さよならのあとで の商品レビュー
これは、良かった。親友を亡くした。家族を亡くした。そんな辛い経験をお持ちのあなたに、心に寄り添うような言葉たちはいかがでしょうか?余白もイラストも手に取った触感さえも、癒されます。
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夏葉社の島田潤一郎さんが、若くして亡くなった従兄弟とそのご家族のためにつくった本。この一冊を出版するために出版社をつくったと本の中で言っていたぐらいです。 この本が出来上がるまでの苦悩を知っているぶん、ひとつひとつのイラストや余白まで考えつくされてるんだろうなーとしみじみ。 I...
夏葉社の島田潤一郎さんが、若くして亡くなった従兄弟とそのご家族のためにつくった本。この一冊を出版するために出版社をつくったと本の中で言っていたぐらいです。 この本が出来上がるまでの苦悩を知っているぶん、ひとつひとつのイラストや余白まで考えつくされてるんだろうなーとしみじみ。 I am just waiting for you, for an interval. somewhere very near, just around the corner. 立て続けに姉と母を亡くした、私の母に送る本。
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これはヤバイ。 何度読んでもウルウルしてしまう。 特に身近な人を亡くしてしまった経験も ない私なのに。 そういう状況になったら また是非読みたい。
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大切な人を失った時に読みたい本、というか詩集です。翻訳と原文、空白を置いてシンプルな描線イラストが優しい感じ。装丁もシンプル。 今の私には幸い、そういう深い悲しみと縁がないので、いつかくるであろう、その時に思い出そう。
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優しい文章、優しい挿絵、美しい佇まい。 優しく、美しいだけじゃない、心に響く本。 生まれて初めて本を読み返した。 きっとこの先、何度も読み返すと思う。
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いちばん大きなかなしみに。 文字は少ないが、行間は深いと思う。 42行の言葉が、何かを伝えてくる。
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肌色がかった紙のおおきな余白に浮かぶ言葉は、ひと匙ひと匙が、ザラメのように胸にゆっくりと溶ける。まるで大きな白い皿に盛られたひと匙の料理をゆっくりと味わうように。亡き人の葬儀で朗読したい一遍。
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表紙のまんなかに描かれたかわいらしい花が目をひく。けれど花はこうべを垂れ、しおれているように見える。あたかもこの本を手にとっただれかがいま感じているかもしれず、そうでなくともいつかは直面せざるをえないあの重たい感情が、かりそめの花となって一冊の詩集によりそい、咲いているかのよう...
表紙のまんなかに描かれたかわいらしい花が目をひく。けれど花はこうべを垂れ、しおれているように見える。あたかもこの本を手にとっただれかがいま感じているかもしれず、そうでなくともいつかは直面せざるをえないあの重たい感情が、かりそめの花となって一冊の詩集によりそい、咲いているかのように。 本書は、亡くなった「私」から残された「あなた」につたえられる、「さよならのあと」の言葉として編まれている。「あなた」はもちろん私たち読者を指すけれど、もしかしたら、しおれかけた花のことかもしれない。うちひしがれ、しかしそれでも生きていかなければならない花にむけて、「私」は透きとおった水のようなメッセージをそそいでくれる。 死はなんでもないものです。 私はただ となりの部屋にそっと移っただけ。 まるで雨上がりの葉先から、あかるい日射しに押されたしずくがぽたぽたとこぼれ落ちるようなやわらかさで、言葉は頁のまんなかにひとつ、またひとつ、したたり落ちていく。あいまに添えられた挿絵は、なつかしい思い出を描いたようなやさしい輪郭で、私たちの目もとをゆるめてくれる。そうして生まれた波紋は頁の内側の余白へ、さらにその外側の余白へと、しずかにひろがっていく。 私の名前がこれまでどおり ありふれた言葉として呼ばれますように。 私の名前が なんの努力もいらずに自然に あなたの口の端にのぼりますように。 私の名前が 少しの暗いかげもなく 話されますように。 言葉そのものはとてもみじかい。手にもったときの厚みとはうらはらに、字を追うだけならたったの一分で、このつたないレビューを読むよりも早く、読めてしまう。にもかかわらず一分の読書以上のことを感じられたなら、それはこの詩集のほとんどをつつみこむ余白によって、私たちの記憶がよびさまされたからではないか。つい昨日のことのように思い出されるその声、そのほほえみ、その名前。他のだれでもない私たち個々の経験をどう思い出し、受けとめるかによって、余白の上にうかびあがる日々はいかようにでも着色されていく。 とともに、タイトルから奥付までのあいだで唯一、見開きすべてが空白でぬりつぶされた箇所がある。個々の具体的な経験をこえて私たちにひとしく迫りくる出来事の変えがたさを、これほど端的に、これほど静謐にしめしているのは、本書をつうじておそらくここだけではないか。 つまるところ、この一編のみじかい詩は、空白の出来事と残された余白とのつきあい方をめぐる、「私」からの応答なのだと思う。これまでどおりの自然さを大切にして、と語られた「あなた」は、さて、余白のような時間をどんな色でぬっていくだろうか。 表紙の花にひかれるようにして詩集をひもといていくと、それによく似た花が白い地面のうえで咲いているのに出会う。花はあいかわらず元気がないように見える。でもそのまわりに咲く他の花々が、地面をすこしだけにぎやかにしている。そして花のそばには木の枝があって、枝の先にはつぼみがほころんでいる。冬のあとにはそれでもやっぱり春がめぐってくる、だから「すべてはよし」だよ、と花にむかってほほえんでいるかのように。
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わたしがいつかあらかじめ死んじゃうことがわかるときがきてしまったら、大切なひとに残しておきたいと思った。
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表参道のギャラリー・山陽堂さんにて出会う。 『さよならのあとで』展に寄せた夏葉社・島田さんの言葉に心震えて購入。 大切な人に渡すのは傲慢かなあとか悩みつつ、贈りたい想いと、届くかなあという不安の間で、ゆらゆらとしてました。
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