のそれぞれの物語は過去から遡り、軽すぎず重すぎず、でも読み手の心にその痛みが素直に入ってくる、絶妙なさじ加減のエピソードでした。(もっと掘り下げれば、3冊の本ができてしまいそう。) 彼と彼女らは、旅先で出会った人々の温かい心に触れて、そんな人たちにもやはり辛い過去があって、一人では冷たくて仕方なかった指先を、誰かに温めてもらったり、もうダメだと思っていた自分が、誰かを温めることができると知ったとき。。「まだ、頑張れるかもしれない。もう少し、生きてみようか」と思い至ったりするんだろうな・・・そんな読後感でした。 くじらの描写もよかった。一度座礁したクジラが沖に帰っても2日以内の生存率は半分だそうだ。それでも、クジラは納得してその生を閉じるだろう。やれることはやったのだから。 (だけど僕は死なない。たぶん。)
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うつ病一歩手前のデザイン会社社員由人、その会社の女社長で倒産間近の会社とともに自殺を決意した野乃花。親友を亡くし、母親からの過剰な干渉で自分を見失った正子。三人の壊れていく過程と再生を描いた小説。 第一章では由人がうつ病一歩手前まで追い込まれるまで第二章では野乃花が会社を追...
うつ病一歩手前のデザイン会社社員由人、その会社の女社長で倒産間近の会社とともに自殺を決意した野乃花。親友を亡くし、母親からの過剰な干渉で自分を見失った正子。三人の壊れていく過程と再生を描いた小説。 第一章では由人がうつ病一歩手前まで追い込まれるまで第二章では野乃花が会社を追い込んでしまうまで、第三章では正子が自分を見失い、たまたま由人と野乃花と出会うまで、 そして第四章で、なぜか田舎の湾に迷い込んだクジラを見に行くことになった三人の小さな田舎町での生活が描かれます。 それぞれのエピソードがどれも濃かったです。どれも親子関係が一つの大きなテーマとなっています。 母親からの過干渉に悩む正子や逆に兄妹ばかりにかまけて、自分に振り向いてもらえない由人の問題や、その親たちに感情移入しきれないというところがありました。 ただ野乃花の章の素朴な絵が大好きだった少女が壊れてしまう描写が迫力があって印象的でした。 4章のメッセージがとてもまっすぐでした。小難しい理屈とか建前だとか何も言わず、ただ”生きる”ということを肯定するのって簡単なようで難しいような気がします。 だからこそストレートに、そうしたことを伝えるこの本が少しまぶしく感じました。 あと田舎町の人たちの描写がよくて、そのためかこの人たちと関わったおかげで三人が再生していく描写もとても自然に受け入れることができました。 第3回山田風太郎賞 2013年本屋大賞6位
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ふがいない僕が傑作だったので違う作品も読んでみたけど、これは微妙 普通に「良い話」になってて、素直に感動できない 予定調和感がありすぎ、鯨という道具は面白くはあるけど面白いだけで終わってるような この作者はもっと絡まった糸を持ってる人だと思うんだが 構成もふがいないとそっくり ...
ふがいない僕が傑作だったので違う作品も読んでみたけど、これは微妙 普通に「良い話」になってて、素直に感動できない 予定調和感がありすぎ、鯨という道具は面白くはあるけど面白いだけで終わってるような この作者はもっと絡まった糸を持ってる人だと思うんだが 構成もふがいないとそっくり 期待しすぎだったのかもしれない、ふがいないの前に読んでたらそれなりだったのかも でも本作はふがいないの後の作品 ふがいないが傑作すぎて超えるのが難しいのかも??
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
限界を越えた激務に加え、家族の不幸、失恋が重なり、燃え尽きた青年と、その青年の勤める会社の社長でこちらも激務に加え会社が潰れた心労から自殺を図ろうとするが、ふとTVに写っていた迷いクジラを見に行こうとなる。死ぬのはそれからでも遅くないのではと。 クジラを観に行く道すがら、家庭に問題を持つ少女も乗せて、一行はクジラを観に行く。 各キャラクターの過去を語る部分が大半を閉めているが、各々に地獄を経験しており、ちょうど人生の落とし穴にはまってしまったような印象。 そのクジラを見に行った辺り。明日も頑張ろうと思えるよい本。 感動する。
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